懲戒請求と職務上請求書に関するお話・・・。

小坪市議のHPより。

【懲戒請求戦線】各士業会からの回答~訴訟への流用を容認している士業会は? | 小坪しんやのHP~行橋市議会議員

まずはおさらいとして、各士業と監督官庁の関係について紹介します。

・行政書士会:総務省
・司法書士会&土地家屋調査士会:法務省
・税理士会:財務省
・社会保険労務士会:厚生労働省
・弁理士会:経済産業省
・弁護士会:なし

ざっくりと纏めるとこんな感じです。士業会で見ればこんなところです。

士業会における懲戒権の有無だけで言えば、土地家屋調査士会、弁理士会、弁護士会となります。他の士業については、監督官庁や都道府県知事が発することになってます。士業会からの回答のなかった社会保険労務士会については、懲戒権を持っているのは、厚生労働大臣になります。

・社会保険労務士会の懲戒処分
懲戒処分等の基準|厚生労働省

土地家屋調査士会の個人情報に関する内容については、「懲戒請求者の個人情報が不当に開示されたものが流用されたのであれば、個人情報の適正な管理の観点から問題がある」ということで、個人情報の適正な管理については認識していると思われます。

弁護士会に運用が似ているのは弁理士会となります。ここも強制加入団体となっており、懲戒請求に関する情報を渡しておりますが、実態としては契約者(顧客)との間にのみ、懲戒制度が存在しており、特に問題になったことがないのでこのような運用になっていると思われます。

弁理士は「知的財産に関する専門家」となります。弁理士については以下のリンクを。

弁理士とは | 日本弁理士会

弁理士は知的財産権を取り扱ってる以上、監督官庁があって当然ですし、強制加入団体でなければ、いろんな意味でトラブルを抱えることになりますので、強制加入団体であるのは当然だし、知的財産権に関する懲戒請求は、顧客との間で発生することから、結構範囲が限られてくるわけです。監督官庁も存在するのもあるので、問題にはならないかと。

ここで弁護士会になるのですが、一応弁護士は法律全般を取り扱うことから、監督官庁としての機能を弁護士会に持たせて、弁護士自治が機能することを前提で制度は成り立っております。結局のところ、弁護士会が強制加入団体であるのと同時に、法律全般を取り扱う弁護士と、範囲の限られている弁理士と同じ制度であることと、監督官庁が存在しないということで、弁護士会や弁護士の免罪符になっているのが現状ともいえます。

弁護士会が監督官庁としての機能を果たしておらず、報復訴訟が出来る枠組みになってるのは士業において弁護士会だけなわけですね。訴訟の流用を容認している士業は弁護士会だけですし、士業であることを理由に好き勝手にやっているとも言えます。


余命さん関係より。

2633 職務上請求書① – 余命三年時事日記

これを見れば分かると思いますが、世帯全員の全事項をスラップ訴訟のために請求しているわけです。いろんな意味で問題があるのですが、そもそも論として、職務上請求書を請求する上での請求する行為が不適切であることと同時に、訴訟目的であったとしても、全事項の請求する理由には全くならないということに尽きます。

これなんだけど、弁護士だけの問題ではなく、このような請求に応じたとなれば、その役所についても、訴訟準備であれば対象者のみの情報開示でいいわけですが、無関係の情報を開示したとなれば、かなり重大な問題とも言えます。

更に言えば、職務上請求書を送るための情報の入手ルートが不正であれば、請求書を送った地点で個人情報保護法違反に問われてもおかしくありませんし、これに応じた自治体についても、個人情報保護法違反に問われてもおかしくありません。これは訴訟対象の本人を対象としても同じ話です。

何が言いたいかといえば、この件においてのスラップ訴訟目的の職務上請求書の手続きを行った地点で、言い逃れの出来ないレベルで弁護士資格を停止されてもおかしくない話ですが、これを止められない地点で、弁護士自治を放棄宣言をしたと言ってるのと同じだと思いますがね。

そういう意味では、キャンバラさんたちは、世帯全員の全事項を請求して情報を持っているなら、世帯全員を対象として訴訟を起こさないと、不当な請求書を送ったことになるわけですなぁwww世帯全員を対象としなければ請求書の正当性はないと思いますよww