明日にも緊急事態宣言を発出するようですね。

緊急事態宣言の検討状況についての会見

令和2年4月6日 緊急事態宣言の検討状況についての会見 | 首相官邸ホームページ

 令和2年4月6日、安倍総理は、総理大臣官邸で会見を行いました。

 総理は、緊急事態宣言の検討状況について次のように述べました。

「先ほど、党の幹部の皆様とお話しいたしまして、新型コロナウイルス感染症の経済に与える甚大な影響を踏まえまして、過去にない強大な規模となる、GDP(国内総生産)の2割に当たる事業規模108兆円の経済対策を実施することといたしました。
 大変な困難な状況に直面している御家庭、そして中小・小規模事業者の皆様に対しまして、6兆円を超える現金給付を行います。そして、雇用を守り抜いていかなければなりません。無利子融資を民間金融機関に拡大するとともに、前例なき26兆円規模で、納税や社会保険料の支払猶予を行い、事業の継続を後押しし、雇用を守り抜いていきたいと考えています。
 また、先ほど諮問委員会の尾身会長から御意見を伺いました。足元では、東京や大阪など、都市部を中心に感染者が急増しています。医療現場では既に危機的な状況となっていることを踏まえ、政府として、緊急事態宣言の準備をすべし、との意見を頂きました。
 対象地域は、7都府県。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府と兵庫県、そして福岡県です。
 1か月程度の期間を目安として、感染につながるヒトとヒトとの接触を極力減らすため、国民の皆様にはこれまで以上の御協力を頂くこと、そして、医療提供体制をしっかりと整えていく、そのための緊急事態宣言であります。
 改めて明確に申し上げますが、日本では、緊急事態宣言を出しても、海外のような都市の封鎖を行うことは致しませんし、そのようなことをする必要もないというのが専門家の皆様の御意見であります。電車などの公共交通機関も動きますし、スーパーなども引き続き営業いただくなど、経済社会活動を可能な限り維持しながら、密閉、密集、密接の3つの密を防ぐことなどによって、感染拡大を防止していくという、これまでの日本のやり方には変わりなく、これを一層強化、そして徹底をお願いするものであります。そのため、対象となる地域の皆様には、冷静な対応をお願いしたいと思います。
 他方で、それだけに、爆発的な感染の拡大を防ぐためには、国民の皆様に、十分な御協力を頂く必要があります。可能な限りの、外出自粛に、全面的に御協力を頂く一方で、社会機能維持のために、様々な業種とそこで働く皆様には、事業継続をお願いしていくことも必要となります。
 こうした考え方の下、調整を進め、基本的な対処方針の改定を行います。
 そして、当然、諮問委員会の専門家の皆様からの御意見を伺った上で、明日にも緊急事態宣言を発出したいと考えています。
 最終的に発出する段階では、私から記者会見を開いて、丁寧に御説明し、国民の皆様にどのような御協力をお願いするかということについて、御説明させていただきたいと考えています。」

経済対策について

事業規模108兆円の経済対策を実施することになったようですね。世耕氏は以前に「失われた国内総生産(GDP)を穴埋めする規模が必要。その際事業規模は意味がない。(財政支出の)真水が重要」と指摘しております。

事業規模と真水の関係については、過去エントリを参考にしてください。

2020年04月始まり-ぱよぱよ日記

・リーマンショック→事業規模:56.8兆円、真水:15.4兆円
・2016年8月→事業規模:28.1兆円、真水:6.2兆円

上記のようになっております。このことからも、今回は事業規模108兆円ということで、恐らく真水では、30兆程度の規模になると思われます。

経済政策の具体的な内容については、出揃ったタイミングで紹介します。

以下の記事も紹介します。

緊急経済対策 事業規模は総額108兆円程度 安倍首相 方針固める | NHKニュース

・大変な困難な状況に直面している御家庭&中小・小規模事業者の皆様に6兆円を超える現金給付
・無利子融資を民間金融機関に拡大するとともに、前例なき26兆円規模で、納税や社会保険料の支払猶予を行い、事業の継続を後押しし、雇用を守り抜いていきたい

