日中韓サミットもいい雰囲気で終わることができそうで何よりです。今回のサミットについて、背景としては、トランプ大統領による影響は触れておく必要があります。

トランプ大統領による東アジア情勢の影響について

安倍首相の取り組みもそうだけど、トランプ大統領でなければ、今の流れにはなっていないと思います。恐らくネオコンシナリオだと、2017~2018年にハードランディングは必至で、半島有事も高確率で起きてたと思います。

東アジア情勢においては、ターニングポイントは、北朝鮮への安保理の制裁決議の全会一致で採択したことになります。

あとは背景としてあるのが、香港の一つの機能となります。
香港「条例改正」の標的は北朝鮮と江沢民だった マネロンと武器調達が栄える「魔界」 (2/4) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

中国から逃亡してきた上海閥(江沢民派)系の富豪たちの隠れ家であり、外国情報機関が跋扈ばっこする「魔界・香港」が持つもう一つの裏の顔、それがマネーロンダリング(資金洗浄、以下マネロン)と武器調達機能である。
(中略)

そんな中で、実はあの北朝鮮もまた、香港で長年さまざまな資金洗浄を行ってきた。それどころか、香港こそが北朝鮮の秘密資金運用を支えるマネロンの中心地なのである。2017年10月17日のCNNの報道("Hiding in plain sight: Why Hong Kong is a preferred spot for North Korea's money launderers")によると、香港にある「香港ウナフォルテ社」という企業は、北朝鮮のシェルカンパニー(編集部注:実体のないペーパーカンパニー)であり、北朝鮮政府が国際金融ネットワークにアクセスする際の入り口であるという。同報道によると、香港には160社もの北朝鮮関連の会社が存在しているそうだ。
これについても、習政権の腐敗汚職の取り締まりにも関係しますが、それによって、香港の資金洗浄機能が低下したことが、2017年の北朝鮮の一連のミサイル乱発と核実験の背景で、北朝鮮への安保理の制裁決議の全会一致で採択したことにより、北朝鮮はアメリカと対話しないといけない状況になったともいえます。一連の挑発は、朝鮮半島において、北朝鮮の主導権を握るといった理由もあるともいえます。

昨年3月の金正恩氏の訪中で習近平氏との会談によって、金正恩氏は上海閥から中国政府に陥落したというサインを意味します。

米朝首脳会談が成立し、道は厳しいのは事実ですが、北朝鮮の浄化の道筋が見えたことからも、こういった状況から、日中新時代に向けて動き出したのが、昨年の5月の李克強氏の訪日が起点ともいえます。

李克強・中国国務院総理の訪日 日中首脳会談及び晩餐会 | 外務省

安倍総理の訪中(全体概要) | 外務省

これによって日中新時代という名の下に、日中関係においての目処がついたのはかなり大きいと思います。中国と北朝鮮の目処がつかない限りは、韓国とのホントの意味での関係改善は難しいですし、これは時間がかかると思います。

こういったターニングポイントがあって、シナリオの軌道修正が行われてることについていけていないのが、所謂保守界隈といった現状があります。今まで培った価値観、そしてそれをビジネスとしている連中からすると、今の流れは都合が悪いのも現実で、こういったところで、今まで安倍首相を支持していた勢力の分断が起きてしまい、一部の所謂保守界隈の暴走を引き起こしております。政権が脆弱であれば、保守界隈の炙り出しは出来なかったわけですが、今は野党の弱体化が大きく、自民党というか、安倍政権で今ある課題を解決して欲しいというのが、世論の大半であることから、こういった動きが出来るわけで、ここまでの道筋も結構厳しかったと思います。

ここらへんについては、ブログ開設時からパヨク撲滅を掲げてましたが、これは左ぱよも右ぱよも視野に入れての話で、今起きている事象をベースに、自身で考えるためのきっかけの一つとして、拙い文章だが資料を提示して有耶無耶にしてやってるのが、このブログだったりしますwww

日韓首脳会談について

日韓首脳会談 | 外務省

 12月24日午後2時頃(現地時間)から約45分間,日中韓サミット出席のために中国・成都を訪問中の安倍総理大臣は,文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との間で日韓首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭発言
 安倍総理から,日韓両国はお互いにとって重要な隣国同士であり,北朝鮮問題を始めとする安全保障に関わる問題について,日韓,日韓米の連携は,極めて重要である,自分としては,重要な日韓関係を改善しなければならないと考えている旨述べた。
 これに対して,文大統領から,歴代最長の総理在任及び令和初の総理となられたことをお祝いする,令和の意味どおり,美しい調和の下,日本の発展と繁栄が継続することを願っている旨述べた。

