まずはこちらの件から。

イギリスEU離脱関係

英議会、EU離脱案を大差で否決 野党が内閣不信任案 (写真=AP) :日本経済新聞

【ロンドン=中島裕介】英議会下院は15日夜(日本時間16日早朝)、欧州連合(EU)と合意したEU離脱案を採決し、反対多数で否決した。与野党双方からの離脱案への反発が収まらず、230票差という大差での歴史的な否決となった。否決の直後、野党第1党の労働党のコービン党首は内閣不信任案を提出した。英国政治の混迷は深まり、EU離脱の行方は一段と不透明になった。

EUと合意した離脱案の採決は、予想通りの大敗となりました。最もここからの話なのですが、どっちにしても、EU離脱時期と離脱方法の話ですし、EUと交渉したとしても、ハードブレグジットの時期を少し引き伸ばすのが精一杯と思われます。EU残留の口実作りとして利用したEU離脱の国民投票という安易な決断したキャメロン前首相の罪は大きいと思います。EU離脱の国民投票でEU離脱という決定を下した以上、選択肢としては、国民投票直後からハードブレグジットを前提に準備するか、EUと離脱案に合意するかの二択しかなく、情勢を考慮すると、後者という選択肢しか残されてませんでした。

背景についてはここらへん。
イチから分かるBrexit 英議会がEU離脱案否決 (写真=ロイター) :日本経済新聞

――そもそもなぜ英国はEUから離脱しようとしているのか。

「EUは発足時の基本理念として、域内でのヒト、モノ、カネ、サービスの4つの『移動の自由』を掲げた。2度の世界大戦を経て、欧州各国が緊密に統合することで域内の戦争をなくそうというのが原点にある。しかし、英国は島国ということもあり、大陸側の欧州諸国と統合することへの反対意見は根強い」

「それでも、英国はEUの一員として東欧などから移民を受け入れてきた。しかし、金融危機や経済の低迷などで雇用情勢が悪化すると、『移民に仕事を奪われている』『テロリストの流入につながる』などと移民への不満が強まった。EUの官僚的な体質や細かな規制、英国が負担するEUへの拠出額の大きさを問題視する声もあり、キャメロン首相(当時)がEU残留か離脱かを問う国民投票の実施を表明。16年6月23日に投票を実施した」

――大きな混乱が生じそうなのに、なぜ英議会は離脱案を否決したのか。

「最大の問題は北アイルランド問題だ。アイルランド島は北部が英国領の北アイルランド、南部がアイルランドという独立国で、EUに加盟している。英国がEUから離脱すれば、英国領の北アイルランドもEUから離脱することになる」

「この場合、EUに加盟するアイルランドと、英国の一部である北アイルランドはヒトやモノの自由な移動ができなくなる。北アイルランドを巡っては、英国からの独立に賛成する勢力と反対する勢力とが紛争を繰り返してきた。北アイルランドとアイルランドとの間に通関などの『物理的な国境』が生じれば、再び情勢が不安定になりかねない」

――解決策はあるのか。

「英国のメイ政権がEU側との交渉でまとめた離脱協定案は、20年末の移行期間までに解決策が見つからなければ、英本土を実質的にEUに部分残留させる措置を盛り込んだ。そうすれば、アイルランド島での国境管理の必要性がなくなるからだ。しかし、EUに批判的な勢力から『永遠にEUの支配下に残る』との批判を受け、否決された」
最もハードブレグジットの回避についてはある程度は一致しており、20年末の移行期間までに北アイルランド問題の解決策を見出すことが出来るかが要点となっており、1年9ヶ月の時間を引き換えに、ここをクリアすることが重要になります。今は金融含め地殻変動の時期となっており、2019-2020年という時間は重要になることから、メイ首相の案はそんなに悪いものではないんだけどね。金融の観点では、オランダ(アムステルダム)は重要な要素となると思っております。

韓国海軍レーダー照射問題

「非公開の約束破り、でたらめ発表」防衛省が韓国に抗議 - 産経ニュース

 防衛省は16日、韓国駆逐艦による海上自衛隊P1哨戒機へのレーダー照射問題に関し、シンガポールで14日に行われた日韓防衛当局による実務者協議の内容を韓国側が一方的に公表し、事実と異なる主張を展開したとして抗議の上、撤回を求めた。16日の自民党安全保障調査会と国防部会の合同会議で防衛省幹部が明かした。

 14日の日韓実務者協議で、日本側は電波情報の交換を提起したが、韓国側は応じず、協議は平行線に終わった。協議内容は非公開とする取り決めだった。しかし、韓国国防省報道官は15日の定例記者会見で協議内容を公表。「韓国の乗組員が脅威と感じる雰囲気であったという部分は、日本側が一部認めた」などと事実と異なる見解も示していた。

 これに対し防衛省は16日午前、韓国の駐在武官を東京・市ケ谷の防衛省に呼び出し、抗議するとともに撤回を求めた。韓国側は「本国に伝える」と応じたという。防衛省幹部は「非公開の約束を破った上、でたらめな発表をしている。信頼関係は完全に崩れた」と語る。

 自民党部会では、韓国に対し厳しい制裁を求める声や、P1が収集したデータを国際社会に示し、日本の正当性を訴えるべきだとの意見が相次いだ。
最早どうでもいいのですが、基本的に機密が機密ではないどころか、非公開を理由に都合のいいように嘘八百並べる連中ですし、特亜にとって、「約束は守るものではなく守らせるもの」であることから、「約束」という概念のない相手に対して、このような手を取るというのは、防衛省としても認識が甘い部分もあるかもしれませんね。

