英国のEU離脱の国民投票の件です。

前作はこちら。

英国EU離脱問題|ぱよぱよ日記
英「EU離脱」多数、首相10月までに辞任意向(読売新聞)

【ロンドン=本間圭一】欧州連合(EU)に残留すべきか離脱すべきかを問う英国民投票の結果は24日確定し、離脱支持が過半数に達した。

残留を訴えてきたキャメロン英首相はロンドンでの演説で、10月までに辞任する意向を表明した。新首相がEUとの離脱交渉の開始を判断することになる。英国が脱退すれば、1993年に発足したEUからは初めてとなり、深化を続けてきた統合の歴史は大きな転換点を迎える。英国、EUともに影響力の低下は必至で、国際情勢、世界経済ともに不安定化する恐れが出ている。

英選管によると、開票は23日夜(日本時間24日朝)から382地区で行われ、離脱が1741万742票(51・9%)、残留が1614万1241票(48・1%)だった。投票率は72・2%。EU諸国への輸出が多いスコットランドでは、離脱に伴う輸出手続きの煩雑化などを嫌って残留支持が多かったが、経済が疲弊する地方都市の多いイングランドやウェールズでは離脱支持が上回った。

メディアの報道からは、僅差で残留派の勝利との報道もあったせいで、金融市場はカオスな状態になってましたね。事前にはどうなるかは読めなかったんだけど、朝の相場を見て嵌めてるようにしか思えなかったので、離脱派が勝つのかなとは思ってました。こういう時の相場は逆にブレる傾向があるわけですが、こういった相場の時には下手に動くと致命傷を負うわけで、被害にあった方々もいるのかなとも・・・。週明けは電車遅延の可能性もございますので、ご注意ください。。。


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イギリスがEU国民投票で離脱を決断へ──疑問点をまとめてみた(Newsweek)

めいろまさんによる、英国のEU離脱解説(togetter)

あとはじゃあのさん情報。




全く影響も考えずに国民投票を実施した残留派のキャメロン英首相も如何なものかと思いますが、今回ほど読めない選挙というのもなかったかもしれません。背景としてはこんなところですかね。
イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新

英国人がEU離脱を望んだ3つの理由

EU離脱を望む英国人が抱く懸念を、主に英文で書かれた情報をもとに、私が勝手に推測すると、

1.EU政府が官僚的で、必ずしも英国の国益に沿った政策を行わない
2.欧州の統合はもはや現実的ではなくなった
3.移民、難民問題

の順になる。

英国人にとっては、これらの懸念が、「景気減速、失業、給与下落、資産価値減少、格下げ」などといった、明日からの生活を脅かすような懸念をも上回ったことになる。

EU政府というのは、当然ながら自国の選挙で選ぶわけでもないので、各国の国益に沿った政策は行わないのと、リーマンショックなどでEU自体が揺らいでるわけで、ギリシャ問題などもそうなんだけど、統合通貨のユーロは大失敗に終わってるわけです。欧州の統合というのは無理という現実に今更気付いたとかいう普通に考えたら無理と思うようなバカげたことをやってきたわけです、ハイ(笑)結局のところ、EUに加盟する限り閉塞感からの脱却は出来ないという心情というのもあると思います。オズボーン財務相とかは中国にズブズブで王室からも顰蹙を買ってるわけで、キャメロン首相はパナマ文書問題といった形で、生活面だったり、現政権への不満なども背景にあったわけで、キャメロン政権側として、アメリカのトランプ旋風などの流れというのを軽く見てたんだと思いますね。


EU離脱問題の波及については、イギリスの場合は、紙一重で自国通貨のポンドは維持したのでマシな方とは思いますが、ユーロに加盟している国でのEU離脱については結構厳しいと思います。自国通貨に戻すにしても、大幅な通貨下落が生じる可能性が高いわけで、ユーロに加盟しつつ、EU離脱というのも現実的ではないでしょう。どっちにしても、EUへの拠出金が2位のイギリスが抜けるとなると、EUの財政は厳しくなると思います。そうなると、他の加盟国への負担が大きくなることから、ユーロという枠組みの恩恵に授かってるが、一番拠出金を払ってるドイツも例外ではない。そういう意味では、EU&ユーロの崩壊というシナリオもあり得るわけで、そうなるとリーマンショックどころの問題ではないわけです。

伊勢志摩サミット時に安倍首相をディスってた連中もいるわけだが、最悪のシナリオを考えた場合、リーマンショックレベルの問題が起きる可能性ではなく、起きることは必至の状況であったわけです。あと中国経済がどれだけの範囲&規模で影響を及ぼすというのも視野にいれる必要があるわけで、EUと中国という経済懸念については、楽観視出来るレベルのものではないと思います。

当然、日本経済への影響も避けられないわけで、全治に3年程度の時間はかかると思います。少々妄想も入りますが、今回の英国のEU離脱の国民投票の件は、米国のトランプ旋風同様の流れと同じですが、脱グローバリズムといった流れになる可能性が高いと思われます。レジームチェンジという岐路に立たされているわけで、グローバリズムの恩恵の依存度の高い国ほどダメージが大きくなるといった図式になると思われます。移民・難民の受け入れに関するババ抜き状態にもなるのではないかと(笑)そういう意味では、イギリスの国民投票の結果については、一時的な痛みは生じると思いますが、長期的視点で考えた場合は、妥当な結果になるかもしれません。それまで持つかという問題もありますが・・・。