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デジタル庁関係

デジタル改革関係閣僚会議についてです。

 令和2年9月23日、菅総理は、総理大臣官邸でデジタル改革関係閣僚会議に出席しました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「今回の新型コロナウイルスへの対応において、国、自治体のデジタル化の遅れや人材不足、不十分なシステム連携に伴う行政の非効率、煩雑な手続きや給付の遅れなど住民サービスの劣化、民間や社会におけるデジタル化の遅れなど、デジタル化について様々な課題が明らかになりました。
 この政権においては、かねて指摘されてきたこれらの課題を根本的に解決するため、行政の縦割りを打破し、大胆に規制改革を断行します。そのための突破口として、デジタル庁を創設いたします。
 この新たな組織の創設により、国、自治体のシステムの統一・標準化を行うこと、マイナンバーカードの普及促進を一気呵成(かせい)に進め、各種給付の迅速化やスマホによる行政手続きのオンライン化を行うこと、民間や準公共部門のデジタル化を支援するとともに、オンライン診療やデジタル教育などの規制緩和を行うことなど、国民が当たり前に望んでいるサービスを実現し、デジタル化の利便性を実感できる社会をつくっていきたいと考えます。
 そのため、デジタル庁は、強力な司令塔機能を有し、官民を問わず能力の高い人材が集まり、社会全体のデジタル化をリードする強力な組織とする必要があります。
 そのための検討を加速し、年末には基本方針を定め、次の通常国会に必要な法案を提出したいと思います。あわせて、デジタル分野における重要法案であるIT基本法の抜本改正も行う予定です。
 デジタル庁の創設は、我が国の経済・社会の大きな転換につながる改革であり、今までにないスピードで取り組む必要があります。平井デジタル改革担当大臣は、この改革の中心として、様々な壁を突破し、思い切った舵(かじ)取りを行っていただきたいと思います。また全ての閣僚においては、この大きな改革を全力で協力していただくよう、お願い申し上げます。」
資料は以下となります。

○ デジタル化の現状・課題 令和2年9月23日




新型コロナ関係の対応において、国、自治体のデジタル化の遅れや人材不足、不十分なシステム連携に伴う行政の非効率、煩雑な手続きや給付の遅れなど住民サービスの劣化、民間や社会におけるデジタル化の遅れなどの課題が浮き彫りになり、これらにおいて、行政の縦割りを打破するために、突破口にとしてデジタル庁を設立するようですね。日本的には電脳庁とか言う方が響きがいいような気がしないでもないけどw

国、自治体のシステムの統一・標準化、マイナンバーカードの普及促進、行政手続きのオンライン化、オンライン診療やデジタル教育などが当面の目標になることになると思います。デジタル化における紐付けの軸となるのはマイナンバーになると思いますし、マイナンバーを軸とした縦割り部分の解消や口座の紐付け、行政システムのオンライン化並びにシステムの統一・標準化など、ベースを作ってしまえば、ある程度の効率化ははかれるものと思います。

当然の話ですが、セキュリティ面が重要となりますし、クラウドやオンライン化に伴うリスクについても議論が必要となることから、相応の人材が必要となるのと、きちんと仕様を固めてやらないと逆に非効率ですし、現場においては十分な旗振りが出来る人間がいて設計がザルだと、今騒ぎになってる資金の不正流出みたいな事態を引き起こしますので、その点は注意してから実現する必要があります。

ケーススタディとして、一連の資金の不正流出の件を紹介します。これこそ縦割りによる弊害が表に出た一例ですし、参考になると思いますよwww


あとIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)を紹介します。


この辺も安倍政権時代からの課題ともいえますし、デジタル国家に向けて進んでいくものと思います。
行政のデジタル化に向けた政策立案を一元的に担う新組織を党政調に作り、甘利氏を座長とするようですね。

中小企業基本法の見直しについて


 菅義偉政権は中小企業基本法の見直しに向けた検討に着手する。税制上の優遇措置や補助金を受けられる中小企業の定義を変え、再編や経営統合を促す。生産性を向上させ、最低賃金の引き上げにつなげる狙いもある。ただ政府内では、性急な改革で税優遇などを失えば、企業淘汰(とうた)を誘発しかねないと懸念する声も出ている。

