先日、安倍首相の施政方針演説について取り上げてみましたが、是々非々な部分が強く、経済関係や観光関係については、賛否両論だったと思います。先日のエントリを紹介。

意外と重要なのは、自由で開かれた国際データ流通網の件と、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野におけるWTO改革で、「米国と欧州と共に」というところが重要で、ルール作りも重要ですが、ルール破りを常套手段とする連中については距離を置くということを、宣言しているともいえます。外交は相手もいるわけで、語られることも重要ですが、語られないことも重要です。


他にも興味があるのが、技術革新による効率化と、1億総活躍社会による雇用機会の拡大化によって、外国人に依存しない産業構造を作ることを目的としております。

時限措置も兼ねて、特別技能制度によって外国人労働者の受け入れ拡大も検討しておりますが、これは決して主従関係においては、主の関係にはなり得ない話です。復習も兼ねて、過去エントリを紹介します。

ここで在留カード偽造の件について触れておきます。
外国人違法就労に悪用…在留カード偽造拠点摘発 5千点押収 東京入管 - 産経ニュース

 在日外国人の身分証明書を偽造したとして、法務省東京入国管理局が、入管難民法違反容疑で偽造拠点とみられる埼玉県川口市内のワンルームマンションの一室を家宅捜索し、偽造された在留カードなど約5千点を押収したことが28日、分かった。東京入管は、室内にいた元留学生の中国人の男(27)を同法違反容疑で摘発し、入管施設に収容するとともに警視庁に刑事告発。偽造グループの関与があるとみて全容解明を急ぐ。

 東京入管によると、偽造拠点の摘発は全国2例目で、押収量は過去最大規模。捜索は1月11日夜に行われ、偽造の在留カードのほか角度で見え方が変わるホログラムシール、画像データが入ったノートパソコンなどを押収した。

 部屋にいた男は平成26年12月に留学生として来日。昨年5月から在留資格がなくなり、不法滞在となっていた。調べに対し、「昨年12月から千数百枚作った」と供述。会員制交流サイト(SNS)などで依頼を受けて日本各地に郵送し、「1枚当たり70元(約1100円)の報酬を受け取っていた」とも説明しているという。

 偽造されたカードは「一般の人は本物と思うレベル」(担当者)の精巧なつくりで、在留期限や就労制限がない「定住者」「永住者」のカードを多く偽造していたとみられる。押収品の中には年金手帳や健康保険証、マイナンバーカードを偽造する材料もあり、顧客には中国人だけでなくインドネシア人、ベトナム人もいたという。
記事を見ると、日本で働く外国人が増えるのに伴い、正規の在留資格を装う偽造在留カードなどの「ニーズ」も増しているようですが、このような連中を取り締まらないと、正規の滞在資格を持ってる人に対して迷惑をかける行為であることから、こういった取り締まりは必要ですし、そのためにも出入国在留管理庁への格上げは必須です。

【電子版】入国管理庁、来年4月発足へ 在留資格拡大で体制強化 | 政治・経済 ニュース | 日刊工業新聞 電子版

こちらの記事に「入国管理部門を法務省の内部部局から、公安調査庁のような外局とすることで、入管政策の企画立案機能を高め、他省庁と調整する司令塔機能も持たせる」とありますが、庁格上げによる権限拡大による情報共有が捗ることからも、今まで以上に入管対策が強化されることは確かだと思います。今回の一件についても、ある程度調べがついており、在留カード偽造拠点を潰すというのは、それなりに情報は出揃っており、大規模な拠点として、中国人の巣窟ともいえる川口に目をつけているというメッセージもあると思いますがね。

実質的に受け入れ体制の強化によるザルであった入管関係の見直しがメインともいえる入管法改正の本丸であったのは明白で、外国人労働者の受け入れ拡大のために、出入国在留管理庁を設置するのではなく、不法滞在者への取り締まりのために、出入国在留管理庁を設置するという関係にあるとも言えます。保険の不正関係もそうですが、国内の特別永住許可に対してのカードでもあるし、日韓関係がこじれてる現状からしても、日本側が今の特別永住許可の制度を見直すとしても、韓国側の抵抗もないでしょうし、支援するつもりも全くないし日本も応じる理由ですし、戦後のドサクサで居座ってる連中の締め出しにも使える状況ともいえます。


どうでもいい話ですが、こういった反応がありましたね(笑)

