日露首脳会談~2018年11月
今日は日露首脳会談の件です。官邸HPから。
安倍首相、プーチン露大統領と会談 3年以内に平和条約締結へ - 産経ニュース
要点としてはこんなところになると思います。
日ソ共同宣言の内容は以下の通り。
北方領土問題とは 北方対策本部 - 内閣府
引用が長くなりましたが、日ソ共同宣言がベースになるのは致し方ないので、3年という具体的な期限を定めて対応するのがいいと思ってます。首脳関係が良好で、領土関係の交渉が進んでいることはいいことですし、その点については批判する意味はないと思います。北方四島を一括返還を前提とした強硬論は、威勢のいいことを言いつつ、政権の不安定化を目的としている節があるので、注意が必要だと思います。
実際のところ、今回の会談によって、具体的に何かが進むとは思っていませんが、現実問題として、北方四島の引き渡しは難しいにしても、経済活動などを通じた交流の加速することで、北方四島の実権をどれだけ得られるかというところが鍵になりそうな気がします。どのようにして、実利を得られるかというのと、ロシアは資源が豊富ですし、産業も重複していないわけで、経済協力については、WinWinの関係が構築出来るわけです。
これから激変する国際情勢において、3年の時間の持つ意味というのもあると思いますが、そういう意味でも現在の状況、そして今後の動きを見定める必要があると思います。
以下、薄識レベルの雑感・・・。
ロシア国内について、以下の記事を紹介します。
強権プーチンの支持率急降下! 天然ガスと宗教を武器に影響力復活なるか - FNN.jpプライムオンライン
プーチンの支持率が急落しており、原因としては、定年退職制度の見直し、年金だけでなく医療などの社会保障などの不満などが挙げられております。宗教による権力誇示や、資源貿易による経済の活性化などが挙げられます。
宗教については、寧ろ死活問題ともいえるし、ウクライナに関する問題となるので、これで影響力となるとある程度の軍事活動が必要になる可能性もあるのと、ロシアへの制裁強化に繋がる可能性が限りなく高いので、これを主体には出来ない以上、プーチンにとって残された選択肢は経済になってるわけです。経済を活性化させないと、支持率低下の根本要因を取り除くことが出来ないわけで、結構死活問題に近いともいえます。
プーチンとの信頼関係から、経済協力を通じて関係を構築していくというのは、日露にとってのメリットとも言えるし、政権安定化においても、効果はあると思います。
以下の記事を紹介します。
ここに米中冷戦という要素が加わります。これは中国共産党で考えていいです。そして、米露問題を誰が作り出したのかということに尽きます。ここで記事を紹介します。
トランプ氏、米ロ首脳会談は「G20で」関係修復が焦点:朝日新聞デジタル
フランス、しつこかった…米露会談見送りに不満 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
これらを見ても、米露の関係修復に重点を置いてるようですが、フランスというより、米露接近について都合の悪い勢力がいるということが分かると思います。利害関係で考えた場合、米露というのは乖離はしていないし、時間の問題のように思います。その上で北方領土問題が関連しているという構図も重要だと思います。
次の戦争では中・ロに勝てないと、米連邦機関が警告 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
この警告が何を意味するのかが大事かもしれませんね。ロシアは火事場泥棒で実利を得ようとしている以上、中露という構図になる可能性は低いと思います。イランや北朝鮮にも繋がるので混沌としてますが、これらの勢力が一丸となってアメリカと対立するわけでもないことから、米中冷戦路線という戦略でいいと思います。
ロシアもイランも北朝鮮も信用してませんが、同時に多くの敵と対峙するのも危険ですし、ここらへんは是々非々でいいと思いますね。
最後に余命さんの記事を紹介します。
125 ロシア考察(遺稿メモから) – 余命三年時事日記
147 ぼかしとカット⑥ロシア – 余命三年時事日記
基本戦術は以下となります。
平成30年11月14日 日露首脳会談についての会見 | 平成30年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ別記事も紹介します。
平成30年11月14日(現地時間)、安倍総理は、シンガポール共和国で会見を行いました。
総理は、日露首脳会談について、次のように述べました。
「先ほど、プーチン大統領と日露首脳会談を行いました。その中で、通訳以外、私と大統領だけで平和条約締結問題について相当突っ込んだ議論を行いました。
