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香港自治法について


【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日、香港の自治侵害に関与した中国を含む金融機関への制裁を可能にする香港自治法に署名し、成立させた。中国による香港国家安全維持法の施行に対抗する。貿易などに関し、香港に与えた優遇措置を廃止する大統領令にも署名した。中国との対立が一段と強まる。

香港自治法の成立を受け、トランプ政権は香港の自治の侵害に関わった中国や香港当局者と取引をする金融機関に制裁を科せるようになる。制裁対象に指定すれば中国の金融機関のドル取引を禁じることも可能だ。だが、こうした制裁は世界経済を揺るがしかねない。米政権が実際に発動するかが今後の焦点になる。

香港への優遇措置を巡り、トランプ氏は「香港は中国本土と同じように扱われるようになる」と強調した。ホワイトハウスによると、これまで緩くしていた軍民両用技術の輸出制限を中国本土と同等とする。香港のパスポート保有者向けの優遇措置を廃止し、香港の民主主義の衰退に関与した個人が米国に保有する資産も凍結する。

米国は1997年に香港が英国から返還されてから、「高度な自治」を前提に中国本土とは異なる経済面などでの優遇措置を講じてきた。措置はヒト・モノ・カネの動きを活発にする土台の役割を担ってきた面がある。廃止は香港の経済や香港でビジネスをする米企業に打撃を与えそうだ。

トランプ氏は14日の記者会見で、11月の大統領選で野党・民主党の候補指名を固めたバイデン前副大統領への批判を強めた。対中貿易赤字を放置して中国経済に貢献し、米雇用に打撃を与えたと主張した。「バイデン氏の経歴は中国共産党にとって願ってもないものだ」と指摘し、対中強硬姿勢を演出する自身と対比してみせた。

まずは過去記事を紹介します。前提となる部分の紹介。


香港の自治侵害に関与した中国を含む金融機関への制裁を可能にする香港自治法と、貿易などに関し、香港に与えた優遇措置を廃止する大統領令にも署名しました。「香港は中国本土と同じように扱われるようになる」と名言したようですね。軍民両用技術の輸出制限を中国本土と同等、香港のパスポート保有者向けの優遇措置を廃止といった形で、今回の措置が香港に向かってることだけは明白だと思います。

今までの措置はヒト・モノ・カネの動きを活発にする土台の役割を担ってきた面もあることから、これが中国本土と同じように扱われるようになるとなれば、香港を迂回したヒト・モノ・カネの土台そのものがなくなることから、実質的に香港を利用したタックスヘイブンや資金洗浄の場所として使われなくなります。これが意味するものは、中国本土の人間が香港を迂回して資産逃避を行うことが難しくなることを意味するのと同時に、香港を迂回して入ってくる中国本土への資金も止まることを意味します。現状はドルペッグは維持するみたいですが、これもどっかのタイミングでなくなっていくわけで、ドルペッグがなければ、香港の金融センターとしての存在も喪失することを意味します。

あとこちらも紹介します。
上記記事のポイントを紹介。
香港自治法に盛り込まれた米当局の経済制裁は2段階ある。米国務省は90日以内に、香港の自由や自治を侵害した個人や団体を特定し、ドル資産の凍結などの制裁の可否を検討する。米共和党は制裁対象として、中国共産党・最高指導部の韓正副首相(香港担当)らを視野に入れる。

2次制裁として、その個人や団体と取引がある金融機関も対象となる。香港自治法は具体的な制裁手法を挙げており(1)米銀による融資の禁止(2)外貨取引の禁止(3)貿易決済の禁止(4)米国内の資産凍結(5)米国からの投融資の制限(6)米国からの物品輸出の制限――など8項目が決まった。
制裁対象に「韓正副首相」を紹介します。


韓正は江沢民の腹心なわけで、明らかに制裁の対象が限られてるんだよねwww今後の動向にも注目したいが、次の争点はドルペッグになるかもしれませんね。

ファーウェイ関係

中国5社からの米政府機関調達規制、トランプ政権が正式導入へ - ロイター

[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米政権は今週、米政府が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]など中国5社の製品を使った企業のモノやサービスを発注することを禁止する規制を完成させる予定だ。米当局者が明らかにした。

