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一帯一路の件

河野外相、一帯一路に苦言 「複数国が借金漬け」 (写真=共同) :日本経済新聞

【ローマ=共同】河野太郎外相は23日(日本時間同)、イタリア・ローマで開かれた国際会議「地中海対話」に出席し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を取り上げ、苦言を呈した。「いくつかの国は『借金漬け』に陥っている。その国の成長を手助けしているとは思えない」と英語で訴えた。

一帯一路に携わった発展途上国が債務不履行に陥り、完成したインフラを中国に譲渡するリスクを念頭に置いた発言。一方で「プロジェクトが透明性、開放性、受け入れ国の財政健全性といった国際基準を満たすなら、喜んで中国に協力する」とも述べた。

欧州や中東、北アフリカといった地中海の周辺国が主に参加する地中海対話に、日本の外相が出席したのは初めて。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効を来年2月に控え、関係国との結び付きを強める狙いがある。

会議で河野氏は、地中海諸国とインド太平洋地域による幅広い協力を呼び掛けた。地域の平和と繁栄に日本が積極的に貢献するとした「自由で開かれたインド太平洋」に言及し、理解を求めた。

安全保障面では、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾での海上自衛隊の護衛艦による海賊対処活動を紹介した上で、地中海諸国との緊密連携に期待感を示した。〔共同〕
一帯一路もそうなんだけど、中国の支援というのは、基本的に乗っ取りを目的としてるわけで、トラブルが絶えないのが現実です。記事を何個か紹介します。

・まるで高利貸し “借金のカタ”でスリランカの港を奪った中国のやり口とは

・【世界ミニナビ】債務で主導権奪う…中国の呪縛にはまったスリランカ、モルディブにも迫る

・中国「一帯一路」が生む借金地獄 米機関が指摘する「高リスク」8カ国とは

アフリカでもトラブルだらけでしたし、借金漬けにして主導権を奪うことが一帯一路の目的となっておりますし、基本スタンスとしては、政権のトップを金で懐柔させてから、癒着してから、高利貸による投資を行なって、最終的には権益ごと乗っ取る手口といったところです。特に発展途上国は倫理観のない国が少なくなく、お金に簡単に懐柔されるわけで、美味しい思いをしてから、責任は後の人間に押し付けたらいいわけですしね。日本もそうなんだけど、公共のために政治などに関わる人は多くはないし、権力を得てから私欲に走る連中が多いというのは各国共通なわけです。舛添の上位互換のお方もそうだったし、それを政府が擁護するような某先進国もあったしなぁwww

・仏政府、「クーデター」信じない=ルノー・日産連合の継続強調

少し脱線しましたが、中国の支援というのは、中国人労働者を送り込んでやって、現地の雇用にも貢献もしない傾向があるので、余計タチが悪いです。実態はこの記事の通りと思われます。
中国による「インフラ投資」のインチキに気づいた各国から非難の声 - ページ 5 / 5 - まぐまぐニュース!

中国政府と中国企業はかなり強引に対外インフラ建設を推進してきましたが、あまりに自分勝手で計画性もなく、札びらで頬を叩くようなやり方で進出していきながら、現地の雇用を生まず、利益優先で現地住民を奴隷化したり環境破壊を繰り返し、さらに採算が取れないとなるとすぐに放棄、撤退してしまうため、現地からは非常に嫌われているというのが実態なのです。
(中略)
アメリカ独覇以降、グローバリズムが世界に拡散していくなかで、外資を取り込み急成長したのが中国でした。そして経済大国となった中国は、グローバリズムの波に乗り自国の資本力を武器に他国への影響力を強め、中国企業を進出させ、地元の雇用を奪い、現地の文化風習を無視して地域社会や環境を破壊し、文化摩擦を起こしてきたわけです。まさに中国および中国企業はグローバリズムの負の面をすべて体現していると言ってもいいでしょう。
上記の記事で重要なのは、「中国がグローバリズムの負の面をすべて体現している」ということに尽きます。一帯一路構想の本質的意味はここにあります。ここでポイントとなるのは、取り込んだ外資というのを出資したのが誰かということになります。