2 日韓関係
(1)安倍総理から,日韓関係は非常に厳しい状況にあるが,こうした状況になっている根本原因は,旧朝鮮半島出身労働者問題に係る大法院判決にある,これは,国交正常化の基礎となった日韓関係の法的基盤の根本に関わる問題であり,韓国には,国家として,日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけを作ることを求める旨述べつつ,韓国側の責任で,解決策を示すよう強く求めた。あわせて,安倍総理から,問題解決のため外交当局間の意思疎通を続けていく旨を述べ,文大統領に対し直接,本件の早期解決を求めた。これに対し,文大統領から,この件についての韓国側の立場は繰り返さないが,この問題の解決の重要性については認識しており,早期に問題解決を図りたい旨述べた。その上で,両首脳は,旧朝鮮半島出身労働者問題について,問題解決に向けた外交当局間の協議を継続していくことで一致した。

(2)安倍総理から,両国関係がこのように困難な状況にある時だからこそ,両国国民間の様々なレベルの交流が重要である旨述べつつ,来年には東京オリンピック別ウィンドウで開くを控えており,その観点からも,両国政府が様々な交流の重要性につき発信していくことが重要である旨述べた。これに対し,文大統領から,安倍総理の認識に全面的に賛同する旨の発言があり,両首脳は,様々なレベルでの交流が重要であるとの点で一致した。

(3)加えて,安倍総理から,東京電力福島第一原発の処理水について,これまでも,韓国を含む国際社会に対し透明性を持って情報提供してきており,今後もその方針は不変である旨述べ,韓国側に対し,国際場裏における対応を含め,抑制的な対応を求めた。

3 北朝鮮情勢
 安倍総理から,北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて,引き続き米朝プロセスを最大限後押ししていくことが重要である,安保理決議の完全な履行を含め,日韓,日韓米で緊密に連携することが重要である旨述べた。また,拉致問題の解決に向け,引き続き韓国側の協力を得たい旨述べた。これに対し,文大統領から,拉致問題の重要性についての日本側の立場に理解を示した上で,韓国として北朝鮮に対し拉致問題を繰り返し取り上げている旨の発言があった。
 その上で,両首脳は,北朝鮮情勢に関して,日韓,日韓米の連携の重要性について改めて確認した。
この会談が意味を成すか成さないかは見えにくいけど、45分間話したのと、「1 冒頭発言」からみても、日韓両国の首脳同士の関係は、メディアで報道されてるほど悪くはないと思います。文在寅大統領からも、「歴代最長の総理在任及び令和初の総理となられたことをお祝いする,令和の意味どおり,美しい調和の下,日本の発展と繁栄が継続することを願っている」という言葉からも、「3 北朝鮮情勢」から見ても、「拉致問題の重要性についての日本側の立場に理解を示した上で,韓国として北朝鮮に対し拉致問題を繰り返し取り上げている旨の発言」もそうだけど、「北朝鮮情勢に関して,日韓,日韓米の連携の重要性について改めて確認」というのも、基本的な方向性については、日米韓で首脳レベルでは一致しているともいえます。

これは日韓外相会談も一緒です。一部抜粋。
日韓外相会談 | 外務省

5 両外相は最新の北朝鮮情勢についても意見交換し,日韓,日韓米での緊密な連携を改めて確認しました。また,茂木大臣から,拉致問題の早期解決への協力を求めたのに対し,康長官から,拉致問題及び日朝関係についての韓国側の理解と支持は変わっていない旨の発言がありました。
康長官についても、河野元外相との関係からみても、信頼関係はあったと思います。エピソードは省きますが、基本的な関係については悪くないです。

首脳レベルだと一定の関係は築けてるが、報じられる姿が歪んでることが一番の問題と思うけどね。

ここで、安倍首相は徴用工問題について、「韓国側の責任で,解決策を示すよう強く求めた」というのと、本件の早期解決を求めており、文在寅大統領からも、早期に問題解決を図りたいという言葉を引き出してることからも、協議して現金化を防いで、時間を作りたいといったところが、現段階の状況ともいえます。

両国国民間の様々なレベルの交流が重要であるというのも重要で、両国政府が様々な交流の重要性につき発信するというのは、メディアの浄化が最優先事項という認識も多少は含まれてるともいえます。日韓関係において阻害要因となっているのは、メディアと密航者と民団と、いわゆる親韓派(媚韓派)や親日派(用日派)であって、これは北朝鮮も一緒だけど、総連などの連中が、関係を歪めていたわけです。

