昨日の続きです。今回はイランとイスラエルです。

イラン関係

まずはこちらの記事から。
米国務長官、サウジ石油施設攻撃「イランが関与」 (写真=AP) :日本経済新聞

【ワシントン=中村亮】ポンペオ米国務長官は14日、サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたことに関して「サウジに対する100件近くの攻撃の背後にはイランがいる」とツイッターに書き込んでイランが関与したと主張した。「緊張緩和を模索している中でイランは世界のエネルギー供給に対して前例のない攻撃を仕掛けた」と非難した。

サウジに対する攻撃についてはイエメンの親イラン武装組織フーシが犯行声明を出した。だがポンペオ氏は「イエメンからの攻撃があった証拠はない」と否定。「あらゆる国にイランの攻撃を公に断固とした姿勢で非難するよう求める」と訴えた。

ポンペオ氏はイランがサウジを直接攻撃した可能性を排除していないとみられる。仮に直接攻撃をしていればサウジとイランの対立が激化し、中東情勢が一気に緊迫する可能性がある。トランプ政権はこれまでイランがフーシなどの武装勢力にミサイルや資金を提供し、サウジを間接的に攻撃していると批判してきた。

ホワイトハウスは14日の声明で、トランプ大統領がサウジアラビアのムハンマド皇太子と電話協議したと明らかにした。石油施設への攻撃を強く非難し、自衛力強化に向けた支援を講じる考えを伝えた。「市民の生活地域や世界経済に死活的な影響を及ぼすインフラに対する暴力行為は紛争や不信感を増幅させるだけだ」と指摘した。(略)
まずは茂木外務大臣のコメントとなります。ホーシー派=フーシ派ね。

先日のサウジアラビアの石油施設への攻撃の件ですが、フーシはシーア派の武装組織で親イラン系とも言えます。こちらの記事も紹介します。

先月にイランの最高指導者のハメネイ師とフーシ派幹部と会談して支持をしたことからも、今回の事案についてイランの関与があったと見ていいでしょう。「イランがフーシなどの武装勢力にミサイルや資金を提供し、サウジを間接的に攻撃している」とのトランプ大統領のコメントの通りですが、いろいろと臭う部分があります。

こちらのニュースを紹介します。
米イラン首脳会談の実現に影 (写真=ゲッティ共同) :日本経済新聞

【ワシントン=中村亮】イランが支援するイエメンの反体制武装勢力フーシによるサウジアラビアの石油施設に対する攻撃は、米国とイランの関係の一段の悪化につながる可能性がある。トランプ米大統領は9月後半にニューヨークで開かれる国連総会の機会にイランのロウハニ大統領との初めての首脳会談に臨む意欲をみせていたが、実現のハードルはさらに上がった。
今回の事件の背景として、米イラン首脳会談を妨害する事が目的と見ていいでしょう。そういった意味では、日イラン首脳会談の時も同じようなことが起きました。

ここで安倍首相がイラン訪問した時の記事を紹介します。

イラン訪問の件-ぱよぱよ日記

ここでも紹介しておりますが、ハメネイ師のツイートが真実ともいえます。
イランの構図ですが、ハメネイ師とロウハニ大統領だったり、革命防衛隊と国防省が対立関係にあるといったわけではないように思います。革命防衛隊はアメリカからテロ組織に指定されており、ここが制御出来ていないといったのはあるように思います。

そういった意味では、イエメンのフーシ派も革命防衛隊も一枚岩ではないですし、北朝鮮と同じ構図ともいえます。北朝鮮とイランの関係はWikipediaを紹介します。

イランと北朝鮮の関係 - Wikipedia

北朝鮮については、金正恩の実権は大したことはないです。

そういった意味では、指導者というより、党や企業が問題の可能性が高いです。
米財務省、イランなどの企業に制裁 ウラン濃縮の「資材調達網」構成 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【7月19日 AFP】米財務省は18日、イラン政府によるウラン濃縮活動への資材供給に関与したとして、イラン、ベルギー、中国の複数の企業を制裁対象に指定した。

 同省によると、対象企業は、イラン原子力庁向けにウラン濃縮用の遠心分離機を製造する同国企業「TESA」の資材調達網の一端を担っていた。

 対象の中で主導的な役割を果たしていたのは、イラン企業「バフタル・ラード・セパハン(Bakhtar Raad Sepahan)」と同社の国外子会社。このほか、中国企業「河南嘉源鋁業(Henan Jiayuan Aluminum Industry Company)」も調達網を構成していた。さらに、中国、ベルギーを拠点とするフロント企業が対象となった。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は声明で、「イランは遠心分離機用の製品を購入、備蓄しながら、国際舞台で害意はないと主張することはできない」と述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は先週、イラン政府が2015年の核合意で定められたウラン濃縮度の上限を超過したと発表したことを受け、同国への制裁が「大幅に強化される」と警告していた。(c)AFP
イラン政府によるウラン濃縮活動への資材供給に関与したとして、イラン、ベルギー、中国の複数の企業を制裁対象したわけですが、ここにこの件が関係していると思われます。

経産省の措置と韓国とイラン関係について-ぱよぱよ日記

ウラン濃縮にフッ化水素が必要となりますが、以下の記事に原油との「物々交換」において、イランと韓国の取引で、フッ化水素と物々交換していた可能性は否定できません。

恐らく、米国の不信感もありますが、国内が制御しきれていないのが現状で、ハメネイ師とフーシ派の幹部との会談についても、テロとの連携を意図したものなのか、サウジアラビアとの関係を意図したものかは分からないですし、単純にロウハニ大統領との会談が解決の鍵を握るといった性質でもないと思いますので、その点は注意が必要ともいえます。ただ、一連の事案が米イラン首脳会談だったり、タリバンとの和平交渉を妨害する意図を強く感じるので、強硬策は取らずに阻害する連中について交通整理するのが優先であるのは確かともいえます。

