臨時国会が開会しました。恐らく安全運転になると思いますが、継続審議となっている種苗法の改正案なども審議されるようなので、その行方も気になりますね。


所信表明演説

内容は以下の通り。適当にコメントしておきます。



一 新型コロナウィルス対策と経済の両立


新型コロナ前においては、人口が減る中で、新たに働く人を四百万人増やし、下落し続けていた地方の公示地価は昨年、二十七年ぶりに上昇に転じるなど、バブル崩壊後では最高の経済状態となっておりましたが、新型コロナによる戦後最大の落ち込みがあったことから、経済を建て直さないといけませんし、雇用を守り、事業が継続することが重要ですし、その中でも、特に四千万円の無利子・無担保融資は結構大きいと思います。


Go Toキャンペーンも経済政策のお手本とも言える政策で、Go Toトラベルに続き、イート、イベント、商店街なども本格的に稼働しますので、盛り上げていってほしいところですね。延べ二千五百万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十名のようだし、事業者も感染対策をきちんと行っており、経済の動かし方が見えてきつつあります。


二 デジタル社会の実現、サプライチェーン


マイナンバーカードについては、今後二年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、来年三月から保険証とマイナンバーカードの一体化を始め、運転免許証のデジタル化も進めるようです。来年にはデジタル庁も設置されますし、教育に関しても引き続きといったところになると思われます。


マスクや防護ガウンの生産地の偏りなど、サプライチェーンの脆弱性も浮き彫りになったことから、生産拠点の国内立地や国際的な多元化、デジタル化やロボット技術による自動化、無人化を進め、国内に医療・保健分野や先端産業の生産体制と整備していくことになります。


デジタル社会といっても、これはデジタル化そのものが目的ではなく、ホントに便利なものにしないといけないです。使いにくいものだとデジタル化は無意味ですし、きちんとしたシステム設計やセキュリティの確保など、箱を作っても変な意味で進む可能性もありますので、その点は注意が必要と思います。


三 グリーン社会の実現


2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しましたね。変な方向に進まないためにも、日本版の脱炭素社会を目指すのはありだと思います。変なファンドとか利権を作らせないためにも、ある程度の牽制が必要なのは言うまでもないと思います。どことは言いませんがwww


次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした、革新的なイノベーションも重要となります。省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するのは基本ですが、安全最優先で原子力政策を進めるといった形で、原子力政策に踏み込んだのがポイントとなります。実際問題、脱炭素社会の実現に向けて、原子力は避けて通れないのも事実でしょう。最も石炭火力発電については、こちらについては進めた方がいいとは思いますがね。

四 活力ある地方を創る


概要は以下となります。


・「ふるさと納税」は、今では年間約五千億円も利用されている

・インバウンドは政権交代時の約四倍の年間三千二百万人

・農産品の輸出額は政権交代時から倍増して年間九千億円

・農林水産物などの1年間の輸出額を2025年に2兆円、2030年までに5兆円とする目標

・地方の所得を増やし、消費を活性化するため、最低賃金の全国的な引上げに取り組む


五 新たな人の流れをつくる


概要は以下となります。


・都会から地方へ、また、ほかの会社との間で、さらには中小企業やベンチャーへの新たな人の流れを作る

・大企業で経験を積んだ方々を、政府のファンドを通じて、地域の中堅・中小企業の経営人材として紹介する取組

・海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指す

・コーポレートガバナンス改革について


六 安心の社会保障


気になったものだけ。

・今年の待機児童は、調査開始以来、最少の一万二千人

・所得制限を撤廃し、不妊治療への保険適用を早急に実現を目指す

・新たな男女共同参画基本計画を年末までに策定

・デジタル化による利便性の向上のため、オンライン診療の恒久化を推進

・高齢者医療の見直し


七 東日本大震災からの復興、災害対策


福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生なしというのは重要ですね。「これまでは同じダムでも、水力発電や農業用のダムは洪水対策に使えませんでしたが、省庁の縦割りを打破し、全てのダムを活用することで、洪水対策に使える水量は倍増」したというのは、以下の記事にありますね。これは菅さんの取り組んでたことだったと思います。

