まずはこちらの話題から。

共同通信のフェイクニュースについて

徴用工めぐる日韓経済基金報道、双方の政府が否定 - ロイター

[ソウル/東京 29日 ロイター] - 菅義偉官房長官は29日の閣議後の会見で、元徴用工問題を巡り、日韓が協力基金を創設する案が浮上しているとの一部報道について、そのような事実はないと否定した。

安倍晋三首相が24日に韓国の李洛淵首相と会談した際に渡された文在寅・韓国大統領からの親書に、今回の報道のような提案があったかとの質問には「親書という性格上、内容を明らかにしないようにしている。控えたい」と答えた。

韓国外務省も、報道は事実と異なると表明。声明で「(韓国)政府は司法判断を尊重する一方で、犠牲者と両国の国民が受け入れられる妥当な道筋を見いだす可能性も排除しておらず、日本の外交当局と引き続きやりとりしている」と説明した。

共同通信は28日、日韓両政府が元徴用工問題を巡り、事態収拾に向けた合意案の検討に着手したことが分かったと伝えた。韓国の政府と企業が経済協力名目の基金を創設し、日本企業も参加する案が浮上しているという。
前日報じられた共同通信の記事については、日韓政府双方で否定したとのことです。

元となったニュースはこちら。


日韓関係筋が気になりますが、共同通信以外の後追い記事が出てこなかったことからも、共同通信の記事はフェイクの可能性が疑われておりました。元々、この案自体は即座に却下された案で、これ以上の公式提案は行われておりません。
【徴用工判決1年】韓国、複数の解決案検討も日本と溝埋まらず - 産経ニュース

 韓国政府は6月に日本と韓国の企業が自発的に出資し、元徴用工らに慰謝料を払う「1プラス1」と呼ばれる解決案を公式提案したが、日本政府は即座に拒否した。日本企業に賠償的性格の出資を強いることは、協定で解決済みという日韓が共有してきたはずの立場を覆すものだからだ。
打診レベルでは、この案をベースに落とし所を探ってるようには見えますが、外務大臣のコメントを見る限りはこんなところですかね。

茂木外務大臣会見記録 | 外務省

▼日韓関係(旧朝鮮半島出身労働者問題(経済基金案の検討))

【日経新聞 加藤記者】先ほど,日韓の関係で,経済協力名目の基金,そういった事実はないとおっしゃいましたけれども,今後,いろんな協議が進められると思いますけれども,日本企業が経済協力という名目にしても,追加的な負担がされることはないというふうに理解してよろしいでしょうか。

【茂木外務大臣】仮定の問題にですね,確として答えるのは難しい部分がありますが,いずれにしても,今ですね,韓国側が国際法違反の状態を一刻も早く是正することが必要だと思っておりまして,そのために,どういった対応を採るのか,今後の韓国側の姿勢と,こういったものも注視をしたいと思っております。

▼日韓関係(今後の対話の可能性)

【朝日新聞 太田記者】繰り返しになってしまうんですけれども,日韓関係について,今,大臣も国際法違反の是正を求めるという発言を繰り返し,おっしゃっているんですけれども,先日の安倍首相と李洛淵(イ・ナギョン)首相との会談でも総理の方から国際法違反の是正というのを繰り返し求めていらっしゃいますが,改めて,お聞きしますが,現状はボールは韓国にあるという,ご認識でよろしいでしょうか。

【茂木外務大臣】イエス。

【朝日新聞 太田記者】関連でもう一点,お伺いします。日本企業の資産が仮に現金化された場合なんですけれども,取り得る対抗措置について,現状,どのようにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】仮に現金化されるというのではなくて,現金化されることはあってはならないと考えております。そして,そのようなことが起きた場合は,日韓関係は更に深刻な状態になる。このことにつきましては康京和(カン・ギョンファ)長官にも明確に私(大臣)の方から伝えてあります。
国際法違反の是正というのが前提となっており、ここを是正しない限りは、何も進まないとは思いますが、共同通信の記事は一種の観測気球の可能性もあります。一番気になるのは、「親書という性格上、内容を明らかにしないようにしている。控えたい」という部分で、親書に何が書かれていたのか??ここが鍵となりますが、今は日韓関係は動けない状態で、他の環境整備が優先ですし、過剰反応はせずに静観するに限ると思います。

