平成の総決算の時期も近づいており、新時代の到来につれて、今まで敢えて触れなかった案件も触れることになりそうです。情報も使い方を間違えると、間違った意味に受け取りかねないわけですし、時期と付随する物事の組み立て方は、とても重要なことだと思います。

今日は施政方針演説の件。

全文は長いので官邸HPをリンクします。

適当な概要と雑感(短め)。

一 はじめに

  • 四月三十日の天皇陛下が御退位と皇太子殿下の翌五月一日に御即位について
  • 平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもあった。
  • 急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければならない。

平成は「日本人の底力と、人々の絆がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもあった」ということからも、戦後の問題が浮き彫りになったともいえます。新しい時代の為にも、総決算を行う必要があると思います。

二 全世代型社会保障への転換

(成長と分配の好循環)
  • この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えた。
  • 児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善した。
  • 平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少した。
  • 五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回った。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇。
経済指標は改善し、税収は過去最高となり、平成に低迷した経済状況も改善の兆しを見せつつある動きになっていることが分かると思います。


(教育無償化)
  • 十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化。
  • 今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備し、保育士の皆さんの更なる処遇改善を行い、自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進める。
  • 来年四月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現。
  • 児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げる。
教育のコストも重要なのは言うまでもありませんが、保育や教育の質の向上も必要で、無償化だけではなく、コストを払う価値のない教育機関の淘汰も必要と考えます。
児童虐待だけではないが、虐待行為は犯罪の要件を満たしていることから、犯罪行為については厳密に取り締まらないといけないし、これはいじめなども同様です。


(一億総活躍)
  • 女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業の件。
  • 経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援する。
  • パワハラ、セクハラの根絶に向け、全ての事業者にパワハラ防止を義務付ける。公益通報者保護に向けた取組を強化する。
  • 四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行。
  • 障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進める。
  • 生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保出来るよう計画を策定し、実行に移す。
  • この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。
働き方改革ともなりますが、働きやすい環境のためにも、パワハラやセクハラの根絶も関連しますが、何でもハラスメント化する輩もいることから、バランス感覚は大事で、息苦しい環境というのは働く環境としては害悪な存在でしかないです。長時間労働については、手当出せばいいという話でもなく、短期的負荷、中期的負荷の観点からも、ある程度のバランスは必要です。サービス残業強要は、行政処分も検討するべきです。
あとはいろんな人が活躍出来るような環境も大事だし、就労者を増やすためには、いろんな人材が必要となるし、ある程度の時限的措置なども必要とも言えます。


(全世代型社会保障)
  • 年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければならない。
  • 現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指す。
  • 二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備し、ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行う。
  • 認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減する。
  • 勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうもの。
  • 高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味ではなく、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提。
  • 六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減する。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保する。
  • 少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願いする。
  • 来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させる。
社会保障のためには受け皿もそうだし、ホントに必要な人に行き渡るための社会保障制度を目指すのと同時に、本来不要である人に対しての不正受給についても目を行き届かせるべきで、社会保障は無限となることから、根本的な是正が必要と思います。
統計関係は、点検することで発覚した問題であることから、政治の責任にすれば、不適切な統計が増えるだけです。
高齢者の格差の是正の観点からも、高齢者向けの対策も重要で、全世代型の社会保障を行うためには財源が必要であるのは事実だが、これに消費税率の引き上げが適切であるかは疑問を抱きます。
キャッシュレス決済は、外国人を含めると決済手段として必要で、一長一短の世界ではあるが、システム自体を整備する必要はある。

三 成長戦略

(デフレマインドの払拭)
  • 出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となった。
  • 設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていった。
  • 企業の設備投資は十四兆円増加し、二十年間で最高。
人材や設備投資の先細りにより、投資を怠ったツケが出てるか、今後出るかは不明。とはいえ、少しずつ改善はしつつあるが、経営者の意識改革が必要。

(第四次産業革命)
  • 人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしている。
  • 新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略とする。
  • 交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁する。
  • 電波は国民共有の財産。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行う。
  • 電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行う。
  • 膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要。国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国、欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築する。
  • 人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立てる。
  • AI戦略の柱は、教育システムの改革で、来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにする。
  • 新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革する。
イノベーション関係については、規制緩和も必要だし、効率化を考える上で必須な技術で、その上で、データを取り扱う上で透明性が高く、互恵的なルールが必要のため、米国・欧州と連携しながら信頼される自由で開かれた制度を構築する必要があります。データ化が進むのはいいが、制度がザルだったら、逆に悪用されるのがオチです。
AI関係も効率化の一つで、人手不足とか言われてる現代社会において、必要な技術で国家戦略として検討するべき分野であるともいえます。


(中小・小規模事業者)
  • バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんである。
  • 四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進める。
  • 後継者の確保も大きな課題。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大する。
  • TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小・小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンス。
日本経済の上で中小企業の比率は高いことから、日本経済の主役ともいえる存在で、日本で真面目に働きたいと思う人材の受け入れ自体は反対はしませんが、不正や犯罪が横行している現状からも、受け入れ側の意識改革が必要だと思います。人件費削減とかふざけた目的で雇用するのは、外国人に対して失礼ですし、基準に満たない人材を受け入れることも無責任ともいえます。経済を担う一員となれるかが大事だと思います。
あとは納期負担のしわ寄せや、取引慣行によって不毛な仕事を増やしてるのは事実だと思います。不毛な仕事は働き方改革の阻害要因でしかないです。
TPPやEUとの経済連携協定は、ビジネスチャンス拡大の機会ともなるし、協定のないところに対しては逆回転ともいえる話とも言えます。こういった協定はカントリーリスク軽減の手段の一つであることを認識することが、海外事業を行う上で一番必要なことだと思います。

