台風は通過しましたが、皆様は無事だったでしょうか??大雨による被害も結構あったみたいですが、台風の被害を知るのは被害を確認した後になりますので、情報については確認しておいたほうがいいと思います。

外国弁護士特別措置法改正の件

ビジネス紛争、日本で解決しやすく 弁護士の業務拡大  :日本経済新聞

政府はグローバル企業間のビジネス紛争を解決する国際仲裁を日本国内で実施しやすくする。仲裁の代理人となる外国法事務弁護士の要件を緩和するほか、代理人として仲裁に参加できる紛争の範囲を広げる。2020年には都内に仲裁を扱う専用施設も設ける。日本企業を側面支援するとともに、外国企業も現地法人間の紛争を処理しやすくなるメリットがある。
(中略)

政府は外国弁護士特別措置法(外弁法)改正案を近く閣議決定し、今国会に提出する。

仲裁の代理人の担い手となる外国法事務弁護士の資格要件を緩める。3年の職務経験のうち、海外での実務が2年必要だったのを「1年以上」で済むようにする。日本の弁護士と国内に共同法人をつくり、仕事を請け負えるようにする。

代理人になれる国際仲裁の範囲も広げる。日本に拠点のある外国企業同士の紛争の国際仲裁を含める。現行でも当事者のどちらかが外国企業なら代理人になれる。だが、外国企業の日本法人同士は対象外だ。
(中略)

外国企業は日本の現地法人の間で起きたトラブルでも、慣れない日本の弁護士に頼むか、海外の仲裁センターを使わざるをえなかった。法改正が実現すれば、外国法に通じた専門の外国法事務弁護士に依頼できるようになる。紛争解決の手段や場所は海外の本社が決めるが、仲裁の場として日本も選択肢の一つになる。

外国法事務弁護士は日本弁護士連合会に登録し、報酬を得て法律業務に携わる。日本の法律に基づく訴訟手続きの弁護人はできない。外国法の知見を生かし、M&A(合併・買収)や海外での事業展開などで企業に助言する。4月時点で421人にとどまっている。

外国弁護士特別措置法改正の件です。改正内容が気になりますが、表向きの流れと別の動きがありそうな改正になるかもしれませんね。因みに、外国弁護士特別措置法については以下の通りとなります。

外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法

外国法事務弁護士については以下となります。
外国法事務弁護士 - Wikipedia

制度趣旨

外国法事務弁護士制度とは外弁法上、外国弁護士のうち、特定の要件を満たす者については法務大臣の承認を得て日本弁護士連合会に登録することで、外弁法第3条に定められた原資格国法に関する法律事務を行うことができる制度である。これにより、日本弁護士の資格を持たない外国弁護士が日本国内において弁護士としての職務を行っても非弁行為とならなくなっている。

ただし、原則として原資格国法に限定されており、例えば日本国内での民事・刑事訴訟などは職務として行うことはできない。これは「外国法事務弁護士に当該特定外国の法に関する法律事務をも行わせることが、日本における外国法に関する法律サービスを充実させるうえで合理的であるとの判断に基づいて許容された」とされる。

アメリカからの強引な手法で認めさせられた制度であるが、相互主義により日本人弁護士がアメリカで業務を行なうことも可能であり、1992年にアメリカで日本人弁護士による初の法律事務所が開設された。

登録には3年以上の実務経験が必要であり、そのうち2年以上は海外実務経験でなければならない。法務省と日本弁護士連合会の検討会は海外経験の要件を1年に短縮することを提案している。
外国弁護士特別措置法改正については、法務省と日弁連の提案に従った形ともいえますが、これを持つ意味がどこにあるかが気になります。

・外国法事務弁護士の登録状況(2016年)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2016/1-5-2_tokei_2016.pdf


これらを踏まえると、外国法事務弁護士の資格要件の緩和というのは、日本人の外国法事務弁護士を増やすということを意味しているように思います。司法制度を考える上で、今回の取り組みは悪くはないですし、外国弁護士特別措置法の改正案にも、こういった点も言及したほうがいいと思います。

森ゆうこの質問通告の件

森裕子議員、質問通告遅れる? 省庁深夜残業か 本人は否定 - 産経ニュース

 国民民主党の玉木雄一郎代表は12日、自身のツイッターで、同党の森裕子参院議員(新潟選挙区)が参院予算委員会の質問通告が遅れたため、台風19号が迫っていた11日に省庁職員が深夜まで答弁の準備を強いられたとの指摘があるとして、調査する考えを示した。「事実であれば大型の台風が接近している中、問題であり、党を代表しておわびする。週明け改めて事実関係を調べる」と書き込んだ。

 森氏は参院予算委で15日午前9時から質問に立つ予定。森氏は自身のツイッターに、質問について「11日午後4時半に通告済みだ」とし、同日午後5時の通告期限より前だったと主張している。

 これに対し、インターネットの掲示板やツイッターでは、森氏側の質問通告は夕刻以降、五月雨式に続いたため、深夜まで作業を強いられたなどとする「反論」が多数投稿される異例の事態となっている。

 国会では閣僚らの正確な答弁を担保するため、質問者が事前に質問内容を政府側に通告することが与野党間の慣習として根付いている。

 通告が遅ければ、質問を受ける可能性がある省庁の職員らは、深夜や翌日まで待機や答弁の準備に追われることになり、省庁の労働環境悪化の主因だとして問題視されている。
森ゆうこ議員の質問通告に関する件ですが、玉木代表が事実関係の調査を表明した件となります。最も野党の質問通告については遅いのと内容が曖昧というのもあって、現場への負担は大きく、大した内容ではないものについての答弁書を作るためのリソースそのものが無駄といった問題はあるわけですね。

与野党の質問通告の返答は2~3日程度で審議の観点でも問題はありませんし、翌日に合わせる必要性は感じないし、そういった問題ともいえます。そもそもの通告期限がおかしいし、「深夜や翌日まで待機や答弁の準備に追われることになり、省庁の労働環境悪化の主因」であれば、その慣習を変えるのが重要と思います。

大した質問ではないのにも関わらずリソースを使うことも問題ですし、通告のルールを定めるのが重要で、変則質問などについては、ペナルティがあったもいいと思います。