 中小企業は国内企業の99.7%を占める。基本法は中小企業の定義を業種別に定めており、例えば製造業は、資本金3億円以下または従業員300人以下。該当する企業は税優遇などを受けられるため、この定義から外れないよう規模拡大に動かないとの指摘がある。定義見直しで阻害要因を取り除けば、再編が進むという考え方だ。
 菅首相は梶山弘志経済産業相に中小企業の再編を促す仕組みづくりを指示した。経産省幹部は生産性を向上させるための再編促進について、「われわれも方向性は同じ」と話す。
 しかし、同幹部は中小企業の定義見直しで税優遇や補助金を受けられない企業が出てくれば、経営難に陥る恐れがあるとも指摘。少子高齢化や過疎化が進む地方で過度に再編を促すと、地域に必要な企業が外部の企業に吸収され流出しかねないと懸念する。このため、「スピード感とやり方を誤れば、相当の悪影響が出る地域もある」と強調する。
 菅首相は安倍前政権で、最低賃金引き上げの議論を主導。先の自民党総裁選の政策集にも「最低賃金の全国的な引き上げを行う」と明記した。
 ただ、賃金引き上げは新型コロナウイルス感染拡大で苦境に立つ中小企業の経営体力を奪う恐れがある。梶山氏は「最低賃金を上げられる環境づくりが第一だ」と述べ、中小企業の収益力向上が前提になるとの見方を示す。景気の先行きが見通せない中、菅政権の狙う改革が思い通りに実現するかは予断を許さない。
中小企業基本法についてです。中小企業関係は過去記事を紹介します。


中小企業における課題に関する資料を紹介します。

○中小企業・小規模事業者の現状と課題 - 中小企業庁 

○2020年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要


中小企業の定義は以下となります。カッコ書きが小規模企業者となります。


【製造業/建設業/運輸業】
資本金3億円以下、従業員が300人以下(20人以下)
 
【卸売業】
資本金1億円以下、従業員が100人以下(5人以下)
 
【サービス業】
資本金5,000万円以下、従業員100名以下(5人以下)
 
【小売業】
資本金5,000万円以下、従業員が50人以下(5人以下)

今回の中小企業基本法の背景としては、「該当する企業は税優遇などを受けられるため、この定義から外れないよう規模拡大に動かない」といったものがあります。この定義を見直せば、中小企業の再編を促す仕組みが出来る可能性、再編を行うことによる生産性の向上等が見込めるといった狙いがメインになると思われます。

弊害としては、「中小企業の定義見直しで税優遇や補助金を受けられない企業の経営難に陥る恐れ」、「少子高齢化や過疎化が進む地方で過度に再編を促すと、地域に必要な企業が外部の企業に吸収され流出しかねない」といった問題点を抱えております。

また、菅首相は安倍前政権で最低賃金引き上げの議論を主導しており、総裁選でも地方を活性化するため最低賃金の全国的な引き上げを掲げておりました。特に中小企業の最低賃金引き上げは、経営的に難しいのが実情であることから、中小企業の収益力向上のためにも、中小企業の再編を促し、生産性を向上させることが一連の狙いになっているものと思われます。

もう一つ重要なポイントが以下となります。過去記事より引用。

460件は高齢になった経営者の後を継ぐ人材が見つからず、事業の継続を諦めたことが原因で、185件は、必要な従業員を確保できなかったことが理由となっております。事業承継をスムーズにして、必要な事業承継も重要ですし、廃業したくても廃業出来ないケースもあります。

中小企業の現状としては、廃業したくても、債務などのしがらみによって、廃業したくても廃業出来ない現状、今の自分の生活や従業員の生活を必死に守ってる企業も少なくないのが現実だと思います。事業承継の拒否の理由や、後継者が見つからない理由の一つとして、こういった現状もあるわけで、事業を継承したくない理由も重要となります。

その観点からも、中小企業への支援というのも重要で、中小企業成長促進法も重要なのですが、ホントの意味の事業維持という観点や、事業承継の阻害要因については、個人保証だけではなく、事業の維持することが重荷になってる中小企業も少なくないという点も、今後において重要な鍵となってくると思います。親族で自営業に関わってる人であれば、会社を大きな揉め事もなく畳むことが出来るというのも、大きな障壁であるという一面であるというのも、重要なポイントになってくると思います。
中小企業再編の観点では、廃業したくても廃業出来ないケースのケアも重要ですので、この点も今後は問われてくると思われます。

大阪市解体関係


 大阪府の吉村洋文知事と松井一郎大阪市長は23日、東京都内の日本記者クラブで会見し、大阪市を廃止して四つの特別区に再編する「大阪都構想」について説明した。住民投票が否決された場合の対応を問われ、吉村氏は「(知事を)辞めることは考えていない。冷静に大阪の未来を考えて投票していただくのが適切ではないか」と、辞任を否定した。

 一方、松井氏は「政治家なので任期はしっかり務める。勝つために今やっているが、負けたらそこで僕自身の政治家としては終了だ」と述べた。
 前回2015年の住民投票では、当時の橋下徹市長が反対多数なら政界を引退すると宣言。住民投票は僅差で否決され、橋下氏は任期満了に伴い政界を引退した。
どうやら、大阪市解体に関する住民投票が否決した際に、松井氏は政治家として終了と述べたようですので、是非とも否決して政治家として終了させてあげたい件です。

