明日は定休日となります。日米首脳会談の件については月曜の更新とします。


枕屋さんのMike Lindell氏が言うには、トランプ派の新SNS「フランク」が4月19日にスタートする予定となっております。米国以外からでも登録可みたいだけど、Apple StoreやGoogle Playからは締め出されそうな気がしないでもないですが、普及して欲しいところではあります。


FrankのURLは以下となります。


https://frankspeech.com


アフガニスタンの件

米、アフガン戦争に幕 9月までに駐留軍を完全撤収―政権高官「目的達した」:時事ドットコム


 【ワシントン時事】米政府は13日、米同時テロから20年の節目を迎える9月11日までに、アフガニスタン駐留米軍を完全に撤収する意向を明らかにした。これにより2001年から続く「米史上最長の戦争」は終幕。ただ、米軍撤収後にアフガン情勢が不安定さを増すのは必至で、同国が再び内戦状態に陥り、テロ組織の温床となる可能性は否定できない。


 トランプ前政権は反政府勢力タリバンと結んだ和平合意で、5月を米軍撤収の期限としていた。バイデン政権はその延期を決める一方、タリバンが合意事項を履行するかどうかにかかわらず、「無条件で撤収する」と表明。アフガンへの軍事的関与を断ち切る姿勢を明確に示した。

 米政権高官は「同時テロ首謀者に正義をもたらし、アフガンを米国攻撃の拠点として使っていたテロリストを倒すためにアフガンに侵攻したが、その目的は数年前に達した」と指摘。「アフガンから米国に及ぶ脅威は駐留軍なしで対処できる水準になった」と説明した。

 その上で「バイデン大統領は中国との競争やパンデミックなど、米国にとってより深刻な現在の脅威と課題にエネルギーや資源、人員、時間を費やすべきだと確信している」と表明した。「アフガンを苦しめている問題に軍事的解決策はない」とも言い切り、対アフガン支援を軍事から外交分野に切り替える方針を示した。


関連記事です。

タリバン合意については過去記事も紹介します。


2020年3月始まり-ぱよぱよ日記


元々は昨年の2月にトランプ政権が進めてたわけですが、バイデン政権が合意事項を履行するかどうかにかかわらず、「無条件で撤収する」と表明したようです。一応はトランプ政権からの延長のようには見えますが、この合意事項を履行しない撤退が何を意味するのかがポイントになるかと思います。


タリバン合意に関する過去記事となります。



タリバンで重要になってくるのが、麻薬の問題となります。


ターリバーン - Wikipedia


タリバンからの無条件の撤退の意味するものが重要となりますが、上記項目を整理すると、米軍が撤収することで、アフガニスタンがテロ組織の温床となる可能性が否定できないですし、アフガニスタン政府と反政府勢力タリバンとのバランスが悪化する可能性もあります。ここをどうするかが鍵とはなりますが、トランプ政権時については、一定の牽制が出来ていたわけですが、アフガン情勢が不安定になると誰が得するかということにもなります。


以下の記事を紹介します。


アフガニスタン・イラン:イランがターリバーンに報奨金と『CNN』が報道 | 公益財団法人 中東調査会


アフガニスタンはイランを含む外国人侵略者の墓場だ|ARAB NEWS


イランがタリバンに資金提供していることが分かると思います。米軍の撤収によって、タリバンとのバランスを維持出来るかどうかが重要となりますが、それが崩された場合のイランの動きが気になるところです。


先月の外相の電話会談となります。日本政府との関係は悪くはなさそうです。


日・アフガニスタン外相電話会談(令和3年3月2日)


対アフガン支援を軍事から外交分野に切り替える方針は一見悪くはなさそうですが、合意事項を履行しない撤退によって、火種(利権)を元通りにしたいといった感じの対応による撤退の可能性も含まれてる点については注意が必要で、バイデン政権の中東対応については、トランプ政権との対応と逆の意味合いが含まれてる可能性もあるので注意が必要となります。


半導体関係

「半導体不足は年内続く」 TSMC、投資3.3兆円に上積み: 日本経済新聞


【台北=中村裕】半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は15日、2021年の設備投資計画を7%上方修正し、過去最高の300億ドル(約3兆3千億円)にすると発表した。20年比で74%増え、旺盛な需要に対応する。ただ世界的な半導体不足は依然、業界全体で深刻で年内は続くとみている。解消時期はスマートフォン向けなどの先端品が22年、自動車向けなどの一般品が23年になるとの見通しを示した。


