菅政権の現況ですが、通常国会はそんなもんですし、国際情勢が厳しいこともあって、安倍政権よりは条件が悪いことからも、浮上するのは厳しい状況ともいえます。支持を集めるためには、手堅く政策を実行に移すのと、東京五輪の成功など、「国民のために働く内閣」の原点を見つめ直すしか方法はないと思います。


五輪組織委新会長の件

新型コロナ: 五輪組織委新会長に橋本聖子氏選出 五輪相に丸川氏: 日本経済新聞


東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は18日、女性を蔑視した発言の責任を取って会長を辞任した森喜朗氏の後任を決める理事会を東京都内で開き、五輪相を務めてきた橋本聖子氏を新会長に選出した。兼任が認められていないため橋本氏は五輪相を辞任し、菅義偉首相は後任に丸川珠代元五輪相の起用を決めた。


新型コロナウイルスの感染が収束せず、聖火リレーの開始も約1カ月後に迫る中での異例の会長交代となる。橋本氏は18日夕の就任会見で「安全優先の大会であることを都民、国民にも丁寧に説明したい。スピード感をもって信頼回復に努めていきたい」と語った。議員辞職はしない。


橋本氏は組織委の「候補者検討委員会」(座長・御手洗冨士夫組織委名誉会長)が会長に推薦した。同委員会はアスリート出身者ら男女4人ずつで構成。森氏が独自に元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏に後任を打診したことなどが「密室人事」と批判されたのを受けて設置された。16日に初会合を開き、17日には候補を橋本氏に一本化、18日の第3回会合で候補として正式決定した。


御手洗氏は18日の記者会見で、議論の過程で候補者が9人挙がったことを明かした上で、検討委8人のうち6人が橋本氏を推したと説明。「アスリート出身者からの支持が多かった。国際経験、知名度もある」と述べた。


組織委は2014年1月に発足した。競技会場の整備や大会スケジュールの管理、チケット販売といった大会準備や運営全般を担う。会長は、大会を主催する国際オリンピック委員会(IOC)と、入国管理や防疫措置といった行政面の対応を担う日本政府との間に立つ調整役という位置づけだ。円滑な大会運営に向けて、多岐にわたる課題への対応策のとりまとめが主な仕事になる。


最大のテーマは新型コロナ対策だ。春には観客数の制限措置を決める。無観客や50%までといった選択肢から、橋本氏は日本政府やIOCと協議しながら短期間で結論を出すことが求められる。


4月にはコロナ対策が実際に機能するかをチェックする「テスト大会」がラグビーや競泳で行われる。本番に向けた課題を洗い出す重要な場で、橋本氏は各競技団体とも協力し、コロナ下でも大会運営が可能であることを示す役割を担う。


聖火リレーは3月25日に福島県からスタートする。島根県知事が不参加の可能性に言及するなど、感染対策の遅れや会長人事の混乱に各地の自治体が向ける視線は厳しい。組織委は聖火リレーの主催者で、各自治体との連携体制の立て直しも急務だ。


山積する課題を前に、時間との戦いの側面も強まっている。スポーツ界をはじめ幅広い分野にパイプが太かった森氏の後任として関係者間の調整をこなしていけるか、橋本氏の手腕が問われる。


関連記事は以下となります。


五輪組織委新会長の件ですが、五輪相を務めてきた橋本聖子氏を新会長に選出し、五輪相の後任に丸川珠代元五輪相の起用が決定しました。人事的にはアスリート出身であり、国際経験、知名度、議員ということで政治的な調整も含めて適任とも言える人事で、厳しい状況にも関わらず、火中の栗を拾ってくれたわけです。


会見を見る限り、森元さんに対しては、政治の師でもあり、大変特別な存在であることと、 長年にわたりラグビーW杯、サッカーW杯、五輪・パラリンピックの招致活動も含めて、非常にスポーツ界にご尽力を戴いたといったコメント、経験・実績もありアドバイスもらうといった内容からも、森元さんとの関係も悪くはないですし、以前のソチ五輪での週刊誌報道の件も真摯に応対していることからも、信用出来る人物だと思いますし、東京五輪成功のためにも、国民が一丸となって支えていく必要があると思います。森元さんの後任ということもあって大変な部分もあるかと思いますが、日本政府やIOCと協議しながら進めていって欲しいと思います。


橋本会長になってからは、一番期待したいことはメディアリンチを受けないことでしょうし、マスコミが一番敵でしょうし、中止に追い込んで日本から違約金を支払わせるためにあらゆる工作が待っている可能性もあります。その観点からの対策も必要になるでしょうし、世論操作などにも注意が必要になると思います。報道被害によって、変な動きも出てきておりますので、前途は厳しいのですが、上手く乗り切って欲しいですね。


中国へのマイナンバー流出について

加藤官房長官、中国へのマイナンバー情報の流出を否定 - 産経ニュース


 加藤勝信官房長官は18日午前の記者会見で、立憲民主党の長妻昭副代表が17日の衆院予算委員会で指摘したマイナンバー情報が中国に流出した可能性を否定した。


 日本年金機構が年金受給者のデータ入力を委託した情報処理会社が契約に違反し、中国の業者に約500万人分の業務を再委託したことが平成29年に発覚している。長妻氏は機構に寄せられた匿名メールを示しながら、中国へのマイナンバー情報流出の可能性をただしていた。


