今日、安倍首相の会見がありましたね。現状説明としては妥当な印象です。

新型コロナウイルス関係

3/14の12時地点の情報です。

新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(3月14日12時時点版)


クルーズ船の退院者が66名増えて、全体の退院者が600名となっております。

3/15の0時地点の世界各国の状況です。

Coronavirus Update (Live): 150,060 Cases and 5,617 Deaths from COVID-19 Virus Outbreak - Worldometer


これを見ると、諸外国に比べて日本の増加のスピードが抑えられている事が分かるのと、欧州の状況が深刻な状態にあると思います。

この人に対して批判も少なくないが、実はそこまで言うほど変なことは言ってないです。
WHOトップ、安倍首相を称賛 資金拠出に謝意:時事ドットコム

 【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日にジュネーブで行った記者会見で、新型コロナウイルスへの日本の対応について「安倍(晋三)首相の主導の下での政府挙げての対策」が、感染の抑制に決定的な役割を果たしていると称賛した。

 さらに、日本が今週、WHOの同ウイルス対策に1億5500万ドル(約166億円)の資金拠出をしたとして、謝意を表明した。また、中国と韓国、シンガポールについては「積極的な検査、接触者の捕捉」が感染拡大を防げることを示したと評価した。
新型コロナウイルスへの日本の対応について「安倍(晋三)首相の主導の下での政府挙げての対策」が、感染の抑制に決定的な役割を果たしているというのは極めて妥当ですし、一つのモデルとして今後の感染病対策のモデルに活用出来るのは確かです。

安倍首相の会見について

記事を紹介します。
安倍首相会見要旨 新型コロナ:時事ドットコム

 安倍晋三首相の記者会見要旨は次の通り。

 【冒頭発言】
 新型コロナウイルスに関する(改正)新型インフルエンザ対策特別措置法が13日、成立した。さまざまな私権を制限することとなる緊急事態の判断に当たっては、専門家の意見も伺いながら慎重な判断を行う。現時点で緊急事態を宣言する状況ではない。必要であれば手続きにのっとって法律上の措置を実行する考えだ。宣言の場合には決定に至った背景なども含め、私から国民に説明する機会を設ける。
 現状は依然として警戒を緩めることはできない。専門家に分析してもらい、結果が示されるまで引き続き協力をお願いする。
 スポーツジムやライブハウスなど特定の場所で集団感染が確認された事例が報告されている。共通点は、第1に換気の悪い密閉空間であったこと、第2に人が密集していたこと、第3に近距離での会話が行えたこと、この三つの条件が同時に重なった場合だ。これらを避けることで感染のリスクを下げることが可能だ。
 休校で自宅で過ごしてきた児童・生徒も多いかもしれない。健康管理、ストレス解消のためにも安全な環境の下、屋外に出て運動の機会もつくってほしい。卒業式も安全面での工夫を行った上でぜひ実施してほしい。
 感染が世界的な広がりを見せる中、日本を含む世界のマーケットが動揺しており、世界経済のさらなる落ち込みも懸念される。今後も機動的に、必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れず講じる。日本経済を再び確かな成長軌道へと戻すため、一気呵成(かせい)にこれまでにない発想で思い切った措置を講じる。先進7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)の枠組みを活用し、経済政策も含めた国際社会の結束した対応をリードしていく。
 簡易検査機器の開発が進み、一部は今月中に利用開始できる見込みだ。今月中には1日当たり8000件まで検査能力が増強できる見込みだ。13日のトランプ米大統領との電話会談で、治療薬などの研究開発で緊密に協力することで一致した。

 【質疑】
 ―東京五輪・パラリンピックの延期、中止の可能性はあるか。
 私自身、26日に福島を訪れ、聖火リレーのスタートに立ち会いたい。トランプ氏とは、五輪の成功に向けて協力していくことで一致した。延期や中止は一切話題になっていない。感染拡大を乗り越えて予定通り開催したい。

 ―景気対策として、消費税の引き下げをどう考えるか。
 自民党の若手有志(の国会議員)からも消費税で思い切った対策を取るべきだとの提言をいただいている。何をすべきかは、こうした提言も踏まえながら、さまざまな可能性を想定する。

 ―経済対策の規模は。
 思い切った大胆なメッセージ性の強い対策をしていかなければならない。

 ―中国からの入国制限が遅かったとの反省はあるか。習近平国家主席の国賓訪日が判断基準になったのか。
 そんなことは全くない。政治行政の最大の使命は国民の健康と命を守ることであり、それを最優先に判断をした。

