今回は翁長沖縄県知事関係です。
翁長沖縄県知事が死去 膵臓がんで療養中 (写真=共同) :日本経済新聞

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し、国との対決姿勢を取り続けてきた翁長雄志沖縄県知事が8日、死去した。67歳だった。膵臓(すいぞう)がんを公表し、公務の量を抑えながら闘病していた。意識が混濁したとして、県が8日に職務代理を置くと発表したばかりだった。

 翁長氏は那覇市生まれ。法政大を卒業後、1985年の那覇市議選で初当選した。県議や那覇市長を歴任し、自民党の県連幹事長も務めた保守の重鎮だったが、2014年11月の知事選で辺野古移設反対にかじを切って出馬。現職の仲井真弘多前知事を破った。

 普天間基地移設問題を県政の最重要課題と位置付け「あらゆる手段」を使って移設を阻止すると明言。15年には仲井真氏の埋め立て承認を取り消して国との法廷闘争に突入したが、翌16年に県側の敗訴が確定した。

 今年に入ってからは名護市長選などの首長選で、自身が支援する候補が相次ぎ敗北。政治的に追い込まれる中、7月には前知事による辺野古埋め立て承認の撤回を表明し、改めて辺野古阻止の姿勢を鮮明にしていた。
翁長沖縄県知事が膵臓がんで死去しました。ご冥福をお祈りします。

政治思想や手法などは支持は出来ないのですが、最後まで沖縄の抱える問題に命がけで取り組む姿だったり、面倒見のいい親分体質で、自民党の保守の重鎮ということからも、純粋な人物だけみれば、普通にいい人だったんだと思います。日本の国益になるかどうかは別問題なのは言うまでもないですし、偽装保守と言われても致し方ないですし、オールお縄といって、社民党や共産党などと手を組んだことについては、決して許されることではないと思うし、それによって、翁長氏自身も苦しめられてきたのはあるのも事実で、病状が悪化した時に、残り少ない時間は政界から離れて、家族と過ごしてほしかったというのはありますね。この期に及んで、翁長氏の引退を許さなかった共産党は許せないです。

共産党・志位和夫「ガンの翁長知事は再選にチャレンジする。頑張り抜こう!」


パヨク系メディアの記事ですが、記事の一部抜粋。
翁長知事が死去 生前に語っていた沖縄への想い(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース

トラブルのたび、翁長知事は東京へ行き、日本政府や米国大使館に抗議してきた。そのあとには、政府側から必ずのように次の3点が伝えられたという。

・基地負担の軽減
・県民に誠心誠意に寄り添う
・米軍に原因究明と再発防止を訴える

そしてまた、事故が起こる。「負担軽減」「誠心誠意」「再発防止」。儀礼的な虚しい言葉が繰り返される。翁長知事は、嘆息交じりにこうつぶやいた。

「ただただ、虚しさを覚えている。この本土と沖縄の溝はいつまで深く、広いまま縮まらないのか、ということを考えているんです」
これらについては、翁長知事の言う通りですし、日本側に逮捕権や捜査権がないといった「日米地位協定」の問題も然りです。上記の記事の引用ですが、翁長知事の言ってることは正論です。
「そういった状況下で、沖縄は日本の安全保障において大きな役割を果たしている。私は日米安保体制を認める立場にいるが、『沖縄だけ我慢してくれ』ではなく、日本全体でこの負担について考えてもらいたい」
地政学上、沖縄が重要な土地であって、日本の安全保障において大きな役割を果たしているということを翁長氏はきちんと認識していると思います。第二次世界大戦の沖縄戦についても、見捨てられてわけではなく、沖縄の重要性は理解しており、可能な限りのリソースを割いて守ろうとしていたわけですがね。

沖縄戦から米軍に占領されて、返還されたのが27年後で、その間は日本の経済圏から分離されたことから、高度成長時代の恩恵には授かっておらず、日本の経済圏から一体化されていない現状こそが、都道府県別平均年収調査で沖縄県が最下位となっている一番の理由ともいえます。沖縄に関する日本国民の理解が進んでいないというのと、基地問題というのが連結されてる一面もあると思うし、翁長知事の主張は間違ってはいないと思う部分もあります。国防のために『沖縄だけ我慢してくれ』は通用しませんし、その我慢を強いることを拒めば売国奴扱いされるような風潮は害悪でしかないです、ハイ。

翁長知事が亡くなったことで、害がなくなったとかいう単純論で片付けるのではなく、沖縄は地政学的に重要な場所であるからこそ、日本国民全体で沖縄のホントの現状と、今後何をするべきかということを一定の理解が必要になると思います。沖縄問題の本質は、日本国民の沖縄に対しての無理解というのが本質的な原因であって、基地問題という話だけではなく、ホントの意味で理解が進んで欲しいと思います。


続いては沖縄県知事選についてです。
翁長雄志・沖縄知事が死去 辺野古移設反対の象徴 知事選9月に前倒し(1/2ページ) - 産経ニュース

 がん治療を続けていた沖縄県の翁長雄志知事が8日午後、膵がんのため入院先の浦添総合病院(浦添市)で死去した。67歳だった。翁長氏は7日から意識混濁の状態に陥り、謝花喜一郎副知事が8日から職務を代理していた。知事選は翁長氏の任期満了(12月9日)に伴い11月1日告示、同18日投開票の日程が決まっていたが前倒しされ、9月中には行われる見通し。

 謝花氏の説明によると、翁長氏は4月に切除手術を行った膵がんが肝臓に転移しており、7月30日から浦添総合病院に入院。8月7日から徐々に意識が混濁し始めたという。4日に謝花氏らに対し、意思決定ができない状況になった場合に職務代理者を置くよう指示したという。

 公職選挙法の規定では、知事が死亡などにより任期途中で欠けた場合、県選挙管理委員会への通知後50日以内に知事選が行われる。9月30日投開票(同13日告示)が有力となり、9月23日投開票(同6日告示)も想定される。いずれの日程でも「9月7日告示-20日投開票」が予定される自民党総裁選の日程と重なることになりそうだ。

 知事選をめぐっては、自民党県連などが推す宜野湾市の佐喜真淳市長が出馬の意思を表明している。共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄会議」は翁長氏擁立を目指すことを決定していたが、翁長氏は態度を明確にしてこなかった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力の知事選候補はゼロからの選考を余儀なくされることになる。
翁長知事の死去によって、知事選が9月に行われることになります。自民党総裁選については安倍首相の三選は固いのですが、状況が状況なだけに、現状は政権は安定しており、メディア煽動の誹謗中傷レベルの話以外で、安倍政権を揺るがすような材料はないし、相応の政策パッケージが見えない状況からしても、無投票三選で沖縄県知事選を重視してもいいと思います。住民票戦略は間に合いませんし、沖縄県知事選は正攻法で勝ち取れる環境になってると思います。保守分断こそが脅威であって、沖縄県の左翼系の基盤はそこまでいうほど強くないので、候補の一本化と公明党の協力があれば、十分選挙は戦えると思います。沖縄は元々保守系(偽装保守含めw)が強い地域なので、鍵を握るのは沖縄財界になるような気がします。

選挙の基本として理念というよりは、日々の生活といった経済的要素が高いのもありますので、自民党として真剣に沖縄県知事選に取り組むことが出来るかが鍵でしょうし、空中戦だけではなく、地上戦についても一定の覚悟が求められることになります。翁長知事の弔い合戦というのは、心を読み取れるかというのが無党派層に対してのメッセージになると思います。どっちにしても、宜野湾市長選ともセットになるわけですし、きっちりと両方共に勝ち取れるようにしてほしいと思います。