米朝首脳会談から一夜が明けて、いろいろと錯綜しているようですね。見立てについてはいろいろとありますが、制裁維持で非核化を国際公約として文書として残した。それだけの話です。日韓合意と性質は似ており(脚本家は同じ??)、守らない事を前提としての合意なので、場合によっては軍事オプションの正当性を担保することを想定しての合意とも言えます。トランプも結構適当な事を言ってるし、あの場にいた黒電話も余裕はなかったと思いますよ。
メディアの反応などを見れば分かりやすいのですが、今回の会談は結構効いたと見ていいでしょうね。


まずはこちら。リンクのみ。

【検証6・12(上)】突然の「演習中止」発言に衝撃 真意めぐり米政界、国防関係者が騒然 日韓も当惑(1/3ページ) - 産経ニュース

米韓の合同軍事演習については、別の意味があると思います。余命さんから。

68 韓国よさらば – 余命三年時事日記

米国は韓国に対し、過去、現在、将来の各種分析を行った結果、同盟国としては不適格との結論に達した。よって経済的には,スワップの延長停止をはじめとして積極的に関わる援助等は行わないことを決めた。軍事に関しては、最先端軍事技術の供与停止をはじめとして、軍事訓練等もそれを考慮して対応する。
第一次安倍政権時の日米安保で極秘交渉の内容ですが、軍事訓練の中止についても、同盟国としては不適格という判断からの内容と思いますね。実際に軍事オプションを行使する場合は、米韓共同での動きは危険極まりないし、韓国切り捨ての動きが進んだというのが、米朝首脳会談の狙いともいえます。だからこそ、中韓が関われないような形で開催したわけですしね。そして防衛ラインについてはどこでもいいしね。


あと非核化のコストについては以下の記事の通りです。
菅氏「非核化コスト支援、IAEA活動時に」検証が前提:朝日新聞デジタル

 米朝首脳会談後、トランプ米大統領が北朝鮮の非核化の費用を日韓両政府に負担させる考えを表明したことについて、菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、「非核化が進み、IAEA(国際原子力機関)が検証活動を再開する際は初期コストを支援する用意がある」と述べた。北朝鮮のIAEAの検証受け入れが前提との日本政府の立場を改めて強調した。
あくまで、IAEAの検証活動を再開するためのコストの支援であって、北朝鮮に対しての話ではないです。当然、日本が支援するというのは拉致問題の解決とIAEAの検証の受け入れが前提であって、支援するにしてもIAEAに対しての話です。

実際問題、拉致問題解決を考えると、非核化以外の支援も必要になるのも事実で、これについては別の支援方法がありますし、その議論はその先の話になると思います。鍵としては北朝鮮赤十字と資源開発関係となると思われます。


続いてはこちらの話題。
医療費未払いの訪日観光客、再入国拒否へ…政府 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 訪日した外国人観光客が医療費を支払わずに出国するケースが相次いでいる問題で、政府は、医療費の未払いを繰り返す恐れのある訪日客の再入国を拒否する方針を固めた。2020年度から本格実施したい考えだ。増え続ける訪日客の医療体制を整備する政府の総合対策の柱として、14日に発表する。

 厚生労働省の調査(16年)によると、訪日客など外国人患者を受け入れたことのある医療機関の35%が、過去1年間に未払いを経験。未払いなどをリスクと考える医療機関も64%に上り、政府は3月から総合対策を検討していた。

 再入国拒否は、日本にとって好ましくない外国人の入国を認めない出入国管理法の規定に基づく措置。厚労省は、全国の医療機関から未払い歴のある訪日客の情報を集め、法務省に通報する。法務省は入国審査にそうした情報を反映させる。
外国人観光客の医療費問題の件です。外国人患者を受け入れた医療機関の35%が未払いといったところからも、対策は必要であるのは言うまでもないです。2020年度からの本格実施というのも、具体的な内容次第だと思います。再入国拒否の理由として、「日本にとって好ましくない外国人の入国を認めない出入国管理法の規定に基づく措置」とあるので、この措置というのは、一定の協定を締結することが前提であって、未払いの場合は相手国に対して未払いの請求を行うことが前提じゃないと、「日本にとって好ましくない外国人の入国を認めない出入国管理法の規定に基づく措置」としては妥当とも言えますがね。

国があっての個人とも言えるし、前提条件をつけていくのがいいと思います。


最後にこちら。
日本の科学技術「力が急激に弱まった」 白書を閣議決定:朝日新聞デジタル

 政府は12日、科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱まってきているとする、2018年版の科学技術白書を閣議決定した。引用数が多く影響力の大きい学術論文数の減少などを指摘している。

 白書によると、日本の研究者による論文数は、04年の6万8千本をピークに減り、15年は6万2千本になった。主要国で減少しているのは日本だけだという。同期間に中国は約5倍に増えて24万7千本に、米国も23%増の27万2千本になった。

 また、研究の影響力を示す論文の引用回数で見ると、上位1割に入る論文数で、日本は03~05年の5・5%(世界4位)から、13~15年は3・1%(9位)に下がった。

 海外の研究者と共同で書いた論文ほど注目を集めやすいが、日本の研究者は海外との交流が減っている。00年度に海外に派遣された研究者の数は7674人だったが、15年度は4415人に。海外から受け入れた研究者の数も、00年度以降は1万2千~1万5千人程度で横ばいを続けている。

 白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府には研究への十分な投資や、若手研究者が腰をすえて研究に取り組める「環境の整備」などを求めた。(小宮山亮磨)
日本の科学技術の基盤的力が急激に弱まってきているというのを閣議決定したという意味は大きいと思います。個人的には、省庁再編の典型的な失敗例で、文部省と科学技術庁を合併させたことによって、文科省として文部省の力学が強くなる構図があったと思います。その上の文系であって、「庁」である科学技術庁からすれば、科学技術がおざなりになって当然ですし、科研費についてもこういった要素もあるとも言えます。

文系偏重というのもそれなりの理由がある。国立大の独立行政法人化だったり、理研もそうなんだけど、研究の断片化というのが、「力が急激に弱まった」理由だと思います。ここをどう埋めるかが大事ですかね??