リハビリもある程度終わって、ある程度は感覚は戻りつつありますね。とはいっても、数日休むと自分の場合はすぐ鈍ってしまいますね(汗)


2020年度外交白書が出てましたね。こういった資料を見るのは重要ですし、日本の外交方針や状況を確認するためにも、時間のある時に見ておくのがいいと思います。

2020 PDF版 目次|外務省


まずはこちらの話題から・・・。


菅首相内外記者会見について

首相の内外記者会見要旨  :日本経済新聞


菅義偉首相のインドネシアでの記者会見要旨は次の通り。


【日・東南アジア諸国連合(ASEAN)関係】 「インド太平洋に関するASEANアウトルック」を全面的に支持する。日本とASEANが連結性を高めていくことは地域の経済的繁栄、「自由で開かれたインド太平洋」の礎となる。


私自ら首脳外交を展開しASEAN各国と緊密に連携しながら「自由で開かれたインド太平洋」を着実に実施していく。


【海洋安全保障】 インド太平洋では自由で誰にでも開かれ、法の支配が貫徹されて初めて地域の平和と繁栄が実現する。南シナ海では逆行する動きが起きており、懸念を持って注視している。日本は南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも反対する。


日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」は特定の国を対象としたものではなく、考え方を共有するいずれの国とも協力できる。インド太平洋版の北大西洋条約機構(NATO)をつくる考えは全くない。


【サプライチェーン(供給網)】 感染症の拡大によって日本のサプライチェーンの脆弱性が明らかになった。日本企業の生産拠点の多元化を後押ししており、第1弾としてASEAN諸国で30件の生産設備の新設や増強を支援する。


【日韓関係】 (元徴用工訴訟で)日本企業の差し押さえ資産が現金化される事態になれば、日韓関係にとって極めて深刻な状況を招く。絶対に避けなければならない。


【日本学術会議】 国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ。(人選は)推薦された方々がそのまま任命されてきた前例踏襲をしてよいのかどうか考えた結果だ。


梶田隆章会長と会い、日本学術会議をよりよいものにしていくことで合意した。井上信治科学技術相に窓口になってもらい、議論を続けていきたい。


【臨時国会】 デジタル庁(の創設)、不妊治療への保険適用、グリーン社会の実現などポストコロナの世界に向けた考え方を所信表明の演説でしっかり示したい。


【経済対策】 感染対策と経済の両立を図りたい。必要に応じてちゅうちょなく対策を講じていきたい。


【原発処理水】 (東京電力福島第1原子力発電所にたまる処理水の処分に関し)いつまでも方針を決めないで先送りすることはできない。できるだけはやく政府として責任をもって処分方針を決めたい。


現時点で政府としての処分方針や決定時期を決めたという事実はない。これまでの議論や意見を踏まえ政府内での議論を深めていきたい。風評被害対策もしっかり取り組んでいきたい。

いろいろと多岐に渡っているため、菅首相の方針などについては、ある程度見えてくると思います。「自由で開かれたインド太平洋」と法の支配、南シナ海の動きなどは重要になると思います。


重要なポイントは、日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」は特定の国を対象としたものではなく、考え方を共有するいずれの国とも協力できる。という部分です。所謂、価値観外交といえる概念で、日本と考え方を共有出来る国と協力していくといった考え方で、特定の国を対象としておらず、排除するといった考え方ではないです。以下の内容を見れば、特定の国を対象としていないということは明白だと思います。


価値観外交 - Wikipedia


自由で開かれたインド太平洋|外務省



逆に言えば、以下の三本柱に賛同出来ないのであれば、距離を置くことを意味しますし、日本の外交方針は明確ですし、多くの国から賛同を得られていることから、その方針で進めていくというのが基本となります。


① 法の支配,航行の自由,自由貿易等の普及・定着

② 経済的繁栄の追求

③ 平和と安定の確保


サプライチェーンについては、新型コロナ以前は中国に集約しすぎていて、いろいろと弊害が出たことから、日本企業の生産拠点の多元化は必須です。国内回帰に関する補助金の応募も予想を上回ってるようですし、サプライチェーンの分散化は必須ともいえます。

日韓関係については、日本企業の差し押さえ資産が現金化される事態を絶対に避ける、これの1点で当面は問題はないと思います。


日本学術会議については、国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事というのと、梶田隆章会長と会い、日本学術会議をよりよいものにしていくことで合意したとありますね。内容的に会長とはいろんな意味で話がついてると考えていいです。共産党が喚くとは思いますが、ここらへんは放置で問題はないと思われます。


臨時国会については後日書くとして、原発処理水の問題ですが、現段階では政府としての処分方針や決定時期を決めたという事実はないということだけですね。東電の試算では、敷地の制約からタンクの容量は2022年夏ごろには満杯になる見通しであるのと、実際の放出までには設備工事や審査などで2年ほどかかることからも、早期に決断をしないといけないのは事実と思います。この辺の記事を見ておさらいをしておきましょう。

