今週は29日がいろんな意味で楽しみですね(棒)あと国会関係ですが、入管法改正案の件ですが、27日に衆院を通過して、臨時国会で可決させて欲しいところです。出入国在留管理庁を来年4月に発足させないといろいろと危険ですしね。


今日はイギリスのEU離脱の件となります。そこまで詳しくもないので、紹介記事多めで纏めていこうと思います(笑)
EU、英の離脱案を正式決定 緊急首脳会議  :日本経済新聞

【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は25日、ブリュッセルで開いた緊急首脳会議で、英国のEU離脱案を正式決定した。2019年3月29日の離脱まで残り約4カ月となり、英議会と欧州議会が離脱案を承認するかどうかに焦点が移る。英国内では離脱案への反発が強く、メイ首相が議会の承認を得られるかはなお不透明だ。企業活動や国民生活が混乱する無秩序な離脱のリスクはまだ消えていない。

EUは25日の首脳会議で(1)英離脱の条件などを定めた「離脱協定案」(2)離脱後の通商など将来関係の大枠を示す「政治宣言案」――の二本柱の離脱交渉合意案を正式決定した。「英国とEUの双方にとってベストな合意だ」。会議後の記者会見で、EUのユンケル欧州委員長は25日合意した離脱案が「唯一の実現可能」な案だと強調した。

離脱協定案では英・EU双方が在英、在EU市民の権利を保障することや、離脱に伴って英国がEUに「清算金」を支払うことで合意。20年末までは英国をEUの単一市場・関税同盟に残留させることで、環境の激変を避ける「移行期間」を設けることも盛り込んだ。

政治宣言案では、離脱後に交渉を開始する通商協定など将来関係の大枠で合意した。包括的な自由貿易圏をめざすと明記。外交や治安などでも深い協力関係を築くことを目標に掲げた。

ただ英国内では与野党双方からの反発が強く、英議会で合意案の承認に必要な過半数の賛成を得るメドは立っていない。英調査会社ユーガブの19~20日時点の世論調査では、英・EUの合意への支持は上昇傾向にあるものの、23%にとどまる。

メイ首相は25日の緊急首脳会議後の記者会見で、EU離脱案の正式合意について「いま机の上にあるものが最善の案だ」と理解を求めた。そのうえで「離脱案を否決すれば、国民が分断されて国内の不確実性が高まる」と反対派をけん制した。
取り敢えず、イギリスのEU離脱案を正式に決定しました。一連の経緯については、ジェトロの記事を紹介します。

・英国のEU離脱について

こちらの資料を紹介します。

・ブレグジット交渉の争点と進捗状況
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/europe/uk/referendum/brexit_outline_20180702.pdf

・英国・EU間の離脱交渉の状況 - 内閣府
http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/pdf/s1-18-2-3-2.pdf


「全てが合意されるまでは、何も合意されない交渉原則」となり、移行期間中については、EUの法令、政策の議決権がなくなり、全てを合意しない限りは、第三国との通商協定の発効は出来ないといった状態で、EU側の思惑としては、この案を通じて、イギリス国内のEU残留派に踏みとどまらせることを目的としていると思われます。そしてメイ首相も元々EU残留派だったので、こういた形を取ったと思います。実際はEU離脱に関しては、ソフトランディングを目的としており、ハードランディングは避けたいといったところでしょうか。

・メイ英首相、EU離脱協議の戦略決定で“EU残留の馬脚”現す

この問題を複雑にしているのが、アイルランドの国境問題となります。
【Q&A】英EU離脱交渉、なぜまとまらない? アイルランド国境問題で溝 - 産経ニュース

 Q 交渉難航の原因は?

 A 最大の難点は、島国の英国が唯一地続きで接するEU加盟国、アイルランドとの国境問題だ。英領北アイルランドと接するアイルランドは関税同盟と単一市場に参加し、現在、国境には検問所や税関がない。両国は過去に宗教対立による紛争で多数の死者を出しており、かつての厳重に管理された国境は英国統治の象徴だった。対立再燃を避けるためにも、英国とEUは国境開放を維持することで一致しているが、国境を管理しないでいかに通関手続きを行うのか、具体策が見いだせないでいる。

 Q 双方の意見は?