 ―子どもたちは4月から学校に登校できるか。
 いつ収束するか、残念ながら今ここで申し上げる状況にないが、できる限り感染が爆発的に広がることがないよう全力を挙げる。学校をどうするか、専門家の意見を聞きながら再開の判断をしたい。

 ―内定取り消しや入社延期に対する学生の懸念にどう対応するか。
 学生の前途も考慮して、なんとか予定された採用を実現していただきたい。政府もできる限りの手伝いをしたいと思っており、企業側にもしっかり取り組んでほしい。

 ―特措法の緊急事態宣言を布石に、憲法改正して緊急事態条項を導入するとの懸念がある。
 (宣言と)改憲とは全く別のものだ。そもそも改憲は国民が決めるものだ。
官邸の方はこちら。

令和2年3月14日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 首相官邸ホームページ

会見全文については、後ほど更新されるとは思います。

産経新聞の記事も紹介します。

・首相発言
首相記者会見全文(1)「現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」
首相記者会見全文(2)「卒業式は工夫の上で、ぜひ実施を」
首相記者会見全文(3)「ワンチームで苦境を乗り越えていきたい」
首相記者会見全文(4)「今月中に1日8000件までPCR検査増強」

・質疑応答
首相記者会見全文(5)緊急事態宣言発令「国民に説明をする機会設ける…  
首相記者会見全文(6)「感染拡大を乗り越え五輪を無事に開催したい」
首相記者会見全文(7)「雇用を守り抜き、成長軌道に戻す」
首相記者会見全文(8)新型コロナ集束時期「申し上げる状況にない」
首相記者会見全文(9)「雇用維持と事業継続を最優先に対応」
首相記者会見全文(10)緊急事態宣言「簡単な判断ではない」
首相記者会見全文(11)完 改正特措法と憲法改正「全く別物」 

会見でも述べてましたが、人口1万人当たりの感染者数0.06人(上記の表の”Tot Cases / 1M pop”は100万人単位)となっており、他の国に比べてかなり低い水準にあるということが分かると思います。軽症者が8割で、殆どが回復しているし、感染者の情報だけを伝えるというのは、どうかと思う部分はあります。

基本的に現状説明といった内容で丁寧で真摯に対応した会見となっており、状況を把握している人から見れば、新たに説明の必要な項目は特段ないと思います。

緊急事態宣言についても、切れるカードを用意するというか、新型インフルエンザ特措法に、新型コロナウイルスを加えることが目的となっており、このカードを使うことは、現段階では想定はしていないと思います。別の緊急(非常)事態宣言はさておきね。

非常事態宣言 - Wikipedia

今は感染拡大を食い止める(制御可能な状況にさせる)ことが優先で、雇用維持と事業継続を最優先に対応しないといけない問題となります。その後は、成長軌道に戻すといった対応が求められますが、物事には順番があります。そして一番避けないといけない事態は、医療現場の疲弊などによって、適切な処理が出来なくなることに尽きます。国民一人ひとりが、こういった現場に立ってる人に対して、疲弊させないような配慮だったり、感謝の気持ちを持つことが重要で、自分のエゴではなく、国民が一丸となって、問題と向き合って、未知のウイルスとの戦いを克服することに尽きます。

個人が不安に思う気持ちは理解出来ます。だからこそ、不安から逃れるために変な情報を盲信するようなことは害悪でしかないし、安心するためには、公的機関の一次情報だったり、本物の専門家の見識を理解することが重要で、メディアでお金のために喋るような人の言葉などは、全て遮断してもいいですし、不安に思うなら、発信される情報ではなく、自ら情報を取ってくるくらいの意識くらい持ってほしいです、ハイ。ていうか、そんな程度のこともせずに、誰かの受け売りを知って、情報を理解していると思い込んだ人間も十分害悪な存在であるということを理解してほしいなぁwww

東京五輪については、現状はいろんな方向性を検討はしながらも、五輪の成功に向けて、関係各所が全力で取り組むことが重要で、延期や中止については、もう少し方向性が見えてきてから考えればいい話であって、公式でお話をする段階ではないと思います。今は新型コロナウイルスの問題を克服することが重要ですし、重要なのは、東京五輪の成功であって、東京五輪の開催ではないと思います。

あと内定取り消しや入社延期などについては、こういった要請が行われております。

新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動及び2019年度卒業・修了予定等の内定者への特段の配慮に関する要請について|内閣官房ホームページ

今はとにかく経済面においては維持することが重要で、それが主目的でいいし、そのためにも、行政の支援が絶対に必要です。これについて、予算の無駄遣いとか財政赤字とか気にする連中がいれば、堂々と主張して欲しいと切実に願います(笑)