2年前の長門(ながと)での日露首脳会談以降、新しいアプローチで問題を解決するとの方針の下、元島民の皆さんの航空機によるお墓参り、そして共同経済活動の実現に向けた現地調査の実施など、北方四島における日露のこれまでにない協力が実現しています。この信頼の積み重ねの上に、領土問題を解決して、平和条約を締結する。この戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという、その強い意思を大統領と完全に共有いたしました。そして、1956年共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことで、プーチン大統領と合意いたしました。
来年のG20において、プーチン大統領をお迎えいたしますが、その前に、年明けにも私がロシアを訪問して、日露首脳会談を行います。今回の合意の上に、私とプーチン大統領のリーダーシップの下、戦後残されてきた懸案、平和条約交渉を仕上げていく決意であります。ありがとうございました。」
安倍首相、プーチン露大統領と会談 3年以内に平和条約締結へ - 産経ニュース
要点としてはこんなところになると思います。
- 日露の防衛当局間の交流加速や8項目の経済協力プランの進展
- 1956(昭和31)年の日ソ共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させることで合意した
- 日ソ共同宣言は平和条約締結後に、北方四島のうち、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと明記している
- 北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結する
日ソ共同宣言の内容は以下の通り。
日ソ共同宣言 - Wikipedia北方領土問題については、内閣府のページを紹介します。
- 日ソ両国は戦争状態を終結し、外交関係を回復する。
- 日ソ両国はそれぞれの自衛権を尊重し、相互不干渉を確認する。
- ソ連は日本の国際連合加盟を支持する。
- ソ連は戦争犯罪容疑で有罪を宣告された日本人を釈放し、日本に帰還させる。
- ソ連は日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する。
- 日ソ両国は通商関係の交渉を開始する。(同日に日ソ通商航海条約を締結)
- 日ソ両国は漁業分野での協力を行う。
- 日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する。
北方領土問題とは 北方対策本部 - 内閣府
引用が長くなりましたが、日ソ共同宣言がベースになるのは致し方ないので、3年という具体的な期限を定めて対応するのがいいと思ってます。首脳関係が良好で、領土関係の交渉が進んでいることはいいことですし、その点については批判する意味はないと思います。北方四島を一括返還を前提とした強硬論は、威勢のいいことを言いつつ、政権の不安定化を目的としている節があるので、注意が必要だと思います。
実際のところ、今回の会談によって、具体的に何かが進むとは思っていませんが、現実問題として、北方四島の引き渡しは難しいにしても、経済活動などを通じた交流の加速することで、北方四島の実権をどれだけ得られるかというところが鍵になりそうな気がします。どのようにして、実利を得られるかというのと、ロシアは資源が豊富ですし、産業も重複していないわけで、経済協力については、WinWinの関係が構築出来るわけです。
これから激変する国際情勢において、3年の時間の持つ意味というのもあると思いますが、そういう意味でも現在の状況、そして今後の動きを見定める必要があると思います。
以下、薄識レベルの雑感・・・。
ロシア国内について、以下の記事を紹介します。
強権プーチンの支持率急降下! 天然ガスと宗教を武器に影響力復活なるか - FNN.jpプライムオンライン
プーチンの支持率が急落しており、原因としては、定年退職制度の見直し、年金だけでなく医療などの社会保障などの不満などが挙げられております。宗教による権力誇示や、資源貿易による経済の活性化などが挙げられます。
宗教については、寧ろ死活問題ともいえるし、ウクライナに関する問題となるので、これで影響力となるとある程度の軍事活動が必要になる可能性もあるのと、ロシアへの制裁強化に繋がる可能性が限りなく高いので、これを主体には出来ない以上、プーチンにとって残された選択肢は経済になってるわけです。経済を活性化させないと、支持率低下の根本要因を取り除くことが出来ないわけで、結構死活問題に近いともいえます。
プーチンとの信頼関係から、経済協力を通じて関係を構築していくというのは、日露にとってのメリットとも言えるし、政権安定化においても、効果はあると思います。
