今日は欧州歴訪の件です。思った以上に記事が少ないのが何とも・・・(汗)今日は引用多めで本文は少なめです。

昨年までの首相の外交の動きは官邸HPを見ればわかると思います。


今回の歴訪について外務省のHPより紹介します。

安倍総理大臣のオランダ及び英国訪問 | 外務省

日蘭首脳会談 | 外務省

1 冒頭
(1)ルッテ首相から,オランダと日本の間の貿易の大きな拠点となっており,日・オランダ間の協力の象徴であるここロッテルダムに,安倍総理をお迎えで嬉しい旨述べました。これに対し,安倍総理大臣から,約4年10か月ぶりにオランダを訪問できうれしく思う,普遍的価値を共有する重要な戦略的パートナーであり,欧州で枢要な役割を果たすオランダとの関係を重視している旨述べました。

(2)安倍総理大臣から,改めて本年のG20大阪サミットにオランダを招待することを決定した旨述べました。また,両首脳は,自由貿易等国際場裡での協力も含め,緊密に連携していくことで一致しました。

2 G20
(1)ルッテ首相は,G20大阪サミットへの招待に感謝すると述べ,安倍総理大臣からは,本年のG20では,経済成長と格差への対処の同時達成,環境・地球規模課題への貢献を通じて,緊密に連携していきたい旨述べました。

(2)両首脳は,気候変動,海洋プラスチックごみ問題への対応や高齢化社会を始めとする社会的課題の解決へのイノベーションの活用につき,両国で協力していくことで一致しました。

3 二国間関係
 両首脳は,2015年の「持続的な平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」の策定以降,農業分野での協力や経済交流等を歓迎し,今後もさらに協力を強化していく旨述べました。

4 英国のEU離脱
(1)安倍総理大臣から,英国のEU離脱は企業活動及び世界経済にも関わる課題である旨述べ、両首脳は、英国のEU離脱プロセスが、移行期間の設定を通じた予見可能性及び法的安定性の確保により世界経済への影響を最小限に抑えつつ進むことの重要性を確認しました。

(2)両首脳は,世界の安定と繁栄のために日欧が緊密に連携していくことを確認しました。

5 地域情勢
 北朝鮮情勢について,両首脳は,北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄(CVID)を実現するため,関連する安保理決議の完全な履行が必要であるとの点で一致しました。また,安倍総理から,拉致問題の早期解決に向けて,ルッテ首相の理解と協力を求め,ルッテ首相の支持を得ました。
あとはイギリス。
メイ英国首相主催昼食会及び日英首脳会談 | 外務省

1 二国間関係全般
 両首脳は、メイ首相の訪日以降、日英間の協力はかつてないほど進展し、日英同盟以来の親密な関係を構築してきている、ルールに基づく国際秩序や自由貿易といった普遍的価値が挑戦を受ける今日、G20等の場で日英が主導的役割を果たす必要があることで一致しました。

2 G20/国際場裡での協力
(1)G20
 両首脳は、本年のG20で、共に自由貿易の推進やイノベーションを通じて世界経済の成長を牽引し、経済成長を目指すと同時に、格差への対処に取り組むこと、更に、気候変動や海洋プラスチックごみ等環境・地球規模課題への貢献について協力することで一致しました。

(2)WTO
 両首脳は、WTO改革について、日英両国で協力していくことで一致しました。

3 日英協力
(1)インド太平洋地域における協力について、安倍総理大臣から、英国が同地域への関与を強化していることを歓迎しました。また、両首脳は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、(ア)海洋安保、(イ)質の高いインフラ、(ウ)5Gを始めとする通信インフラ分野等における日英協力の強化に一層力強く取り組むことで一致しました。

(2)安倍総理大臣から、2017年8月のメイ首相訪日を機に、英海軍艦艇の日本寄港等、日英安保協力は大きく進展し、安全保障上の重要なパートナーである日英の協力は「新たな章」を迎えた旨述べました。そのほか、両首脳は、今春、日本で第4回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を開催することや英海軍艦艇の日本寄港、北朝鮮「瀬取り」対策に関する連携を強化していくことで一致しました。

4 英国のEU離脱
 安倍総理大臣から、英国のEU離脱に関する最終的な判断は英国民が行うものであると述べた上で、「合意なき離脱」は是非回避してほしい、移行期間を設け、英国に進出している企業の法的安定性を確保しようとするメイ首相とEUとの間の離脱協定案を日本は全面的に支持する旨述べ、EU離脱協定の議会承認に向けたメイ首相の強い意志と努力を評価しました。これに対し、メイ首相から、安倍総理の支持に感謝をする、現協定案は日系企業にとっても良い案である旨述べました。

5 地域情勢
 北朝鮮情勢について、両首脳は、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄(CVID)を実現するため、関連する安保理決議の完全な履行が必要であるとの点で一致しました。また、安倍総理から、拉致問題の早期解決に向けて、メイ首相の理解と協力を求め、メイ首相の支持を得ました。
イギリスについては、首脳会談の共同声明が出てますので、こちらも紹介。

