今日は一連のトランプ大統領の発言の件となります。

まずはこちらから。
タンカー防衛は自国で=ホルムズ海峡通過、日本などに要求-トランプ米大統領:時事ドットコム

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は24日、ツイッターで、日本や中国などに対し、中東の原油輸送の大動脈ホルムズ海峡を通過する自国の石油タンカーは自分で守るべきだと主張した。「なぜ米国が代償なしに他国のために輸送路を守っているのか」と指摘。「米国は最大のエネルギー生産国になっており(ホルムズ海峡に)とどまる必要さえない」とも述べた。

 トランプ氏はこれまでも同盟国に対し「応分の負担」を求めており、原油輸送路防衛についても同様の認識を示した形だ。ホルムズ海峡付近では13日、日本などのタンカー2隻が攻撃を受け、米国は「イランがやった」と非難。米海軍第5艦隊が日本のタンカーの救援活動を行った。
 一方、トランプ氏は、イランによる20日の米無人偵察機撃墜を受けてイラン攻撃を計画したが、実行直前で撤回。外交解決を目指している。この日のツイートで「米国の要求は非常に単純だ。核兵器を持たず、これ以上、テロ支援をするなということだ」とイランに訴えた。
 また、米政府はイランに対する圧力を強化する方針で、トランプ大統領は24日、イランの最高指導者ハメネイ師を対象とした新たな制裁を科す考えを表明した。
タンカーの防衛については後ほど書くとして、米無人偵察機撃墜を受けてイラン攻撃の件については、最初から攻撃はするつもりはなかったが、情報がどの程度メディアに漏れるかと、どのルートから漏れるかというのをテストしていた可能性が高いです。

どうやら第一報はニューヨーク・タイムズが報じたようで、一時承認したというのが、ニューヨーク・タイムズにお漏らししてたようですね。ホワイトハウスでは情報漏洩が問題になっていることから、そのルートを特定することが一連の騒動の目的のように思います。最もNYTだけではないのですが、米メディアは米民主党や中国共産党との関わりが強いことからも、イランとの膠着状態を望んでいるのが誰かというのが見えてくると思います。

トランプ大統領の意向は、「米国の要求は非常に単純だ。核兵器を持たず、これ以上、テロ支援をするなということだ」の1点だけで、正規軍は軍隊、革命防衛隊は私兵という位置付けで見ており、だからこそ、後者はテロ組織と認定したわけです。革命防衛隊のトップは最高指導者のハメネイ師ですが、革命防衛隊がハメネイ師の意向通りに動いてるとは限らないというのも実情にあるように思います。


タンカーの件については、日米安保関係の発言とも関連してきます。
トランプ大統領、日米安保破棄の考え側近に漏らしていた-関係者 - Bloomberg

トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたことが分かった。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。トランプ大統領は日米安保条約が米国にとって不公平だと考えている。

  関係者によれば、トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じている。旧条約から数えて60年余り前に調印された安保条約は、第二次世界大戦後の日米同盟の基盤となっている。

  大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではなく、政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと話している。トランプ氏の個人的な会話の内容だとして関係者らはいずれも匿名を条件に語った。

  万が一条約破棄となればアジア太平洋地域の安全保障に役立ってきた日米同盟を危うくする。日本が中国および北朝鮮からの脅威に対して防衛するため別の方法を見つける必要が生じ、新たな核軍備競争につながるリスクもある。

  菅義偉官房長官は25日午後の会見で、「報道にあるような日米安保見直しといった話は全くない。米大統領府からも米政府の立場と相いれないものであるとの確認を得ている」と語った。その上で、「日米同盟はわが国の外交安全保障の基軸」であり、「日米安保体制は同盟関係の中核を成すものだ」と指摘した。

  関係者によれば、トランプ大統領は沖縄の米軍基地を移転させる日本の取り組みについて、土地の収奪だと考えており、米軍移転について金銭的補償を求める考えにも言及したという。また、トランプ氏が日米条約に注目したことは、世界の他の国々との条約においても米国の義務を見直そうという広範な検討の端緒である可能性もあると関係者2人が述べている。

  ホワイトハウスの報道担当者は24日夜、コメントを控えた。

  大統領はかつて個人的な会話で、日米条約の下での米国の義務を認識していると述べたことがあるが、同時に、他の条約についての立場と同様、より互恵的な関係を望んでいる。

  大統領が米議会の承認なしにいったん批准された条約を破棄できるかどうか、米国の法律では決着していない。

  トランプ大統領は5月の訪日時に、横須賀基地で米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」に乗船、乗組員らを前に、「米日の同盟はかつてないほど強固だ」と述べた。同基地について「米海軍の艦隊と同盟国の艦隊が共に司令部を置く世界で唯一の港だ。鉄壁の日米協力関係の証(あか)しだ」と語っていた。
この時期にこのような話をする関係者というのも怪しいですし、この発言自体は、アメリカ大統領選挙の時に言っていた内容ですし、決して真新しい話ではないです。以下のニュースからも、ホワイトハウスより、事実ではないということを確認したということから、最近漏らしたということが報道に出るというのが何らかの意図があるように思います。
菅氏、トランプ氏安保発言を否定 「米政府から確認」 | 共同通信

 菅義偉官房長官は25日の記者会見で、トランプ米大統領が日米安全保障条約の破棄に言及したとの米ブルームバーグ通信の報道について、米ホワイトハウスに事実ではないと確認したと明らかにした。「報道にあるような話は全くない。米大統領府から『米政府の立場と相いれない』と確認を受けている」と述べた。

