トランプ大統領の一般教書演説について

2020年2月6日木曜日

時事関係

今日はトランプ大統領の一般教書演説の件です。

トランプ大統領、経済政策の実績強調 一般教書演説 (写真=ロイター) :日本経済新聞

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は4日夜(日本時間5日午前)、議会で今後1年の米国の内政と外交の施政方針を包括的に示す一般教書演説を実施した。11月の大統領選をにらみ、雇用創出や貿易協定の締結など経済政策の実績を挙げて「公約を守った」と誇示した。医療や移民で野党・民主党のリベラルな政策を批判し、対決姿勢を鮮明にした。

大統領就任後3回目の一般教書演説で、テーマは「偉大な米国の復活」。民主では大統領選の候補指名争いが3日に始まっており、演説は再選に向けた事実上の選挙公約の意味合いも持つ。議会上院でウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判が開かれ、与野党対立が深まる中での異例の演説となった。

トランプ氏は「大統領選以来、700万人の雇用を生んだ。失業率は半世紀ぶりの低水準にある」と指摘した上で、支持基盤の労働者層を念頭に「これはブルーカラー好況だ」と自画自賛した。「歴史的な減税や記録的な規制緩和を進めた」と就任後3年の成果を次々と振り返った。

通商政策では1月に中国と署名した「第1段階合意」を巡り「米国製品に新しい巨大市場が開かれる」と力説した。北米自由貿易協定(NAFTA)見直しを実現したことを挙げ「過去(の大統領)と違って私は公約を守る」と強調した。新協定で「自動車産業に10万人の高賃金の雇用を生む」とも主張した。

医療や移民政策では、大統領選で民主党の左派候補が提唱する国民皆保険構想を念頭に「民間医療保険を完全に廃止しようとしている人がいる」と警告。「社会主義に米国のヘルスケアを破壊させない」と呼びかけた。感染が広がっている新型コロナウイルス対策に関しては「中国政府と協力して取り組んでいる」と説明した。

メキシコとの「国境の壁」建設を推進し「前例のない努力をなし遂げた」とも強調。不法移民の流入が減ったとアピールした。民主の地盤であるカリフォルニア州など不法移民に寛容な都市部をやり玉に挙げたうえで「米国は外国人犯罪者への聖域にしてはいけない」と訴えた。

民主が支持する銃規制強化に改めて反対を唱えたほか、妊娠後期の中絶を禁じる法案を成立させるよう議会に要請し、自身の支持基盤の保守層に配慮した。

外交・安保政策では、イラン革命防衛隊の司令官や、過激派組織「イスラム国」指導者を殺害した実績を強調した。アフガニスタンからの米軍撤収にも改めて意欲を示した。北朝鮮の非核化問題には言及しなかった。

大統領選の年は与野党対立が先鋭化し、政策の法制化は難しいため、大統領権限が大きい通商や外交への政策実行に傾斜する可能性がある。政府閉鎖で実施がずれ込んだ19年の前回演説はインフラ投資などで「団結」を訴えたが、歩み寄りの機運は高まらなかった。
関連記事を紹介。

各テーマについて触れておきます。

偉大な米国の復活について

今回の一般教書演説のテーマは「偉大な米国の復活」となっており、アメリカ・ファーストも一緒なのですが、日本の2012年の選挙の「日本を、取り戻す」というキャッチコピーで選挙を戦いました。

日本を、取り戻す。 - Wikipedia

著書には「これは単に民主党政権から日本を取り戻すという意味ではありません。敢えて言うなら、これは戦後の歴史から、日本という国を日本国民の手に取り戻す戦いであります」とあります。

アメリカ・ファーストも「偉大な米国の復活」というのも基本理念は一緒です。これも理念としては、以前に書いてました。「大統領選以来、700万人の雇用を生んだ。失業率は半世紀ぶりの低水準にある」の通り低水準にあり、支持基盤の労働者層を念頭にブルーカラーの雇用を支えたわけですね。

失業率は以下となります。

アメリカの人口・就業者・失業率の推移 - 世界経済のネタ帳


余談ですが、このサイトはオススメです。

世界経済のネタ帳 - 世界の経済・統計情報サイト
https://ecodb.net/

減税や規制緩和という経済政策のお手本とも言える政策で、こないだのダボス会議でも、「自由な企業活動を支える米国モデルは21世紀とその後の世界の手本になる」と主張しておりました。

大型減税や規制緩和を進め、半世紀ぶりの水準に改善した失業率については、成果として有権者への訴えにもなります。

ここでアメリカ・ファーストについて触れておきます。一部抜粋。
アメリカ・ファーストと地産地消-ぱよぱよ日記

米中貿易関係ですが、製造業と金融業の兼ね合いもありますが、アメリカとして、金融・ITに軸を置いた経済に限界を感じてるのと、知的財産権を無視した世界の工場の中国をこれ以上野放しにすると、製造業そのものが死ぬことを意味しますので、製造業と金融業のリバランスとしての方法として、関税を利用しているように思います。
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これらの動きのもう一つの意味合いとして、製造業においても、製造技術の発展により、地産地消の動きに緩やかに移行しているかもしれません。自国で消費するものは出来る限り自国で生産、他国とのやり取りは、投資の見返りとして対価を得るという方向といった感じが最適とも言えます。代用可能な部門での輸出入においては、失業者の輸出入の関係であることから、地産地消で失業者の押し付け合いが減れば、移民も減ることになるし、移民への負担を減らすためには産業構造を変える必要が出てきます。
米中貿易交渉もその一環なのですが、これも自国の産業や雇用のリバランスを目的としており、金融・ITに偏った産業構造を、製造業など多くの産業を強化することで、リバランスすることがホントの目的のように思います。