イスラエル関係

米イスラエル首脳、相互防衛条約を協議 (写真=ロイター) :日本経済新聞

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話し、相互防衛条約の締結について協議したとツイッターで明らかにした。イスラエルとの安全保障協力を深める方針を打ち出し、17日に総選挙を迎えるネタニヤフ氏を支援する狙いがあるとみられる。

トランプ氏は総選挙を踏まえ、ネタニヤフ氏が続投することを前提に9月下旬の国連総会に合わせてニューヨークで会談し「(条約についての)議論を継続したい」と強調した。ネタニヤフ氏は総選挙で米国との緊密な外交関係を政権の成果として訴えている。同氏が率いる右派は苦戦が伝えられていた。

米国とイランの対話の可能性を懸念するイスラエルにトランプ氏が配慮したことも考えられる。イスラエルはイランを敵視しており、最近もイランの影響下にあるイラクやシリアの武装勢力に攻撃を仕掛けた。一方でトランプ氏は国連総会に合わせ、イランのロウハニ大統領との会談を模索している。
イスラエル関係ですが、基本的には17日の総選挙待ちともいえます。米国とイランとの対話の関係もありますが、イスラエルがイランと敵対関係にあることからも、舵取りが難しいのはあると思います。

以下の記事を引用します。

経産省の措置と韓国とイラン関係について-ぱよぱよ日記

ここでイランとイスラエルの関係に記事を紹介します。
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このへんも参考になると思います。

イスラエルはイランと対立関係にあるわけですが、そういった意味だと、イスラエルにとって韓国は重要であって、イランへのフッ化水素のルートそのものが原因で、訪韓した可能性があるように思います。韓国は戦略物資の中継地点という意味合いもあることから、イランへの楔といった意味合いも入ってたかもしれません。

イランとイスラエルを考える上で、ゴラン高原というのが重要になってきます。ゴラン高原について適当に記事を紹介。


ゴラン高原については、地政学的にいえば戦略上の要衝で、水運でいうチョークポイントといった性質があり、重要な要衝ともいえます。イスラエルはイランと対立関係で、イスラエルと韓国が協力関係を築く意味というのは、イランと韓国の引き剥がしも含まれていることを意味します。イランと韓国の関係は英文版のWikipediaを紹介します。

Iran–South Korea relations - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Iran%E2%80%93South_Korea_relations

上記のGoogle翻訳は以下となります。
経済的関係
イランと韓国は2008年におよそ$ 100億総額二国間の貿易との強い経済関係を楽しむ[9]イランの核濃縮活動の上に意見の相違にもかかわらず、大韓貿易投資振興公社・ホンギ-義和とイランの投資の頭の副社長と2007年4月、技術・経済支援機構(Mohammad Khaza'i)が覚書に調印し、両国間の貿易促進を目的とした委員会の設置に合意した。[10] 2007年3月の韓国の国会議員代表であるキム・ソンゴンは、韓国企業はイランへの投資を熱望していると述べ、両国が二国間投資を奨励できると期待していると付け加えた。

中東経済調査によると、2009年7月にイランは1日当たり157,000バレルの原油を韓国に輸出した。韓国は中東からの総原油輸入を前年比で14.7%減少させたが、イランは依然として韓国の原油の4番目に大きい源。

2009年5月、韓国の閣僚はイランへの外国投資に関する主要会議に参加した。[13]韓国も参加したイランのガスのフォーラムをドイツ、イギリス、日本、オランダ、マレーシアと並んで9月26-27日、2009年。

米国政府の報告によると、2010年4月現在、2005年から2009年の間にイランの炭化水素部門で活動している3社の韓国企業が、米国政府との間で約8億8000万ドルの契約を受けている。これらは、Daelim Industrial Company、Hyundai Heavy Industries、およびGS Engineering and Constructionです。[15] 2010年7月3日には、イランイラン国営石油会社(NIOC)は、その義務を果たすために失敗の会社を非難、GSエンジニアリングおよび建設で$ 1.2十億の契約をキャンセルしました。韓国企業は、イランのSouth Parsガス田から汲み上げられたガスから硫化水素を除去する任務を負っていた2009年10月に契約に署名した後。

イランは、韓国に約2,500の中小企業の貿易相手国を持っています。2500社のうち600社以上がイランに対する輸出の比率が50%を超えると見ている。
ここらへんを見ると、イランと韓国の関係については重要な関係であることが分かると思います。だからこそ、イスラエル大統領が訪韓した理由とも言えます。その意味としては、イランから韓国を引き剥がしにかかっており、アメリカとしてもこの点は一致してるというか、韓国についてはイスラエルといった手続きを行ってる可能性が高いです。

一連の流れについては、単なる役割分担といった意味合いが強いように思います。最終目的がどこにあるのか、直近の課題がどこにあるのかというのを考えると、一連の問題について上手く取り組んでるともいえるし、文大統領が問題といった単純なものではなく、どのようにして解を導くかという目線で見る必要があるように思います。逆を言えば、敵側の視点に立って、シナリオを崩すためには、何をやるべきかというのも考えてみるのも、今後の戦略に必要な部分だと思いますがね。
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書いてる本人もよくわかっていませんが、こんな感じの整理になると思われます。