最近の国際情勢を見ると、緊迫感が伝わってきますね。こういった時こそトランキーロですし、感情的に目の前の事に煽動されないことが大事だと思います。

今日はイラン訪問の件です。引用多めです。過去記事を何個か。

ぱよぱよ雑談~20190613-ぱよぱよ日記

ぱよぱよ雑談~20190528-ぱよぱよ日記

日イラン首脳会談とハメネイ最高指導者の会談について

外務省のHPより、日イラン首脳会談とハメネイ最高指導者の会談内容について紹介します。

○日イラン首脳会談
日・イラン首脳会談 | 外務省

1 少人数会合

(1)少人数会合では,冒頭,安倍総理から,招請に対する謝意を述べつつ,今般イランを訪問でき嬉しく思う旨述べました。これに対し,ローハニ大統領から,安倍総理のイラン訪問を歓迎する旨発言がありました。

(2)その後,安倍総理から,ローハニ大統領に対し,中東の平和と安定はこの地域のみならず世界の繁栄にとって不可欠であり,軍事衝突は誰も望んでいない,現下の緊張の高まりを受け,緊張緩和を働きかけるとの観点から,このタイミングでイラン訪問を決断したことを伝えました。これに対し,ローハニ大統領からは,そうした緊張緩和に向けた日本の取組を歓迎する,イランとしても紛争は望んでいないとの発言がありました。

2 拡大会合

(1)冒頭発言
 冒頭,安倍総理から,日イラン国交樹立90周年の節目の年に,日本の総理大臣として41年ぶりにイランを訪問でき光栄に思う旨述べました。

(2)二国間関係
 拡大会合では,二国間関係についても議論しました。安倍総理から,医療,環境,防災等の分野におけるイラン国民に裨益する協力を引き続き優先的に実施していく旨述べました。
 この文脈で,安倍総理から,4月の洪水被害への緊急人道支援について言及し,ローハニ大統領から,これらの支援に対し,謝意が表明されました。  また,安倍総理から,文化・人的・スポーツ交流の面でも関係を強化していきたい旨述べ,伝統的友好関係を着実に維持・発展させていくことで一致しました。

(3)核合意・地域情勢
 核合意についても議論が及び,安倍総理から,日本は核合意を一貫して支持しており,イランがIAEAとの協力を継続していることを評価し,イランが引き続き核合意の履行を継続することを期待している旨述べ,また,イランは地域の大国であり,中東の安定化に向け,建設的な役割を果たすよう要請した。これに対し,ローハニ大統領からは,日本の一貫した核合意支持への評価が示されるととともに,イランとしても核合意がなくなることは追求しておらず,核兵器を禁止しており追求していない,との表明がありました。
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○ハメネイ最高指導者の会談
安倍総理大臣とハメネイ最高指導者との会談 | 外務省

 本13日,10時(現地時間)から約50分間,イラン・イスラム共和国を訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,ハメネイ最高指導者(Ayatollah Seyed Ali Khamenei, Supreme Leader of the Islamic Republic of Iran)と最高指導者事務所において会談を行ったところ,概要以下のとおりです。

1 冒頭,安倍総理から,ハメネイ最高指導者にお会いでき嬉しく思う,1983年に父の安倍晋太郎が外相としてイランを訪問した際には,当時大統領を務められていたハメネイ最高指導者にも表敬した旨述べました。これに対し,ハメネイ最高指導者から,安倍総理のイラン訪問を歓迎する旨発言がありました。

2 その後,安倍総理から,ハメネイ最高指導者に対し,軍事衝突は誰も望んでおらず,現在の緊張の高まりを懸念していることを伝え,また,安倍総理から,日本は核合意を一貫して支持しており,イランがIAEAとの協力を継続していることを評価し,イランが引き続き核合意の履行継続を期待している旨述べ,イランは地域の大国であり,中東の安定化に向け建設的な役割を果たすよう要請しました。ハメネイ最高指導者からは,平和への信念を伺うことができ,また,核兵器は保有も製造も使用もしない,その意図はない,すべきではない旨の発言がありました。

3 日本のエネルギー安全保障上,中東地域は死活的に重要であり,イランは同地域の安定の要です。中東地域における緊張が日増しに高まっている中で,安倍総理から,直接,ハメネイ最高指導者に対し,緊張緩和と情勢の安定化を意を尽くして働きかけることができ,地域の緊張緩和に向けて,時宜を得た有意義な会談となりました。
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安倍首相の会見は以下となります。
安倍首相発言全文「ハメネイ師は核兵器を製造も保有も使用もしないと発言」 - 産経ニュース

 先般、トランプ米大統領と会談をした際、トランプ氏からは事態のエスカレートは望んでいないとの旨の発言がありました。詳細については控えたいと思いますが、トランプ氏とは今まで何度か意見交換を行い、お話をうかがっております。トランプ氏がどのような意図を持っているのか、私の見方として、ハメネイ師に率直にお話をいたしました。

 緊張の高まりが懸念され、互いに複雑な国民感情がありますが、そうした状況だからこそ、関係国のトップ同士がともに緊張緩和に向けた意思を持っていることが極めて重要です。昨日、ロウハニ大統領からは戦争は望んでいないとの明確な発言がありました。本日はイランの最高指導者であるハメネイ師と直接お目にかかり、平和への信念をうかがうことができました。これは、この地域の平和と安定の確保に向けた大きな前進であると評価しています。

