今日は新型コロナウイルスの現状雑感となります。

○官邸
新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ

○厚生労働省
新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルスに関するQ&A|厚生労働省

○国立感染症研究所
新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連情報ページ

新型コロナウイルス感染症の現状の評価と 国内のサーベイランス、医療体制整備について(2020年1月31日時点)


感染症研究所の評価が上記となります。

○NHK
特設サイト 新型ウイルス肺炎|NHK NEWS WEB


以下記事の紹介です。
新型肺炎、フィリピンで死者 WHO「中国外で初」 (写真=AP) :日本経済新聞

【マニラ=遠藤淳、大連=渡辺伸】フィリピンの保健省は2日、中国湖北省の武漢市から来た44歳の中国人男性が新型コロナウイルスによる肺炎で1日に死亡したと発表した。世界保健機関(WHO)によると、新型肺炎による死者は中国国外では初めて。同じ団体で訪れ、フィリピンで最初に感染していることが確認された中国人女性の配偶者という。中国本土でも感染者は増え続け、死者は2日までに300人を超えた。

保健省によると、男性は1月21日に武漢市から香港を経由してフィリピンに入国。重い肺炎の症状が出たため、首都マニラの病院に隔離された。ここ数日は容体が安定していたが、2月1日に死亡したという。検査で新型コロナウイルスに感染していることを確認した。

WHOフィリピン事務所の幹部は2日の記者会見で「中国国外で最初の死亡例だが、武漢市から来た人だということを念頭に置くべきだ」と述べた。デュケ比保健相は「遺体の取り扱いについて中国大使館と協議している」と話した。

中国では感染者が増え続けている。中国国家衛生健康委員会の2日の発表によると、新型コロナウイルスによる肺炎の中国本土の感染者数は同日午前0時時点で累計1万4380人で、前日から2590人増えた。死者数は45人増え、304人となった。

湖北省の衛生当局によると、同省の感染者数は1921人増えて9074人となった。そのうち武漢市は4109人だった。各地方政府によると2日午前0時時点の主要都市の感染者数は北京市が183人、上海市が177人、広東省深圳市が196人、広東省広州市が175人。

事態の深刻化を受け、中国政府は人民解放軍が管轄する医院や軍事大学で働く1400人の医療従事者を武漢市に派遣することを決めた。新華社通信が2日報じた。

武漢市では10日間の突貫工事で建設を進めた1千床の火神山医院が2日に完成し、1400人は3日から任務に就く。中国の衛生当局は1月28日時点で全国から湖北省に派遣する医療従事者が6千人規模になると説明しており、軍の派遣でさらに人数を増やす。
記事のタイトルがおかしいのですが、「男性は1月21日に武漢市から香港を経由してフィリピンに入国」とのことですので、中国外ではありますが、感染したのが武漢市となりますので、新しい症例といった意味ではないです。

因みに病院を建てる方法については、以下の記事に少し書かれております。

尚、新型肺炎については、以下の記事が詳しいと思います。


現状でも重症の患者をメインで対応しきれておらず、1000床の火神山医院は2月3日に運営開始を予定しており、1600床の雷神山医院は5日までに準備が整う見通しとなっており、これが稼働すれば、ある程度の実態が見えてくると思われます。全体の致命率は、2/2現在で2.1%くらいなのですが、恐らくそれよりも下がる事は確実なので、未知のウィルスではありますが、重症度はそこまで高くはないと思われます。

中国以外の今後の見通しです。

武漢市を1/23から閉鎖しており、今日で10日が過ぎました。潜伏期間は最大でも14日と言われておりますので、中国国外においては、2/6が一つの目安になると思われます。中国も、武漢市閉鎖と団体ツアー禁止といった対応を取っておりますので、出来る限りのリスク軽減策を取ってたわけです。

中国団体ツアー禁止、各国反応は? 影響必至に不安の声:朝日新聞デジタル

なので、武漢市近辺の残りの在中邦人140人のチャーター便は、今週半ば以降となりますので、帰国後の検査結果(恐らく1~2名と思われる)である程度一段落すると思われます。