正直なところ、軍関係については日韓関係はそこまで言うほど悪くはなかったという印象だったけど、レーダー照射の件を受けて、韓国は韓国だったの一言で終わるのと同時に、「非公開の約束を破った上、でたらめな発表をしている。信頼関係は完全に崩れた」と防衛省に言わせたという意味はかなり大きいと思います。

どっちにしても、正当性を訴えるにしても、声闘でウソにウソを塗り固めて有耶無耶にしたいとする連中に対して、国際社会に対して訴えるにしても無駄なエネルギーが必要になることからも、本気で対処を考えるなら、正当性より制裁しかないという相手ですし、話し合いとか証拠を突きつけたら黙る相手ではないということを理解して進める必要があると思います。自らの身に明確な不利益や危機感を抱かせなければ、何をやっても許されると考えてる相手ですし、日本人の感覚で考えては危険な相手ともいえます。

安い挑発に乗ってしまうのもどうかと思いますが、安い相手に対しては安い対応しかないのも事実で、理想論は通じないのが現実で、相手を考えて対応を決めないと、余計な問題を抱え込むことになりますので注意が必要です。最終的には根源から潰さないといけませんし、正直なところ、マトモに相手にすることも危険水域に達した相手と思います。

拉致問題について

日本人拉致問題に暗雲=橋渡し役韓国と関係悪化:時事ドットコム

 安倍晋三首相が「政権の最重要課題」と位置付ける日本人拉致問題が動いていない。

 首相が意欲を示す北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との直接対話は実現のめどが立っておらず、橋渡し役を期待する韓国との関係も悪化。問題解決の行方には暗雲が垂れ込めている。

 「あらゆるチャンスを逃さずに、拉致問題の解決に臨んでいきたい」。首相は15日の政府・与党連絡会議で、日ロ平和条約交渉と並ぶ外交課題の一つとして拉致問題を挙げ、「戦後日本外交の総決算に取り組む1年にしたい」と力を込めた。

 政府は、これまで北朝鮮との間で北京の大使館ルートなどを通じて接触を図り、「あらゆる努力を継続中」(菅義偉官房長官)との説明を繰り返している。だが、日ロ交渉とは対照的に、日朝間では交渉の糸口すらつかめていないようだ。

 背景には、北朝鮮が米国との非核化交渉に神経を集中させ、「日本に関心を見せていない」(政府関係者)ことがある。外務省幹部は「日朝は停滞気味だ」と指摘。首相は10日のロンドンでの記者会見で、日朝首脳会談に関し「決まっていることは何もない」と認めざるを得なかった。

 さらに、ここに来て日朝交渉の実現を難しくしているのが日韓関係の冷え込みだ。元徴用工訴訟や韓国駆逐艦の火器管制レーダー照射問題をめぐり、日韓両政府は互いに非難。自民党からは駐韓大使の召還や査証(ビザ)の発給制限など対韓制裁を求める声が上がる。

 韓国の文在寅大統領は昨年4月と9月の南北首脳会談で拉致問題を取り上げ、正恩氏から「日本と対話する用意がある」との言葉を引き出した。このため、政府内には文氏に日朝交渉の仲介役を期待する声もあるが、関係悪化の影響で首相と文氏の会談の機運はしぼんでいる。

 拉致被害者横田めぐみさんの母早紀江さんは15日、めぐみさんの同級生と首相官邸で、拉致問題担当相を兼務する菅氏と面会。「入院中の主人もめぐみちゃんに会えるまで頑張ると言っている。一刻も早く再会できるようお願いしたい」と求めた。菅氏は「全力で取り組む」と応じたが、事態が動く兆しは今のところ見えていない。
拉致問題の件ですが、橋渡し役として韓国が必要というのがミスリードでしかなく、ここの関係をよくしたところで、拉致問題など解決することなど絶対にないと断言出来ます。日本にとって拉致問題というのは、朝鮮半島と日本を繋ぎ止めるという唯一な手段で、これを解決してしまうと、朝鮮半島との柵がかなり減るわけで、日本にとっての外交問題としては、かなり重要であると思っています。それ以前に、日本国内で拉致された日本人の救出が出来ないで、日本の国益を求めるという行為を求めるというのも、欺瞞を感じますし、外国で拉致された日本人については自己責任で片付くケースもありますが、日本国内で拉致された日本人については自己責任ですらないと思います。

ここで今一度、非核化にも関連しますが、プランAとBについて振り返ってみます。

・プランA:日米韓の協力による北朝鮮の非核化
・プランB:北朝鮮が親中であると同時に親米になること

実質的に日韓関係以前に韓国が使い物にならない状況であることから、拉致問題を考えた場合は、プランBの方が拉致問題解決についての可能性は高いように思います。代弁者として韓国が使えないのは、米朝関係を見ても明白ですし、拉致問題を解決するためには、米朝関係と同時に、日朝関係というのが問われることになります。日本は、日韓基本条約の制約で北朝鮮との国家としての交渉が難しいことからも、北朝鮮を国家として認めた上で交渉するのが近道でしょうし、朝鮮半島と日本を繋ぎ止める唯一の手段ともいえる拉致問題について、韓国を仲介させるほうが問題が硬直化しやすいです。

北朝鮮という国家レベルにおいて拉致被害者を抱え込むメリットはあんまないし、寧ろデメリットの方が大きいと思います。ここらへんは優先順位の問題になりますが、拉致問題解決のために必要なことは、日韓関係ではない別のところにあると思いますがね。金正恩氏との対話が出来る環境を作る必要があるわけで、そのために日本が何が出来るかというのが求められてくると思います。