両国国民間の様々なレベルの交流の実現のためにやることは、ある程度は共有出来ていると思います。結局は、日韓関係の改善の意味するものが重要で、阻害要因を取り除かないと、ホントの意味での関係改善にはなりえないと思います。

日中韓サミットについて

第8回日中韓サミット | 外務省

2 日中韓協力の現状評価と将来の方向性
 安倍総理から以下のとおり述べた。

(1)この20年間,3か国協力の原点である未来志向の実務協力が着実に進展。次の10年に向けて,3か国のみならず,地域及び国際社会の未来や次世代のために,これまでの対話と協力の積み重ねに立脚し,3か国が世界をリードする分野において具体的な協力を進めていくべき。

(2)特に,本年6月のG20大阪サミットでは,中韓からの参加も得て,貿易・投資,海洋プラスチックごみ,質の高いインフラ投資等の分野での合意を含む首脳宣言を採択した。これからは,3か国が一致してこれらの合意内容を実施し,アジアを含む世界に対して発信していきたい。日中韓の枠組みを活用しつつ,中韓と共にG20で培った考え方を広めていきたい。こうした認識の下,次の10年に向けて日中韓協力における柱とすべき3つの「E」を中心に議論したい。

ア 環境(Environmental Problem)

(ア)今や人の往来だけでなく,ごみまでも海を往来し,共通の課題となった。
 本年のG20大阪サミットで合意した「。大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」とその実現に向けた「実施枠組」は,その解決に向けた基盤である。
(イ)先月の3か国環境大臣会合で,この大阪で合意したビジョンと実施枠組のもとで,3か国で具体的な行動がスタートしたことを歓迎。海洋プラスチックごみ問題の協力に向けて,日中韓が世界をリードしていきたい。

イ 高齢社会(Elderly Society)

(ア)現在,世界で最も高齢化が進んだ我が国では,既存の制度の不断の見直しを続けてきた。
(イ)中国は高齢者の人口が最も多い国であり,韓国は日本と共に高齢化の速度が世界で最も速い国の一つ。共通の課題を抱える3か国が,活力ある健康的な高齢社会を迎えるために,協力して対応していく。
(ウ)さらに,3か国が協力して得られたベストプラクティスを国際社会と共有し,アジア地域を始めとした国際社会の発展と人々の幸福に寄与していきたい。

ウ 人的交流(Exchange)

(ア)人と人とのつながりは,3か国の相互理解の基盤となる。政府同士が困難に直面する時期であっても民間レベルでの人的交流は重要。3か国で引き続き人的交流を進めていきたい。
(イ)3か国の「2020年までに年間3千万人の人的往来」との目標が,前倒しされて2018年に達成されたことを歓迎。教育交流は将来にわたる友好関係の基盤であり,「キャンパス・アジア」は,3か国協力の成功例の一つ。
(ウ)また,3か国によるオリンピック・パラリンピックのリレーは,スポーツ,文化,観光といった様々な交流を生み出す大きなチャンス。2020年東京大会別ウィンドウで開くを成功させ,2018年の平昌(ピョンチャン)から受け継いだバトンを2022年の北京へと渡したい。
(3)我が国としては,この3つの「E」を中心に,3か国がウィン・ウィン・ウィンの関係を築けるよう,今後の日中韓協力を進めていきたい。

 以上を踏まえ,日中韓3か国の間で,海洋プラスチックごみを含む共通の課題への対処,健康で活力ある高齢化社会への対応,スポーツ・文化・教育を含む人的交流の強化,3か国とそれ以外の国々との協力の促進等について意見の一致をみた。
安倍首相のコメントが全てですが、これが実現出来るのであれば、3か国がウィン・ウィン・ウィンの関係を築けると思うし、協力関係を築けるように進めていきたいと思いますね。民間レベルでの人的交流は重要だし、それを阻害しているのであれば、その要因を取り除かないといけません。

様々な課題があると思いますが、交流は大事だし、上っ面ではないホントの意味での交流が重要だし、ノイズを消さないと交流の妨げになると思います。

関係を切り捨てるのは簡単ですが、出来る限りは健全な関係への道筋を残すべきだし、様々な努力をした結果、本来の関係を築けないと明らかになるまでは、建設的な協調関係を築くための努力を双方で歩み寄って続ける姿勢こそが重要だと思います。

こういった観点から、安倍首相の会見を見て欲しいです。