ファーウェイ関係

米国の連邦通信委員会、ファーウェイ/ZTE製品の政府補助金利用を禁止へ - ケータイ Watch

 米国で、放送・通信分野担当の政府機関である連邦通信委員会(FCC)は、「国家安全保障を脅かす企業から、設備やサービスを購入するため、政府の補助金を使用することを禁止する」という新ルール案を発表した。アジット・パイ委員長の名義で提出されたもので、11月19日にFCC内で採決される。

 同ルール案では、米国内の通信会社が、FCCのユニバーサル・サービス基金からの支援を利用し、国家安全保障上の脅威をもたらす企業から機器やサービスの購入を禁止。“脅威をもたらす企業”として、ファーウェイとZTEが名指しされている。

 アジット・パイ委員長は、「5Gと米国の安全保障に関しては、リスクを冒して最善を期待することはできない。私たちのネットワークが、国家安全保障を傷つけたり、経済安全保障を脅かしたり、価値観を損なったりしないようにする必要がある」とコメントを発表。

 さらに「中国の法律は、管轄権を有するすべての企業に対し、中国の情報機関からの要請に秘密裏に従うことを義務付けている」とも指摘。米国の通信ネットワークへのリスクは無視できず今回の提案に至ったとしている。
・関連記事


分かりにくい部分もありますが、連邦通信委員会(FCC)はファーウェイなどから設備やサービスを購入するための補助金を禁止するようです。

関係は以下の図となります。


地方の通信会社は補助金に頼っており、それぞれの管轄に応じたルールで締め付けを強化しており、既存設備の撤去にも踏み込んでいるようです。とはいっても、実態が掴めていないのと、民間の商取引を締め付けるにしても制約が強いのは事実ですし、新規取引は封じることは出来ても、既存設備については対処が難しいのが現状です。

既存設備の早急の撤去というのはアメリカの場合はハードルが高いかもしれません。日本の場合は、そこまで影響はないと思います。過去記事を紹介します。

IT(いい加減・適当)-ぱよぱよ日記

日本の機器の供給マップは以下となります。

これを見る限り、ファーウェイやZTEを使ってるのはソフトバンクくらいですし、対処しやしいベンダもいるわけで、5GにおいてはファーウェイやZTEの設備は実質使えなくなり、一連の対策については、5Gを視野に入れてるように思います。

イギリスの総選挙について

英国、12月総選挙へ-野党・労働党がジョンソン首相の意向支持 - Bloomberg

英国はこの4年で3回目の総選挙に臨むことになる。同国の政治を膠着(こうちゃく)状態に陥れている欧州連合(EU)離脱問題の解決に向けて、主要政党が合意した。

  ジョンソン首相は12月9-12日のいずれかの日程に前倒し総選挙を実施することで、最大野党・労働党のコービン党首の支持を得た。

  投票日はまだ確定していないが、この総選挙は事実上、EUを離脱するかどうかを問う国民投票となる。離脱撤回を主張する党から合意なき離脱を強行しようとする党の間で、有権者が選択を表明する最後のチャンスになる公算が大きい。

  議会は29日中に総選挙実施について採決する。首相が提案しているのは次の選挙の日程を12月12日とする法案で、可決には過半数の支持が必要。労働党は12月の早期総選挙を支持するとし、投票日は政府案への修正案次第だとしている。

  投票日は12月9日から12日の間で各党の思惑が交錯している。ジョンソン首相の法案に対する修正案は現在起草されつつある。自由民主党とスコットランド民族党(SNP)が9日を望んでいることから政府は妥協案として11日を提案したと当局者は述べた。
政治の膠着状態に陥ってるEU離脱問題の解決に向けて、総選挙の方向で動くことになるようです。EU離脱は来年1月末まで延期が決まったようだし、今回の選挙に賭ける形になりますね。

選挙の行方としては、膠着状態が維持される可能性が高いように思います。欧州議会選挙ではブレグジット党が圧勝していることから、ブレグジットをイギリス国民は支持しているが、英議会選挙となれば、同様の傾向が出るかは不明です。

そういう意味では、今回の総選挙は、EUの離脱の方法を問うことになると思います。時期は若干延長しましたが、いい加減今後の方向性は決まるとは思います。