アメリカ大統領選の話が多いのですが、純粋にそれ以外で取り上げる必要のあるネタが少ないのと、やはり一番重要なイベントとなるので仕方ない部分はあります。今後の方向性において重要となるし、それ以外のネタはどうでもいいのが多いというのはあります。いろんな方向から考えておかないといけないのは言うまでもないです。


アメリカ大統領選関係

まずは最新の状況です。


https://www.realclearpolitics.com/elections/live_results/2020/president/



ペンシルベニア州はまだ終わってないです。そういう意味では、メディアが金曜の夜に演出も兼ねて先行で当確を出して勝利宣言をして、週末にバイデン勝利を強調したかったんだと思います。このタイミングのペンシルベニア州の当確に違和感があったのは事実ですし、メディアの報道で押し切る作戦で、何が何でも早期のトランプ大統領の敗北宣言をさせたいのでしょう。こんなもんに負けるような人ではないし、最後まで徹底的に戦うと思うし、共和党も実質民主党の議員以外の結束は乱れていないと思います。

現職大統領として最大の得票数を得ており、今回の議会選においては議席増になっていることからも、ここで戦わなかったら共和党は終わりですし、次回以降の大統領選に勝てなくなる可能性も高くなるわけで、法と秩序( Law and order)のためにも、譲歩はしてはいけないと思います。


トランプ大統領の主張の通り、「すべての合法的な投票を数え、違法な投票は数えない」のが全てです。違法な投票がある限り、司法の場で合法な投票であるかという点を判断するのも、法治国家としての本来の手続きともいえます。


ここでこういう記事が出ました。

米司法長官、選挙不正の捜査促す 米メディア報道 (写真=ロイター) :日本経済新聞


【ワシントン=中村亮】バー米司法長官は9日、大統領選での不正疑惑に関する捜査を促す書簡を全米の検察官に送付した。複数の米メディアが報じた。各州が選挙結果を正式に認証するまで不正疑惑をめぐる聴取や資料提出の要請を控える司法省の指針を覆し、早期の捜査を促すものだ。


バー氏は検察官への書簡で「大半の選挙不正疑惑は結果に影響を及ぼさず捜査を適切に先送りできる規模だが、全てがそうだとは限らない」と指摘。各州が選挙結果を確定する12月8日まで「投票や集計について実在する不正疑惑に関して追及することを認める」と強調した。東部ペンシルベニアや中西部ミシガン、西部ネバダ各州での疑惑を念頭に置いているようだ。


トランプ大統領は選挙不正を主張して敗北を認めず、激戦州で訴訟を起こしている。大統領選では不正疑惑について選挙陣営が裁判所で争うのが一般的だが、バー氏の書簡は検察が不正疑惑の証明に関与するよう促すものとも受け取れる。トランプ陣営の不正疑惑の主張は裁判所でおおむね認められていない。


米メディアによると、書簡の送付を受け、選挙不正を担当する司法省高官が辞任した。司法省は書簡についてトランプ氏の指示を受けたものではないと説明している。


バー氏はロシア疑惑でトランプ氏を「推定無罪」と断じたり、トランプ氏の側近の起訴を取り下げる方針を示したりしており、トランプ氏の最側近の一人とみられている。

バー司法長官が大統領選での不正疑惑に関する捜査を促す書簡を全米の検察官に送付したようです。本来であれば、1ヶ月の時間があるわけで、それまでに不正疑惑をめぐる聴取や資料提出の要請などの捜査を行い、各州が選挙結果を正式に認証するのが筋だとは思います。大統領選はスイングステートを取れば勝てる仕組みなので、不正をするならスイングステートとなります。これが議会の結果と大統領選の乖離が起きてる理由と考えられます。


最も州の裁判所などはある程度バイアスがかかってる部分もありますので、こういったルートでの捜査も必要だと思います。気になったのは、選挙不正を担当する司法省高官が辞任したとありますが、どんな理由ですかね??ここが買収されてたというオチはないとは思いますが、何かと筋が悪いのかなとは思います。