あと経団連の中西会長のコメントも完璧です。

・客が来なくなって、キャッシュが回らなくなり、緊急に助けないと食うに困る、倒産してしまう状況だ。ともかく困っているところにはちゃんと迅速にお金を届ける必要があると思う
・単に基準やルールを作るのではなく、実務できちっと展開して、遅れがないようにしてほしい

基本的な考え方として、事業継続と雇用維持に注力しており、今はしのぎつつ、収束したタイミングで、今回被害の大きかったところに需要を誘導して、短期集中で業界の流れを正常化していくといった方針と思われます。

経済対策の現況についてある程度整理した記事を紹介します。

新型コロナウイルスに関する経済対策の現況-ぱよぱよ日記

現在の政策方針を見れば、経済対策の方向性も見えてくると思います。

緊急事態宣言について

都市部を中心に感染者が急増しており、医療現場では既に危機的な状況であることから、明日に緊急事態宣言を発出するようです。

対象地域は、7都府県。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府と兵庫県、そして福岡県となります。

以下の3点の目的から、1ヶ月程度を目安とした緊急事態宣言となります。

・感染につながるヒトとヒトとの接触を極力減らすため
・国民の皆様にはこれまで以上の御協力を頂くこと
・医療提供体制をしっかりと整えていく

専門家の見解も含め、海外のような都市の封鎖を行うことはしない(出来ない)し、そこまでやる必要はないというのが現在の状況で、一定の制御は出来ている状態ともいえます。

あくまで感染拡大を防止していくという、これまでの日本のやり方には変わりなく、これを一層強化、そして徹底をお願いするものであって、対象となる地域の皆様には、冷静な対応をお願いしたいということが、今回の緊急事態宣言の内容となります。

電車などの公共交通機関も動き、スーパーなども営業して、経済社会活動を可能な限り維持しながら、密閉、密集、密接の3つの密を防ぐことを、今まで以上に徹底すればいいだけで、日常生活が大きく変わるわけではありません。

爆発的な感染の拡大を防ぐために、可能な限りの外出自粛や、社会機能維持のために事業継続していくことも必要で、そのためには国民の協力が必要となります。安倍首相の言う通り、対象となる地域の皆様には、冷静な対応をお願いしたいとあります。


緊急事態宣言に備えた基本的対処方針は以下となります。
「緊急事態宣言」に合わせた政府の「基本的対処方針」原案判明 | NHKニュース

それによりますと、緊急事態を宣言しても、海外で行われている「ロックダウン」=都市封鎖のような社会機能を相当程度停止させるような施策は実施しないと明示しています。

そのうえで、
▽宣言の対象となる都道府県の住民に対し、感染拡大を防ぐために不要不急の帰省や旅行など県外に移動することを極力避けるよう促しています。

また、
▽食料・医薬品や生活必需品の買い占めなどの混乱が生じないよう冷静な対応を求め、
▽医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、職場への出勤、屋外での運動や散歩、など生活の維持に必要なことは外出の自粛要請の対象にならないとしています。

医療体制については、
▽重症者への医療の提供に重点を移すため、入院治療が必要のない軽症者などは自宅療養とし、医師が必要と判断した場合にはインターネットを通じたオンライン診療を行う体制を整備するとしているほか、
▽各地のがんの専門病院や産婦人科など重症化しやすい人が来院する医療機関は、新型コロナウイルスの感染が疑われる人の外来診療を原則行わないようにするとしています。
こういう時だからこそ、食料・医薬品や生活必需品の買い占めなどの混乱が生じないよう冷静な対応は必要だし、国民が一丸となって、取り組むことが出来れば、事態は早期に収束の兆しは見えてくると思います。

