明日でやっと定休日ですね。今年は3/20が春分の日で、土曜が祝日ということで嬉しくもない状況ですね。GWの連休まで祝日がなく、3月末で有給が流れるのもあって、有給消化期間ともいえる状況でもあります。


春分の日と秋分の日は毎年変わりますが、その理由って分からなかったりします。


地球の運行状態にもありますが、当面は以下の法則となっております。


・春分の日:オリンピックの前年は3月21日、それ以外は3月20日(2022年は3月21日)

・秋分の日:オリンピックの年は9月22日、それ以外は9月23日


同性婚について

【判決要旨全文】「同性婚できないのは憲法違反」札幌地裁が日本初の判断 | ハフポスト


「法律上、同性同士が結婚できないことは憲法違反だ」として、複数の同性カップルらが国を訴えていた裁判で、札幌地裁の武部知子裁判長は3月17日、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとして、日本で初めて違憲判決を下した。


画期的な判決となった裁判の判決要旨を全文掲載する。


◇ 


令和3年3月17日午前11時判決言渡し(802号法廷)

平成31年(ワ)第267号 損害賠償請求事件

(民事第2部合議係 裁判長裁判官武部知子,裁判官松長一太,裁判官川野裕矢)

原告 原告番号1〜6

被告 国


◯主文


1 原告らの請求をいずれも棄却する。


2 訴訟費用は原告らの負担とする。


◯判決骨子


1 同性間の婚姻を認める規定を設けていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定(以下「本件規定」という。)は,憲法24条1項及び2項には違反しない。


2 本件規定は,憲法13条には違反しない。


3 本件規定が,同性愛者に対しては,婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは,立法府の裁量権の範囲を超えたものであって,その限度で憲法14条1項に違反する。


4 本件規定を改廃していないことが,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。


同性婚の件です。現段階では確定前の判決であり、地裁の一つの判決ではありますが、そこまでいうほど変な判決とまでは思っておりません。主文の「原告らの請求をいずれも棄却する。」、「訴訟費用は原告らの負担とする。」というのが全てだと思います。


憲法の該当箇所について紹介します。


日本国憲法 | e-Gov法令検索


○憲法24条

1.婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。


2.配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。


○憲法13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


○憲法14条

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。


今回の判決では、憲法24条と13条については、以下の見解となります。


3 当裁判所が,本件規定が,憲法24条又は13条に違反するかについて検討したところの要旨は次のとおりである。


(1) いわゆる婚姻をするについての自由は,憲法24条1項の規定の趣旨に照らし,十分尊重に値するものと解することができる。しかしながら,現行民法への改正や憲法が制定された戦後初期の頃においても,同性愛は精神疾患であるとされており,同性婚は許されないものと解されていた。このような経過に加え,憲法24条が「両性」など男女を想起させる文言を用いていることにも照らせば,同条は異性婚について定めたものであり,同性婚について定めるものではないと解するのが相当である。


(2) また,婚姻及び家族に関する事項の個別規定である憲法24条2項は,具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねたと解される。その趣旨を踏まえて解釈するのであれば,包括的な人権規定である同法13条によって,同性婚を含む同性間の婚姻及び家族に関する特定の制度を求める権利が保障されていると解するのは困難である。実質的にも,同性婚という具体的制度の内容を,憲法13条の解釈のみによって直接導き出すことは困難である。


(3) したがって,本件規定が,憲法24条及び13条に違反すると認めることはできない。


憲法24条1項においては「異性婚」を定めたものであるのと、同性婚という具体的制度の内容を憲法13条の解釈のみで導き出すことは困難といった内容となります。憲法14条1項については、結論としては、以下の理由から憲法違反といった解釈となっております。


同性愛者に対しては,婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは,立法府の裁量権の範囲を超えたものであるといわざるを得ず,本件区別取扱いは,その限度で合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ない。


問題点は「同性愛者に対しては,婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しない」ということが、立法府の裁量権の範囲を超えたものといったことが理由となっております。