魏哲家・最高経営責任者(CEO)が15日に開いた決算の記者会見で明らかにした。


積極投資は業界全体で進むものの、半導体不足は厳しい状況が続く。魏CEOは「半導体不足の解消が進むのは来年からだろう。新型コロナウイルスの影響による生産活動への不安から、顧客が半導体在庫を必要以上に多く手元に持つことも不足問題に拍車をかけている」との認識を示した。


TSMCの投資は、主に高速通信規格「5G」対応のスマホやサーバーに搭載する高性能な半導体の増産などに充てる見通しだ。新型コロナの感染拡大でパソコンやゲーム機など在宅需要が膨らんでおり、当面、需給の逼迫は続くとみて、投資を一気に拡大する。


今年1月に公表した従来の設備投資計画は280億ドルだった。わずか3カ月間で20億ドルを積み増した。関連する素材メーカーや装置メーカーにも好影響を与えそうだ。


15日に発表した21年1~3月期決算は、売上高が四半期として過去最高となる前年同期比17%増の3624億台湾ドル(約1兆4千億円)、純利益は19%増の1396億台湾ドルだった。


半導体関係です。関連記事を紹介します。

半導体製造のランキングは以下となります。


これを見る限りでは、実際の半導体の生産においては、TSMCが56%、サムスンが18%となっており、最先端半導体においては92%を台湾が独占、残り8%は韓国が担っているわけで、TSMCの一極化が進んでおり、リスクが高い状況となっております。


TSMCが投資をするにしても、主に高速通信規格「5G」対応のスマホやサーバーに搭載する高性能な半導体の増産などに充てる見通しで、自動車向けは旧世代半導体で、品質、カスタム性、長期サポート、コストなどで非常に厳しく、単価も安く割に合わないことから、TSMCとしての優先順位は高くなく、2023年の解消も厳しい状況のように思います。最も現在の状況だと、半導体不足は当面続く見通しです。


自動車向けについては、Intelが支援に動き出したようですし、動き出したとしても解消には当面の時間がかかる見通しとなります。

半導体製造がTSMCに一極集中しており、リスクが大きいことからも、バイデン政権も半導体生産の強化やサプライチェーンの構築に力を入れるようですね。


米大統領 半導体の分野で「アメリカが再び世界を主導する」 | 米 バイデン大統領 | NHKニュース


半導体関係については、日米首脳会談でも議題に上がるかと思いますが、半導体製造においては、TSMCへの依存度を高めるのもリスクが顕在化して、ある程度自国でも製造能力を作っておく重要さが、今回の騒動で見えてきたかと思います。


半導体製造装置については先進国が強いわけですし、日本勢もこの分野は何とか維持はしましたが、製造する企業がここまで一極集中するとまでは予測はつかなかったわけで、その点からも軌道修正が必要な状況ではあります。

こういった状況になれば、物量込みで対応可能な国として中国が挙げられますが、日米などの国での半導体製造能力がなくなってしまうと、半導体を中国に握られるリスクも出てくる可能性もあることからも、これを機会に日米のサプライチェーンの再構築が必要といった状況でもあります。

因みにTSMCは台湾メーカーですし、日米首脳会談でも台湾について言及するなど流れが変わってくると言うか、恐らくここまで踏み込まないといけない理由として、TSMCの存在も大きいかもしれません。台湾が中国に陥落した場合は、半導体リスクが甚大なものになるわけで、こういった背景もあるのかもしれません。

直近の半導体不足については、時間が過ぎればある程度は回復が見込まれますが、最先端半導体のいびつな製造能力は是正が必要となり、TSMC依存の強化は問題となることから、日本国内でTSMCの誘致といったのが打開策には思えないわけで、日本企業の自助努力なしでは、半導体の再興はないと思います。

一応はこういった動きもありますが、金額的な規模も小さすぎることからも、こういった計画の拡大は必要でしょうし、先端半導体の製造能力の強化というのは、日本国内の課題になるとは思います。