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南北連絡事務所の破壊の件


【ソウル=名村隆寛】韓国統一省は16日、北朝鮮が同日午後2時49分ごろ、南北軍事境界線に近い北朝鮮の開城(ケソン)工業団地内にある南北共同連絡事務所を爆破したと発表した。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は13日、談話で、南北共同連絡事務所を「跡形もなく」すると予告していた。韓国の聯合ニュースによると、現場に近くにある韓国側の民間人統制区域に住む住民は「爆音とともに出火したような煙が上がった」と当時の様子を語っている。

爆破に先立ち、北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部は16日、韓国に住む脱北者の団体による体制批判ビラ散布への報復策として、「北南(南北)合意により非武装化された地帯に軍隊を再進出させ、前線を要塞化する措置を検討している」と発表。今後、実行に向けた軍事的行動計画を作成し、党中央軍事委員会の承認を得るとした。

米韓両軍は北朝鮮軍の動向を綿密に監視し、即応態勢をとっている。
北朝鮮が南北軍事境界線に近い北朝鮮の開城工業団地内にある南北共同連絡事務所を爆破したと発表したようです。

関連記事は以下。


韓国と北朝鮮の共同連絡事務所は、おととし4月の南北首脳会談の「板門店宣言」に基づいて、その5か月後に北朝鮮南西部のケソン(開城)工業団地に設置されたものとなります。

南北共同連絡事務所は以下となります。


爆破の様子。


大前提として、脱北者団体というものが何者かというところが重要です。

【6月12日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は11日、韓国政府が北朝鮮にビラを飛ばした二つの脱北者団体を刑事告発したことをめぐり、韓国政府は北朝鮮の脅しに「平身低頭」しており、人権派弁護士出身の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領とその政権が北朝鮮人のために全く立ち上がろうとしないのは「恥ずべきこと」だと非難した。

 韓国統一省は11日、北朝鮮に向けて同国政府の人権侵害と核開発を批判する内容のビラを飛ばす行為をめぐり、二つの脱北者団体を刑事告発した。

 これに対しHRWは、北朝鮮の脅しに「平身低頭」しているとして韓国政府を非難した。(略)
脱北者団体とソロスと関わりのあるヒューマン・ライツ・ウオッチとの関係の地点でお察し案件といえます。
韓国政府が北朝鮮にビラを飛ばしたによる行為をめぐり、こういった団体を刑事告発をしたことによって、体制批判ビラ散布への報復策という感じなので、多少のプロレス感が否めないのは気の所為でしょうか??

金与正氏が13日の談話で、南北共同連絡事務所を「跡形もなく」すると予告しており、無人となっている南北共同連絡事務所を爆破したということについては、ある程度南北共に承知の上での対応と思われます。例の脱北者団体があっち側ですし、南北朝鮮にとって都合の悪い団体であるのは事実であることからも、今回の話が大きく影響を及ぼす可能性は高くないと思われます。

そして別の記事も紹介します。
北朝鮮メディアが、「文在寅は歴代大統領で最も馬鹿」といった内容の記事を公開したようです。ここで重要なのは、メディアが機能していないのは、中国も一緒ですが、世界共通であるといった点に尽きます。独裁国家というのも空想の話で、北朝鮮の金一族がそこまで言うほど実権を持っていないわけで、体制側の報道とは限らないということに尽きます。

ここで脱北者団体の話になりますが、韓国政府が刑事告発に動いており、こういった状況で文在寅をこうやって批判するということは、北朝鮮メディアにとって、文在寅の動きは都合が悪いということを意味します。

これらの対応を考慮すると、韓国政府と北朝鮮の体制においては、ある程度連携が取れており、脱北者の件も含めて、あちら側にとって都合の悪いことが起きている可能性があるのと、別の意味で南北共同連絡事務所は必要ではなくなったので、爆破したといった可能性も考えられると思われます。恐らく11月まではこんな感じじゃないんですかね??

米軍の動向について


 【ワシントン時事】トランプ米大統領は15日、ホワイトハウスで記者団に対し、ドイツに駐留する米軍を約2万5000人規模に縮小する意向を表明した。ドイツには現在、欧州各国の中で最も多い米軍約3万4500人が駐留。在独米軍の一方的縮小は欧米間の溝を深めるだけでなく、欧州における「力の均衡」を崩す恐れもある。

 トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が合意した国防支出目標をドイツが達成していないことに触れ、「米国はドイツを守っているが、ドイツは何年もの間、義務を履行していない」と批判。その上で「ドイツが金を払うまで兵士を退去させる」と語った。
関連記事です。
在独米軍の縮小の件ですが、NATO加盟国が軍事費をGDP比の2%に増やす目標を履行していないことからも、今回の縮小を決めた節はありますが、在韓米軍なども含めて、米軍の予算削減については既定路線であって、この辺は10年以上前の内容となりますが、概ね傾向としては合ってると思われます。

