今回は簡単に消費税関係の話となります。各メディアの記載を紹介します。

・読売新聞
消費増税、予定通り来年10月実施…首相表明へ : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断した。15日の臨時閣議で表明し、増税の影響を和らげる対策の検討を指示する。中小小売店での商品購入時にクレジットカードなどを使った消費者に対し、購入額の2%分をポイントで還元する案などが柱となる。

 政府は15日に臨時閣議を開き、2018年度第1次補正予算案を決定する。首相はこの席上、増税を実施する決意を示すとともに、具体的な増税対策について指示する方向だ。増税の最終判断時期を探っていた首相は、自身の経済政策「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、様々な増税対策を総動員すれば個人消費の落ち込みは抑制できると判断した。
・時事通信
消費税、来年10月から10%=財源確保へ予定通り引き上げ-安倍首相、15日表明:時事ドットコム

 安倍晋三首相は2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、予定通りの実施を決断した。15日の臨時閣議で表明する。先の自民党総裁選で訴えた幼児教育・保育無償化など「全世代型社会保障」実現に向けた財源を確保するため。増税は景気減速を招くとの指摘もあるが、景気腰折れを防ぐ対策に万全を期せば、影響は限定的と判断した。
・毎日新聞
消費増税表明へ:引き上げ対応、準備の加速促す - 毎日新聞

 安倍晋三首相が15日に来年10月の消費税率10%への引き上げを表明することで、政府は増税による経済への影響の軽減策策定など準備を本格化させる。来年4月の統一地方選、夏の参院選まで大型選挙は行われない見通しで、このタイミングでの表明は政権運営への影響を極力避ける思惑もあるとみられる。
・朝日新聞
首相、消費増税対策を指示へ 小売店で2%分還元を検討:朝日新聞デジタル

 安倍晋三首相は15日夕に開く臨時閣議で、来年10月の消費増税に備えた経済対策の策定を指示する。これを受けて政府は、中小小売店で現金を使わない「キャッシュレス決済」をした消費者に、その後の買い物に使えるポイントを還元する仕組みの創設などを検討する。

 臨時閣議では、災害復旧費を盛り込んだ今年度の第1次補正予算案を閣議決定する。首相はこの場で、予定通り消費増税を実施する意向を改めて示し、増税後の景気の落ち込みを防ぐ経済対策の策定や、同時に導入する軽減税率の準備を加速するよう各閣僚に指示する。
・産経新聞
安倍首相、15日の臨時閣議で来年10月の消費税増税への対策を指示へ - 産経ニュース

安倍晋三首相は、15日の臨時閣議で来年10月に予定している消費税率10%への引き上げに備えた対策を早急に講じるよう指示する。増税による景気減速懸念がくすぶる中、中小企業対策など環境整備に万全を期すことで、経済の腰折れを最小限に抑えたい考えだ。
・日本経済新聞
消費増税、15日に首相が対策指示へ 19年10月に10%  :日本経済新聞

安倍晋三首相は15日の臨時閣議で、2019年10月の消費税率10%への引き上げを予定通り実施するため万全の対策を講じるよう指示する。18年度補正予算案や19年度当初予算案に増税対策費を計上する。税制面でも車や住宅などの保有・購入者の負担軽減策を検討する。駆け込み需要と反動減を抑え、経済への影響をできる限り和らげる。

政府は閣議で災害対策費を盛る18年度第1次補正予算案を決定する。首相は消費増税を予定通り実施する考えを示し、具体策の検討を求める。
(中略)
首相は昨年10月の衆院選で消費増税を前提に増税分の使途見直しを公約して勝利した。今年9月の日本経済新聞のインタビューでは「国民の理解をいただいた。必ずやり遂げなければならない」と決意を表明した。首相はこれまで消費増税を2度延期した経緯があるが、リーマン・ショック級の大きな打撃がない限り引き上げる方針だ。

これらの報道を通じて、首相が何を指示したのかというのが分かれることに気付くと思います。前者の3社では、増税の引き上げを表明しているが、後者の3社においては、消費増税に備えた経済対策の策定を指示をしたといった内容となります。性質的には似てるようで、意味合いとしては全然違うわけですね。

日経新聞の記事が正確だと思いますが、今までの基本姿勢を変えていないし、「万全の対策を講じることを閣議決定する」というのが今回の真相のように思います。朝日新聞がこのように報じた事が意外だったのですがね。

因みに財務省案件についての読売新聞の報道については、財務省の事務次官の天下り先として人気なのもありますので、一定のバイアスがかかっておりますので、財務省観察としての観点で見るのが正しいと思います。

元財務高官が続々天下る読売・日テレの狙いは | プレジデントオンライン


記事を見る限り、基本スタンスは今までと変えていないし、「リーマン・ショック級の大きな打撃がない限り」というのは、逆説的にいえば、これから起きる可能性があるということも言えます。直近の株価調整もそうだし、米中冷戦の関係、半島有事の可能性も否定は出来ないのが現状です。

ここで重要なのは、アメリカの動きとして、金融業やIT業などのサービス業へ偏重して、今まで製造業を軽視していた産業構造のリバランスを目的としております。結局は産業構造のバランスの悪さというのは、脆弱性を作ることを意味しますし、国益には繋がらないわけですね。バランスが悪いと本来のパフォーマンスを発揮することが出来ないしね。

11/6に行われるアメリカの中間選挙が一つの鍵となりますが、見方が分かれてますね。願望込みもあるので、報道からの情勢読みは難しいと思います。

米中間選挙は共和党圧勝か【フィスコ・コラム】 | マネーボイス

共和党大慌て!中間選挙で「大負け」の可能性 | アメリカ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

中間選挙を乗り越えたら、アメリカとしては動きやすくなるし、状況次第では有事に動く可能性も出てくるわけですね。ここで何個か記事を紹介。

チャイナ包囲網キタ━━(゚∀゚)━━!!! 英BBC「中国、臓器移植産業の闇」を放送「臓器移植件数とドナー数が不一致」「生体から臓器摘出」 | もえるあじあ(・∀・)

米中対立さらに激化 中国がマティス国防長官の訪問を拒否、安保対話中止も通告 (1/2ページ) - zakzak

南シナ海で米中衝突寸前! 米駆逐艦に中国の駆逐艦が異常接近 米、中国を厳しく非難 (1/2ページ) - zakzak


以下の記事を紹介します。

“死神”ボルトン氏が明かす「トランプ大統領は『中国が国際秩序を食い物にしている』と感じている」 - zakzak

中国に知的財産で是正要求 安倍首相、貿易摩擦に懸念 - 産経ニュース

安倍首相の動きとしても、中国に対して知的財産の是正要求など、米欧と連携する立場であることからしても、今度の日中首脳会談は習近平に対して、最後通牒を突きつけることを意味する可能性も出てきます。それだけ厳しい情勢にあるわけです。

国内の消費税問題という話のように見えるけど、リーマンショック級の話となれば、世界経済に関する話にもなりますし、大規模な地変が起きるとなれば、リーマンショック級ですめばいいというくらいの状況なわけですね。

消費増税戦線については、ここからが本番になると思います。止めるためにはこれからの動きが重要だと思うし、既定路線通りに動いてるように思いますので、今の段階では過剰反応しないほうがいいと思います。増税対策を講じることで予算を確保することは出来るし、現段階で増税の先送りを表明して、予算削減に動かれるよりはマシといったところになると思います。予算案は重要ですし、国家の基本であることから、緊縮財政で動かれるよりは、国家予算は国内で資金循環する傾向があるので、景気対策として重要であるわけで、制度でお金を作るにも限界があるということも重要だと思います。