・日英共同声明
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000436826.pdf

オランダとイギリスで共通している内容として以下の内容が挙げられます。

・普遍的価値の共有
・G20関係
・イギリスのEU離脱関係
・北朝鮮の不可逆的な廃棄(CVID)の実現、拉致問題の早期解決

オランダに対しては、400年以上にわたる日蘭交流の歴史は財産であり、特に皇室と王室間の関係は緊密といった形で、日蘭交流の歴史についてコメントしております。

イギリス関係については、共同声明の内容からして、28項目に渡り、内容としてはかなり踏み込んでおります。余談ですが、EUの定期首脳協議だとこんな感じです。

日EU定期首脳協議 | 外務省

・第25回日EU定期首脳協議 共同声明(仮訳)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000382198.pdf

産経の記事を見ても、日英同盟以来の親密な関係といった感じで、イギリスに対して戦略的な外交関係を構築しているように思います。


安倍首相の外交についてはホント素晴らしいし、一番評価してないのは日本人なのではと思う部分はあります(汗)
今の日本外交が強いのは、長期政権というのはありますが、日本の経済の安定・影響に加えて、それ以上に安倍首相の打ち出す方針に対して一貫性があって、一定の興味、信頼、関心を持ってくれてることから、外国で粗略に扱われた事がないというのが証左であって、一番ビックリしたのはインド訪問の時だったかもしれませんね。


脱線しましたが、共同声明の件に戻ります。いろいろとキーワードがありますが、「ルールに基づく国際秩序や自由貿易といった普遍的価値が挑戦を受ける今日」というのを、どのように捉えるかがポイントです。内容とすれば、今は国際秩序や自由貿易といった普遍的な価値を脅かされているという前提にいるということです。

過去エントリにこのように書いてたんだけど、、、
協定の意味 | ぱよぱよ日記

「21世紀型ルール」というのが重要で、既存の市場原理主義というのが、21世紀型ルールを無視した形で行われており、要するに市場歪曲的な措置(産業補助金,技術移転の義務付け等)などの自由を認められた形の自由貿易が蔓延しております。今までは、ルール無視して何をやっても自由といった意味の自由で、本来の意味での秩序のある形の自由貿易が行われておらず、そこを埋めるというのが、TPPや日欧EPAという協定として、実質的に日本主導で、この形を定義したという意味が大きいと思います。
あとはこちらも紹介。
・2018年10月の日米首脳会談の共同声明
https://www.mofa.go.jp/files/000402972.pdf

6 日米両国は,第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は,WTO改革,電子商取引の議論を促進するとともに,知的財産の収奪,強制的技術移転,貿易歪曲的な産業補助金,国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため,日米,また日米欧三極の協力を通じて,緊密に作業していく。
日本の主張する自由貿易というのは、秩序を守って不公正な慣行を正すことを目的としており、今までやってたやりたい放題の自由貿易とは意味が違いますし、グローバル化についても同じことがいえます。ここを意図的に履き違えて批判するのは心苦しい部分もありますが、ナショナリズムでもグローバリズムにしても、目的とバランスが大事ですし、強要だと軋轢しか呼ばないし、可能な場所で共存しながら生きていくしかない思うし、そのバランスこそが重要ともいえます。多文化強制というのは論外ですし、多文化共生とかいうのは、文化を強制的に押し付けるといったパワーワード化しているのが現状です。そういう意味では、一定の価値観が共有出来れば共存は出来ますが、それが出来ないなら、無理して共存しようとすることに問題があるとは思うけどね(笑)結局はテリトリーを守るためには戦うしかないし、戦わずに平和とかいう世界があり得ないのも事実でしょうww


それはさておき、EU離脱関係ですが、「「合意なき離脱」は是非回避してほしい、移行期間を設け、英国に進出している企業の法的安定性を確保しようとするメイ首相とEUとの間の離脱協定案を日本は全面的に支持する」といった形で、安倍首相がメイ首相の案について全面的に支持するといった形で後押ししたのはかなり大きいと思います。過去エントリを一部引用します。
イギリスのEU離脱について | ぱよぱよ日記

最も来年の3月以降から2020年12月までの移行期間を設けるかどうかが鍵となり、EU側としては、移行期間内にイギリスの心変わりを待ちたいといったのが本音で、メイ首相の方針としては、移行期間までの間に、第三国との通商協定の発効(TPPや米英FTAなど)を固めてしまいたいというところになると思います。
あとはこちら。

実際のところ、EU離脱交渉については、EUのユンケル委員長がやり手なのは事実ですが、そもそも交渉の余地がないというか、下手な妥協をすればEUが瓦解することになることから、交渉による離脱案というのを形として纏めることが困難でした。イギリス国内でEU残留派も離脱派も無責任なことを言って逃げ出した人が多く、キャメロンの悪ノリでやった国民投票の尻拭いを前面に立って全力でEU離脱案を取りまとめることが出来たのが、メイ首相の力量であって、EU離脱協定の議会承認に向けたメイ首相の強い意志と努力については、そこらへんの首脳には到底真似が出来ません。最も、イギリスは狡猾さがあるので、大英帝国という最大の帝国を作り上げたともいえますが・・・。

帝国の最大領域一覧 - Wikipedia

ダイエー帝国関係の研究は気が向いたらということでwww

最後にTweetと画像を紹介して締めとします。。。


欧州ということで記念画像で締めとします(ぉぃ



ドイツ編。。。