まずはこちらの話題から。

デジタル庁関係


 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は7日午前の記者会見で、デジタル行政の一本化の必要性について「新型コロナウイルス(の感染拡大)を機にテレワークが広がるとともに、行政や民間の間でデジタル化の必要性が改めて明らかになった」と強調した。

 菅氏は総裁選の政策でもマイナンバーカードなどデジタル政策に関して「強力に進める体制を構築する」としており、「デジタル庁」などの創設を検討しているとみられる。

 省庁再編に関しても「官房長官としての経験」と前置きした上で「なかなか進まない課題は複数の役所にまたがるものが多い」と指摘。「どういう政策を実現するかということを最優先に、役所の仕事や組織の在り方は常に見直しする必要がある」と語った。
関連記事です。
菅氏はデジタル庁の創設を検討しているようです。読売新聞の記事を見れば、厚生労働省の組織再編に意欲を示しており、自民党内でも社会保障政策を一手に担う厚労省の業務負担が大きく、厚生分野と労働分野に分割すべきといった声も上がっていたようです。年金の分野でもいろいろとありましたし、旧社会保険庁の消された年金記録の自爆テロとかいうのがありました。その点では、ここに手を加えるというのは必要というか、組織が長くなると利権が生まれて腐敗しやすいといったのは典型例ではありますが、その観点からも、厚労省の再編はデジタル庁以前の話で必要であるのは確かです。例の局長通達もあるしね。

菅氏の総裁選の政策を紹介します。





デジタル庁については、各省庁のデジタル政策を一元化する組織と想定しておりますが、省庁の縦割りといった話になりますね。省庁だけではなく、地方行政も含めて一元化する方向になるとは思います。デジタルがいいのかどうかはさておき、今後はデータをある程度一元化した方がいいのは事実で、マイナンバーカードも今後稼働することになりますので、こういった組織は必要になると思います。

岸田氏もデータ庁といった内容を打ち出しております。部分抜粋です。

岸田氏は新型コロナウイルス対応で顕在化したデジタル対応の遅れを改善するため、新たに2つの政府機関を創設する考えを示した。「政府に強力な権限を持つ組織が必要だ」と語った。

具体的には産業や医療に関する国内外のデータを活用して経済成長やコロナ対策につなげるために「データ庁」を設ける必要性を唱えた。司令塔組織として「データの標準化やルールをつくり、世界と協調できる体制をつくる」と話した。

経済成長には「ビッグデータや(高速通信規格)5Gなど最新技術を社会に実装することが大事だ」と強調した。

もう一つの新設機関として「政府デジタルトランスフォーメーション(DX)推進委員会」も打ち出した。行政の縦割りを排して社会全体のデジタル化を推進する。

現行の行政の体制には「省庁や自治体ごとにシステムが最適化されて共通性や汎用性が乏しい。全体のデジタル化が進まない」と苦言を呈した。
この点においては、菅氏も岸田氏も同じ方向を向いており、自由民主党政務調査会が取りまとめた「デジタル・ニッポン2020」の方向性になると思います。

○デジタル・ニッポン2020

提言項目は以下となります。

今後の政策の方向性、自民党として行われている議論というのを通じても、今後の立法の方向性というのは見えてくると思いますし、デジタル庁については、自民党としての取り組みといった感じで捉えるのがよさそうですね。

安倍談話について


 安倍晋三内閣が9月に方向性をまとめる方針だった敵基地攻撃能力を含む安全保障戦略の新たな方向性について、次期政権に判断を委ね、与党協議を促す首相談話を発表する方針を固めたことが5日、分かった。週明け以降、発表する。談話では年内に結論を得ると記すが、自民党が提言した「相手領域内で弾道ミサイルを阻止する能力」は盛り込まない。

 政府関係者によると、首相談話は閣議決定を経ない形でまとめられる。年末に改定を目指していた国家安全保障戦略も来年以降に先送りされる公算が大きくなった。

 政府は8月26日の国家安全保障会議(NSC)で、敵基地攻撃能力に関する素案をまとめたが、首相談話には反映しない。公明党が慎重な姿勢を示したためで、与党協議も含めた検討は今月16日に発足する予定の新内閣が担う。

 安倍首相は6月の記者会見で、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の配備断念を受け、安保戦略の「新たな方向性」を打ち出すと表明。辞任を表明した8月28日の記者会見でも与党協議を経た具体化に意欲を示していた。
関連記事は以下となります。