法律婚と事実婚について紹介します。


これらを見ればわかりますが、法律婚と事実婚の差はそこまで大きくはないのですが、問題となるのは親権と相続に関する内容くらいにはなると思います。今回の地裁判決の「同性愛者に対しては,婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しない」にも関連してきますが、事実婚と同性婚については、同等の権利がないということについてだけは、是正する必要があるとも言えます。


これは夫婦別姓と同じ考え方になりますが、法律婚と同様の権利や義務を事実婚や同性婚に適用する必要はないですし、これを憲法に定めるのは反対ですかね。夫婦別姓については「旧姓使用」の拡大の方向で動けば問題はないと思います。


事実婚と同性婚の親権と相続の関係、現状で可能な事実婚の手続きを拡大といった方向で是正する方向に動くとは思います。憲法や戸籍に踏み込む必要もないですし、今回の判決も、「同性婚が婚姻によって生じる法的効果の一部すらも提供しない」ことが問題と言ってるわけで、法律婚における旧姓使用の拡大、事実婚と同性婚は同じ扱いにして、親権と相続関係の整理あたりが妥当なところだとは思います。


因みにローマ教皇庁では、「同性婚は祝福できない」と公式見解が出されてました。

婚姻についての原則は以下となるし、事実婚も同性婚についても、「婚姻関係に準じた権利」の議論に尽きると思います。


教理省は今回、教皇庁に寄せられた「教会に同性婚を祝福する力はあるのか」という質問に対し、「いいえ」と回答。教義で秘跡とされているのは男女間の婚姻関係であり、その祝福を同性カップルに拡大尾することはできないと述べた。


「この理由から、たとえ安定した関係やパートナー同士であっても婚外性交渉(子孫を残す可能性のある男女の不変な婚姻関係ではないもの)は祝福できないのと同様、同性同士の関係性も祝福できない」と、教理省は説明している。


日銀の金融政策決定会合の件

日銀が政策修正決定 ETF購入、年6兆円の目安削除: 日本経済新聞


日銀は19日の金融政策決定会合で、金融緩和の長期化を見据えた政策修正を決めた。上場投資信託(ETF)購入は原則年6兆円の目安を削除した。株高局面は購入を見送り、市場の混乱時に積極的に買う姿勢を明確にした。買い入れ対象は東証株価指数(TOPIX)連動型のみとする。将来のマイナス金利深掘りを可能にするため、金融機関に上乗せ金利を付ける制度もつくる。


日銀は18日から2日間の日程で決定会合を開いた。今回は政策点検の結果を示し、必要な政策修正を実施した。黒田東彦総裁が19日午後に記者会見を開き、決定内容を説明する。


ETFの購入は昨年3月に新型コロナウイルス対応で設けた年12兆円の上限をコロナ収束後も継続し、市場混乱時など必要に応じて買い入れを実施するとした。一方、原則で年6兆円としていた購入の目安は削除した。株高局面では購入を見送り、危機時の対策という位置づけを明確にした。


ETFの買い入れ対象は指数の構成銘柄が最も多い東証株価指数(TOPIX)連動型のみとし、日経平均株価連動型は外す。


不動産投資信託(REIT)の購入も上限の年1800億円は継続する一方、原則年900億円の目安は削除した。


短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)は大枠を維持したうえで運営方法を変える。


まず長期金利は従来プラスマイナス0.2%程度としていた変動幅を同0.25%程度と若干広げ、声明文に明記した。金利が変動しやすくして、金融機関が国債売買などで収益を上げる機会を広げる。一方、金利が大幅に上昇する場面では、特定の年限の国債を固定金利で無制限で買い入れる措置を連続して行う「連続指し値オペ制度」を導入することも決めた。


短期金利や長期金利には、急な円高進行時など必要な局面で機動的に引き下げに動けるように「貸出促進付利制度」という制度を新設した。日銀の貸出支援制度の残高に応じ、金融機関が日銀に置く当座預金に上乗せ金利を付ける。例えば、短期金利をマイナス0.2%に下げた場合、上乗せ金利は最も高くてプラス0.2%以上として影響を和らげる。