あとは移民問題についても、地産地消&投資という方法にスライドしていけば、不要な移民も減りますし、今までの産業構造を変革する方が合理的ともいえるし、アメリカ向けに輸出するよりは現地法人を作って投資を促してるわけですね。日米通商交渉において、日本に対して一見甘い対応を取ってる理由はここにあって、トランプ大統領は物というよりは、自国の雇用ベースで物事を見てるように思います。これこそが、「自由な企業活動を支える米国モデル」という一面であるわけです。例えば、日本企業がアメリカに投資して、現地の住民を雇用して、税金を払ってくれるなら、全く問題ありませんしね。これは逆も然りですし、課税逃れについては、国際社会で取り締まる流れになっております。

通商について

通商交渉については、米中の「第1段階合意」や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しも含めて、公約を実行しております。最もアメリカの場合、ほとんどの産業が自国関係出来るという他の国では絶対無理なチート国家なので、個別交渉の方が適してるのもあるので、そこまで多国間協定というのは、そこまで重要視されない国だから出来るというのも重要です。TPP離脱の理由の一つとして、多国間協定は重要ではないのと、NAFTAの抜け穴防止が理由という話で、政治的ではなく、合理的な考えでの判断であったわけです。

ブルームバーグの記事を引用。
 このうち中国を巡っては、「米国の雇用の大規模な窃取」に対抗するために同国に関税を課す自身の戦略は成功だったと主張。「われわれの戦略はうまく行った」とし、「数十年にわたり、中国は米国を利用してきた。われわれは現在、それを変えているが、同時に、習近平国家主席を含め中国との関係は恐らくこれまでで最も良好だ」とも語った。
地産地消の観点からも、「米国の雇用の大規模な窃取」という表現は正しく、関税というのも、関税を利用して雇用を取り戻すための戦略であって、関税というツールの使い方は今までの概念とは異なり、貿易競争という意味合いで考えると、本質を見失います。中国側の事情は省きますが、「習近平国家主席を含め中国との関係は恐らくこれまでで最も良好」と言えるのは、利害関係が一致しており、通商交渉は米中の双方にとって、ウィンウィンの関係にあるともいえます。

米中が第1段階の経済・貿易協定に署名、中国は今後2年間で2,000億ドル以上の米国産品を購入(中国、米国) | ビジネス短信 - ジェトロ

中国国内メディアの報道は、合意内容が「平等、互恵、ウィンウィン」であることを強調しているわけで、これは決して負け惜しみじゃなく、事実と認識しております。中国企業の競争力は決して低くないしね。

医療政策について

医療政策ですが、アメリカという国家の現状から見ても、民間医療保険の方が、国民皆保険よりはマシといった力学での話ともいえます。

オバマケアの問題点は以下の記事あたりに含まれてそうです。

オバマケアは、民間の保険会社が提供する保険商品を個人がそれぞれ買うシステムを強制させたものであって、儲けるのはウォール街という制度だったわけです。日本の国民皆保険というシステムではなく、より始末の悪い制度だったわけで、「民間医療保険を完全に廃止しようとしている人がいる」というのは、こういった理由で、民間で自由に競争させて民間医療保険を充実させたほうがマシといった判断ともいえます。

新型コロナウイルス対策についても、「中国政府と協力して取り組んでいる」とあるし、習近平国家主席の対応は評価しているようなツイートをしてるし、その点は連携できてると思います。

移民政策について

これは簡単になりますが、メキシコとの「国境の壁」建設を実現するとは思ってませんでしたし、不法移民については、アメリカの課題ともいえます。



利益のためなら、不法移民を受け入れても構わないような状態ですし、民主党の基盤のカリフォルニア州みたいな聖域都市などの問題もあって、不法移民問題は結構深刻な状況ともいえるわけです。人権を考えた場合は、早期の強制送還がベターではありますが、日本も同様ですが、収容に関する問題も抱えており、移民問題を解決する上では、現地を安定させるのが合理的といった判断もあるわけです。

ここらへんは、パレスチナ問題についても一緒です。この件は過去記事を紹介。

ぱよぱよ雑談~20200130-ぱよぱよ日記

結局は不法移民や難民に関する利権があるから、こういう構造が生まれるわけで、こういったものを潰そうとしているのが、日米の今の取り組みともいえます。難民を受け入れることではなく、発生要因をなくすための支援といった形に変えようとしております。

外交・安全保障政策について

イラン革命防衛隊の司令官や、過激派組織「イスラム国」指導者を殺害した実績や、北朝鮮との対話についても、有事を避けるために効果的にリソースを注いで、現状はある程度安定しているともいえます。

そういう意味では、大統領選までの時間を作るための目処は現状でつけているともいえます。北朝鮮についても、表立っては動きにくいでしょうし、イランも一緒です。革命防衛隊の司令官殺害は実は効果的で、その後にウクライナ機を誤射で落としてしまったので、国際社会的にも、動きにくくなってるのと、混乱の大きさから、効果的な方法であったということは見えてくると思います。

ここらへんは中東和平案に通じますが、これで困ってるのは、国連、NATO、パレスチナの指導者といった構図ですので、ここらへんの力学関係にメスをいれるのが効果的だと思います。

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