日米首脳会談2021
今日は日米首脳会談の件です。
現地時間16日午後13時40分(日本時間午前2時40分)から、ワシントンDC訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr. President of the United States of America)と日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおりです(計150分間(テタテ(1対1)会合を約20分間、少人数会合を約55分間、拡大会合を65分間)実施。)。また、両首脳は共同声明を発出しました。
1 冒頭、バイデン大統領から、バイデン政権発足後初めて訪米する外国首脳として菅総理を心から歓迎する旨述べました。これに対して、菅総理から、バイデン大統領の友情とおもてなしに対する深い謝意を述べました。
2 両首脳は、自由、民主主義、人権、法の支配等の普遍的価値を共有し、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎である日米同盟をより一層強化していくことで一致しました。また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日米両国が、豪州やインド、ASEANといった同志国等と連携しつつ、結束を固め、協力を強化していくことを確認しました。
3 また、両首脳は、中国、北朝鮮、韓国、ミャンマー等の地域情勢について意見交換を行いました。
(1)両首脳は、インド太平洋地域と世界全体の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について意見交換を行いました。東シナ海や南シナ海における一方的な現状変更の試みや、威圧に反対することで一致しました。その上で、こうした問題に対処する観点から、中国との率直な対話の必要性が指摘されるとともに、普遍的価値を擁護しつつ、国際関係における安定を追求していくことで一致しました。
(2)北朝鮮については、両首脳は、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対して国連安保理決議の下での義務に従うことを求めることで一致しました。また、菅総理から、拉致問題の即時の解決に向けて引き続きの理解と協力を求め、バイデン大統領から、拉致問題の即時解決を求める米国のコミットメントが改めて示されました。さらに、両首脳は、日米韓の三か国協力が安全保障と繁栄に不可欠であるとの認識で一致しました。
(3)ミャンマーについては、ミャンマー国軍・警察の実力行使により多数の民間人が死傷している状況を強く非難し、民間人に対する暴力の即時停止、被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対し日米で連携しながら強く求めていく方針を改めて確認しました。
4 こうした一層深刻化する地域の安全保障環境を踏まえ、両首脳は、日米同盟の抑止力・対処力を強化していくことで一致しました。両首脳は、同盟強化の具体的方途につき、検討を加速することで一致しました。菅総理から、日本の防衛力強化への決意を述べ、バイデン大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を含む、米国による日本の防衛へのコミットメントが確認されました。同時に、両首脳は、沖縄を始めとする地元の負担軽減を図る観点から、普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策である辺野古への移設を含め、在日米軍再編を着実に推進することで一致しました。
5 両首脳は、日米間の緊密な経済関係を更に発展させていくことで一致するとともに,インド太平洋地域やグローバルな経済における日米協力の重要性を確認しました。
6 両首脳は、こうした議論を踏まえて、日米首脳共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」を発出することで一致しました。この声明は、今後の日米同盟の「羅針盤」となるものです。
7 また、両首脳は、両国が世界の「より良い回復」をリードしていく観点から、「日米コア(CoRe)・パートナーシップ」に合意し、日米共通の優先分野であるデジタルや科学技術の分野における競争力とイノベーションの推進、コロナ対策、グリーン成長・気候変動などの分野での協力を推進していくことでも一致しました。
8 気候変動については、米国主催の気候サミットを始め、COP26及びその先に向け、日米で世界の脱炭素化をリードしていくことを確認しました。また、パリ協定の実施、クリーンエネルギー技術、途上国の脱炭素移行の各分野での協力を一層強化していくために、「野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップ」を立ち上げることで一致しました。
9 また、菅総理から、本年夏、世界の団結の象徴として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を実現する決意を述べたのに対して、バイデン大統領から改めて支持が表明されました。菅総理から、東日本大震災後にとられた福島県産のコメを含む日本産食品の米国の輸入停止措置について、撤廃を要請しました。
10 両首脳は、初の対面での会談を通じて日米同盟の結束を再確認し、菅総理から、バイデン大統領の早期訪日を招請しました。両首脳は、引き続き、新型コロナ感染症の状況を見極めつつ、ハイレベルでの要人往来を通じ、二国間関係を強化していくことで一致しました。
あとはハリス大統領の表敬の様子です。
共同声明は以下となります。
要旨は以下となります。
共同記者会見の内容です。
要旨は以下となります。
日本の置かれてる現状として、敵側として死活問題であった米大統領選を無理やり押し通した状況において、米民主党や国際社会の茶番による被害を如何に減らすかというのが重要で、日米関係を維持しながら適当にやっていくことが重要であって、現状に置かれてる状態において、日本が抱えてる問題について前に進む要素が皆無であるという現実を受け入れることに尽きます。その状況で国益をどれだけ守りきれるかが重要で、深手を追わない程度に受け流すことしか出来ることはありません。
自由、民主主義、人権、法の支配等の普遍的価値を共有、「自由で開かれたインド太平洋」の実現あたりは基本線ですので、ここは維持するとして、中国との対応についても重要にはなります。ここらへんもテンプレに近いのですが、今回の会談で「台湾海峡の平和と安定の重要性」という文言を加えたということについては重要になってくると思います。日米共同声明での52年ぶりの台湾問題への言及した意味というのが鍵になってきます。
ここで台湾ですが、先日にこんな会談が行われてました。
メンバー的に注意が必要なのですが、今回のアメリカの台湾に対しての動きの意味が重要になってくるでしょう。蔡英文総統についてですが、割と経歴もきな臭いし、台湾という国こそが用日ではありますし、この動向については注意が必要です。
ここで戦後レジーム構造における台湾の役割と、キッシンジャーあたりの案件にも関連してきますが、台湾問題については、ある程度知っておく必要があるように思います。
あとはこの記事も紹介します。
記事だらけですが、2014年にひまわり学生運動という全米民主主義基金(NED)案件でした。
今回の日米首脳会談で台湾に言及した理由というのは、米中関係もありますが、中国の第一列島線の防衛に関する話もあるのと、半導体の関係などもありますが、アメリカとしても台湾を抑えておきたいという目的もあるでしょうし、戦後レジーム構造における台湾の役割を考慮している可能性もあります。
そこで今回の「台湾海峡の平和と安定の重要性」といった文言にした理由となりますが、あくまでも尖閣も含めた「海上安全保障の安定」ということに特化した内容に留めて、防衛体制に特化するといったメッセージにとどめた理由になると思われます。
予想通りですが不満はあったみたいだし、日本としては上手く流せたとは思います。
重要なポイントとして、海上安全保障、経済安全保障などの概念による、台湾との関係構築といったところが重要になってくると思います。ここらへんを首脳会談でコミットしたことが、今回の会談の本質ともいえます。今後の関わり方については、経済も含めた安全保障の概念で関係を構築していくのを軸にしていくのが、米民主党などの被害を減らすために重要になってくると思われます。