八 外交・安全保障


概要です。安倍政権の延長線となります。


・米国をはじめ各国との信頼、協力関係を更に発展させ、積極外交を展開

・拉致問題は、引き続き、政権の最重要課題

・日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す

・イージス・アショアの代替策、抑止力の強化については、先月公表の談話を踏まえて議論を進める

・ASEAN、豪州、インド、欧州など、基本的価値を共有する国々とも連携し、法の支配に基づいた、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指す

・中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会のために極めて重要

・北方領土問題を次の世代に先送りせず、終止符を打つ

・ロシアとは、平和条約締結を含む日露関係全体の発展を目指す

・韓国は、極めて重要な隣国です。健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていく

・保健分野など途上国を支援するとともに、多国間主義を推進

・安保理改革を含む国連改革や、WHO、WTO改革などに積極的に取り組む

・自由で公正な経済圏を広げ、多角的自由貿易体制を維持し、強化していく

・東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催

・二〇二五年大阪・関西万博について


「中国との安定した関係」は、両国のみならず、地域及び国際社会のために極めて重要という部分ですが、中国が不安定になれば、経済的にも軍事的にも世界的脅威になるのは事実ですし、主張すべき点はしっかり主張しながら、不安定にさせないようにやっていくしかないのは事実ですし、過度の反中は地域及び国際社会への脅威を意味します。


韓国については、「健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていく」については、健全な日韓関係があったのかは知りませんが、適切な対応をといってるますので、日本としては甘やかしたりしないというのは確かでしょうね。因みにWHOの事務局長選の本命は、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏だったので、これについては韓国は全く関係ないと思われます。

九 おわりに


概要です。

・国の礎である憲法について、そのあるべき姿を最終的に決めるのは、主権者である国民の皆様

・憲法審査会において、与野党の枠を超えて建設的な議論を行い、国民的な議論につなげていくことを期待

・携帯電話料金の引下げなど、これまでにお約束した改革については、できるものからすぐに着手し、結果を出して、成果を実感いただきたい

・私が目指す社会像は、「自助・共助・公助」そして「絆」です。自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティネットでお守りする。そうした国民から信頼される政府を目指す。

・行政の縦割り、既得権益、そして、悪しき前例主義を打破し、規制改革を全力で進める


安倍元首相の動きについて

安倍前首相会長の議員グループが活動再開へ | NHKニュース


安倍前総理大臣が会長を務める保守系の議員グループは25日夜、会合を開き、グループとしての活動を再開させることを確認しました。


保守系の議員グループ、創生「日本」は25日夜、東京都内で会合を開き、会長を務める安倍前総理大臣や加藤官房長官、萩生田文部科学大臣、自民党の下村政務調査会長ら20人余りが出席しました。


会合は安倍氏の慰労を目的に開かれ、安倍氏は2度目の総裁就任を目指して立候補した8年前、平成24年の自民党総裁選挙での勝利は、メンバーのおかげだとして改めて謝意を伝えました。


そして、第2次安倍政権の発足以降、これまで休止していたグループとしての活動を再開させることを確認しました。


事務局長を務める木原稔総理大臣補佐官は、記者団に「今後、安倍氏を中心にいろいろな勉強会を開いていきたい」と述べました。

関連記事です。

安倍元首相は靖国に二度参拝するなど、保守系の行動が増えてきました。首相だと制約はありましたが、一議員になれば、ある程度の制約はなくなるし、そういった意味でも、フリーハンドの安倍元首相の動きも重要なわけですね。

あとはこういった話もありました。

安倍元首相が首相でいる間は身動きが取れない状態となっており、保守系については弱体化していたのは事実です。そうなれば、保守活動の質も低下しており、そういった意味でも、保守は危機的な状況にあったともいえます。恐らく、安倍元首相のやらないといけないこととしては、保守の立て直しや正常化といったところになるんだと思います。


ここで鍵となってくるのが、自民党の保守系議員の会合として、「創生日本」と「保守団結の会」や「日本の尊厳と国益を護る会」などがあります。安倍元首相はリベラルといえばリベラルなのですが、保守系のシンボル的な議員でもあるので、これらの会合の引き合いになるのか、共存するかはわかりませんが、保守の火を絶やさないように、保守の立て直しが行われて、健全な保守とリベラルが存在出来るような布石を打ってほしいと思います。