アメリカのモリカケ問題も収束に向かうようで、いろいろと動き出しそうな予感です。勢力図を書き換えるために、どこを残し、どこを潰すかの選別が重要となりますが、相手の対応もありますので、基本線としては、黒子に徹しながら茶碗を並び替えていく感じになるとは思いますが、どっかのタイミングで臨界点に達するとは思っています。どっちにしても、ハードランディングは避けられないだろうし、どの範囲に留めるかが問われてくると思われます。

ロシアゲートとかいう米版モリカケ問題について

ロシア疑惑、共謀「立証できず」 米司法長官が概要公表 (写真=ロイター) :日本経済新聞

【ワシントン=中村亮】バー米司法長官は24日、2016年の米大統領選にロシアが介入した疑惑について捜査結果の概要を公表した。トランプ大統領の選挙陣営がロシアと共謀した疑惑を裏づける証拠は見つからなかった。トランプ氏が疑惑捜査を妨害した疑いについては、捜査を仕切ったモラー特別検察官が認定の判断を避け、バー氏が「証拠不十分」と結論づけた。

バー司法長官は24日、上下両院の司法委員会トップに書簡を送って捜査結果を報告した。モラー氏は17年5月にロシア疑惑の捜査を始め、今月22日にバー氏に捜査の最終報告書を提出していた。バー氏の書簡はモラー氏の捜査報告書の概要にあたる。

バー氏の書簡によると、モラー氏は最終報告書で「トランプ大統領の選挙陣営とロシア政府が共謀したり、協力したりしたとは立証していない」と説明した。ロシアの政府系組織が偽ニュースを広めて選挙介入をしたり、ロシアとつながる人物がトランプ氏の大統領当選の支援を申し出たりしたと指摘した。しかし、トランプ陣営との協力関係を裏づける証拠はないと結論づけた。(略)

書簡の全文は以下となります。


ロシアゲートについては日本のモリカケ問題と同じ匂いが漂ってたし、証拠もなく騒いでたわけでありまして、悪魔の証明を求めてたという共通点があります。事実のないことに証拠はありませんので、無罪の証明も出来ないという構図ですしね。偽ニュースを流して外国の選挙に不当介入するというのは、日本も結構やられてるわけですし、例えば去年の沖縄県知事選で中国などの介入の可能性はあり得ない話ではないが、これを玉城陣営と中国共産党が共謀したり、協力関係にあったという裏付ける証拠はないという話と似たような部分があります(苦笑)

司法妨害についても、相手側にとって都合のいいように進まないので司法妨害とかいった感じでしょうし、日本で言えば、モリカケ問題で司法が動かなかったのは、司法が安倍首相に忖度したニダみたいな感じで置き換えてもいいでしょうwwこれは左右問わずに自分の都合のいい真実しか見えないといった性質があるので、それに背いてる場合は、何らかの陰謀が働いてるとでも何とでも言えますしねwww

それはさておき、ロシアゲートについては一段落をつけることによって、動きやすくなる部分はあるように思います。こういった話もあるようなので、クリントンやオバマなどの民主党界隈が動きそうな気がしないでもないです。

ここでトランプ大統領について簡単に言えば、アメリカ・ファーストの通り、経済的なナショナリストであって、基本は経済で動いてる人物ともいえます。これは参謀とされる人も一緒なんだけど、経済的に非効率な選択は原則取らないということに尽きます。ここから今後の動きを読み解く必要があります。となれば、軍事オプションの行使よりは、経済・金融で動くでしょうし、ここを中心に勢力図を置き換える戦術を取ることになると思われます。これは今までのアメリカの所謂公共事業のアンチテーゼで動くとは思いますが、軍事オプションを行使した方が効率的と判断すれば、その選択肢も現実味を帯びることになると思われます。アメリカの動きで現在置かれている状況を可視化することになることを意味しますし、今後のシナリオがどのように動くかは読めないです。

ブレグジットについて

ブレグジットで「崩壊する」のは、結局EUのほうである(大原 浩) | マネー現代 | 講談社(1/3)

「ブレグジット」が3月末を控えて、話題になっている。しかし、例え無秩序であっても、英国にとってEUから「脱出」するのは大きなプラスである。

もちろん、無秩序離脱が短期的に英国に与えるダメージがそれなりのものであることは否定しないが、氷山にぶつかり沈みゆくタイタニック号から救命ボートに飛び乗るときに生じる打撲や切り傷のことを心配するだろうか?