シャドーバンクの件

ここでシャドーバンクについて紹介します。
シャドーバンキングとは|金融経済用語集

シャドーバンキングは、「影の銀行」とも呼ばれ、通常の銀行ではなく、投資銀行(証券会社)やヘッジファンド、証券化のための特殊な運用会社などの金融業態の総称をいいます。これは、PIMCOのマネージング・ディレクターだったポール・マカリー氏の造語で、最初に彼がジャクソンホールでの講演で使用し、後に彼のレポートである「Global Central Bank Focus」の中でも紹介され、2007年頃から広まるようになりました。
(中略)
2000年代後半にサブプライム問題(2007年-2009年)が表面化する前に、欧米の大手金融機関が連結決算の対象から外せるペーパーカンパニーを相次ぎ設立し、シャドーバンキングを活用して多額の資金を調達・運用し、それが世界的な金融危機の一因になったとされます。また、世界的な金融危機直後のG20首脳会議で、金融危機再発防止策として、シャドーバンキング規制の考えが打ち出されました(一部は実施)。その後も、欧州債務危機など深刻な事態が起る度に議題に上がりましたが、過度な規制に対しては米金融業界やヘッジファンド業界などからの抵抗が強く、欧米の危機が一段落すると議論はいつの間にか立ち消えになりました。

2010年代になると、今度は中国の金融システムの問題として「シャドーバンキング」が世界的に再注目されるようになりました。具体的な対象としては、信託会社やファンド、貸金業者、質屋などが該当し、その中でも特に問題なのが、信託会社などが組成し、主に銀行の窓口で販売された「理財商品(高利回りの資産運用商品)」で、集められた巨額の資金が代替金融(場外融資)で主に地方政府の投資プロジェクト(不動産開発・インフラ整備等)に流れ、リスクが拡散していることです。仮に、その投資プロジェクトが行き詰った場合、誰が損失リスクを負うのかが曖昧になっており(幅広い関係者が損失リスクを負う可能性があり)、最悪の場合、金融システムを大きく揺るがす恐れがあると言われています。
当然のことながら、ゴールドマン・サックスなどの投資会社も含まれるし、米金融業界やヘッジファンドが含まれるといってもいいです。銀行が証券会社を傘下にしてるわけで、銀行の実態もシャドーバンク化していることも否定は出来ません。数日前にこのような話もあったしね。

・米検察が三菱UFJ調査 北朝鮮の資金洗浄巡り、米紙

このような資金がどこから出てたかに尽きますが、サブプライム問題も中国のシャドーバンク問題というのも、主犯はどこかというのは明白と思いますがねwww

経済の基本として、国内で資金を回すだけであれば通貨を発行すればいいだけですが、貿易を要する場合は外貨が必要となるため、そのための資金をどっかから調達する必要が出てきます。

ここで中国の対外債務についての記事を紹介します。
中国の内外債務総規模、対GDP比で約343%=中国メディア

 中国国家外貨管理局はこのほど、2017年9月末時点の中国の対外債務残高が約11兆1498億元(約193兆円)で、1兆6800億ドルに相当と発表した。人民銀行(中央銀行)が昨年7月に更新した『2016年12月資産負債表』によると、対外債務を含まない中国の総負債は244兆元(約4221兆円)。両者を合わせると、中国の内外債務総規模は約255兆元(約4412兆円)を上回ったことが分かった。
中国の実態は不明なので何とも言えませんが、日本の状況はこんな感じです。

【図解・経済】日本の対外資産・純資産・負債残高の推移(2018年5月):時事ドットコム


これを見る限り、対外資産・純資産・負債残高を見れば、日本の純資産は極端な動きを見せていないことだけは分かると思います。

実態を見れば、中国が国内の数字を把握しているとは思えないので、見た目以上に厳しいと思います。中国国内の負債については読めないのが実情だと思います。

・【瀕死の習中国】中国国有企業の「負債はケタ違い」 衝撃の欧米リポート

・中国は5年以内に"隠れ不良債権"で壊れる

リーマンショック後に中国を生贄として、投資銀行が延命したのが実態ともいえます。「中国がグローバリズムの負の面をすべて体現している」の意味がここにあると思うし、ブラックボックス化させてたというのが現状ともいえます。こういったブラックボックスを可視化させようとしているのが今の状況なわけですね。中国の不良債権の可視化が今後進められることになりますし、一帯一路を含め、冒頭の記事の「自由で開かれたインド太平洋」構想が導く先の世界が、今後の道標になると思います。今後の国際社会のモデルを作る時期からしても、それに日本の国益がどこにあるかというのを、いろんな一面から判断して共有してほしいと思います。