オンライン診療について記事を紹介します。
オンライン初診、3カ月ごとに可否判断 診療報酬、対面と同等―新型コロナ:時事ドットコム

 新型コロナウイルスの院内感染を防ぐため、政府が検討しているオンライン診療の緩和策の全容が6日、分かった。事態が収束するまでの間、受診歴のない患者を含め、パソコンや電話による初診を全国で解禁。3カ月ごとに都道府県単位で状況を確認し、継続の可否を判断する。公定価格である診療報酬は、現行の710円から、対面と同程度の2000円台に引き上げる。
 政府は7日にも正式決定。早ければ週内から実施する。
 初診については現在、医師との対面が原則となっている。政府は、オンライン診療の緩和を時限措置とすることで、慎重な対応を求める日本医師会に配慮した。
 過去に受診歴のない患者のオンライン診療では、本人確認を徹底するほか、処方薬の量を一定程度に制限し、医薬品の横流しなどの不正防止を図る。医者と患者の所在地が遠く離れている場合は、症状の急変など緊急事態に備え、患者を近くの医療機関に引き継げる態勢を整えるよう求める。
 政府は、医療機関が希望すれば、オンライン診療の対象とする方針。今後、各都道府県を通じて、対象医療機関をホームページなどで公表する。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、病院内で医師や他の患者らに感染するケースが増加。医療現場を中心に、対応を求める声が上がっていた。
重要なのは、新型コロナウイルスの事態が収束するまでの間は、オンライン初診を解禁といった内容となります。あくまで、新型コロナウイルスの時限措置という形となります。医療機関が希望すれば、オンライン診療の対象とする方針で、あくまで医療機関が行うもので、医療機関以外でのオンライン診療は認めない(オンライン診療専門では行えない)といった形となりますので、その点では医療機関の現場負担軽減のために、オンライン診療といった形で、課題を含め洗い出す意味でもテストしておくのは有効だと思います。


緊急事態宣言について少し触れておきます。

首相、緊急事態宣言へ意向を固める 特措法に基づき初 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

緊急事態宣言で、該当地域の都道府県知事が取れる主な措置は以下となります。


Q&Aについて紹介します。
新型コロナウイルス感染症の対応について|内閣官房新型インフルエンザ等対策室

③緊急事態措置について(特措法45条)
◎ 新型インフルエンザ等緊急事態宣言が行われた場合、欧米におけるロックダウンのように強制的に罰則を伴って都市が封鎖されますか?
→欧米におけるロックダウンのように強制的に罰則を伴う都市の閉鎖は生じません。特措法に基づき、都道府県知事により外出自粛要請、施設の使用制限に係る要請・指示・公表等ができるようになります。

◎ 新型インフルエンザ等緊急事態宣言が出されると外出できなくなりますか?
→都道府県知事により外出自粛要請がなされた場合であっても、医療機関への通院、生活必需品の買い物、必要不可欠な職場への出勤、健康維持のための散歩やジョギングなど生活の維持に必要な場合には外出できます。

◎ 新型インフルエンザ等緊急事態が起こると、どのような施設の使用がどのように制限されるようになりますか?
→都道府県知事は、施設について、一定規模以上の遊技場や遊興施設など多数の者が利用する施設に対して使用制限や催物の開催の制限等を要請することができるようになります。
要請内容は以下となります。


臨時医療施設のための土地・建物の使用と、医薬品、食品の収用以外の強制力はなく、あとは要請・指示レベルの対応となります。最も、要請・指示を行った時は、その旨は公表されることから、それに応じなかったということは分かるので、そういった意味での強制力はないわけではないのも特徴となります。

因みに東京都の対応の内容は以下となります。
緊急事態宣言へ都対応案 パチンコ・理髪店にも休業要請 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

緊急事態宣言発令に向けた東京都の対応案

【基本的に休止を要請する施設】

大学や専修学校など教育施設、自動車教習所、学習塾、体育館、水泳場、ボウリング場、ゴルフ練習場、バッティング練習場、スポーツクラブ、劇場、映画館、ライブハウス、集会場、展示場、博物館、美術館、図書館、百貨店、マーケット、ショッピングモール、ホームセンター、理髪店、質屋、キャバレー、ナイトクラブ、バー、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、パチンコ店、場外車券売り場、ゲームセンター

【施設の種別によっては休業を要請する施設】

学校(大学などを除く)、保育所、介護老人保健施設

【社会生活を維持する上で必要な施設(生活インフラ)】

病院、診療所、薬局、卸売市場、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホテル、バス、タクシー、レンタカー、電車、物流サービス、工場、公衆浴場、飲食店(夜間・休日など営業時間の短縮、居酒屋は休業の要請)、金融機関や官公署(いずれもテレワークの一層の推進を要請)
結構、休止を要請する施設はあるのですね。きついところもあるが、実際はどの程度の商業施設が休止されるかになりますね。パチンコ店も対象ですし、明後日以降の動向については、重要になってきますね。

