今日は出先の更新ということで簡単に・・・??

「自由貿易の先導役に」日欧EPA、来年発効へ

  安倍首相と欧州連合(EU)の首脳は17日、首相官邸で日本とEUの経済連携協定(EPA)に署名した。国会と欧州議会での承認手続きを経て、2019年初めまでの協定発効を目指す。人口約6億人、世界の国内総生産(GDP)の約3割をカバーする巨大な自由貿易圏が新たに誕生する。

 署名式後の共同記者会見で、安倍首相は「保護主義への懸念が高まる中、(日欧の)EPAが利益をもたらすことを示していく」と、意義を強調した。

 EUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)も、「我々は保護主義に対し、ともに立ち向かう」と語り、自由貿易の先導役となることへの決意を示した。

 17日に発表した日欧首脳の共同声明では、鉄鋼などへの輸入制限措置を発動した米国を念頭に、「保護主義に対抗する」とのメッセージも打ち出した。
EUとのEPA発効の件です。参考までに記事を紹介します。

・JETRO
妥結した日EU・EPAの活用に向けて

・NHK
ニュース特設 日本とEU EPAに署名

これを見ると、GDPが1%の上乗せ、29万人の雇用効果があるとされております。ここらへんは希望的観測ではあるので、GDPの上乗せは一部、雇用効果も同様、恐らく雇用増の分野だけの試算で、雇用減の方の試算はされてない可能性が高いと思われます。巨大自由貿易経済圏とありますが、一種の幻想とみていいかとwww


世界経済のネタ帳様から、日本のGDPの推移を紹介します。

日本のGDPの推移

実際のところ、EUとのEPA締結のよる経済的メリットは大してないということは分かるかと思います。TPPも一緒なんだけど、貿易圏というのは単体では大きな意味はなく、メッセージ的な意味が大きいと思います。日本としては日本の弱い部分でもある農作物系の補完的な位置づけで、輸出に関してもEPA締結によって大きくは伸びないと思います。そもそも日本は一部の品目に対して関税をかけてるが、Wikipediaの関税の項目を見る限り、最も関税の安い国となっております。 そういう意味では、そこまで言うほど関税という単体で見れば、関税交渉そのものは武器なわけですね。TPP論議で大きな議論になっていたのは、非関税障壁の方だったりします。

これが何を意味するかと言えば、アメリカへの牽制のように見えるかもですが、実際は特亜への牽制といった方が正しいです。TPPもEUのEPAも一緒なのですが、きちんとした貿易ルールに則ってWinWinの関係を築くことが大きな目的であって、世界水準のルール作りといった意味合いが大きいわけです。そういう意味では、アメリカへの牽制というより、補完関係も含めた取り組みだと思います。イギリスのEU離脱&TPP加盟についても同じで、きちんとした貿易ルールの中にどっちの経済圏を軸にするかという話で、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

ここで今後のEUの見通しですが、EUの経済の主軸はドイツであって、ドイツ銀行もあやしい状況になってることから、今後の見通しは読めない部分があります。

【高論卓説】信用不安が広がるドイツ銀行 共存の大株主・中国企業も経営危機

ドイツ銀:4-6月業績、アナリスト予想を大幅に上回る見通し

短期的業績の良化とマクロでみる構図は異なるわけで、実態は信用不安が広がってるのと同時に中国への影響が出る可能性が高いと思います。

焦点:中国依存のドイツが味わう「ゆでガエル」の恐怖

EUの経済の中心がドイツで、中国に依存している構図にあります。このことから、今後において経済的に言えば、EUと中国がダメージを受けることになると思います。EUとのEPAのホントの狙いは、ここにあるわけですね。ドイツの中国との運命共同体への揺さぶりというのが目的ともいえます。


続いては米露首脳会談の件。
プーチン氏、「譲歩」なしで成果 狙いは大国が尊重し合う“新ヤルタ体制”?

 【モスクワ=遠藤良介】16日の米露首脳会談で、プーチン露大統領は、米国側に一切の「譲歩」をすることなく、トランプ米大統領と対話を続けていく道筋をつけた。プーチン氏は、米大統領選への干渉疑惑を改めて否定し、クリミア問題は「終わっている」と強気の姿勢を貫いた。トランプ氏は中国やイランとの対抗上、ロシアに接近したともみられており、プーチン氏の出方が注視される。

 プーチン氏は元来、米露や中国といった「大国」が勢力圏を尊重し合い、世界を指導する国際秩序を望んでいる。米英ソが第二次大戦後の利害を調整した1945年2月のヤルタ会談にちなみ、プーチン氏は「新ヤルタ体制」を狙っていると評される。

 トランプ氏の唱える「アメリカ・ファースト(自国第一)」は、ウクライナやシリアでの「権益」を主張するロシアと相いれやすい。プーチン政権は、トランプ氏が大統領選干渉問題を乗り切り、対露制裁の緩和や米露関係改善に動くことを期待している。

米露首脳会談の件ですが、ある程度は価値観を共有できたように思います。とはいえ、対露制裁の緩和や米露関係改善に動くことはないと思います。現状維持という意味での確認という意味合いでの会談で、その通りの結果になっただけの話と思います。

 ここで、「米英ソが第二次大戦後の利害を調整した1945年2月のヤルタ会談」の件があるのですが、これにおいて中国の存在はないということに尽きると思うけどね。要するに、対中という意味で、ある程度利害関係を考えたいというのが、ロシアの思惑とも受け取れます。ロシアゲート疑惑ですが、調査しても立件できないことからしても、選挙干渉をしたとまでは言えないと思います。チャイナゲートについては別ですがねwww


最後にこちらの話題。
人間より公平?法曹界で進む人工知能活用 「AI裁判官」は生まれるか

 弁護士の業務や裁判所の審理での人工知能(AI)の活用が加速している。捜査資料の分類作業や公判調書の作成を効率的にこなすAIを開発する米英などが実用化に前向きだ。人間より公平な判断ができるとされるAIに裁判官を任せる「未来」も遠くないと予測する専門家も。機械が人を裁く倫理面の問題なども指摘される中、「AI司法」に実現性はあるのか。

 「AIは弁護士業務の大半ができてしまう…」

 2017年。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが、世界の法曹界を驚愕させるニュースを流した。汚職などを捜査する英政府機関「重大不正捜査局」(SFO)が、贈収賄事件に関する捜査関連書類の分類などの作業をAIに任せたのだ。通常は弁護士に依頼する作業だが「より迅速な作業が必要だった」(SFO関係者)。弁護士に依頼する場合、1日に分類できる資料は約3千件といわれるが、SFOが採用したAIはその200倍近い約60万件を処理。ミスも人間の弁護士より少なかったという。
法曹界というか、士業においては前例主義からしても、AIが機能する業界ともいえます。地方裁判所の機能としてはAIで十分ですし、弁護士についても同様です。とはいえ、日弁連仕様のAIも困りものですし、既存の法律を厳格に運用できるAIは必須ともいえます。とはいっても、弁護士業に影響を及ぼすことからしても、恐らくAI化はしないようには思うけどねwww

士業の今後の反応は気になりますが、「AIは弁護士業務の大半ができてしまう…」の通り、日弁連の存続価値のためにも抵抗することが予想されます。まぁ、日弁連クオリティのAIだとどうにもならない部分もあると思います。