 ハメネイ師からは、核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図はない、するべきではないとの発言がありました。緊張緩和に向けた道のりは大変困難を伴うものでありますが、この地域の平和と、世界の平和と安定のためにこれからも努力を重ねていきたいと考えています。
ここでイランの政治体制について、Wikipediaを紹介します。

イランの政治 - Wikipedia

実質的には最高指導者が殆どの権限を持っており、首脳はそんなに権限はなく、最高指導者の下で実務を請け負うといった感じでしょうか。

因みにイランへの首相としての訪問は41年ぶりとなり、今の体制となってからは初の訪問のようです。1983年に父の安倍晋太郎が外相としてイランを訪問したようで、いろいろと重要な訪問になったと思います。イランでも関心は高かったようです。



実質的には、国家として最高指導者のハメネイ師から、「核兵器を製造も保有も使用もしない」と言質を取ったというのが一番大きいと思います。核問題については、北朝鮮への牽制になればいいですし、まずはこのような機会を設けたということが重要です。

イランのアメリカに対しての不信感は否めないし、いろいろ言いたいことがあるのは分かるし、この辺は致し方ないと思います。


一連の経済制裁が効いており、イランとしても苦慮している姿は分かると思います。そして戦争自体は望んでいないということも確かですし、簡単に説得が出来るのであれば、世界に揉め事など存在はしないでしょう。説得が出来るわけでもないし、そういった中で付き合いながら、落とし所を探りながら共存していくしかないのが、国際社会の本質であって、それが出来ないなら、国際社会で生きるのは難しいことだけは確かだと思います。

イランとしても、こういった発言になってしまうのは理由はあるわけで、最高指導者がアメリカと交渉するという「苦い経験」と言ってる地点で、今は懸念を払拭することは出来ないというのも事実でしょう。そして何が問題であるかについても理解はしているとは思いますが、イランがアメリカに突きつけてるものは、アメリカの問題という一面もあることから、現段階での解決は難しく、トランプ大統領がやろうとしていることを進める必要があるように思います。そういう意味では、イランも食い止めることが重要で、その点からも、今回のイラン訪問は一定の成果があったと思います。重要なのは、首脳同士では共有は出来ていても、どの国も首脳の思惑だけで国を動かせない現実があります。ホントの意味の独裁国家など存在はしませんし、所謂独裁国家というのは、国内事情的に最適な政治体制であるか、一種のレッテル張りの二択ですしね(笑)

タンカー攻撃の件

ホムルズ海峡近くでタンカーが攻撃を受けたようです。

こちらの記事も紹介します。
「タンカー攻撃はテロ組織が関与」 イラン革命防衛隊元司令官が指摘 - 産経ニュース

 対テロ作戦などを担当する精鋭部隊、イラン革命防衛隊のキャナニモガッダム・ホセイン元司令官(60)は13日、首都テヘランで産経新聞の取材に応じ、日本のタンカーが攻撃された事件について、「安倍晋三首相の訪問を反イラン宣伝に利用する狙いで行われたもので、テロ組織が関与した」との見方を示した。

 ホセイン氏は、米・イランの軍事的緊張を高める目的で、分離主義を掲げるイラン南東部の反政府組織「ジェイシ・アドリ」などが行った可能性を指摘。同組織は「特定の国の支援を受けていることが分かっており、軍事技術も高い」と話した。

 ほかに、イランと敵対関係にあるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカーイダ系などが関与した可能性もあるとした。

 イラン側の関与については、政府の救難当局がタンカーの乗組員44人を救助したとの報道があることをふまえ、「衆人環視の状況であり不可能だ」と否定。一方で、「現場海域はイランの軍艦が常時監視している。犯行集団を特定することもできるのではないか」とし、イラン政府が調査に乗り出す可能性を示した。

 ホセイン氏によると、現場海域はテロ組織のほか、船に積み込まれた金や原油を奪う海賊集団も暗躍しているという。ホセイン氏はイラン・イラク戦争(1980~88年)に参戦したあと、陸軍司令官として対イラク工作を担当した。
ホムルズ海峡近くでのタンカー攻撃の件ですが、イランが攻撃してメンツを潰すというのは考えにくく、背後にテロ組織が関係しているかもです。そういう意味では、「革命防衛隊」が動いたとは考えにくいのと、「革命防衛隊」はアメリカからの制裁を受けており、このタイミングで動くメリットはあるとは思えないです。

ISやアルカイダが関与となれば、CIAの関与は否定は出来ないでしょう。この手の騒動は、石油メジャーかCIAという相場ですし、原油価格を釣り上げることが目的でも違和感はないのが現状でしょう。現に原油価格が高騰してるしね。


その点からも、今回のタンカーを攻撃した勢力を特定した上で対策を進めるのがいいのですが、ホムルズ海峡を不安定化させることで誰にとってメリットがあるのかというのも重要です。ここはイラン政府がきちんと調査に乗り出して、原因を特定するのが緊張緩和に繋がると思うし、首相の指示の通り、「関係国と連携しつつ、本件に係る情報収集及び乗組員の安全確保に万全を期すること」に尽きると思います。

こういった情勢だからこそ、冷静に見極めつつ、関係国と連携しつつ、乗組員の安全確保に全力を尽くして、被害を最小限に留めるような対応が求められることになると思います。国家との戦いではなく、テロとの戦いが重要と思います。