メリットとデメリットについて紹介します。

 ―メリットは。
 産業振興や成長戦略、交通基盤の整備など広域行政の仕事を府が、福祉や教育など住民に身近なサービスを特別区が行うよう役割を分ける。松井一郎市長は「ニアイズベター(近い方がより民意をくみ取りやすい)」と表現している。専門家は二重行政の解消などで、10年間で1.1兆円の財政効率化効果があると試算する。

 ―デメリットはないの。
 今は吉村洋文知事と松井市長がともに地域政党「大阪維新の会」の幹部。関係は良好で事実上、都構想を実践できている。しかし市の廃止分割が決まると、今の法制度では再び市に戻すことができない。市の固定資産税や法人市民税などの財源が一部府に移るため、「市税が府に奪われる。財源が減って住民サービスが低下しても元に戻せない」と心配する声もある。新型コロナウイルス感染拡大が府と区の財政に与える影響も見通せない。
実際のところは、大阪市にとっては、大阪市廃止で市税の一部は府に移譲され、府と特別区の事務分担量に応じて再配分。約8割は特別区に、残る約2割が府に回る地点で、大阪府にとっては大阪市の市税が回ることで、大阪府の他の地域にはメリットはあるかもしれませんが、大阪市にとってのメリットは全くないどころか、デメリットしかありません。

そういった意味では、大阪市以外の府議が特別区設置について賛成する理由については、大阪市の財源が取れるからといった理由なだけで、大阪市のことを考えての意見ではありませんので、その点も注意が必要です。

一応以下の記事も紹介します。

上記意見について、賛成と反対のどっちが合ってるかというのを見れば、明白だと思います。経済効果も経済成長と特別区の因果関係はありませんし、地方創生やスーパーシティ構想についても、特別区である理由など全くありません。

また、この記事は8月のものですが、特措法改正で政令市の権限強化を検討しているとの記事もありました。特別区になれば当然政令市としての権限はなくなります。


一応過去記事を適当に紹介しときますw



特別区の歴史でも触れておきますw

このような「特別区」制度の特殊性は、太平洋戦争中の1943年(昭和18年)に、旧東京府と旧東京市が、戦時法令である旧東京都制の施行に伴って合併し、東京都が設置されるに至ったことに起因する。地方自治法における特別区の規定は東京都制における区の制度を手直ししたうえで『都』に置かれる『区』として承継したものである。

ところで、現在の「特別区」は地方自治法において「普通地方公共団体」である市に準ずる権限を有し(第281条第2項)、かつ平成12年の改正で基礎的自治体としての地位を回復したとは言えど(第281条の2第2項)、地方自治法の制定時には"基礎的自治体"として位置付けられていたものが1952年の法改正によって"都の内部機関"に改められたという歴史的な経過もあり、その地位や権能は現在においても法律によって左右され得る可能性が捨てきれないことから、日本国憲法において地方自治権を保障された、普通地方公共団体である「市(町村)」とは比較の対象にならないほどに脆弱である。

つまり、現状の特別区は自治権限こそ以前に比べ拡大してはいるものの、法体系上は未だに普通地方公共団体である「市」と同格ではなく「法律により市に準じた権限を付与された団体」としての立場であり、いまもなお「東京都制」の影響、つまり「東京都」(=旧東京市)の内部機関としての位置付けを完全に排斥しきれてはいないのである。
東京都制について紹介します。

東京都制の目的は「帝都たる東京に真の国家的性格に適応する体制を整備確立すること」、「帝都に於ける従来の府市併存の弊を解消し、帝都一般行政の、一元的にして強力な遂行を期すること」、「帝都行政の根本的刷新と高度の効率化を図ること」にあった。大東亜戦争(太平洋戦争)下における、いわゆる戦時法制のひとつである。
どうやら大阪で戦争が行われるのかは知りませんが、所謂戦時法制というものを21世紀に復活させたいようですwww

それはさておき、こんな大阪市にとって何のメリットもない住民投票であるのは事実ですし、松井市長は「『大阪市を廃止』ではなく『大阪市役所を廃止』とできないか」と異論を唱えたようです。

 市選挙課によると、8月下旬に投票用紙案の説明を受けた松井一郎市長は「『大阪市を廃止』ではなく『大阪市役所を廃止』とできないか」と異論を唱えたが、市選管の4人の委員の判断で、変更しないことを決めたという。
そもそも5年前の住民投票で、「大阪市における特別区設置について」とだけ記したわけで、いい加減な住民投票が行われることが問題どころか、住民投票をしょっちゅうやるものではなく、安倍元首相の見解が妥当と思います。
大阪市解体に関する住民投票が否決した際に、松井氏は政治家として終了と述べたわけですし、大阪市を完全にバカにしたような住民投票をやったわけで、都更送に反対して政治家として引導を渡せるかというのも、大阪市の住民に問われてくると思われます。