いよいよ今日は運命の米朝首脳会談の日となりますね。その前にG7について整理しておきます。
G7首脳宣言の詳報  :日本経済新聞

 【成長への投資】
・公正で効果的、効率的な税制度構築のための国際的な取り組みを支援する。税逃れの取り締まりを継続する。

・自由、公正で互恵的な貿易と投資は、成長と雇用創出の鍵となる原動力だ。ルールに基づく貿易制度の重要な役割を強調し、保護主義との闘いを続ける。

・市場原理に基づかない政策や、最先端技術の強制移転をはじめとする知的財産権の不適切な保護に対処する。

・鉄鋼の過剰生産問題を話し合う「国際フォーラム」の全ての参加国に対し、問題解決に向けたフォーラムの提案を完全かつ迅速に実行するよう求める。アルミニウムなどの過剰生産を早急に回避する。

 【平和で安全な世界】
・民主主義社会や選挙プロセス、主権を損なおうと試みる外国勢力に対処する。

・北朝鮮に大量破壊兵器や弾道ミサイルの関連計画や施設の完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄を要求し、完全非核化の重要性を強調する。

・北朝鮮に方針転換を促すため、国連安全保障理事会の制裁決議履行を含む強力な圧力を維持するよう全ての国に要請する。北朝鮮に拉致問題の即時解決や、北朝鮮の人々の人権問題への対処を要求する。

・ロシアに対し、民主主義を損ない、地域を不安定化させる行動や、シリア政権への援助をやめるよう要請する。
・ロシアに国際的な義務を履行し、国連安保理常任理事国としての責任を果たすよう要求する。

・東シナ海、南シナ海で緊張を高め地域の安定を損なう一方的な行為に強く反対する。領有権争いが起きている土地での非軍事化を全ての当事者に求める。

・イランに弾道ミサイル発射の自制を要求する。
・イランに支援されたテロ集団を含め、全てのテロリズムへの金銭的な援助を非難する。イランにテロを防ぐための建設的な役割を果たすよう要求する。
個人的に気になるところだけ抜き出してみました。基本的にどこの国を意識した内容で共有したかということは分かるかと思います。

【成長への投資】
税逃れの取り締まりについては、既存の延長線上でタックスヘイブンなど、無国籍企業を狙ったものとなります。

保護主義についてですが、あくまでルールが正しく守られることが前提であって、現状だとルールを守ってない国の方が保護主義反対という名目で好き勝手しているわけですね。そういう意味だと、トランプ大統領の言ってる事は理解できなくもないです。この点については、ドイツと中国は批判する資格ないと思いますがね。ドイツはユーロという通貨、中国は為替操作もあって、輸出する上で不当に為替が安いとみなされるわけです。他にも国営企業の問題で、自由・公正で互恵的な貿易と投資になっていないわけです。

ここで鉄鋼の過剰生産問題ですが、これも中国(江沢民派とされる)の鉄鋼業の過剰生産によるダンピングともいえる行為が問題とされており(不当に価格を下げることによる価格競争は他国の産業を疲弊させる)、他国の産業も巻き込むので止める必要があります。最も、ここに手を加えるというのは、江沢民派だったり米民主党に関する話とも言える部分もあると思われます。

貿易に関する認識を共有するのには一定の時間はかかると思うので、この点については、ある程度の時間が必要になると思います。そういう意味では、過剰になる必要はないというのが現状と思われます。

「最先端技術の強制移転をはじめとする知的財産権の不適切な保護」というのは明らかに某国の事を意味しますが、この辺がG7で共通認識されたのは大きいと思います。

【平和で安全な世界】
「民主主義社会や選挙プロセス、主権を損なおうと試みる外国勢力に対処」とありますが、これは大事ですね。日本国内も結構荒らされてるし、これに則って日本も対策を進める必要があるかと思います。

北朝鮮関係ですが、大量破壊兵器や弾道ミサイルの関連計画や施設の完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄による完全非核化、国連安全保障理事会の制裁決議履行を含む強力な圧力を維持するよう全ての国に要請、拉致問題・人権問題の解決について、G7で足並みを揃えた形となります。特に安保理の制裁決議の履行というのがポイントですかね。

基本的な部分において、G7で意識共有は出来ているというのが、ホントのG7の成果であって、意識共有が出来てないというのは、これらの内容が困る方々になると思います。


G7の様子について、産経新聞の画像でも紹介しときます。



今回のG7というか、国際会議全般で言えることなんだけど、取りまとめるのは安倍首相の役割となっております。国家間の損得ではなく、高度な価値観といった方向で動いており、世界のリーダー的役割にいるのが安倍首相となります。本来の日本の立ち位置として、宗教的な問題も少ないので、仲介役にならないといけない立ち位置とも言えるわけで、ここらへんを理解している人がどれだけいるのか気になる部分ではあります。他国の首脳の信頼を勝ち取るためには、安定政権であるのと同時に信頼出来る人物で、方針にブレがないということが重要となります。外交の観点からも、安倍首相の3選を拒む連中は、国際感覚がなく、国民の敵どころか、世界の敵まで昇格しそうな状況でもあるわけですなwww


続いては米朝首脳会談の件です。記事のリンクのみ。

トランプ氏、金委員長真意への賭け奏功するか-米朝首脳会談へ - Bloomberg

「朝鮮戦争終結」なら日本の安保環境に激変も-あす米朝首脳会談 - Bloomberg

米朝首脳、12日初会談=非核化・体制保証が焦点-1対1形式で開始:時事ドットコム

あとはこちらの記事も紹介します。
米朝首脳、12日会談 シンガポールで 核・戦争終結を議論 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 会談は現地時間12日午前9時(日本時間同10時)から、シンガポール南端のセントーサ島にある高級ホテル「カペラ・ホテル」で開かれる。米メディアによると、写真撮影の後にまず両首脳が通訳を交えるだけで2時間話し合う。その後、側近も交えた拡大会合を開く予定だ。

 金正恩氏は12日午後2時に現地を出発する予定を組んでいるとの観測もある。

トランプ氏、12日に帰国の途 - 共同通信

 【シンガポール共同】米ホワイトハウスは11日、シンガポール訪問中のトランプ大統領が12日の米朝首脳会談を終えた後、同日夜に帰国の途に就くと発表した。
恐らく日程については、当初から12日の2時間(最短1分?)という予定で、内容についてはある程度固まってるものと思われます。無難な予想としては、非核化、戦争終結、拉致問題で包括的な合意といった方向になる可能性が高いと思います。時間を決めて合意内容を実施しない場合は、破棄とみなすといった感じの方向でしょうかね。次回の会談の話が出ているので、北朝鮮は一定の合意を交わす用意はあると見ていいでしょうし、次回の会談で一定の結果を残さない限り、破談を意味することになるわけです。因みに体制保証というのは、中国からという意味と思いますし、北朝鮮的には非核化するなら、中国からということを意味します。事大先の話ですので・・・。

そういう意味では、明日の会談で即決裂か、合意破りによる制裁&空爆コースの二択になる可能性が高いと思います。G7の首脳宣言で、完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄による完全非核化と安保理の制裁決議の履行を全ての国に要請、拉致問題の即時解決を求められてる以上、その点で譲歩することはないのは明白だからね。

そういう意味では、北朝鮮への支援行為というのは追加制裁の対象となりますし、300項目の対北朝鮮追加制裁リストに追加される可能性も出てきます。明日の会談の流れ次第ですが、今後の展開に時間軸以外の変更はないと見ていいと思います。