ニセコの土地取引とタックスヘイブン
連休前で暑さで体力も消耗してるので、今日は簡潔に・・・。
こちらの記事も紹介します。
H.30
外国資本による森林買収に関する調査の結果について:林野庁
H.29
外国資本による森林買収に関する調査の結果について:林野庁
H28以前
外国資本による森林買収に関する調査:林野庁
林野庁で確認された事例となりますが、これらの多くがタックスヘイブンからの買収が行われた事例とも言えます。他にも太陽光とかいう名目の買収など、外国人による土地買収が行われております。こちらの記事も参考になるかと思います。
上記の記事によると外国資本に買収された森林面積は以下となっております。
これらを見ると、外国企業や個人の投資や租税回避に利用されてることが分かるかと思いますが、問題なのは利用目的が不明という項目につきます。ある意味、事業用土地が分かりやすいのですが、不透明な取引が多く、徴税が追いついていないのが現状ともいえるかと思います。
上記の内容は林野庁の資料をベースとしておりますが、当然それ以外の土地についても不透明な取引があるのは事実でしょう。これらの内容を踏まえて考慮する必要がありますが、傾向については林野庁の資料に近いものが出てくると思われます。
タックス・ヘイヴン - Wikipedia
ちなみにタックスヘイブン税制については以下の通り。
タックスヘイヴン対策税制 - Wikipedia
以下の記事も紹介します。
仕組みについては以下をようになります。
ちなみに、タックスヘイブンとして有名なのは、イギリス領のケイマン諸島、パナマ文書で話題になったパナマ諸島、シンガポールや香港などが挙げられます。主にヨーロッパの小国やイギリス周辺の島々、カリブ海、東アジアに多く存在しております。
恐らく、外国資本によるタックスヘイブンを利用した土地取引による租税回避も踏まえた不動産投資というのが、これらの取引の実態と思われます。そういった意味では、この手の投資にメリットがあるから行ってるのもありますし、逆を言えば、課税をきちんとすれば、タックスヘイブンを利用した不動産投資が減ることを意味するし、無国籍企業からの租税回避については、こないだのG20でも議論は行われております。
デジタル課税がメインともいえますが、この中に「タックスヘイブン」対策も含まれております。上の記事になりますが、タックスヘイブンを利用した節税策によって、1年間に26兆円の課税機会が損なわれているという試算もあるようです。
ニセコの土地取引の件
ニセコの土地取引、30億円申告漏れ 外国業者らに指摘:朝日新聞デジタル所謂外国人の土地取引問題となります。不動産取引をめぐり、申告漏れの指摘があり、申告や納税はすましたようですが、こういった取引のほどんどが、タックスヘイブンを利用した取引となります。
北海道・ニセコ地区の不動産取引をめぐり、国内外の不動産会社や外国人投資家らが、札幌国税局から総額約30億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。別荘用地の売買で利益を得たのに税務申告していない事例などへの指摘が約10件相次いだという。追徴課税は計6億数千万円で、いずれも期限後申告や納税を済ませたとみられる。
ニセコ地区はパウダースノーが楽しめるスキーリゾート地として世界的に注目され、地価が高騰。十数年前から豪州やアジア各国の外国資本による土地取引も活発化している。日本に住んでいない人や外国会社は基本的に日本の所得税や法人税がかからないが、日本の不動産を取引して得た利益などには課税される。
関係者によると、札幌と東京の両国税局は、各国の会社の登記や不動産業者からの情報、インターネット情報などから取引に関わった会社を特定。香港やサモア、英領バージン諸島などの5社に約15億円の法人税の申告漏れを指摘した。
こちらの記事も紹介します。
地方バブル、不透明売買 外資流入、路線価上昇率が4年連続首位のニセコ(1/3ページ) - 産経ニュースこちらの記事がタックスヘイブンに拠点を置く企業や個人が、不透明な不動産取引が行っており、ペーパーカンパニーの売買ということもあって、取引の実態を捉えることが難しいようです。町としては対応出来なかったが、パナマ文書問題などを通じて、タックスヘイブン対策の制度整備が整ってきたから、取引に関わった会社を特定して、申告漏れを指摘したといった感じになると思われます。