以下の記事を紹介します。
【ロシアを読む】「友好は見せかけ」中国のロシア侵食に批判噴出(1/3ページ) - 産経ニュースロシアとして、中国と国境を面してる部分が多く、人口や経済力の差もあって、経済という観点では、ロシアの中国脅威論というのは、他の国とは比較にならないくらい現実味のある危機ともいえます。そういう意味では、中国との有効関係などあったもんじゃないですし、人口侵略の対象となりかねないし、経済的なメリットもないことから、元の共産主義勢力としての繋がり以上のものはないように思います。
米国への対抗姿勢や北朝鮮の擁護、経済協力の強化など、近年さまざまな分野で“共同戦線”が目立つロシアと中国。しかし最近、複数の露メディアから「ロシアと中国の間の友好関係は見せかけのものにすぎない」との分析が相次いでいる。背景には、中国がロシア経済に貢献しておらず、むしろロシアの権益を侵食しているという不満や警戒感があるようだ。両国政府は友好関係の進展をアピールし続けているが、ビジネス現場などでは対立が深まっており、今後の両国関係に影を落とす可能性もある。
(中略)
実際、露極東地域には、隣接する中国東北部からの中国企業の進出や労働者の出稼ぎが相次いでいる。極東に住むロシア人の人口は今後、減少していくと予想されており、同紙の懸念は「いずれ極東地域は中国の支配下に置かれるのではないか」というロシア側の根強い不安があらわれたものといえる。
29日付の露有力紙「独立新聞」もこうした中国脅威論を取り上げた。同紙は「ユーラシア経済連合と一帯一路との連携に基づく計画は、実際には何一つ実現していない」と指摘し、「中国によるロシアへの直接投資は、カザフスタンへの投資よりさえも少ない」と指摘した。
ここに米中冷戦という要素が加わります。これは中国共産党で考えていいです。そして、米露問題を誰が作り出したのかということに尽きます。ここで記事を紹介します。
トランプ氏、米ロ首脳会談は「G20で」関係修復が焦点:朝日新聞デジタル
フランス、しつこかった…米露会談見送りに不満 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
これらを見ても、米露の関係修復に重点を置いてるようですが、フランスというより、米露接近について都合の悪い勢力がいるということが分かると思います。利害関係で考えた場合、米露というのは乖離はしていないし、時間の問題のように思います。その上で北方領土問題が関連しているという構図も重要だと思います。
次の戦争では中・ロに勝てないと、米連邦機関が警告 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
この警告が何を意味するのかが大事かもしれませんね。ロシアは火事場泥棒で実利を得ようとしている以上、中露という構図になる可能性は低いと思います。イランや北朝鮮にも繋がるので混沌としてますが、これらの勢力が一丸となってアメリカと対立するわけでもないことから、米中冷戦路線という戦略でいいと思います。
ロシアもイランも北朝鮮も信用してませんが、同時に多くの敵と対峙するのも危険ですし、ここらへんは是々非々でいいと思いますね。
最後に余命さんの記事を紹介します。
125 ロシア考察(遺稿メモから) – 余命三年時事日記
147 ぼかしとカット⑥ロシア – 余命三年時事日記
基本戦術は以下となります。
96 安倍内閣の基本戦略(遺稿記事) – 余命三年時事日記威勢のいいことをロシアは言ってくると思いますが、3年の時間という意味がどのように結びつけていくかというのが重要だと思います。今回の件も一種のアリバイ的要素もあるし、ホントの交渉時は3年以内に訪れる可能性はありますが、今はその時ではないと思うし、それまでは地道に関係構築して、他の要因を取り除くのがベストだと思います。利害関係的には一致している相手なだけに、今後の行動に問われることになります。
ロシア外交も実は日本が主導権を握っている。ロシアにとっては冷戦崩壊後ロシア東部の開発発展は急務であるが、それには経済大国、技術大国である日本の協力が絶対的に必要だ。北方4島の占拠がいかに無法であったか、日ソ不可侵条約破棄以降の歴史の流れは、いかに正当化しようとも今はネットによって全日本国民が知るところだ。強盗、火事場泥棒に返してくれとお願いすることではない。彼らが謝罪し、全島無条件返還を提案するまでじっとしていればいいのだ。
次の戦争では必ず取り返しますよという決意をもっていればそれが遅いようで一番早い解決方法だ。
日本にとって北方4島問題は進まなければただの現状維持。だがロシアにとって全島返還平和条約締結後の経済発展と日本との政治外交関係の改善は彼らに劇的空前の利益をもたらすドリームだ。ボールはロシア側にある。