 加藤氏は18日の記者会見で、再委託発覚後に年金機構がセキュリティー対策を委託した日本IBMが技術的に検証したとし、情報処理会社に提供したのは「『氏名』『ふりがな』のみであった」と説明した。「調査結果は第三者機関も検証し、日本IBMの結論には信頼性があるとの評価を受けた。一定の結論は得られている」と語った。


ミスター自治労の長妻氏は機構に寄せられた匿名メールを示しながら、中国へのマイナンバー情報流出の可能性をただしてたようですね。厚労省と民主党のルートはありますし、このルートは自治労の消えた年金とかいう自爆テロを思い出してしまいますが・・・。

この事件については以下となります。

当時の記事でも、SAY企画が大連の業者に渡していたのは「年金受給者501万人の氏名と読み方」のみで、住所やマイナンバーなど個人を特定する決定的な情報は流出していないといった話でしたし、日本IBMの技術的に検証や第三者機関の検証の結果も踏まえても、マイナンバーの流出はなかったという結論は間違ってはいないと思われます。最も不適切な委託をしたというのは問題ですし、その点については批判されて当然ともいえます。


最も生妻氏が入手した厚生労働省からの情報だと、「マイナンバーを含む個人情報が中国のインターネット上に流出している」とあるみたいなので、どのような情報が流出しているのかの特定は必要ですし、ここらへんの裏取りが重要のように思います。


約束手形の件

約束手形、26年めどに廃止 産業界に要請へ―政府方針:時事ドットコム


 政府が、企業間の決済で使われる紙の約束手形について、2026年をめどに事実上廃止するよう産業界に求める方針を固めたことが18日、分かった。約束手形は実際に現金を受け取るまでの期間が長く、中小企業の資金繰りを圧迫しているため、現金での振り込みや電子的な決済手段への移行を促すことで負担軽減を狙う。近く開かれる経済産業省の有識者会議で、廃止に向けた報告書案が示される。


 約束手形の支払期日は現行、最長120日となっている。経産省が実施したアンケート調査によると、支払いにかかる期間は現金振り込みが平均約50日だったのに対し、約束手形を利用した場合は約100日もかかっていた。


 このため、約束手形は支払い側の企業にとって資金繰りに余裕が生まれるメリットがあるが、受注した側の企業の資金繰りは厳しくなる。さらに、紙でのやりとりは受け渡しや保管の手間がかかる上、新型コロナウイルス感染拡大で求められるテレワークなどの妨げにもなる。


 政府は約束手形の代わりに、現金振り込みやインターネットバンキング、電子手形などの利用を促す。各業界団体に対しては、約束手形廃止に向けた5年間の自主的な行動計画策定を求める。政府は既に、24年をめどに約束手形の支払期日を60日以内に短縮する方針を決めている。


 全国銀行協会の三毛兼承会長は18日の記者会見で「電子的な支払いが紙よりも安価で使いやすいことが大事。中小企業の利用を促進するため料金体系や機能を改善する」との考えを示した。


約束手形の件です。以下の記事を紹介します。


約束手形の仕組みとは?小切手との違いやメリット、仕訳方法


『約束手形』とは、商取引における代金決済方法の一つです。将来の一定期日に代金を支払うことを約束した有価証券であり、代金を支払う側(振出人)が代金を受け取る側(受取人)に約束手形を発行することで代金決済が完了します。


受取人は指定された期日になったら金融機関に手形を取り立てに出し、現金に換金することができます。


しかし、受取人や指図人が一定期日に金融機関に取り立てに出しても、振出人の口座に残高がなければ現金化してくれません。これを『不渡り』といいます。


約束手形については、発注側にとっては「資金調達期間の猶予」というメリットはありますが、受注側にとっては、「現金の受け取り期間の遅れ」と「不渡り」といったリスクがあり、受注側にとって不利な制度となっております。


約束手形の支払期日は現行、最長120日となっており、支払いにかかる期間は現金振り込みが平均約50日ですが、約束手形の場合は、倍以上の期間を要することになります。中小企業の資金繰りを圧迫するのと同時に、期間が来ても口座に残高がなければ、現金化が出来ないため、経営においてかなりキツいのが現状とも言えます。


政府は約束手形の代わりに、現金振り込みやインターネットバンキング、電子手形などの利用を促すのと、約束手形の期間を24年をめどに約束手形の支払期日を60日以内に短縮する方針のようですね。基本的には電子処理の方がいい部分もありますが、電子手形よりは現金払いの方がいいような気がします。


電子手形については以下のページを案内します。

あと中小企業庁の資料を紹介します。


○約束手形に関する論点について

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/shiharaikaizen/2020/200819shiharaikaizen03.pdf


約束手形については支払側の8割、受取側の9割が「やめたい」意向を示してるようです。資料によると、やめたい理由は以下となります。


○支払側では「購入代金・印紙代」が47%と最も多く、各種「事務負荷」が3~4割の回答。

○受取側では「繰延せず現金で支払って欲しい(支払サイトが長い)」が60%、次いで「不渡リスク」「手数料・印紙代負担」がともに4割ほどで続く。


これらの資料を見ても、手形というよりは、商慣習の問題とも言えますので、段階を踏んでの現金化を原則といったルールの方が資金繰りの点ではよさそうな気がします。支払側も受け取り側もやめたい意向を示してるなら尚更な気がしますね。