 河野太郎外相も会見で「ホワイトハウスから、条約の破棄や見直しは全く考えていないと報道を否定する話が来ている」と説明した。官邸関係者は「しかるべき高官に確認している」と語った。
ここで重要なのは、ここらへんの認識は、トランプ大統領個人の意見というより、アメリカの防衛費の負担の大きさや、米軍関係者の負担の大きさに関係した話で、北大西洋条約機構や米韓同盟関係など、全ての軍事問題であって、規模を縮小したいというのは、オバマ政権もトランプ政権も一致しており、アメリカの今後の防衛方針に関わる話ともいえます。その点は理解が必要だと思います。

ここで各国の防衛費の推移について、資料を紹介します。

防衛省・自衛隊|平成30年版防衛白書|資料編|資料15 各国国防費の推移

我が国を取り巻く安全保障環境(防衛)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/anzen_bouei2/dai2/siryou2.pdf

この資料から見ても、米国の国防費の負担はGDP比でも大きいことが分かると思います。日本だけではない話ですが、費用負担や隊員の派遣も含めて、ある程度の是正を求めているのは事実で、是正しないのであれば、今後の検討せざるを得ないといった感じで、今という時間軸の話ではないと思われます。


ここで日米安保関係の前提について触れておきます。以下のブログのシリーズを読むのがわかりやすいと思います。

米中冷戦における日本(1):序論: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(2):地政学的に恵まれた日本: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(3):中華文明が進歩しない理由: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(4):朝鮮半島の思考回路: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(5):軍部利権としての朝鮮併合: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(6):日本が韓国に甘い理由: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(7):日韓、米日、沖縄の相似形: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(8):「戦利品」としての日本の価値: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

米中冷戦における日本(9終):中韓朝との冷戦か、米英とのリアル戦争か: ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」

地政学観点における基礎知識とも言えますが、これらの前提を考えると、日米同盟を破棄するというのは、アメリカの覇権そのものに関わる話で、アメリカであるためには、日本との協力関係が必要というのが重要となります。その上で最重要なチョークポイントとしてあるのが沖縄ともいえます。

ランド研究所:中国をチョーク・ポイントで締め上げろ! : 海国防衛ジャーナル


防衛においてチョークポイントを抑えるということが重要となります。ここを抑えていれば、アメリカにとって、太平洋と大西洋を安全な海域となるし、その観点からも、日米同盟はアメリカにとっての国益に繋がるわけです。

余命ブログの以下の記事を紹介します。

韓国よさらば。 | 【バックアップ】余命三年時事日記

核武装トマホーク | 【バックアップ】余命三年時事日記
「我々は日本側が一切の記録を残さないことを前提に提案を行う。米国は韓国に対し、過去、現在、将来の各種分析を行った結果、同盟国としては不適格との結 論に達した。よって経済的には、スワップの延長停止をはじめとして積極的に関わる援助等は行わないことを決めた。軍事に関しては、最先端軍事技術の供与停止をはじめとして、軍事訓練等もそれを考慮して対応する。来る2012年米韓指揮権委譲後は速やかに在韓米軍の撤退をすすめ、統合司令部だけを残す予定で ある。その後の北朝鮮侵攻のような事態については、朝鮮戦争勃発当時とは大きく周辺国の状況が変化しているので、韓国の国防力と中国非参戦を考慮すれば米 国や日本が巻き込まれることはないと判断している。原則、米国は介入しない方針だ。韓国との原子力協定改定を認めることはない。陰で核開発を進める国に核 開発のお墨付きを与えるようなもので論外である。米中ともに朝鮮半島非核化を望んでいる。このままの中途半端な米韓同盟は北朝鮮の核武装を進め、それは IAEA脱退による韓国の核武装と必然的に日本の核武装につながる。米国が半島から手を引いて日本とともに第一列島線防衛に専念することは両国にとっても 多くのメリットがあると考える。半島は中国の影響を受け韓国は半属国となるであろうが、即、侵攻、占領のパターンは考えにくい。韓国が国として存在するならば中国は北朝鮮と韓国に自国の安全保障上絶対核を持たせないから半島は非核化されるであろう。ついては事実上、敵となる韓国と直接向き合い対峙すること となる日本に対し、米国は以下の対応をとる。まず日米安保の密接強化。軍事共同訓練の強化。日本の防衛力強化への協力。また戦後の軍事産業にかかる制限や規制を原則解除、容認、黙認することとする。米国は直接の脅威となりうる原潜と大陸間弾道弾は認めないがそれ以外は注文をつけない。日本の国内事情が許せば、中国に対する抑止力の範囲で核弾頭を売却してもよい。日本が軍備増強し、中国に対する核抑止力を持つことはアジアの平和、世界の平和につながると我々 は確信している。日本はこの提案を踏まえて適切な対応をとられたく思う」
2007年の極秘交渉の話ですが、日本の国内事情が許せばという前提で、日本の防衛力強化への協力は惜しまないし、戦後の軍事産業にかかる制限や規制を原則解除し、対中関係においては、核弾頭の保持、核抑止力について踏み込んでおります。

ここらへんは、以下の記事にも出てきてると思います。

アメリカの理想形としては、北東アジアだけではなく環太平洋の領域において、日米同盟の対等な関係を求めてるともいえます。さらに言えば、防衛面における国際協調路線という意味でも、日本の力を必要としているというのが背景にあって、一連の発言の背景になっているともいえます。国内事情が許せばという前置きをしてるけど、日本の軍備増強というのをアメリカの負荷軽減の観点からも、求められているとも言えます。