市場では、一段の利下げは収益の悪化する金融機関が融資に慎重になり、逆効果になる恐れもあることから、日銀は動けないとの見方が多かった。新制度には、こうした追加緩和の「限界論」を払拭する狙いがあるとみられる。


日銀が目標とする2%の物価上昇は遠く、米欧の中央銀行もコロナ対応の金融緩和を長期間継続する姿勢を示している。日銀の大規模緩和もさらなる長期戦が避けられないが、これまでの政策で金融機関の収益悪化や市場機能の低下など副作用も蓄積している。日銀の一連の政策修正は、副作用を極力抑えて緩和の持続力を高めつつ、必要な場面で緩和強化に動ける余力をつくる狙いがある。


日銀の件です。資料紹介がメインです。ETFについてWikipediaを紹介します。


上場投資信託 - Wikipedia


日経新聞の記者のツイートを紹介します。





日銀のETFの入門を紹介します。






日銀の資料を紹介します。


○(参考)より効果的で持続的な金融緩和:政策面での対応

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2021/k210319b.pdf




以下の記事を紹介します。

この辺を見ると、今回の日銀の対応としては妥当で、市場が安定している時には、ETFを購入する理由もないので、原則で年6兆円としていた購入の目安の削除と、危機時の対策という位置づけを明確にといったのは妥当だとは思います。ETFの購入対象として、「日経平均株価連動型」を外す方が心理的なインパクトはあったと思われます。


今回の金融政策の修正の大きな狙いはこんなところになると思われます。


・金融引き締めではないというメッセージ性

・金融緩和の長期継続

・低金利のデメリット軽減


市場の動きとして大きな混乱を招かなかった点は評価出来るのと、米欧の中央銀行もコロナ対応の金融緩和を長期間継続する姿勢を示してることから、日本としても足並みを揃える必要があります。それをやらないと、白川総裁の時と同じ事態になりますし、このような状況で出口戦略とかやったら、確実に日本経済は滅びますしねwww


その点では、金融政策としてETFの購入が妥当であるのかといった問題はありますので、ETFの問題点について少しだけ紹介します。上記のスライドでは、以下の4つを問題点とされております。


1.株価の歪み

2.新陳代謝の壁

3.自己資本

4.効果が見えにくい


株価については以下の考察を紹介します。


○「日銀のETF買入が市場を歪めている」 は本当か ─現物株市場に及ぼす影響の一考察

http://www.camri.or.jp/files/libs/602/2017032916452329.pdf


因みにJPXで取引されている内容は以下となります。

3月18日のETFですが、144,861,019 口の取引があって、353,534.954 百万円の売買がされております。5営業日で見たところ、200~300兆円の取引がされております。となると、日銀のETF買い入れが、年6兆円であったとしても、支配的なものにはならないと思われます。投資家の心理的な効果を引き起こす以外の効果はないように見受けられます。となると、上記の1と2の影響は低いし、市場に与える影響は小さいというところが妥当となります。実際問題、日銀のETFの購入と現物株市場への影響は極めて小さいという評価になります。


日銀の財務諸表を紹介します。


第136回事業年度(令和2年度)上半期財務諸表等について : 日本銀行 Bank of Japan


最もFRBの自己資本比率などは殆どありませんし、殆どの国が自己資本以上の金融政策が取れないとなると金融崩壊は確実と思います。


あとはETFが物価上昇の効果の因果関係となりますが、直接的には影響はないですし、株式市場へのプラス効果(日銀のETFの購入で下支えしてる)はあるのは事実ですが、これが物価上昇に結びついてるかは確かに不明です。


ETFの購入停止や売却は株式市場への影響が大きく、他のリスクがありますので、その点でも、原則で年6兆円としていた購入の目安の削除と、危機時の対策という位置づけを明確にした点、次の緩和策の布石も打てたという意味では、今回の発表内容はよかったと思います。