あとは休業した時はどうなるのですかね??緊急事態宣言を発出の期間は、休業手当の支払い義務はなくなる話でしたが、どうやらこれはガセのようでした。。。


休業手当については、雇用調整助成金で調整といったところなのでしょう。

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大について

○新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の拡大
https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000614800.pdf

一斉休業などが行われることから、雇用調整助成金を利用して、雇用の維持に当てるといったところで、これを割り当てるのかもしれませんね。ある程度、制度の運用の問題などもひっくるめて、ある程度準備が整ったから、緊急事態宣言といった流れになるかもしれませんね。

最後にですが、こういった時こそ、不安を煽るのではなく、冷静な対応が求められるわけで、情報の発信も冷静さを促すような内容をお願いしたいところです。ただでさえ、新型コロナウイルス関係で、ストレスを感じる状況に立たされてる人も少なくないですし、冷静な対応をするためにも、センセーショナルなものは必要ありませんし、不安を煽るような発信は害悪以外何者でもありません。

今こそ原点に振り返って、以下の内容を理解しましょう。
不確かな情報に惑わされないために 警視庁

不確かな情報を判断するヒント
インターネットに慣れている人でも、不確かな情報を信じてしまう人は少なくありません。情報に以下のような書き方が含まれている場合は、特に注意して、情報源を確認してから伝えるようにしましょう。

強調表現、不安をあおる表現や急がせる表現が多い
その情報が本当であれば、事実のみを記載すれば十分です。しかしウソの情報は、強調表現や不安をあおる表現で信じ込ませ、急いで拡散させようとします。

デマに含まれやすい表現の例
・強調表現 非常に、かなり、すごく、絶対、全て、必ず、重大な等
・不安をあおる表現 危険な、悪質な、大変な等
・急がせる表現 即、大至急等

生命や金銭に関わる内容
避難情報や災害情報等、生命に関わる内容も多く悪用されます。また、「無料だったサービスが来月から有料になる」「有料サービスが期間限定で無料になる」等、金銭に関わるものも悪用されやすいので、必ず情報源を確認しましょう。

情報源が記載されていない
本当のように記載されていても、リンク(情報源のURL)や根拠が記載されていない場合は、必ず自分で検索して情報源を確かめましょう。官公庁や企業に関するものであれば、公式ホームページや公式ブログ等を確認してください。
また気象情報など、内容によってはテレビやラジオ等を確認することも有効です。

伝聞形式で書かれている
記載されている情報に、「らしい」「みたい」「だそうです」等の伝聞形式が含まれている場合も注意が必要です。「友人が」「知り合いが」「芸能人が」など情報源があいまいな場合は、当事者と直接話をしたり、公式ホームページを検索するなどして確認するようにしてください。

拡散を勧めている
拡散を勧める書き方には、大きく分けて、悪意によるものと善意によるものの2パターンがあります。どちらであっても、情報源を確かめ、無闇に拡散しないことが重要です。

悪意ある拡散の要求の例
「見てから○時間以内に×人に回さないと不幸になります」
「この情報を止めた人は特定され、襲われます(捕まります)」等

善意による拡散の要求の例
「ペットショップがつぶれたので、もらってくれそうな人に広めてください」
「被害を未然に防ぐために、知り合い全員に共有してください」等
その他、特殊な場合として、情報源そのものが虚偽であるサイト(いわゆるジョークサイト)であることがあります。常識的にありえない内容でも、信じてしまう人もいます。もし皆さんがこのような情報を受け取った場合は、情報の真偽を確認する習慣をつけましょう。
こういった時は、この手の情報がメディアも含め蔓延しますので、気になった場合は、一次情報を調べた方がいいと思います。基本的には、メディアの情報もガセも紛れてるので、官公庁、公式HPなどの情報、メディアの場合は複数のメディアで報道されてるか(<独自>などは要注意)といった形で、自分から情報を取りに行く習慣を身に着けた方がいいと思います。