今日は貿易協定がテーマです。知識は大してありませんし、情報もそこまで仕入れてなければ、記憶力も処理能力もないし、文章力も表現力もないのにブログやってるわけですが、いろんな意味で大丈夫なのかと思うことはたまにありますwww

個人的には情報を多く仕入れるより、情報の持つ意味を理解することが大事だと思います。そのために重要なのは、地政学と人間心理で考えてみれば、情報の持つ意味というのが見えてくると思います。これらの前提が崩れていると、ミスリードに引っかかる要素となりますし、地政学と人間心理の2点で見て違和感があるものは、何らかの問題を抱えてる傾向が強いです。地政学についてはWikipediaを紹介します。

地政学 - Wikipedia

地理的な環境がもたらす要素というのを、歴史学、政治学、地理学、経済学、軍事学、文化学、文明、宗教学、哲学などの様々な見地から考えるといった内容となります。ここらへんが力学関係といった構図になるのですが、理解するのは難しいし、自分もそこまで理解できているとは思っていません(笑)かなり簡略化して大筋の判断としては一定の機能はありますし、人間心理についても、置かれている状況下において、自らが損をするような選択肢を意図的に選択はしないということだけは確かです。おかしな事を言ってる場合は、必ず何かしらの理由があるわけで、その理由を読み解くことが重要です。単純に頭がおかしいという理由で思考停止すると、本質を見落とすことになりますので注意が必要な部分でもあると思います。ホントの理由を読み解いて、それを埋めることが出来ないなら、不毛な努力はするものではなく、そこに無理をすると、お互いが無駄に疲弊することになりますので、この点は注意が必要だと思います。


前書きが長くなりましたが、日欧EPAについてです。
日欧EPA、2月発効へ 欧州議会が承認 (写真=共同) :日本経済新聞

【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の欧州議会は12日、仏ストラスブールで開いた本会議で、日本とEUの経済連携協定(EPA)を賛成多数で承認した。日本は8日に国会承認を済ませており、2019年2月1日の発効が固まった。世界の国内総生産(GDP)の合計の約3割、世界貿易の約4割を占める巨大な自由貿易経済圏が誕生する。

日欧EPAでは日本側が94%の品目で、EU側が99%の品目で、それぞれモノにかかる関税を撤廃し、投資やサービスの幅広い分野で自由化を進める。日本にとってはEUへの自動車や自動車部品の輸出拡大が期待できるほか、欧州産のチーズやワイン、有名ブランドの衣料品やバッグなどを消費者が買い求めやすくなりそうだ。

日欧はEPAの発効による自由貿易圏の拡大に、保護主義に傾く米トランプ政権をけん制する狙いも込めている。一方、欧州産品の輸入拡大で国内農家には市場を奪われるとの懸念も広がる。政府は18年度第2次補正予算案に農家の支援策を盛り込む。

欧州議会は12日、日本とEUが政治や外交、人権問題など幅広い分野で関係を緊密にする戦略的パートナーシップ協定(SPA)も賛成多数で承認した。
日欧EPAが来年2月に発効されることが固まりました。内容については以下となります。

・日EU・EPA概要(平成30年12月11日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000415752.pdf

こういうのは公的資料を見るのが手っ取り早いです。






ざっくりとキャプチャしましたが、背景は以下となります。

・保護主義的な動きや新興国による市場歪曲的な措置(産業補助金,技術移転の義務付け等)
・WTOドーハ・ラウンド停滞,現代化の必要性(電子商取引,投資,紛争解決,透明性向上等)
⇒ 日本は,TPP11,日EU・EPA,RCEPのメガFTA交渉を主導し,貿易自由化を推進

ここを理解すると、これらのルールについては、TPPに準拠しております。

概要は以下の通り。
TPPの内容 | TPP等政府対策本部

・環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000022863.pdf


「21世紀型ルール」というのが重要で、既存の市場原理主義というのが、21世紀型ルールを無視した形で行われており、要するに市場歪曲的な措置(産業補助金,技術移転の義務付け等)などの自由を認められた形の自由貿易が蔓延しております。今までは、ルール無視して何をやっても自由といった意味の自由で、本来の意味での秩序のある形の自由貿易が行われておらず、そこを埋めるというのが、TPPや日欧EPAという協定として、実質的に日本主導で、この形を定義したという意味が大きいと思います。

技術移転の禁止、国有企業の問題、電子商取引、知的財産に踏み込んだ形でTPPや日欧EPAが締結されているということが重要であるのと同時に、この点はアメリカとも共有されているということに尽きます。日米共同声明の6項の内容からも明確ともいえます。
・2018年10月の日米首脳会談の共同声明
https://www.mofa.go.jp/files/000402972.pdf

6 日米両国は,第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は,WTO改革,電子商取引の議論を促進するとともに,知的財産の収奪,強制的技術移転,貿易歪曲的な産業補助金,国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため,日米,また日米欧三極の協力を通じて,緊密に作業していく。
今回の協定を締結するための外交の方法は凄いんだけど、TPP加盟国・EU・米・英を全ての状況を俯瞰して、一定のルールの形に落とし込むことで、それぞれの国に心理的圧力をかけることで実現に至ったことに尽きます。安倍首相の長期政権の安定度やメッセージの共感性、そして日本の関税の状況から、一定の交渉力があったことが理由とも言えます。
関税 - Wikipedia

・日本の関税
一般に日本は関税が高いと考えられているが、日本は最も関税が安い国であり、一部の農産品(米などの19品目)に高い関税が課せられている。
重要なのは、日本は最も関税の安い国であることから、関税に関する通商交渉においては失うものは少なく、ここらへんも交渉力の一つでもあるのと、元々、日本の通商交渉能力は高く、国益の観点ではそこまで言うほどの失策はないというのが実情で、経済力に裏付けした交渉力があるから、一定の交渉が出来るわけですね。軍事だと制約があるので、交渉の選択肢が狭まってるのが現状で、力がなければ、マトモな交渉など出来ません。話し合いでといっても、口先だけで都合のいいことだけ言えば、交渉が纏まるとでも思ってるのかは分かりませんがwww

交渉力というのは地政学で成り立つものであって、全体的な力がなければダメだし、力学的なバランスが悪ければ、当然制約が出てきます。話し合いの解決とかいうのが、声闘を意味しているなら、9条教の意味もあるかもしれませんが、そんなもんに振り回されるのは無駄でしかないですし、未来志向で今ある課題を真摯に受け止めて、将来に向けてWinWinが得られる世界が大事ですし、相手を間違った前提で一方的に抑え込むことが、一種の経済テロの要因となることは理解する必要があると思います。


貿易規模ですが、TPPがアメリカ込みで世界のGDPの4割、日欧EPAが英国込みで世界GDPの3割を占めております。

TPP 巨大経済圏の実力:日本経済新聞

ここを抑えることで、世界経済のGDPの7割を日本の価値観と共有する形で占めることが出来ることを意味します。この意味は重要だと思いますがね。ここらへんを形にすることで残りの3割に対する圧力にも繋がるし、それを埋めるだけの力があるともいえます。外資へ警戒するなら、外資への圧力を作るような形を作るべきで、外資ガーといって外資の驚異を防ぐことが出来るというのは、9条教と本質は一緒であることは重要だと思います。経済的観点においても、外資の過剰に恐れるというのは、9条教と本質は一緒なんだと思いますがねwww