武漢周辺の140人、帰国に壁…第4便派遣は今週半ば以降か : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン

最も、別の空港を踏み台にして外国に出てる武漢市の人もいるとは思いますが、その影響範囲も限られてくるとは思います。

少なくとも、長時間接触ではない症例は現段階では出ておらず、武漢市に行かずに感染が確認された事例は3例で、この症例もリンクが辿れてるので、騒ぎ立てずに冷静に感染症の対策を行うことが重要です。


続いては経済的影響についてです。
新型肺炎「世界景気減速も」 IMFトップ会見  :日本経済新聞

【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は中国発の新型コロナウイルスによる肺炎について「世界景気に短期的な減速をもたらす可能性がある」との懸念を表明した。「生産や供給網の混乱をもたらしている」とし、日本など周辺国経済の下押しリスクへの警戒感も示した。主要中央銀行には「2020年中は金融緩和を維持すべきだ」と求めた。
生産や供給網の混乱をもたらしており、湖北省に関連した製造業などについては、機能を取り戻すためには、早くても今月中はかかるのと、外国企業については、非常事態宣言が終了するまでは難しい可能性があります。

となると、武漢市の製造業の集積地でここが動けない以上、サプライチェーンを組み替える必要があります。中国国内も不要不急の入国は自粛していることから、中国国外での調整が必要となります。それだけ非常事態宣言というのは重いものなのです。

新型ウイルス:経済影響「確実に出る」、経済対策実行を-岸田氏 - Bloomberg

新型肺炎、東南アジア観光業に打撃 - 産経ニュース

新型肺炎が資生堂はじめ日本企業直撃、中国の需要縮小・工場停止で | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

中国・武漢市に進出する日本企業は199社 湖北省全体の8割が集積 : J-CAST会社ウォッチ


大まかには、観光業と湖北省に関連した企業へのダメージが大きいのですが、一番のリスクは中国経済そのもののダメージとなります。
CNN.co.jp : 武漢のウイルス拡大、中国経済にとって最悪のタイミング - (1/2)

中国経済は昨年、債務増大や国内需要の冷え込み、米国の関税への対応に苦慮し、過去30年近くで最低水準の成長率にとどまった。米中間では最近、貿易戦争の「一時休戦」が成立したものの、関税の大半は維持されている。また、中国政府は失業への懸念も募らせており、ここ最近は大量人員削減を防ぐ目的で矢継ぎ早に景気刺激策を発表してきた。
国内需要の冷え込み、債務拡大、米中通商交渉などの問題もあって、ただでさえコントロールが難しい状況で、新型肺炎での非常事態宣言によって、湖北省全域を除く中国全土を対象に「レベル2」(不要不急の渡航はやめてください)に引き上げました。

中国への渡航自粛呼び掛け、国内感染者数は17人に増加-政府 - Bloomberg

他の国も中国への不要不急の渡航は自粛することからも、中国経済全体の脆弱性に加えて、今回の新型肺炎によるダメージで中国経済のダメージは大きく、そうなると中国絡みの外需に依存している業界も、かなりのダメージを受けることになります。

ジェトロの以下の記事も参考になると思います。

新型コロナウイルス感染拡大の影響 | 特集 - ビジネス短信 - ジェトロ


その点では、世界景気に短期的な減速という評価は妥当で、株式市場も影響が出てきております。

NYダウ急落、603ドル安 新型肺炎の懸念強まる  :日本経済新聞

2/3から、上海市場と深圳市場が開かれるので、その影響も出てくると思われます。簡単な市場相場を見る分にはオススメは以下となります。


日経平均先物 CMEでも500下げているので、東京市場も大幅落に加え、上海市場の影響で更に下げる可能性もあるかもしれませんね。

以下の対策がどのように機能するかも注目したいですね。

どっちにしても、経済的なダメージは大きくなるのは明白で、日本国内も現状の政策や予算に加え、追加対策が必要になると思います。四半期別GDPの2019年10-12月期が、2/17に1次速報が出ます。

公表予定 - 内閣府

2020年1-3月期もかなり怖いのですが、こういった点も注意が必要となります。