 A EUは、北アイルランドだけを関税同盟に残すことを提案したが、メイ英首相は国の一体性が損なわれると反発。背景には、メイ政権は北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)の閣外協力で維持されているという事情がある。DUPは北アイルランドの英国への帰属を強く訴えており、離反につながりかねないEU案はのめないわけだ。(ブリュッセル 宮下日出男)
・EU離脱、アイルランド問題が壁に

イギリスのEU離脱に関しては、EUというよりはイギリス国内事情で交渉を難しくしており、北アイルランドの地域政党との閣外協力で維持されていることやEU加盟国のアイルランドと国境を面している北アイルランドとの関係もあります。

・イギリス・イングランド・UK・英国の違いについて説明します。

イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されており、対応次第ではイギリスが分断される危険性があるわけで、対応は難しいと見ていいと思います。英・EUの将来の関係が固まるまで、北アイルランドだけでなく英国全体が関税同盟に残留といった形で、移行期間中という枠組みでの先延ばしといったところが今回の離脱案の持つ一つの意味と思われます。この案自体は、一方的な離脱は認められないことを意味しており、これをイギリス議会での与野党双方からの反発が強く、英議会で合意案の承認に必要な過半数の賛成を得るメドは立っておりません。この案を来年の3月までに英とEUの各国の議会で離脱協定の批准を完了する必要があります。

ここで協定の内容について、以下となります。
英・EU離脱協定調印 73%がメイ首相の交渉を不支持 難関の英議会「残留」求める声高まる(木村正人) - 個人 - Yahoo!ニュース

離脱協定の柱は次の通りです。

(1)英国がEUに離脱清算金最大390億ポンド(約5兆6500億円)を支払う
(2)英・EU双方がすでに移住している市民の権利を相互保障する
(3)英国が来年3月29日にEUを離脱したあと2020年末までの移行期間を設ける
(4)北アイルランドとアイルランドの間に「目に見える国境」を復活させない
みずほ総合研究所の資料を紹介します。今後のフローチャートとスケジュールについて紹介します。

・正念場を迎えるブレグジット交渉
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu181019.pdf



上記のシナリオにおいて、シナリオ1と2の両者に絞られました。どちらの可能性があるかと言われたら半々ではありますが、今後のシナリオとしては、以下のコラムの通りとなりますが、1)EU離脱を問う国民投票の再実施、2)EUからの強硬離脱、3)解散・総選挙といったところになると思われます。

・ブレグジットは自己責任で【フィスコ・コラム】

議会での通過がかなり厳しいことからも、国民投票の再実施、解散総選挙が行われる可能性もそこまで高くないことは確かです。最も来年の3月以降から2020年12月までの移行期間を設けるかどうかが鍵となり、EU側としては、移行期間内にイギリスの心変わりを待ちたいといったのが本音で、メイ首相の方針としては、移行期間までの間に、第三国との通商協定の発効(TPPや米英FTAなど)を固めてしまいたいというところになると思います。

・米英首脳会談は「野心的なFTA」追求で一致、米がEUを非難

・英、TPP参加の用意=EU離脱後-メイ首相

ここで重要なポイントとなるのが、アメリカのTPP復帰の可能性が残されてることです。

・トランプ米大統領、「ひどい」TPPへの復帰検討を指示

アメリカがTPPに復帰すれば、イギリスとしてはTPPに加盟することで、EUと同規模の通商協定は維持出来ることを意味します。そうなると、通商問題についても、2020年12月までに発効出来る事が現実化出来るわけです。ここで一連の日産問題にも関連してきます。記事を何個か紹介します。

・日産ゴーン逮捕で日米英による「フランス切り捨て」加速か…マクロン大統領への報復

・日産、EU離脱の英国から撤退ではなく、『投資』を選んだ2つの理由

イギリスとしても、フランス切り捨ての意向で動いており、EUを離脱しても問題のない枠組みを2020年までに作ることが出来るという考えからのEU離脱の動きであって、EUに縛られない時期を2019年3月か、2020年12月のどっちにするかという二択といったところになると思います。