表面的には、体制を維持しているように見えるEUの内情はぼろぼろであり、すでに浸水が始まっている。

実のところ、ドイツやフランスをはじめとするEU主要国の政治家たちはそのことをよくわかっている。だから、英国をEUにつなぎとめることに必死なのである。

英国は対EUでは大幅な貿易赤字国であり、他のほとんどのEU加盟国は英国との貿易で黒字を稼いでいるのだ。

だから、混迷を極める英国の状況にも関わらず、EU首脳は英国と辛抱強い交渉を続けている。英国という金の卵を産む鶏を失いたくないのだ。つまり、ブレグジットを恐れているのはEUの方である。

確かに、英国議会やメイ首相の言動を見ていると、かなり混乱しており、ブレグジット後を心配する人々が多いのも、ある意味仕方が無い。しかし、長期的にはその懸念が無いことは、10月15日の当サイト記事「ブレグジッドは大正解 英国よ沈みゆくEUからいち早く脱出せよ!」を参照いただきたい。

短期的な混乱を乗り超えれば、英国には長期的に明るい未来が待っている。例えば、欧州の優等生スイスがEU「非加盟国」であることは忘れられがちだ。ノルウェーも非加盟だが経済は好調である。

前出記事に書いたように、そもそも、英国はEUに加盟すべきでは無かったのだ。

英国が統一通貨ユーロに参加しなかったことは、本当に不幸中の幸いだ。もし、英国がブレグジットの際にユーロから脱退しなければならなかったとしたら、混乱ははるかに大きかっただろう……。

もちろん、米国、日本もEU非加盟国である。ブレグジットが実行されれば、TPP11にも加盟することができる。

米国と英国がともにTPP11に加盟すれば、世界のGDPの40%を超える巨大な経済圏になることは、当サイト3月14日の記事「TPP11の中心国・日本は世界再編のキャスティングボードを握るか」を参照いただきたい。(略)
この記事の通りですが、「例え無秩序でもEUから離脱したほうが良い」というのは事実で、EUに留まるのが愚策で、統一通貨のユーロに参加しなかったのは、イギリスの狡猾な部分ともいえます。ユーロに参加しなかったことで、離脱することによるダメージをEU側に与えることになるし、相対的にはマシな選択肢であるということです。

EUの内情はぼろぼろですし、イギリスをEUに留めるために脅迫まがいなことをしてるのと、同調者が出ないようにそうせざるを得ないだけの話でしかないです。EUにこの事態を解消出来る指導者はいないです。ユンケル欧州委員長は有能ですが、任期は今年の10月までで、後任として誰がいるかは不明です。

あくまでイギリスにとって重要なのは時間だけの話であって、時間を作って外堀を作るか、出来るだけ早くブレグジットに移したいかの二択で、メイ首相は2020年という時間を作る選択をしたわけで、これが反発するのであれば、来月のハードブレグジットの道に突き進むことを意味します。

米国と英国のTPP11については、アメリカとしても抜け穴のNAFTAの問題を解決したことでTPP11の加盟はそれなりにメリットはあるし、個別交渉するよりは手っ取り早い仕組みなだけに、ブレグジットを選択しても、十分ペイできるわけですね。これがメイ首相の狙いだったように思ってるけどね。短期的混乱は生じるけど、長期的に見れば、ブレグジットのメリットは大きいし、EUの柵から開放されるということは、メリットも大きいことも事実だと思います。

EUについても、中国がイタリアを介して切り崩しにかかってるし、欧州の玄関のイタリアの思うところもあったわけで、ブレグジットも伊中の接近も、理由については一緒だと思いますがね。

そして、トリガーを引く条件としてこんな動きがあります。
11年半ぶり逆イールド発生で強まる景気後退懸念 過去には…?(1/2ページ) - 産経ニュース

 東京株式市場が25日急落したのは米債券市場で長期金利の指標となる米国債10年物の利回りが3カ月物を11年半ぶりに下回る長短金利の逆転現象「逆イールド」が起きたことがきっかけだ。歴史的に景気後退の予兆とされ、過去30年で3回あった後退局面でいずれも発生した。世界経済の先行き不安が強まり市場関係者の混乱に拍車がかかっている。(田辺裕晶)

 金利は一般的に貸し出しから返済までの期間が長いほど貸し倒れリスクが大きくなるため、高くなる。これに対し、短期金利が長期より高くなり、長短期の金利をつないで描く利回り曲線(イールドカーブ)が通常と比べ逆転する「異常事態」を逆イールドという。

 原理はこうだ。好景気が終盤に差し掛かると中央銀行は過熱感が出るのを防ぐため短期の金利を引き上げようとする。ただ、投資家は将来の景気後退に伴う金融緩和を見込んで償還期間の長い国債を買うため長期の金利が低下(価格は上昇)し、短期が長期を上回ることがある。

 22日の米債券市場では、2007年8月以来の逆イールドが発生。実は昨年12月3日にも米国債5年物と2年物の金利逆転が起きているが、今回は伝統的に長期金利の指標となる10年物の利回りが3カ月物を下回ったため、市場関係者の動揺を招いた。
逆イールドは短期金利と長期金利の関係を示した事象ですが、「短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右下がりの曲線となっている状態」を示しており、景気後退の兆候とされてる事象です。2007年といえば、リーマンショックの前年で、この曲線が示す事実というのは、リーマンショック級の条件を示すことを意味します。兆候そのものは2007年の地点で見えていたわけですしね。

勢力図を置き換えるための条件が整ったことを意味してるし、震源地としてEUになる可能性は高いし、そのトリガーを誰がどのようにして引くかといった話になってるともいえます。ブレグジットとも無関係とは言い切れないし、経済から見ても有事に近い状況にあると思っております。経済的有事においても、今までとは違う動きになる可能性はあるし、安倍政権はその準備に備えてるとも言える動きであると思っています。