今週はG20など重要なイベントとなっており、今後の動向に要注目ですね。

G20関係

経済減速に結束対応 巨大IT、プラごみも議論 G20 - 産経ニュース

 日本が初の議長国を務める20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が28、29日、大阪市で開かれる。米中貿易摩擦の影響による世界経済の減速リスクのほか、IT化の流れで台頭した「デジタル経済」や環境問題などについて話し合い、協調して対処する姿勢を打ち出す。また、サミットにあわせ、日米中など各国の首脳が2国間での会談を行う予定となっている。

 各国は世界経済について今年後半以降に上向くとみているが、米中貿易摩擦の行方など不確定要素も多い。8、9日に福岡市で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は共同声明で、「貿易と地政をめぐる緊張は増大してきた」とした。

 サミットもこうした認識を共有する見通し。トランプ米政権の反発が避けられない首脳宣言への「反保護主義」明記は避けるとみられるが、自由貿易推進や世界貿易機関(WTO)改革、経済減速リスクに結束して対応する姿勢をどこまで示せるかが焦点となる。

 一方、デジタル経済をめぐっては、安倍晋三首相が1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「信頼性のある自由なデータ流通」を提唱。サミットでは多国間で議論する枠組み「大阪トラック」創設を打ち出す。米巨大IT大手などの課税逃れを防ぐ「デジタル課税」のルール作りの方向性でも一致する。

 環境問題では、海洋汚染を深刻化させるプラスチックごみについて、流出阻止や問題解決に貢献する技術革新のあり方を検討する。また、世界の持続的成長に向け「質の高いインフラ投資」の国際原則を承認し、持続可能な開発目標(SDGs)なども議論する。

 サミットにあわせては、日本が米国や中国と個別に首脳会談を行う予定。トランプ米大統領も、中国の習近平国家主席と会談を行うことに意欲を示している。

日本にとって重要な課題は、「信頼性のある自由なデータ流通」「デジタル課税」「WTO改革」あたりになると思われます。ここで「大阪トラック」について記事を紹介します。

ざっくりといえば、国境を越えたデータ流通のルールづくりであり、電子商取引に焦点をあてた議論の枠組みで、「信頼性のある自由なデータ流通」における日本が旗振りをしたルール作りに取り組むのが狙いとなっております。デジタル経済相会合では一致する方向性で動いております。

何個か記事を紹介します。


論点については、以下の資料を紹介します。

データ流通・活用ワーキンググループ 論点整理(案)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/detakatuyo_wg/dai6/siryou2.pdf


「信頼性のある自由なデータ流通」というのは、IoT時代を迎えることで、個人や産業に関する大量のデータが蓄積され、国境を越えたやり取りが活発化され、データビジネスが今後において重要になることが予想されます。とはいえ、特定の国がデータを抱え込んだり、セキュリティが不十分だったりすれば、データを活用した経済成長が阻害されたりとか、データの悪用が蔓延することからも、「信頼性のある自由なデータ流通」は国際社会の取り組みが重要となるし、「大阪トラック」と位置付けで日本が旗振りに取り組んでいるわけですね。


デジタル課税については、以下の記事を紹介します。
GAFA狙い撃ち G20でデジタル課税創設へ | ニュース | 税務会計経営情報サイト TabisLand

 現在の国際課税は、工場や支店などの物理的な拠点ごとの利益によって課税額を算定するのが原則だ。これに対し、GAFAなどはネットを通じて世界中でサービスを提供する一方、あえて拠点を設けず、利益につながる知的財産や顧客のデータを税率の低い国に置いて税負担を軽くしてきた。G20は経済協力開発機構(OECD)に指示し、国際的な議論を開始。米国を含め、主要国は利用者がいる国に税収を配分することで意見が一致しているという。
記事の通り、現在の国際課税については物理拠点ごとの利益で課税するのが原則で、ネットを通じた企業については、物理拠点を置かずにビジネスを行い、タックスヘイブンなどを利用し、法人税の課税から逃れてきたわけです。最もデジタルだけではなく、グローバル化が進み、多国籍(無国籍)企業が増えることで、政府として法人税が適切に納税されていない現状からも、デジタル課税を通じたグローバル化における国際課税ルールを設けるというのが、議論の本質とも言えます。

そんな感じですので、国際社会だったり、政府の取り組みなどについても、ある程度は知っておく必要があると思っております。

中国関係

米政府、中国5組織を取引禁止のブラックリストに追加 - Bloomberg

米商務省は中国の5つの組織に対し、米国のサプライヤーからの部品調達を禁止した。すでに華為技術(ファーウェイ)などが対象となっているブラックリストをいっそう拡大した。

  商務省の21日発表によると、ブラックリストに追加されるのは米半導体アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の中国での合弁パートナーである天津海光先進技術投資のほか、成都海光集成電路、成都海光微電子技術、中科曙光、無錫江南計算技術研究所。

  リストに加わった中国企業などと米企業が取引する際には米政府の許可が必要になり、申請を受けても政策上、拒否することを前提としていると同省は発表文で説明。この5組織は「米国の国家安全保障、外交政策上の利益に反すると判断される活動に関わっている」という。告知は連邦官報に24日掲載される。

  トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は来週、貿易交渉再開に向けた会談を予定している。だが、商務省の動きは重要な会談を前に米中間の緊張を高める恐れがある。

現状のブラックリストとしては、以下の企業があげられます。
米政府、中国の監視関連企業5社のブラックリスト掲載を検討-関係者 - Bloomberg

米政府は大手ビデオ監視機器メーカーの曠視科技(メグビー)、杭州海康威視数字技術など中国企業5社について、米国の重要技術利用を事実上禁じることを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。華為技術(ファーウェイ)に加え、ブラックリスト掲載企業を監視機器大手まで広げる構えだ。

  米商務省の「エンティティー・リスト」に追加されると、許可なしでの米国製部品やソフトウエアの調達が禁止される。これら関係者によれば、同リスト掲載が検討されているのは曠視科技と杭州海康威視数字技術、浙江大華技術のほか2社。関係者の1人は、残る2社は美亜柏科信息と科大訊飛だとした。
エンティティーリストについては、以下の記事を紹介します。

エンティティリストとは、米国にとって貿易を行うには、大量破壊兵器の拡散懸念がある、米国の国家安全保障・外交政策上の利益に反するなどの理由から、好ましくない相手と判断された、米国外の個人・団体などが登録されたリストとなります。ここで重要なのは、米国の貿易管理規則違反は米国外でも適用されることからも、実質的にドル決済そのものがターゲットとなり得るものとなります。

それだけの武器なだけに、米中首脳会談においても一定の圧力になるし、一連の動きを見れば、アメリカに全面降伏しない限りは一連の制裁は続きますし、受け入れるまでは、経済的圧力が続くことになりますが、トランプ大統領としても焦ってはいないし、対話する用意があるなら、テーブル自体は用意するでしょう。

中国ではないが、イランに対しても追加制裁を表明するようです。

このことからも、トランプ大統領は対話のテーブルは残すが、対話の条件を整えるまでは、経済制裁を強化する方針で動いていると見ていいです。交渉する上で経済が重要なカードの1つで、軍事も交渉において重要です。

中国が飲むかどうかは不明ですが、それについてはそこまで重要ではないし、相手を理解しての対応ですし、足りないと思えば、制裁を強化すればいいというのが、基本路線と思われます。


最後に共産党の野党共闘関係について、🎄を紹介して締めとします。