これはどうでもいいが、バー氏を最側近の一人というか、ロシア疑惑においては、実際はヒラリー問題とか、オバマゲートの問題でしたね。

脱線しましたが、案外興味深いのが群別データですね。


これを見るとほとんどが赤い(共和党支持)なんだよね。こういったところもいろんな意味で気になる部分でもあります。恐らく、ここらへんの地域も洗ってみると興味深いことが見つかるような気がします。


どっちにしても、「すべての合法的な投票を数え、違法な投票は数えない」という適切な選挙というのが当然ですし、その結果、トランプ大統領がきちんと勝ちきれるならいいと思うし、負けたとしても、選挙制度の問題点を解決して、次回以降の選挙では不正が行えないようにする流れにはなって欲しいと思います。どっちにしても、今回の選挙で最終的にどっちが勝ったとしても、後味は悪いでしょうし、エスパー氏の後任の国防長官代行に国家テロ対策センター長を据えるというのは、何かの意味があるのかもしれませんね。

RCEPの件

RCEP、インド抜きで「15日に署名も」ベトナム外務次官 (写真=ロイター) :日本経済新聞


【ハノイ=大西智也】ベトナムのグエン・クオック・ズン外務次官は9日、首都のハノイで会見し、日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を巡り、15日の首脳会合で署名する方向で調整していることを明らかにした。15カ国での合意になる見通しでインドは当初の参加を見送る公算が大きい。


ベトナムは12~15日にオンラインで開催するASEAN首脳会議と関連会合の議長国を務める。15日にRCEPの首脳会合があり、ズン外務次官は「加盟国の内部手続きが予定通り終了すれば、15日に署名の調印式を実施したい」と話した。


RCEPは2013年にインドを含む16カ国で協議を開始。19年11月にタイのバンコクで開かれた首脳会合で19年中の妥結をめざしたが、最終局面でインドが離脱を示唆し、ずれ込んでいた。


日本はこれまでインドを含む16カ国での妥結をめざしてきた。しかし、インドは安価な中国製品の流入を警戒し、交渉から事実上離脱していた。ASEANなどは早期の妥結を主張し、日本側も当初段階での「インド抜き」での合意に傾いた。


15カ国でRCEPが発効されれば、域内の人口と国内総生産(GDP)がいずれも世界全体の約3割をカバーする巨大な自由貿易圏が誕生することになる。

まずはRCEPの概要について紹介します。交渉参加国は、ASEAN10か国+6か国(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15ヶ国となります。


○東アジア地域包括的経済連携(RCEP)(概要)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000231134.pdf




これを見れば、RCEPの参加というのは日本の貿易において重要といえば重要なのですが、今のところ、以下のような協定があります。それに加えて、中国や韓国が加わるといったところになります。


環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉|外務省


日・ASEAN包括的経済連携協定|外務省


交渉分野は以下となります。

結局のところは協定というのは、ルールがきちんと守られるなら締結しておいてもいい程度のものではありますが、包括的協定であることから、問題点も生じるのも事実です。関税については日本の場合は殆ど問題はありませんので、別の内容が重要となります。特に懸念が生じる内容としては、以下の項目があります。ここらへんはある程度の制約はあった方がいい項目となるので、注意が必要となります。


(9)自然人の移動

(16)政府調達


あとは、中国に関するリスクがあります。アメリカの動向もあるのと、経済安全保障の問題をどうするかというのが重要となるので、個人的には今回は見送った方がよさそうな感じがしないでもないです。バイデンになれば、4年の時間が止まるどころか、巻き戻る可能性もあるので、この点は注意が必要となります。


ちなみにインドの離脱については、以下の記事を紹介します。

インドの貿易赤字がRCEP交渉国が6割を占めており、RCEPについて「インドの国益にならない」というのが全てでしょう。あとはこちらの薬価の高騰の件もあると思われます。


東アジア地域包括的経済連携 - Wikipedia


RCEP締結は重要ではありますが、バイデンリスクの可能性や、インドが参加しない可能性が高いのと、殆どの国とは協定もあることからも、今の段階で急いで締結するほど重要なものではないとは思います。