四 地方創生

(農林水産新時代)
  • 素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引き渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じる。
  • 若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創る。
  • 農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高める。
  • 国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とする。
  • 水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を支援する。
若者が農林水産業に対して魅力を感じることが出来るように行政が支援することは大事だと思います。自然災害のリスクが大きい産業であることから、こういった事業については、行政からの支援は必要ですし、産業維持のためにも手段を選ぶだけの余裕はないところはあると思います。


(観光立国)
  • 昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗った。
  • 国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速。
これについては否定的です。数を増やすことも重要ではありますが、急激に増えたのもあるので、日本人の観光においても、リピーターの観点からも重要ですし、観光業が外国人観光客で成り立ってるわけではないです。特定の外国人観光客が増えることで、他の観光客が逃げるとかいうのもあるわけで、日本人を含めた全体的な観点で、観光業については現地の人の意見を聞く必要があると思います。
国際観光旅客税もどうかと思うし、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化も同様です。個人的には、外国観光するなら最低限の現地の言葉と英語を理解してから行くべきで、国債標準語も現地の言葉も理解しないで海外観光に行く資格はないと思います。表示の観点だと、翻訳関係のシステム化による対応で十分だと思います。


(地方創生)
  • 地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設する。
  • 東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上。
  • 若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押しする。
地方への移住はしたいが、仕事の量や相応の収入あたりのバランスが難しいだけの話です。仕事や収入がマトモだったら、誰が好き好んで東京にいるのかと思うし、首都圏で住む分で魅力に感じる部分って少ないのではないかと思います。


(国土強靱(じん)化)
  • 集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次いだ。
  • 七兆円を投じ、異次元の対策を講じる。
  • 全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組む。
  • 四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱なライフラインを整備する。
インフラは需要だし、不安定なインフラは論外とも言えます。防災・減災は大事だし、安全対策を怠ると、被害が拡大するだけの話です。


(東日本大震災からの復興)
  • 東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込み。
  • 原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻る。
  • 福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組む。
  • 来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しよう。
復興なくして日本再生はないし、全力で支援する気持ちは大事です。あとは被災地に追い打ちをかける連中を野放しにしてはいけないと思います。

五 戦後日本外交の総決算

(公正な経済ルールづくり)
  • 昨年末、TPPが発効し、来月には、欧州との経済連携協定も発効する。
  • いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルとなる。
  • 急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出している。
  • 昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードする。
  • 国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。
日本の関税は高くないし、重要なのは知的財産や透明性の高い公正なルールが重要です。言いたいのは、急激な変化に対する不安や不満ではなく、ルール無視して好き勝手する連中に対する警戒こそが保護主義?であったり対立を生み出してるわけで、ルール無視の無法地帯で対立がなくなることはないです。新しい時代の公正なルールこそが、対立をなくすためにホントに必要な枠組みともいえます。


(安全保障政策の再構築)
  • 平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行う。
  • 我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟。
  • 二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現する。
  • 自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他ならない。
  • テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となった。
  • これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能。
  • サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進める。
サイバー空間、宇宙空間においても、国際法は必要だし、今までと同じ枠組みだと機能はしないし、サイバー空間や宇宙空間を無法地帯としてはいけないです。


(地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ)
  • この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してきた。
  • 平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時である。
  • 昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した。
  • ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速する。
  • 北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動し、北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す。
  • インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げる。
総仕上げの言葉の通りですが、そのために何をやるべきかに尽きます。
日中関係についても、習近平と共有したとしても、今までの無法地帯で好き勝手出来てたことから、美味しい汁が吸えなくなることに中国が対抗しきれるかという話です。そのためには一時的な痛みが必要ですし、それを許容出来るかが鍵です。
ロシアについては、今の所は動きにくいが、米露関係の改善が一つの鍵となります。逆をいえば、これがなければ日露関係のさらなる構築は厳しいものになると思います。
北朝鮮については、「最も重要な拉致問題の解決」とある通り、日本で抱えている外交問題というのはこれだけだと思います。それくらい重要なんだけど、理解が進んでない部分もあるように見えるので悲しく思う部分はあります。私自身が金正恩委員長と直接向き合える状況を作ることは、日本だけの力では出来ないのも現実で、難しい部分はあります。安易な対応や変な窓口を介した対応だとややこしくなることだけは事実ですがww
今後の枠組みで重要なのは「自由で開かれたインド太平洋」だと思うし、うまくやってほしいところです。


(世界の中の日本外交)
  • 中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開する。
  • TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援する。
  • 世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられている。
  • 温室効果ガスの排出と温室効果ガスの排出プラスチックによる海洋汚染の件。
中東地域については、日本の立ち位置はメリットが大きいし、日本独自の視点で積極的な外交が一番期待出来る地域だと思います。アフリカも同様ですが、日本外交が果たすべき役割は、日本人が思っている以上に大きいと思います。

六 おわりに

  • 二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこう。
  • 憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待する。
憲法は国家の理想であって指針であるわけで、今は優先度は高くはありませんが、歴史の転換点を迎えた後に、この国の未来を示していくためにも必要な議論だと思います。国家の礎である以上、9条とかいう短絡的観点ではなく、今後を見据えたものになるように議論を重ねていく必要があると思います。


最後におまけww


首相演説で韓国が出たのは一箇所で、「米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携」と書かれてるだけです。最も相手にする価値はありませんし、安い挑発に乗ることも問題ですし、今は冷ややかに見守って欲しいと思います。反論は必要で相手の要求に応じる必要性は皆無ですが、追い詰める価値もないです、ハイ。問題なのは、国内にいる不法滞在者の類であって優先順位はこっちの方が上だと思いますがね。