4年連続で路線価の上昇率が全国1位となったのは、世界的スキーリゾートとして外国資本で活況を呈す北海道ニセコ地区の道道ニセコ高原比羅夫線通り(倶知安町)。路線価が5年で7倍に跳ね上がった「ローカルバブル」(不動産鑑定士)の現場を歩くと、タックスヘイブン(租税回避地)に拠点を置く企業が多くの物件を所有し、不透明な不動産取引が行われている実態も浮かび上がった。(大竹直樹)
(中略)
地元の不動産関係者によると、所有者にはタックスヘイブンの実体のないペーパーカンパニーとみられる企業が多いという。「不動産を所有するペーパーカンパニー自体を売買するので登記簿上は不動産の取引が分からない」と明かす。
同町の調べでは、タックスヘイブンに拠点があるのは28年度で82社に上り、うち74社が英領バージン諸島に拠点を置いていた。ただ、こうした所有者がペーパーカンパニーかどうかは町としては把握できないという。
20年には同町で中国資本に57ヘクタールの土地が買収されていたことが判明。うち32ヘクタールが水源機能を持つ保安林だった。外資による土地取得に警戒感が広がる中、町では不動産取得税や固定資産税を徴収するために登記を確認し、約10年前から海外の所有者にも納税通知書を国際郵便で送付している。
林野庁の資料について
上記の記事に中国資本による土地の買収の件がありましたので、林野庁の外国資本による森林買収の事例について紹介します。H.30
外国資本による森林買収に関する調査の結果について:林野庁
H.29
外国資本による森林買収に関する調査の結果について:林野庁
H28以前
外国資本による森林買収に関する調査:林野庁
林野庁で確認された事例となりますが、これらの多くがタックスヘイブンからの買収が行われた事例とも言えます。他にも太陽光とかいう名目の買収など、外国人による土地買収が行われております。こちらの記事も参考になるかと思います。
上記の記事によると外国資本に買収された森林面積は以下となっております。
これらを見ると、外国企業や個人の投資や租税回避に利用されてることが分かるかと思いますが、問題なのは利用目的が不明という項目につきます。ある意味、事業用土地が分かりやすいのですが、不透明な取引が多く、徴税が追いついていないのが現状ともいえるかと思います。
上記の内容は林野庁の資料をベースとしておりますが、当然それ以外の土地についても不透明な取引があるのは事実でしょう。これらの内容を踏まえて考慮する必要がありますが、傾向については林野庁の資料に近いものが出てくると思われます。
タックスヘイブンのについて
タックスヘイブンについては、Wikipediaを紹介。タックス・ヘイヴン - Wikipedia
ちなみにタックスヘイブン税制については以下の通り。
タックスヘイヴン対策税制 - Wikipedia
以下の記事も紹介します。
仕組みについては以下をようになります。
ちなみに、タックスヘイブンとして有名なのは、イギリス領のケイマン諸島、パナマ文書で話題になったパナマ諸島、シンガポールや香港などが挙げられます。主にヨーロッパの小国やイギリス周辺の島々、カリブ海、東アジアに多く存在しております。
恐らく、外国資本によるタックスヘイブンを利用した土地取引による租税回避も踏まえた不動産投資というのが、これらの取引の実態と思われます。そういった意味では、この手の投資にメリットがあるから行ってるのもありますし、逆を言えば、課税をきちんとすれば、タックスヘイブンを利用した不動産投資が減ることを意味するし、無国籍企業からの租税回避については、こないだのG20でも議論は行われております。
デジタル課税がメインともいえますが、この中に「タックスヘイブン」対策も含まれております。上の記事になりますが、タックスヘイブンを利用した節税策によって、1年間に26兆円の課税機会が損なわれているという試算もあるようです。
国際的な租税回避も問題視される。プラットフォーマーは各国に物理的な拠点がなくても国境を越えて消費者と取引し、その利益はタックスヘイブン(租税回避地)に留保する。課税の根拠がない各国の政府は、自国で稼いだ企業から徴収できず、いらだちを募らせている。世界の法人税収入は多国籍企業の節税策により、1年間に最大2400億ドル(約26兆円)失われているとの試算もある。ここらへんも外国人による土地取引においても鍵となってくると思います。ちゃんと課税が出来れば、外国人のあやしげな不動産も減ると思いますし、適切な法や課税制度こそが、不透明な取引を減らすために有効な方法であるともいえます。