今日もこちらの件です。

特にネタがないのもあるけど、それ以上に北朝鮮の非核化の重要な部分でもありますので、この件はいろいろと注意が必要です。

まずは輸出管理に関する事務的説明会に関する記事から。
日韓当局、議論は平行線 輸出規制巡り初会合  :日本経済新聞

日韓両政府は12日、経済産業省内で事務レベルの会合を開いた。日本政府が韓国向けの輸出規制を強化して以降、会合は初めて。日本側は安全保障に基づく規制強化だとして制度概要などを説明した。事実関係の確認などに終始し、議論は平行線に終わった。日韓関係の改善に向けた糸口が見えない状態が続いている。

日韓ともに、貿易管理分野を担当する課長級の職員が会合に臨んだ。会合は当初想定を大きく超え、5時間以上に及んだ。日本側は規制強化の理由として、韓国の輸出管理体制の脆弱さや、同国向け輸出で不適切な事案が起きたことなどを改めて挙げた。不適切な事案は韓国から第三国への不正輸出ではないと説明したが、詳細は明かさなかった。次回以降の開催についての見通しは立っていない。

韓国政府によると、同国は輸出管理手続きにかかる審査期間の短縮を要請した。規制強化は「世界的なサプライチェーンに重大な影響を与える」との懸念も伝えたという。

日本政府は4日、韓国への輸出規制を強化した。軍事転用が可能な品目で審査・許可を求める「リスト規制」では、フッ化水素やフッ化ポリイミドなど3品目について個別許可を求めている。

韓国大統領府は12日、日本による輸出規制の強化を巡り、日韓両国の輸出管理体制の調査を国連安全保障理事会などに依頼することを提案すると表明した。韓国側に不備がないと分かれば、日本側に謝罪と規制強化の即時撤回を求めるとした。


あくまで表題の通り、「輸出管理に関する事務的説明会」であって、議論の場所ではないですし、協議の場でもありません。メディア対策もあって、この位置に「事務的説明会」と見えるように書いてるし、協議や議論ですらないというのを徹底してるのが何とも言えないですなぁwww

説明会の場所について以下の指摘がありましたw

1、ホワイトボードに貼ってある紙の左側にシワが多数。

2、紙をとめる磁石の色が左右で違う。
左の磁石は錆びているようにも見える。

3、敢えて重ね合わせるタイプのパイプ椅子を置く。
倉庫のように見える。

4、韓国側の後ろの絨毯に黒いゴミが多数。

5、敢えて、韓国側の真後ろに置いてる椅子がよれている。

部屋のセッティングからしても、経産省がガチギレモードに入ってなければ、ここまではやらないでしょうし、それだけ怒らせることがあったんだと推察します。日本のせいにしようとしてたりとかいろいろあったみたいですしね。

「世界的なサプライチェーンに重大な影響を与える」とありますが、同じ条件で中国や台湾がサプライチェーンとして機能していることから、他国と同じ審査を理由にサプライチェーンに重大な影響を与えるのであれば、そんなところは真面目に淘汰されるべきです。

あと以下の記事を紹介します。
北朝鮮への「横流し疑惑」で、韓国半導体産業の終わりの始まり | デイリー新潮

 半導体価格が上がらないもう1つの理由は、日本の規制強化が「寸止め」になっていることです。

「日本の輸出規制、韓国では『単なる報復ではなく、韓国潰し』と戦々恐々」でも書きましたが、韓国企業がメモリー生産に使っている素材は管理強化の対象ではないのです。

 確かに輸出管理を強化した3品目の1つ、レジスト(感光材)は半導体の製造に使います。しかし日本政府が管理を強化したレジストは極めて高品位のもので、メモリー製造用ではありません。

 だから、仮に日本からレジストの輸入が減っても韓国メーカーは直ちには困らない。輸出強化の対象となったエッチングガス(フッ化水素)も同様で、これに関してもメディアが大騒ぎするほど、韓国の半導体メーカーは困らないそうです。
また、朝鮮日報の先の記事によると、有機ELの製造に使うフッ化ポリイミドも、日本が輸出管理を強化するのは、サムスン電子がスマホを作る際には使わない品目だそうです。だから見出しに「急所のすぐ横」とあり、寸止めの措置というのが正しいところです。

最も喉元を突きつけられてるので穏やかではないというのはありますが、メディアが騒ぐほど半導体メーカーが困らないのは確かでしょう。最も直ちに困らなくても、将来的に供給能力のないメーカーに対しての発注は行わないので、中長期的な影響は避けられないのと、早ければ8月15日以降にホワイト国から外す流れになることから、輸出管理対象が増える可能性は高いでしょう。そのための「り地域」扱いですしね。「ち地域」よりも下の扱いとなれば、よっぽどの事だと思いますが・・・。


「り地域」がツボにはまってるのはいいとして、メディアや韓国政府がここまでの反応を示しているのか??答え合わせとしては、素直に北朝鮮と見ていいかもしれません。

不適切な事案が生じたのは、親北系、総連などが絡んでるのでしょうし、韓国メディアも北朝鮮寄りですので、実際に困ってるのは、半導体メーカー以外の可能性が出てきます。それとは別に、大量のフッ化水素がどこに行ったかという疑惑が大きくなるのですがwww

あと、「日韓両国の輸出管理体制の調査を国連安全保障理事会などに依頼」とありますが、そもそも優遇措置の解除であって、この点は優遇措置を行う側の裁量でしかありませんし、韓国の輸出管理体制に問題なければ、解除とかいった話ではないです。

あとはこちらの記事も参考になると思います。

関連記事で一つだけ気になった点。

「政府関係者によると、会合を通じて韓国側から措置の撤回要請や抗議などはなかったという」とありますが、実はこれが重要だったりするwww

韓国のホワイト国の件について乱暴に整理したらこんなところですかね。
ここで昨日の記事のおさらいですが、小泉ブッシュラインと北朝鮮、イランの核問題の時系列についてです。

○小泉ブッシュラインと北朝鮮イランの核開発の時系列

2001年11月 朝銀へ計3129億円の公的資金投入
2002年08月 朝銀へ計3256億円の公的資金投入
2002年9月17日 日朝首脳会談1回め
2002年12月 朝銀へ計4107億円の公的資金投入
2003年1月10日 北朝鮮がNPTから脱退
2003年08月 中国、日本、米国、韓国、ロシア、北朝鮮が参加した6カ国協議が開始
2004年1月20日 韓国が外為法のホワイト国指定←ポイント
2004年5月22日 日朝首脳会談2回目 拉致被害者5人の帰国
2005年2月10日 北朝鮮、公式に核兵器の保有宣言
2006年4月11日 イランのアフマディネジャド大統領がウラン濃縮に成功と発表
2006年10月9日 北朝鮮が地下核実験を実施
2008年10月 アメリカは北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除

Wikipediaの記事を紹介。

北朝鮮核問題 - Wikipedia

イランの核開発計画 - Wikipedia

これらのことからみても、今回の件については、日米韓のプロレスの可能性もありえる話で、外圧を使って韓国内の軍事転用な材料の横流しのルートを断つための措置の可能性も考えられる話ともいえます。単純な韓国への制裁ではなく、北朝鮮やイランの核問題に向けた布石であるという点で見た方がいいと思っています。