ゴールデンウィーク中だし、ゴミの日について書くのも正直飽きてるので、水素社会についていろいろと書いておきます。ゴールデンウィーク対応のため、明日の更新もお休みとさせていただきます。


水素について

2050年のカーボンニュートラル実現に向けた鍵となる「水素」となります。水素は、多様な資源から製造できるため、国内での製造や、海外からの資源の調達先の多様化を通じ、エネルギー供給・調達リスクの低減に資するエネルギーとなります。水素開発が実用化すれば、脱炭素社会の実現に近くなるのと、日本にとってはエネルギー調達の多様化を通じて、地政学リスクの軽減の一つの鍵になるとも言えます。


原油依存が大きい場合、ホルムズ海峡などの地政学リスクが大きくなるため、脱炭素社会というのはさておき、エネルギー安全保障の観点からも、水素というのが重要なエネルギーになるといった一面もあります。

水素エネルギーについては以下となります。


水素エネルギーとは?|ようこそ!水素社会へ|資源エネルギー庁



水に電圧をかけると陽極側に酸素(O2)が陰極側に水素(H2)が発生します。​このように身近な物質から簡単に得ることができるのが水素の大きな特徴です。


水素の安全性については、正しく管理出来れば安全なエネルギーとなります。




水素社会の取り組みについて

以下の資料を紹介します。

○今後の水素政策の検討の進め方について

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/018_01_00.pdf



基本戦略として重要なのは、安価な原料での大量製造などを通じて、ガソリンやLNG(液化天然ガス)と同程度のコストの実現と、利用可能とするための開発の両方が必要となります。現在、水素社会の実現に向けて大きな壁となっているのが、水素のコストとなっており、製造コストの削減というのが、重要な鍵となっております。


以下の記事を紹介します。

記事の中にオーストラリア南東部のビクトリア州に豊富に眠る「褐炭」と呼ばれる石炭について取り上げております。「褐炭」は水分や不純物などを多く含んでいるため、これまで国際的には取り引きされておらず、値段がつかないほど安いようです。これを使って液化水素を作るみたいですが、水素については液化水素が鍵となってくると思われます。


Wikipediaも紹介します。


液体水素 - Wikipedia


液化水素の大量輸送の技術開発などの後押しに2兆円の基金で3700億を配分するようです。

・液化水素を大量に運ぶ運搬船のタンクの大型化

・水素を燃料にした火力発電のタービンに必要な燃焼器の開発

・水を電気分解して水素を作り出す装置の開発


液化水素の運搬船について、以下の記事を紹介します。

水素発電の実用化に関する取り組みは以下となります。



水素専焼発電についての取り組みは以下となります。

また以下の資料を紹介します。


○水素ガスタービン

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/2050_gas_jigyo/pdf/002_07_00.pdf


水素電解装置については以下の記事を紹介します。

また水素製造方法として、空気から直接水素を作る技術などもあるようです。

あとは水素還元製鉄といった技術も開発されております。


水素社会の課題について

現在の水素の工業的生産は、化石燃料を使うことも多く、生産過程でCO2が出るため「灰色の水素」とも言われております。あとはコストの問題で、製造、貯蔵・輸送、利用に至る水素エネルギーのサプライチェーンを構築といったのが一連の課題ともいえます。

水素製造方法について、以下を紹介します。


様々な水素製造法 | 資料 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 高温ガス炉研究開発センター



既存技術では再生可能エネルギー由来の電気を使った電解法となります。CO2フリー水素については以下のように取り上げております。


結局はCO2を地中貯留が主体となりそうな気がしないでもありませんが、既存技術を考えた場合は、原子力発電を利用した水素製造というのも重要になってくると思います。安価な方法としては、「褐炭」と呼ばれる石炭を利用したものもあるわけで、ここらへんについては、開発が進むにつれて、コスト削減には繋がるかもしれません。


実際問題、売れば売るほど赤字になりますし、これを克服しない限りは、水素社会の実現は難しいというのが現状ですし、再生可能エネルギーによるコスト削減というのも、日本においては厳しいように思います。

あとはこちらも紹介します。


とはいっても、水素エンジンについての実用性についても、課題が大きいと思います。20分ごとに水素充填のためにピットインする必要があるので、実用性は今後の課題となります。

水素のコストに関する問題もありますが、水素輸送においても、液化天然ガス(LNG)より100度近くも低い「極低温」を維持しなければならず、輸送体制についても、今後に向けての課題になってくると思われます。水素による脱炭素については、2050年までに15兆ドルの投資が必要になるという見通しとなります。