汚染水という言い方を経産省が書いてるのは正直微妙ですし、汚染水という名称だとイメージが悪いというのと、外部から風評被害を煽ってる輩や、外交のカード?にしようとする連中もいますので、その点も踏まえての対策が求められることになります。


米司法省のグーグル提訴の件

記事を紹介します。

要点としてはこんなところですかね。


<司法省の主張>

  • グーグルはネット検索市場と、2種類の広告市場、つまり検索広告とテキスト広告で独占を維持し、反トラスト法に違反している
  • グーグルの米検索市場でのシェアは約90%


<司法省の改善要求>

  • 検索部門と広告部門を分離させる可能性
  • 反トラスト法を巡る問題では「構造的な軽減救済」は通常、資産売却を意味する


<ほかのグーグル批判>

  • グーグルはこれまでにも、検索機能を通じて動画投稿サイト「ユーチューブ」など自社製品を優遇している
  • 米NBCの人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の動画を検索すると、NBCよりも先にユーチューブの複数動画を検索結果として表示
  • グーグルは広告市場で、広告主とニュース配信業者や他のウェブサイトなどを結びつける事業で優位にある
  • グーグルが取引収入をきちんと開示していないことや、セット販売で小規模なライバルを不利にしている


<グーグルの反論>

  • 司法省が勝訴すれば、ユーザーが優れた検索ツールや手頃な価格のスマートフォンを入手するのが困難になる
  • 検索サービス市場については、ユーザーにはツイッターやアマゾンなどもあり、他の情報源にアクセスが可能
  • 消費者は検索ですぐに答えを得られるためにグーグルを利用している
  • 広告市場では、オラクルORCL.Nやベライゾン・コミュニケーションズVZ.Nなど多くの大手企業との競争があると主張。
  • オンライン広告料金は、この10年で下落し続けている
  • グーグルのスマホのシステムを用いるスマホメーカーには、グーグル製アプリの搭載は義務付けていない


<政治の影響>

  • シリコンバレー系の数社がソーシャルメディアの取り扱いなどで、国内の保守派勢力の意見表明を不当に黙殺している


この件については、正直なところ、Googleが便利だから利用している人が多いといった一面もあるのと、Googleが広告によるビジネスモデルがメインであるため、広告と連動出来なければ、Googleの死活問題といった一面があるので難しいところです。そういった意味では、Googleの反論についてはある程度の妥当性があるというのは否定はしないです。確かにシェアを寡占しているのも事実でその点は問題ですし、検索システムの一部においては改善の余地があるのも事実です。


消費者にとっての最善を考えた場合は、Googleのビジネスモデルによって、ユーザーが優れた検索ツールや手頃な価格のスマートフォンを入手するのが困難になるのも事実ですし、Googleの得意分野もあれば苦手分野もありますし、ハイテクという意味合いでは、ある程度は共存は出来てるというのが個人的な感想ではあります。


これはGoogleだけではないのですが、一番の大手プラットフォームと政治との関係が中立ではない部分にあって、「保守派勢力の意見表明を不当に黙殺している」といった部分となります。アメリカのメディアは政治的立ち位置を明確化しておりますが、こういった業界については、政治的立ち位置を明確にしていないのと、有権者にとって仕組み上中立とはあり得ないにも関わらず、大手プラットフォームが特定の政治思想を持って動いてる点となります。しかも業界的に寡占状態で、中立に情報を知ることが難しいといった問題が大きいことから、こういった問題が生じているという一面もあると思います。


訴訟がどのように動いていくかは不明ですが、少なくともこの手の企業の政治的に関する部分での寡占状態は問題ですし、この点については一定の対策が必要なように思います。


省庁ヒアリングの見直しの件

省庁ヒアリングの見直し必要 自公幹部「官僚の職務に支障」:時事ドットコム


自民党の二階俊博、公明党の石井啓一両幹事長は21日の会談で、各省庁の幹部らを呼び政策をただす「ヒアリング」について、「官僚の本来の職務に支障をきたしている」として、一定の見直しが必要だとの認識で一致した。日本学術会議の問題などをめぐり、野党が政権追及の場としている「野党合同ヒアリング」を念頭に置いたものだ。

省庁ヒアリングの件です。これによって「官僚の本来の職務に支障をきたしている」というのは事実ですし、実質的に官僚へのパワハラというか、場合によっては犯罪行為が行われてると言った問題があります。

先日もこんなのがありましたが、普通にパワハラです。


そういった意味では、官僚のブラック労働の原因のほとんどが野党が原因と見ていいわけですね。なので、この件は霞が関働き方改革にも関連した話ともいえます。

野党の質問通告の遅さや内容そのものも問題です。

「野党合同ヒアリング」や「質問通告問題」も問題ですし、野党の場合は人格攻撃など、社会不適応者みたいな振る舞いが多々見られることからも、この点も改善しないと政治の信用をなくすのと同時に、官僚の疲弊、離職に繋がることからも、早急な対策が必要だと思います。