敵基地攻撃能力を含む安全保障戦略の新たな方向性について、首相談話として、今週後半に発表するようですね。自民党が提言した内容は以下となります。

○国民を守るための抑止力向上に関する提言

以下引用します。
(2) 抑止力を向上させるための新たな取組

わが国への武力攻撃の一環として行われる、国民に深刻な被害をもたらしうる弾道ミサイル等による攻撃を防ぐため、憲法の範囲内で、国際法を遵守しつつ、専守防衛の考え方の下、相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力の保有を含めて、抑止力を向上させるための新たな取組が必要である。

その際、「攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能」との従来の政府の立場を踏まえ、わが国の防衛力整備については、性能上専ら相手国国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有しないなど、自衛のために必要最小限度のものに限るとの従来からの方針を維持し、政府として早急に検討し結論を出すこと。
「相手領域内で弾道ミサイルを阻止する能力」を含まないというところですが、この文言もわかりにくい部分もあるので、その点はある程度整理は必要かもしれません。最も、閣議決定を経ない形でまとめられるというのと、8/26の国家安全保障会議で、敵基地攻撃能力に関する素案を含まないとなれば、ある程度は踏み込んだ内容になるのかもしれませんね。どっちにしても、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が機能しないのが判明したわけで、ある程度幅を持たせた形の安全保障体制の議論は必要になるでしょうし、どっちみち今やるべきことは国内の大掃除なわけで、「国家安全保障戦略も来年以降に先送りされる公算」というのが何を意味するのかというのも重要になってきますね。

大阪市を廃止する住民投票について


 大阪市選挙管理委員会は7日、大阪都構想の是非を問う大阪市民対象の2度目の住民投票について、10月12日告示、11月1日投開票とする日程を正式に決定した。投票用紙には平成27年の前回住民投票では盛り込まれなかった、「大阪市を廃止」という文言を明記することも確認した。

 住民投票の日程をめぐっては、松井一郎市長(大阪維新の会代表)が、10月中に衆院解散・総選挙があれば経費削減や投票率向上のため「同日実施にしたい」という意向を示している。また、新型コロナウイルスが感染拡大した際には、延期ができるかどうかについても告示までに判断するとしている。

 一方、前回住民投票では、投票用紙に「大阪市における特別区の設置についての投票」と記載され、大阪市の廃止については明記されなかったが、今回は文言として盛り込まれることになった。

 市選管によると、平成30年の市議会で大阪市の廃止を明記するよう求める陳情が賛成多数で採択されたことを考慮した。松井氏からは「大阪市役所を廃止」という記載案の意見が出されたが、市選管の判断で「市を廃止」という文言にすることを最終決定したという。

 都構想の協定書は8月28日に府議会、今月3日に市議会で承認された。大都市地域特別区設置法は、協定書を作成した大阪府と市の法定協議会への議会承認報告から60日以内に住民投票を実施するよう規定している。

 投票率にかかわらず1票でも賛成票が上回れば令和7年元日に大阪市を廃止し、4つの特別区の設置が決まる。市は協定書(設計図)への理解を深めてもらうため、9月下旬から住民説明会などを開催し、周知活動を強化していく。
大阪市を廃止する住民投票の件です。10月中に衆院解散・総選挙があれば経費削減や投票率向上のため「同日実施にしたい」という意向とか言いながら、当初からこの時期にやると決めたのは、次期衆院選とお得意の当日選挙を想定してたと思いますし、その点では、かなり悪質な嫌がらせとは思っております。

前回住民投票では、投票用紙に「大阪市における特別区の設置についての投票」というのもタチが悪いですし、大阪市解体して、大阪府に税金を上納するといったふざけた住民投票を行ったわけです、ハイ。松井氏からは「大阪市役所を廃止」という記載案の意見とか、ホント住民投票をおもちゃとしか思っていないことは明白でしょう。大阪都更送ですしねwww

最も、平成30年の市議会で大阪市の廃止を明記するよう求める陳情が賛成多数で採択されたといったのも、こういった対策でもあったわけですし、事前にそれなりの準備はしてたともいえます。

そして別の意味で準備がされてる様子www
どうやら、否決されても居座る様子ですwwwメディアのミスリードと、住民に理解させずに勢いで押し切りたい維新側ではありますが、「大阪市を廃止」と明記されて、実際に大阪市に何のメリットもないことがバレたら、いろんな意味で終わりですので、ひょっとすると内心は否決してほしいのかもしれませんね。否決されても、大阪府と大阪市が一体となって取り組むとかいえばダメージは殆どありませんが、大阪市が廃止となれば、その方が維新へのダメージが大きくなる可能性も高く、次の統一地方選で野党に追い込まれる可能性もあるわけで、その点でも注目したいと思います。