平成も残り5日となりました。残り5日となりますが、国民一人ひとりがいい形で令和に繋げることが出来るように願いたいものです。


まずは露朝首脳会談関係から。
北の非核化には多国間の保証必要、「米だけでは不十分」=ロ大統領 - ロイター

[モスクワ 25日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は25日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談終了後に記者団に対して、朝鮮半島の非核化や制裁、米国について話し合ったことを明らかにした。

プーチン大統領は「会談の成果に満足している」と述べた上で、核プログラムを廃棄するためには、北朝鮮が国際的な安全の保証を必要としていると指摘。こうした保証が機能するには、日本を含め核問題に関する6カ国協議の参加国による多国間の枠組みの中で提供される必要があり、米国だけの保証では不十分との考えを示した。

プーチン氏は「北朝鮮に必要なのは安全の保証だけであり、われわれは一丸となって考えなければならない。こうした安全の保証は国際的な枠組みでなければ成り立たず、2国間合意では不十分だ」と語った。金委員長については「非常にオープンで、思慮があり、興味深い」と評した。

金氏は、朝鮮半島の問題は世界の関心事と述べるにとどめた。
露朝首脳会談の件ですが、予想はしておりましたが、共同声明の類などはないため、具体的な内容についてはよく分からないというのが実情のように思います。そういう意味では、露朝関係だとメディアの報道は特に憶測ベースになりがちなので、別の角度から読み解く必要が出てきます。

確実に分かることとして、露朝で共通して言えることはお金がなく、経済的に困っているというのはあります。あと金正恩という人物について、トランプ大統領やプーチン大統領も悪いような感じの発言をしておらず、「互いに気に入っているし、良い関係を築いている」といった発言をしております。首脳同士の表立ったメッセージという意味合いでは、金正恩氏との関係は悪くはないということだけは確かなように思えます。

トランプ・金正恩の交渉自体は破綻していない 2回目の米朝首脳会談を振り返る(後編) WEDGE Infinity(ウェッジ)

上記の記事あたりも参考になると思います。プーチン大統領も「北朝鮮が国際的な安全の保証を必要としている」と指摘していることが重要であって、ここをどのようにして埋めていくかが、北朝鮮の非核化に向けた交渉ともいえます。金正恩氏の恐れてるのは、非核化などを受け入れたことによる体制崩壊の1点であるのは明らかで、制裁以上に体制崩壊を恐れており、リビアと同じ状態になることを恐れてるわけです。

アメリカもブッシュ政権やオバマ政権にしてもウォール街側の勢力というのもあって、トランプ大統領個人というよりは、アメリカを警戒しているといった一面も、非核化交渉が難航している理由の一つとも言えます。

あと前提として、中露朝の枠組みについても微妙で、表面的な利害関係で繋がってる一面もあるといった程度で、機能していなかった6カ国協議に言及したということも、別のメッセージも含まれてる可能性もないわけではないです。かといって、日本としては拉致問題の解決といった重要な問題もあるわけで、この協議に乗っかかるというのは、日本としても避けたいのはあると思います。中露朝韓は信用は出来ませんし、6カ国協議ではないところで、拉致問題の解決に向けて動く必要があるように思います。対北朝鮮については、核問題の解決、拉致問題の解決がセットになることからも、日米主体で動いた方がいいのは確かだと思います。

以下の記事は参考になると思います。

北朝鮮にとっては、今回の会談でロシアカードを手にすることになり、米中への一定の牽制にはなるのはあるし、これは日本についても同じともいえます。対談時間を見ても、1対1である程度のことを話してることが全てだと思います。

露朝首脳 1対1会談は予定超え2時間に|日テレNEWS24

朝鮮半島における米露の思惑は一致しているが、両者のアプローチは異なっており、北朝鮮への制裁については、ロシア経済のカードという意味合いとしても、制裁緩和を望む立場でもあり、お金のない国同士というのもあるので、そういった利害関係の問題も生じてくるわけです。

韓国はプレーヤーですらないのでいいとして、日本がどのようにして動くかになりますが、既定路線に従って動く必要がありますし、外交青書のロシアや北朝鮮の件は、別の意味があると思いますがね。

記事を紹介します。
日韓の「未来志向」削除 平成31年版外交青書、北朝鮮への表現抑制 - 産経ニュース

 河野太郎外相は23日午前の閣議で、平成31年版「外交青書」を報告した。日韓関係について、いわゆる徴用工判決など韓国側がつくり出した数々の問題に触れて「非常に厳しい状況に直面した」と説明し、従来用いた「未来志向」の文言を削除した。他方で30年版で使った「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」「北方四島は日本に帰属する」の表現を省いた。北朝鮮とロシアを刺激する表現を控えることで、拉致問題や北方領土交渉の進展につなげる狙いがある。
全文はこちら。

これに大した意味があるとは思いませんが、外交青書にあろうがなかろうが、日本の外交戦略全体が変わるわけではないですし、北朝鮮とロシアを刺激するというよりは、日本としては交渉の余地があるといったメッセージでもあって、書かれてないから放棄したというわけではなく、露朝を引きつけておく必要があっての話ともいえます。


寧ろ、注意が必要なのはイラン関係です。
イラン、ホルムズ海峡閉鎖を警告-米の全面禁輸発表前に表明 - Bloomberg

イランの軍幹部は同国産原油の全面禁輸を米国が発表する前に、ホルムズ海峡の利用を妨げられるならイランが海峡を閉鎖すると述べた。国営ファルス通信が報じた。ホルムズ海峡はペルシャ湾岸諸国の石油の重要な搬出路。

  ファルス通信によると、イラン革命防衛隊のタンシリ海軍司令官はホルムズ海峡について、「われわれがその利用を妨げられれば、閉鎖する」とし、「何らかの脅しをかけられれば、ちゅうちょなく航路の保護と防衛を行う」と語った。
発端となる記事は以下となります。イラン原油の全面禁輸へ動き出すことになります。


経緯については、以下の記事あたりが参考になると思います。


記事を見れば、「アメリカは、イランと2015年に結んだ6カ国核合意からの離脱を表明(米英仏独中露の6か国)。あらたに、核開発中止と周辺諸国への影響力行使(テロ組織支援)を止めることを目的にポンペオ米国務長官は、イランに12項目の要求を突き付けています」とあります。この要求の一つが原油の禁輸ともいえます。各国の事情などもある程度見えてくると思います。

ホルムズ海峡の閉鎖については、ホルムズ海峡はペルシャ湾岸諸国の石油の重要な搬出路でもあることからも、世界経済への影響も大きくなります。

イラン問題といえば、ファーウェイが出てきました。

経済でみればイラン問題の方が大きいように思います。そしてトランプ大統領の動きとしても、イランは強硬姿勢、中国との通商交渉は急いではいない、EUとの関係あたりも鍵になってくるように思います。

そして中国とEUの様子・・・。

そして反トランプ系の記事ではありますが、中国の弱体化とEUの求心力を失う流れになる可能性は高いことからも、ホントのプレーヤーがどこにいるのかに尽きます。

これらの情勢をみて、露朝首脳会談の持つ意味を考えてみるのもいいと思います。令和に向けた日本の外交が何を意味するかもね。安倍首相の欧州歴訪にも大きな意味があるし、それだけ外交的に重要な局面にあることは確かだと思います。