アメリカの国家非常事態宣言について

トランプ米大統領、コロナ対応で非常事態宣言 500億ドル支援へ - ロイター

[ワシントン 13日 ロイター] - トランプ米大統領は13日、新型コロナウイルスへの対応で国家非常事態を宣言した。同宣言により、約500億ドルの連邦政府の支援金提供が可能となる。

トランプ大統領は記者会見で「状況は悪化する可能性がある。今後8週間が重大な局面となる」とし、「連邦政府の全権を解き放つために、非常事態を宣言する」と表明した。さらに同宣言によって「新型コロナ対応に向け最大500億ドルの拠出に道を開く」と述べた。

各州に対しては新型コロナ対応の緊急センターを設置するよう促し、「われわれは必要なケアの提供向けあらゆる障害を取り除く」と言明した。

さらに、連邦政府が民間セクターと連携し、新型コロナ検査キットの生産加速に取り組んでいるとし、約500万個の検査キットを利用可能にすると述べた。

学生ローンの利息免除や戦略石油備蓄の積み増しなどの措置を講じる方針も示した。

米国への渡航制限については、感染者数が急増している英国を対象国に追加する必要が生じる可能性があると述べた。また、新たに渡航制限の対象となる国や制限が解除される国が出てくる可能性もあるとした。

また、新型コロナ流行による対中貿易への影響は確認してないと述べた。

自身には新型コロナの症状は全くないとした上で、先週訪米したブラジル政府高官の陽性が確認されたこと踏まえ、検査を受ける見込みだとした。

政府の新型コロナ対策チームのメンバー、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「終息までの道程は長く、感染は今後増える見通しだが、われわれは対処する」と表明した。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国内で確認された感染者は414人増えて1678人に達した。死者も5人増え、41人となった。
以下関連記事です。

アメリカで新型コロナウイルスの流行を巡り国家非常事態を宣言しました。国家の仕組みの話にもなりますが、「連邦政府の全権を解き放つために、非常事態を宣言する」という意味で、「国家非常事態法」などに基づき、災害支援に使う基金などを地方政府に振り向けられるようです。

規模としては、500億ドル(約5兆4千億円)なので大規模な財政出動を行い、大規模な検査システム、ワクチンなどといった内容も含まれてるのでしょう。経済の影響も大きく、金も人も総動員して、徹底的にやるように見受けられます。新型コロナで一番恐ろしいのは、経済的影響であって、どれだけダメージを減らせるかというのも重要なポイントとなります。

学生ローンの利息免除についても妥当で、アメリカの学生ローン問題は深刻な問題となっております。

さすがに全部免除というのは難しいが、利息についてはある程度是正はした方がいいでしょうし、戦略石油備蓄の積み増しなどの措置についても、今は原油価格が下落しておりますので、こういった時期に積み増しをするのも妥当でしょうね。

渡航制限も含め、出来ることは徹底してやるというのが出来るのもアメリカらしいのですし、米民主党はこの点からも、日本よりはまだマシな部分はあります。
米下院、新型コロナ対策法案可決 無料検査や病気休暇盛り込む - ロイター

[ワシントン 14日 ロイター] - 米下院は14日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済への打撃緩和に向け、無料検査や有給病気休暇を盛り込んだ数十億ドル規模の対策法案を363対40の圧倒的賛成多数で可決した。

トランプ大統領は法案を支持すると表明しており、来週に上院を通過する可能性が高まっている。今回の法案には大統領が求めていた給与税減税は含まれていない。

法案では新型コロナの影響を受けた労働者に2週間の有給病気・家族休暇を付与。企業は費用をカバーするために税額控除を受けられる。

労働者はまた、自身が隔離されたり、病気の家族を世話する必要が生じたりした場合に、最大3カ月の無給休暇を取ることができる。

民主党のペロシ下院議長は、大きな打撃を受けている産業や幅広い経済を支援するため、さらなる法案に向けた作業を来週開始すると表明。マッカーシー下院共和党院内総務は、トランプ大統領が提案した給与税減税を協議内容に盛り込む可能性があると述べた。
アメリカの下院は民主党が過半数の議席を持っておりますが、日本と違って、こっちの民主党は少なくとも国民のためになるような議論は出来るようですwww最も、大統領選挙に向けたものであるのは確かですが、これに給与税減税を盛り込んで通してしまうのが、ベストでしょうね。

アメリカ国内においてどのような動きがあるかはわかりませんが、各国で国内問題を解決して欲しいし、諸問題を通じて、国家を蝕む正体について、可視化して欲しいと思っております。