大阪市住民投票の件
今日はアメリカ大統領選となります。恐らく結果は4日には出ない可能性が高いのですが、無事にトランプ大統領の再選で、11月の主要イベントを消化して欲しいところです。
今日は「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」の件となります。
開票結果と出口調査について
Wikipediaを紹介します。
大阪市における特別区の設置についての投票 - Wikipedia
開票結果は以下となります。
有権者数 2,205,730 投票率 62.35%
賛成 675,829(49.4%)
反対 692,996(50.6%)
因みに2015年は以下となります。
有権者数 2,104,076 投票率 66.83%
賛成 694,844(49.6%)
反対 705,585(50.4%)
2015年に比べて賛成が0.2%減っておりますが、基本的には5年前と同じ傾向となっております。恐らく以下の記事がすべてだと思います。
日経のデータで見る住民投票の記事となります。
出口調査の傾向です。Wikipediaより。
維新は支持層の9割を賛成で固めた一方、前回大阪都構想に反対し、賛成に転じた公明党は前回よりは賛成が増えたものの、支持層が賛成・反対でほぼ2分された。反対した政党では自民党支持層は賛成4割、反対6割前後と割れた一方、共産党は支持層の9割強を、立憲民主党は8割強を反対で固めた。無党派層は6割が反対し、前回より反対傾向が顕著となった。年代別では10代・20代と50代で賛否が拮抗し、30代、40代は賛成が多く、60代と70代以上は反対が上回った。男女別では女性の方が反対する人が多かった。NHKの調査では大阪維新の会による行政運営を「ある程度評価する」と答えた人の4割強が反対に投じたほか、毎日新聞などの調査では吉村知事を支持すると答えた人の3割強が反対しており、維新行政への評価と都構想への賛否が必ずしも一致しない結果となった。
NHKの出口調査となります。
年齢別では、10代・20代の賛否が均衡していたところもあって、この辺が面白い傾向になるかと思います。あとは男性は賛成が多く、女性は反対が多かったようです。
政党別だと以下となります。
興味深いのが公明党の傾向ですが、NHKでは賛否同じくらい、時事通信だと公明党は反対が多くなっておりました。
公明党となれば、創価学会の動員などもありますが、実際のところは公明党の選挙は組織力を発揮しますが、住民投票だったり公明党が絡んでいない場合などは、比較的自由に動くのと、婦人部あたりは特にこういった動員には動かないだろうし、ある程度想定内だったと思われます。
無党派層は実質的には野党支持層となりますので、反対が多数となるし、全体的に見てもある程度妥当の結果だと思います。
投票結果雑感
まずは以下の記事を紹介します。
世論調査の推移となります。
この記事だと以下の点をポイントとしております。
ポイント1:早くも告示前に反対増、接戦に
ポイント2:公明・山口代表来阪で賛成持ち直し?
ポイント3:最終盤に「コスト」議論で逆転?