対象企業はファーウェイのほか、同業の中興通訊(ZTE)(000063.SZ)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)(002415.SZ)、同業の浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)(002236.SZ)、無線通信機器の海能達通信(ハイテラ)(002583.SZ)の5社。日々の業務で5社の機器やサービスを使っている企業は、免除を認められない限り政府と取り引きすることができなくなる。

米行政管理予算局(OMB)のボート局長代行はロイターに宛てた声明で「中国などの敵国がわれわれのシステムに潜入しようとすることで米国が直面する危険は大きい」と指摘。「トランプ政権は連邦政府の調達に関して禁止令を完全に導入することで、ファーウェイなどの不正な企業から政府を守っている」とした。

連邦調達規則評議会(FARC)による規則は8月13日に発効する。

これまでは規制の導入と施行に関して政府の請負業者にどのように適用されるのかが不明瞭だったが、政権は規制の導入を先送りしない姿勢と、企業が免除されにくいことを明確にした。

現在の契約に影響があるかは不確かである一方、今後の契約は複雑になりそうだ。

例えば、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、4月に検温カメラを浙江大華技術から1500台購入した。

アマゾンのクラウド部門は米機密情報の分野で主要な請負業者だ。米国防総省の最大100億ドル規模のクラウド・コンピューティング契約を巡り米IT大手マイクロソフト(MSFT.O)と争っている。

当局者によると、米政権は各機関に対し、企業を免除する前に国家安全保障に関する分析を実施することを要請する。法律で米議会は明示していなかった。ファーウェイなど対象中国企業からの調達を禁じるだけでなく、それらの影響力を排除する狙いがあるという。当局者は、米政府と取引するか、中国企業と取引するかを選ぶことになると指摘した。
関連記事は以下となります。



米政府は、国防授権法の第889条に基づき、米政府機関「米国国防総省(DoD)、連邦調達庁(GSA)、航空宇宙局(NASA)」がファーウェイなど指定企業の製品などを利用している企業と契約を行うことを禁止することが決定したようです。当初の予定通り、8月13日に発効で、華為技術(ファーウェイ)、ZTE、ハイテラ、ハイクビジョン、ダーファの5社が該当することになります。

内容としては、通信機器・システム・サービスをいかなるシステムの主要または不可欠な要素、もしくは重要技術として利用する企業と直接契約もしくは、契約の延長・更新を行うことが禁止されるため、これらの企業とか関わってる場合は、米政府機関との取引が出来なくなることになります。

今後の契約においては、政府機関に対して国家安全保障に関する分析を実施を要請し、対象中国企業からの調達だけではなく影響力をなくす狙いとなりますが、こういった問題も出てきますね。
連邦契約業者にとってもう1つ問題なのは、ブラックリストに載っている企業がそれぞれの分野における世界的なリーダーであり、代わりを見つけるのが困難なことだ。例えばHuaweiとZTEは世界最大の通信機器メーカーの2社であり、DahuaとHikvisionは監視機器とカメラの2大メーカー、Hyteraは双方向無線の市場リーダーだ。
ある意味、米政府と取引するか、中国企業と取引するかを選ぶことになるわけですが、ドルも絡んだ話になるので、ある程度はアメリカの思惑通りには進むとは思います。

日本の動きについては以下の記事を紹介します。

次世代の通信規格5Gをめぐり、菅官房長官は、日本政府としては国内の通信網整備で特定の国や企業の機器の排除は求めていないものの、十分なサイバーセキュリティ対策を講じるよう求めていると説明しました。

次世代の通信規格5Gをめぐっては、アメリカのポンペイオ国務長官が同盟国に中国の通信機器大手ファーウェイの排除を呼びかけていて、イギリス政府が部分的な使用を認めるとしていたこれまでの方針を転換し、2027年までに排除することを明らかにしています。

こうした動きについて菅官房長官は午後の記者会見で、他国の政府方針にコメントは差し控えるとしたうえで「関連の動向は、常に注視していきたい。また、5Gの機器の調達先について、日本政府としては、特定の国や企業の機器の排除を求めているものではない」と述べました。

