入管法改正関係は取り上げたいネタがなければ、連休中に整理する予定ですが、真新しい内容はないと思います。

ICPO総裁人事の件

ICPO、孟前総裁の後任に韓国出身の金鍾陽氏選出 ロシアの対立候補 - 産経ニュース

【パリ=三井美奈】国際刑事警察機構(ICPO、本部フランス)は21日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開いた総会で、中国で逮捕され辞任した孟宏偉前総裁の後任として、韓国出身の金鍾陽(キム・ジョンヤン)総裁代行を新総裁に選出した。総裁選ではロシアが対立候補を擁立し、米国が金氏への投票を呼びかけていた。

 金氏はICPOの複数いる副総裁の一人で、先月、孟氏の辞任に伴い総裁代行に就任した。ロシアはアレクサンドル・プロコプチュクICPO副総裁を擁立し、事実上、2人の対決になった。

 孟氏の逮捕を機に、米欧ではICPOの国際指名手配が政治利用されているとの批判が噴出し、ポンペオ米国務長官は20日、金氏の支持を表明。「法を重んじる国は信頼できる指導者を選んでほしい」と訴えた。

 ICPOをめぐっては、今年5月、プーチン露政権を批判する英国人実業家が国際指名手配によってスペインで一時拘束され、「ロシアはICPOを悪用している」(フェルホフスタット元ベルギー首相)との声が出ていた。

 金氏の任期は、孟氏の総裁任期だった2020年まで。総裁選には、194カ国・地域が参加した。
ICPOの中国人の前総裁の公認として韓国人が新総裁に選出した件です。他の候補として、ロシア人といったカオスとしか思えない光景ではありますが、逆を言えば、こういった人を選出してもそこまで言うほど問題がないというのが理由のように思えますww実質的には名誉職みたいなものですしね。

Wikipediaを紹介。概要の項目より部分抜粋。
国際刑事警察機構 - Wikipedia

犯罪捜査や犯人逮捕に携わる各国の警察の連携を図り、各国間の情報の伝達ルートの役割を果たす。

主な活動は、国外逃亡被疑者や行方不明者、盗難美術品などの発見、身元不明死体の身元確認などに努める「国際手配制度」や、国際犯罪および国際犯罪者に関する情報のデータベース化とフィードバックなど。

映画・テレビ・漫画などのフィクションでは、全世界を対象に捜査する「国際警察」のような描かれ方をするが、実体はそのような大規模な組織ではなく、各国法執行機関の連絡機関・協議体としての性格が強い。

司法警察権は、各国の主権事項に属するため、たとえば『ルパン三世』の銭形警部のように、世界中で捜査活動をする「国際捜査官」は存在しない。ただし、大規模な犯罪や自然災害の際にはIRT(Incident Response Team)が捜査に協力することがある。

最終的に、犯罪者の身柄拘束を行なうのは、国家主権上の問題から、その国家の警察である。なお事務総長は、フランス政府から外交特権を与えられ、係官などの職員は、国際活動中に個別に外交特権を受けることがある。
ICPOの役割として、国際犯罪に関するデータベース化とフィードバックなど、情報共有を目的とした機関であって、警察権はないことからしても、事務総長としての役割としては、フランス政府からの外交特権程度ですが、そこまで機能していないようには思いますが、中国については一定の狙いはあったようです。国際機関の名前を借りるというか、一連の国連の方からと似た匂いを感じますね(笑)

・インターポールも陥落、国際機関を囲い込む中国の思惑

とはいえ、ロシアも一緒だけど悪用は出来るわけで、こういった機関のトップはG7あたりから選出した方がいいのは確かだとは思います。

消費税増税に伴うポイント還元制度の件

首相:消費税5%還元 景気腰折れ回避…薄れる増税意義  - 毎日新聞

 安倍晋三首相がキャッシュレス決済時のポイント還元制度で還元率を当初想定の2%から5%に引き上げる考えを示したのは、消費者に強烈な「お得感」のインパクトを与え、増税後の消費落ち込みを防ぐためだ。増税後の実質的な税率は5%と、現行税率(8%)より低くなる計算。膨張する社会保障費を皆で賄い財政の持続性を確保するという増税本来の意義は薄れる恐れがある。【大久保渉、竹内望、深津誠】
(中略)
 ただ、還元率が5%なら、例えば増税後に1000円の買い物をする場合、1100円を支払った後、ポイントで50円分が返ってくる。消費者にとっての実質的な税率は5%で現行の8%よりも低くなる計算だ。軽減税率の対象となる飲食料品に至っては、実質的な税率が3%にまで下がる。期間を9カ月に限るとはいえ、必要経費が大幅に膨らみ財政健全化の効果は薄まる。財務省には事前に知らされておらず、寝耳に水の状態。ある幹部は「総理指示ならやるしかない」と声を落とした。
消費税増税時の反動減対策で、キャッシュレス決済時のポイント還元制度で、5%還元する考えを示したようです。最も消費税増税など必要はありませんし、緊縮財政こそに問題があるわけで、税収の下押し効果があるわけです。

・消費税を引き上げても財政は健全化しない? 緊縮財政が経済に及ぼす影響

消費税というのは、経済活動そのものを否定して、所得の再分配の機能もなく、弱者にダメージが大きいことからしても、税制としては最悪な性質を持っています。よく考えたら、こんな税制を最初に作ったのはフランスでした(汗)

消費税 - Wikipedia

消費税は1954年にフランスで最初に導入されたわけで、1992年のEC(欧州共同体)指令改正により、1993年以降はEU加盟国は付加価値税の標準税率を15%以上にすることが義務化されたわけですが、それに加えて、過剰な財政規律を設けたのがEUでした。先日のエントリにも書いたんだけど、欧州が諸悪の根源としか思えないくらいですがね(笑)

脱線しましたが、キャッシュレス化というのは日本としても今後進めていく必要があると思いますし、キャッシュレスによる直接的なメリットがあれば、キャッシュレスが進むと思います。ここらへんは増税関係なく進めるべきで、キャッシュレス化を進めることで、決済の可視化が進むことから、アングラマネーを減少させる効果があります。地下経済を潰すためには、キャッシュレス化というのは一つの解決方法ですし、脱税対策にも繋がるのと、財務省のメリットとしても、インボイス方式へ移行を進めるためにも、軽減税率の議論においても、キャッシュレス化を促すというのも一つの方法論ともいえます。インボイス方式については、以下の記事を紹介します。

・軽減税率で知っておきたいインボイス方式の仕組み

財務省の評価基準が税収より税率としか思えない状況なのが一番の問題ですし、省内の力学として、予算編成が強くて、徴税関係が弱いというのが問題ですし、ここを是正するために歳入省構想がありますが、これについてはブログ主は反対ですかね。

・「歳入庁」創設は実現するか

財務省から国税庁を切り離したところで意味はなさないだろうし、本当にやるべきことは裁量権を法律で定めることで、組織を作るというのは方法論の一つに過ぎません。財務省の問題についても、裁量権を明確にすることが大事だと思います。定められた権限の中で成果を出して評価される制度を作る方がいいと思いますがね。関連記事を紹介。

・徴収共助約定ドアと財務省

この件は財務省には事前に知らされていなかったし、財務省は籠池程度に翻弄されてるし、朝日新聞やテレビ朝日に敗北するくらい脆い組織ともいえます。そういう意味では、財務省を過度に恐れる必要はないと思います。過去記事に書いたんだけど、財務省の力の源を理解した上で、それをどのようにして国益に繋げることが出来るかに尽きます。この件は増税議論として見るだけではなく、そのスキームを生かして何が出来るかという議論も注目する必要があると思います。