毎日新聞の以下の記事が影響を与えた可能性があるとの分析があります。
この記事は問題となり、誤った試算として撤回したとあります・
個人的に毎日新聞の報道が投票に影響を与えた説についてはどちらかといえば否定的で、決定的な要因ではないと思います。試算は報道機関の求めに応じて市財政局が算出したようですが、誰の決済もなく報道機関に出したものとは考えにくいのと、どのようないきさつで出たのかということだけは重要です。最もフェイクニュースだとしても、火消しのやり方は乱暴過ぎたので、その点でも反感を買った可能性はあります。
結果としては、前回住民投票同様、市の南北で賛否の差が出る傾向は変わらず、年令によって同じ傾向の数字が並んでる以上、毎日新聞の報道の影響はそこまでなかったと思います。やってることは5年前と区割りを変えてるだけですし、似通った結果になって当然ですし、大阪維新の会による行政運営を「ある程度評価する」と答えた人の4割強が反対に投じるなど、地域政党としての維新は支持したとしても、大阪市の廃止にすれば二度と戻せないということで、支持はされなかったというだけです。
それに加えて、大阪維新に関する支持もある程度の影響を与えた可能性が高いかもしれません。こっちの要因であれば、大阪維新にとっての影響は大きいでしょう。大きくは、新型コロナの対応における雨合羽の件、イソジンの件あたりは影響大きいと思われます。
この件も影響与えていたかもしれません。
最も基本的には維新自体は有権者を舐めてる印象ですし、そもそも特別区ではないと出来ないことはないし、大阪市の行政サービスの質が下がることだけは確実ともいえるような住民投票をやっても、2度もやったということも問題となるでしょうし、大阪市廃止というインパクトも影響を与えてるし、「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」という名目になった地点で不利になってた可能性もあります。
今後の展開
今回の住民投票の結果を受けて、松井市長は任期満了で引退というメルケル方式を取るようですね(笑)
あとは代表も辞任するようです。後任は吉村氏といったようです。
大阪については、府と市の連携は維持し、都構想は終わらせることで、成長戦略を描くことになると思われます。
恐らくだけど、維新側としても本音は都構想を公約にしてたのもあったので何らかの形で終わらせる必要があるという認識であった可能性は高いです。内心では、維新としても次の統一地方選挙を考えると、反対多数で終わらせたかったかもしれません。一部で3度目とか言ってるのもいるけどwww
大阪都構想を応援して頂いた皆様に感謝です。残念ながら否決されました。しかし、大阪の成長発展こそが日本の成長に繋がるそんな大阪にしなくてはなりません。その為にはどう考えても大阪都構想しかありません。必ず3度目の挑戦をする時が来ます。その日に向けて今日からまた頑張りましょう。
— 東 とおる(参議院議員) (@toru_azuma) November 2, 2020
そういった意味では、今回の投票が大阪市廃止ではなく、維新の人気下落による影響が大きかったのでなければ、維新にとってもそこまでのダメージはないように思います。維新としても、「大阪都構想」についての制約を受けていたのも事実で、地方創生やスーパーシティ構想などの制度利用に動けなかったのと、国の地方政策の変更による影響もあって、軌道修正が必要な状況でした。
こういった成長戦略に動くのと、今回の住民投票において、いろんなものが出てきたと思いますので、大阪市の問題の本質への対処も進むことになると思われます。
労働組合や部落解放同盟との馴れ合いあたりの構図も二重行政の本質ともいえるし、大阪都構想については、ここの解消といった狙いもあったわけで、その点では一理はあったとだけは言っておきます。財務局の件もここらへんとの兼ね合いもあるかもしれませんので、ここの浄化も進むことは確実かと思います。
大阪の自民党も都構想が一巡したことによって、今まで通りの動きが通用するわけでもなく、次の統一地方選で自民党に投票してもらうような選択肢となるように動く必要がありますし、今後は険しい道程になると思います。いつまでも維新程度の政党にやられてるようだと、将来は暗いと思いますしね。
最も大阪都構想って、東京都に憧れるというか背乗りしたいのか分からないような都という名称だけのコンプレックスで作られた構想なわけで、通名思想が漂う一面はあるんだよね。大阪とか有力企業も多いわけで、都にこだわらなくてもやっていけると思うし、大阪の特性を生かした成長戦略を描くことが大事だと思います。
因みに国政においては影響は出ないと思います。元々国政の維新は弱小勢力ですし、自民党と公明党の関係も変わらないですし、菅首相も維新に近いような報道がされておりますが、あくまで窓口となってた部分もあるわけで、ここが崩れるわけもありませんし、そもそも改憲についても、かなり先の話となりますので、その点では維新というのが、自民党にとって必要な政党とは限らないです。
大阪の住民投票の結果と、次の衆院選のシナリオへの影響もないのと、この流れ自体はある程度想定されていたものであることからも、影響は全くないでしょうし、この結果は維新も内心望んでいた可能性もあるという点もポイントになると思われます。