そのうえで、国内の5G通信網の整備について「携帯電話事業者への周波数割り当てや、導入主体への免許にあたり、サプライチェーンリスク対策を含む十分なサイバーセキュリティ対策を講じることを条件としている」と述べ、5Gの本格的な普及に向け事業者などには十分な対策を講じるよう求めていると説明しました。
実質的にファーウェイ排除ではありますが、特定の国や企業の機器の排除は求めていないが、「サプライチェーンリスク対策を含む十分なサイバーセキュリティ対策を講じることを条件」という遠回しな言い方で、実質的に対策を要請しているわけですね。実質的に総務省は許可しないと言ってるのと一緒なんだけどね。これ・・・。

あとはこちらの記事も。
この辺は5Gというより、6Gを視野に入れてるかもしれません。現状だと中国と北欧の大手がシェア8割を占める基地局市場ですが、ファーウェイを排除することで、日本企業にも多少のチャンスもといった狙いになるとは思います。恐らく、ローカル5Gであれば、ある程度の需要があるような気がします。携帯の5Gについては特性もあるので、エリア拡大は時間がかかりますし、当面は4Gが主力になると思いますし、5Gの普及は3G→4Gよりも遅くなるので、その点ではチャンスはあるかもといったところになると思います。

「Go To キャンペーン」について


[東京 15日 ロイター] - 西村康稔経済再生相は15日午後の記者会見で、22日に開始予定とされている観光支援策「GoToキャンペーン」について、どのような形で進めるかは明日の分科会で専門家が分析し、国交省で判断した上で適切に対応するとの認識を示した。

GoToキャンペーンを巡っては、東京都を中心に新型コロナの新規感染者が増加している中での実施について、地方自治体から疑問の声も挙がっている。東京から地方へ感染が広まり、地方の医療提供体制が逼迫するリスクについて、西村再生相は「地方の医療提供体制は逼迫している状況にないと確認している」と指摘。

キャンペーンの実施にあたっては「宿泊施設の事業者や利用者に感染防止策を講じてもらい、経済社会活動の両立を図っていきたい」とも述べた。

東京都の小池百合子知事は同日、東京の感染状況について、専門家などの分析を踏まえた結果、4段階ある警戒のレベルのうち、最も深刻なレベルに現状の判断を引き上げた。西村再生相は「東京の感染状況については危機感を(都と)共有している」と説明。高齢者の新規感染者数や、重症者の受け入れ体制を注視したいと述べた。
7/22開始予定となっている「Go To キャンペーン」の件です。最近は新規感染者が増加しているのもあって、地方自治体からも疑問の声があがっております。


一個人としては三密回避、三密環境でのマスク着用、手洗いの徹底は重要ですし、出来る限りクラスター発生要因となった場所は控えることは当然として、受け入れ側にも一定のガイドラインを守るといった制約を守りながら、出来る限り経済を動かしていくしかないというのが現状だと思ってます。全国で3~4000人の患者で、そのほとんどが無症状か軽症者の状況で、「Go To キャンペーン」をやめる理由はないし、キャンペーンに参加するのも参加しないのも個人の自由でしかないと思いますね。

以下の記事を紹介します。
新型コロナで一番打撃を受けてるのは観光産業ともいえるし、早急な手当が必要でもあり、単純にGo To トラベルも旅行業者だけではなく、影響範囲は限りなく大きいです。その点からも、夏休み時期(7/22からなのは4連休も考慮)から開始したいと思うのは関連業界としても要望は強かったというか死活問題だったともいえます。

元々この時期は高い時期ですので、35%引きといっても割安感はないし、変な制約があり暑いのもあってどの程度の需要があるかは不明ですが、需要の有無と業界へのメッセージという意味から考えると、現状においてやめる必要があるようには思えないんだけどね。

明日の分科会で専門家が分析し、国交省がどのように判断するか分かりませんが、業界の空気を冷やすのも問題ですし、これ以上経済を止めてしまうと、日本経済への影響も大きくなることからも、新しい生活様式などを受け入れつつ、社会や経済を回す道しかないと思いますし、ゼロリスクという非現実的なことを求めても害悪でしかないとは思います。