個別に言及する価値すらないという意味もありますし、別の意味としては、今の段階では言及を控えたほうがいいという意味もあったと思います。経済規模からみても、日本としてもいつでも切れる存在ですし、脅威を軽減するなら、軍事力以外と人の出入りくらいとなります。となれば、優先順位として高いのは北朝鮮の非核化になりますし、制裁を加えるのであれば、防衛産業の弱体化とビザ関係になると思います。日本の切れるカードとしては、防衛省関係だと安保理決議、徴用工関係だと国際司法裁判所への提訴、防衛産業関係、ビザ関係といったところになるんでしょうかね。

どっちにしても、来月末の米朝首脳会談待ちなのは事実で、それまでは動かないほうがいいのも事実で、今の段階でのレーダー照射事案を通じた韓国への制裁については、相手を利することになりますし、安い挑発に乗らないのが賢明です。旭日旗やレーダー照射の件も、今までは防衛関係ではある程度連携出来ていた防衛省を対象としており、世論も含めた形で分断をはかることが目的ですので、今は動く時期ではないのは明白です。防衛省の暴発であれば、軍部ガーみたいなものも思惑にあるでしょうしね。そういう意味でも、岩屋防衛相は相手のやり方を熟知していることから、上手く立ち回ってると思います。


続いてはこちらの話題。
ファーウェイ関連会社 他社情報入手にボーナス支給か | NHKニュース

アメリカの司法当局は中国の通信機器大手、ファーウェイの副会長と法人としてのファーウェイなどを詐欺や企業秘密を盗んだ罪で起訴しました。司法当局は、他社から情報を盗み出した社員に特別ボーナスを支給するなど、ファーウェイが組織的に企業秘密を盗み出そうとしていたとみて実態の解明を進めています。

アメリカ司法省は28日、ファーウェイの孟晩舟副会長と法人としてのファーウェイなどを詐欺の罪で起訴するとともに、関連会社2社を他社の企業秘密を盗んだ罪で起訴したと発表しました。

起訴状によりますと、このうちファーウェイの関連会社2社は、アメリカの携帯電話大手、Tモバイルが開発したスマートフォンのテストに使うロボットの写真を許可無く撮影したり、研究室から無断で部品を持ち出したりしたということです。

また関連会社では、競合する他社の機密情報を入手するために、社員どうしを競わせ、毎月、最も貴重な情報を盗み出すことに成功した社員には特別ボーナスが支給されていたと指摘しています。

FBI=連邦捜査局のレイ長官は「ファーウェイは、意図的にアメリカ企業の知的財産を盗もうとしていた」とコメントしていて、アメリカの司法当局はファーウェイが組織的に企業秘密を盗み出そうとしていたとみて実態の解明を進めています。
ファーウェイの件ですが、競合他社の機密情報を盗み出すことに成功した社員には特別ボーナスといった競争が行われたようです。ファーウェイが江沢民派で江沢民ファミリーや曽慶紅ファミリーの資金洗浄なども負ってきたホワイトグローブ企業のようだし、習近平としては、むしろ米国を利用してファーウェイをいったんつぶし再建する過程で、ファーウェイが牛耳る通信利権を江沢民・曽慶紅派から奪うつもりのように見られてます。

てなわけで、ファーウェイの案件については、習近平としても利害関係が一致していることから、表立って動いていないようには見えるんだよね。となれば、ヒラリー界隈との関わりも気になりますが、知的財産を意図的に盗もうとしているのであれば、アメリカとしても相応の対応が必要になるとも言えます。


最後にこちらの記事を紹介して締めとします。

中国の構造を見れば、このような事情は明白でありますし、一番脅威なのは内乱ともいえます。暴動も年で数十万単位ですし、人民解放軍も暴動制圧のために強化しないといけませんので、そういう意味では外に目を向けて目をそらしたいのと同時に騒がれたくない事案ともいえます。中国の軍事的な脅威ともなりますが、人を何とも思ってないことは否定はしませんが、多くの人口を抱えてるというのが、中国最大の弱点です。とはいえ、偽装移民で数で圧倒は出来ますので、人民解放軍の本隊が移民ともいえる原因ともいえます。

国内の産業構造が脆弱であることからも、米中貿易戦争かは知りませんが、軍事も経済も一緒ですが、国内を安定しないといけない事情からも、アメリカの要求を飲まないと先はないが、飲んでしまっても先はないという八方塞がりの状況にあると言えます。習近平の判断に委ねられてますが、乗り切るにも相応の覚悟が必要ですし、今までの路線を転換しない限りは、未来はないとは思っていますし、安倍首相の言う「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」という話も、国際スタンダードの下でいれるかが問われることになると思います。