「米国の国防予算削減によって朝鮮半島有事の際に後続の米軍増派が困難になると予想される、と語った。これまで在韓米軍側は、予算削減とは関係なく在韓米軍の規模は維持され、韓半島の防衛に問題はないという立場を取っていた。スカパロッティ司令官はこの日、米国連邦議会下院国防委員会の聴聞会で韓半島で軍事衝突の危機が高まったら、兵力を速やかに移動・配置して備えなければならない。しかし予算削減が計画通り進められると在韓米軍や将来の兵力増派に問題が生じかねないと語った」。
 予算削減は必至。もう米は韓国を助けられない助けない。全面撤退の理由付けですね。
あとは以下の記事を紹介します。

2020年6月12日、韓国・聯合ニュースによると、トランプ米大統領の側近が韓国を含む海外駐留米軍の撤収可能性に言及したが、韓国国防部は在韓米軍削減の可能性を否定した。

先ごろ駐ドイツ米国大使を退任したリチャード・グレネル氏は11日(現地時間)、独メディアとのインタビューで「トランプ大統領が海外に駐留する米軍を削減するという長期計画の中で、駐独米軍の削減を指示した」と明らかにし、韓国、日本、アフガニスタン、シリア、イラクも削減の対象国だと言及したという。また「米国の納税者は、外国の安保のために多すぎる支出をすることに疲労を感じている」とも指摘したという。

これに対し、韓国国防部は「韓米間で削減に関して話し合った事項はない」「韓米は毎年開催している定例安保協議(SCM)を通じ、在韓米軍が朝鮮半島防衛のために引き続き維持されるという協約を再確認してきた」と説明しているという。(略)
トランプ米大統領の側近が韓国を含む海外駐留米軍の撤収可能性を示唆など、在独米軍だけではなく、米国の国防予算削減と海外に駐留する米軍を削減するという長期計画があるのは事実で、防衛の長期的なリバランスを考えてるように思います。サイバー関係や宇宙防衛などもあるし、兵士を駐留する形での防衛という姿から、変わっていくことも意味しているように思います。

海外駐留米軍の縮小は必至ですし、問題を解決するにしても経済制裁などの方が効果があるわけで、全体的な流れは変わらないように思います。半島有事などの可能性は現状を見る限りでは、そこまで高くないですし、現在の能力でもある程度の対応は可能という意味合いも含まれていることからも、大きな問題にはならないように思います。

中印係争地帯での軍が衝突の件 


インドと中国の係争地帯で双方の軍が衝突しインド軍の3人が死亡するなど双方に死傷者が出ています。衝突でインド側に死者が出たのは45年ぶりだと伝えられており、緊張がさらに高まる懸念が出ています。

インド軍は、インド北部の中国との境界に近い係争地帯で15日夜、双方の軍が衝突し、インド側の将校と兵士の、合わせて3人が死亡するなど、双方に死傷者が出たと発表しました。

インドのメディアは軍の関係者の話として、衝突の際には武器は使われず、互いに石を投げ合うなどしたと伝えています。

一方、中国外務省の趙立堅報道官は、16日の記者会見で「インド軍の部隊が、15日2度にわたって境界線を越えた違法な活動を行い、中国側に挑発や攻撃を行った結果、衝突につながった」とし、「中国はすでにインド側に強く抗議し、厳正に申し入れを行った」と説明しました。

中国とインドは、1962年にヒマラヤ山脈沿いの国境線などをめぐって武力衝突し、その後もたびたび衝突が起き、先月上旬からも複数の場所で互いの兵士がにらみ合いを続け、一部では小競り合いが起きてけが人も出ていました。

インド軍によりますと、今回の衝突を受けて両軍が協議しているということですが、インドメディアによりますと、衝突でインド軍に死者が出たのは1975年以来、45年ぶりだということで、今後、緊張がさらに高まる懸念が出ています。
インドと中国の係争地帯で双方の軍が衝突し、死傷者が出た件です。インド側のコメントが出てないので何とも言えませんが、中国側の主張がある程度合ってるのであれば、小競り合いが激化したというか、衝突の際には武器は使われず、互いに石を投げ合うとかいった感じですので、死傷者は出てしまいましたが、この件は大きく揉めることにはならないと思われます。首脳同士の関係は悪くないしね。


全体を通じて、きな臭いイベントのように見えなくもないのですが、アメリカ大統領選挙の年というのと、トランプ大統領再選への妨害で、いろんなところから仕掛けが出てくると思いますので、冷静に見極めつつ対応を進めていく必要があると思います。