新型コロナウイルスに関連した経済政策などが報道されておりますが、今のところ確定情報はないので一喜一憂はしないで、公式発表を待ったほうがいいかと思います。感染が落ち着くまでは、事業継続と雇用維持、個人の所得に関するものが重要です。特に雇用が重要になってくると思います。

新型コロナに関する経済対策の考え方について

新型コロナに関する経済対策の方法については、概ね以下のものがあげられるかと思います。

・現金 or 商品券
貯蓄や借金返済にあてると経済効果はゼロなので使わせるための仕組みが必要。

・キャッシュレス還元
使えるところが限られるので、今回の対策としては問題あり。

・補助金
業界への支援や速度の点では妥当性はあるが、線引が難しいという問題もある。

・所得税/消費税の減税
一番NGなのは消費税減税の時限措置(反動減のリスク大)、やるなら所得税減税だが、経済対策としては時間がかかるため、新型コロナの経済対策としては微妙。

・設備投資
新型コロナの経済対策というより、今後の成長戦略に関わる話となる。

中期・長期的目線になれば、サプライチェーンの内製化、分散化や、経済構造全体に関する話となりますが、今はそれどころの状態ではないですし、まずは緊急対策が求められることになります。

新型コロナウイルスに関する経済政策の場合、即効性と用途に幅をもたせる必要があるので、特性に合わせたパッケージ対応が必要になると思います。

因みにアメリカの新型コロナ経済対策です。

規模もここまでなれば、現金という選択肢も悪くはないが、少額では対策にはならないので、規模も重要となってきます。今回の新型コロナに関する経済的問題については、過去でも最大規模の対策は必要であるという認識は必要かと思います。

新型コロナウイルス関係

3/20の12時地点の国内状況です。

新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和2年3月20日版)


本日の会議関係です。

令和2年3月20日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第21回)| 首相官邸ホームページ

資料は以下となります。

・第21回(令和2年3月20日開催)資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/sidai_r020320.pdf

本日は先日の専門家会議の内容を踏まえたものとなります。

・「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、現状の状況分析を行い、分析した結果をまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を公表しました。
これによると、日本国内の感染状況については、引き続き持ちこたえていますが、一部の地域では感染拡大が見られ、今後地域において、感染源(リンク)が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、どこかの地域を発端として、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねないと考えているとしています。また、現時点では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にするという、これまでの方針を続けていく必要があり、「1.クラスター(集団)の早期発見・早期対応」、「2.患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「3.市民の行動変容」という3本柱の基本戦略を、さらに維持、必要に応じて強化し、速やかに行わなければならないとしています。政府及び地方公共団体への提言、市民と事業者の方々へのお願いしたいことも併せて公表しています。
記事についても紹介します。

一斉休校については、実質的に終業式の期間になるので、実質的には始業式までの間は春休みですし、春休み以降については要請はしないという当初の方針通りでしょう。イベント開催も慎重な対応ということで、以下のガイドラインが基本となります。



基本的には上記の対策が、新型コロナウイルス対策となりますので、あとはこまめな手洗いに重点を置くことが重要かと・・・。

3/21の0時地点の世界の状況です。

Coronavirus Update (Live): 255,942 Cases and 10,495 Deaths from COVID-19 Virus Outbreak - Worldometer


他の国の増加のペースが早いですね。。。日本がこのペースですんでるのは、対策がきちんと取れていることが理解できるかと思います。

外相会談関係

まずは日中韓外相テレビ会議についてです。
新型コロナウイルス感染症に関する日中韓外相テレビ会議|外務省

1 3月20日午前10時30分頃から約70分間,新型コロナウイルス感染症に関する日中韓外相テレビ会議が開催されました。日本から茂木外務大臣,韓国から康京和(カン・ギョンファ)外交部長官,中国から王毅(おう・き)国務委員兼外交部長が参加しました。

2 今回のテレビ会議では,現下の新型コロナウイルス感染症拡大に関し,各国の取組及び関心事項について意見交換し,引き続き3か国で協力していくことを確認しました。

(1)茂木大臣から,新型コロナウイルスへの対応には,この地域の平和と安定に責任を有する3か国の協力が重要である旨述べた上で,国内の状況を説明しました。中韓両国からも3か国協力の重要性について同意が得られました。

(2)また,茂木大臣から,事態を終息させるためには,3か国の保健当局の協力が重要であり,早期に保健大臣会合を開催すべきである旨述べ,3か国で保健大臣会合の早期開催を支持することで一致しました。

(3)更に,茂木大臣から,具体的な協力として,

ア 既存の情報共有メカニズムの一層の活用,
イ 医薬品・ワクチンの開発の状況に関する情報共有,
ウ 医療物資や医薬品の円滑な輸出入の確保と緊急融通に向けての協力,
エ 国際的な公衆衛生対策への協力,
の4点をあげ,引き続き3か国間で議論を継続していくこととなりました。

(4)茂木大臣から,人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として,完全な形で東京オリンピック・パラリンピックを実施したい旨述べ,中韓からの支持を得ました。
先日のG7でのテレビ会談に続き、今回はテレビ会議という形を取られたけど、会見記録の通り、「電話会談より相手の表情も見れますし、にこやかにしているかどうかわかりますんで,本来は対面がいんですけれど、この状況は、対面ではできませんから、テレビ会議というのは非常に有効な手段」といったコメントからも、こういった形の会談もありですし、緊急を要する場合は、今回だけではなく、他にも応用できそうですね。

「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として、完全な形で東京オリンピック・パラリンピックを実施したい」ということで、中韓からの支持を得ており、今回の会談はいい雰囲気で行われていたと思います。

茂木外務大臣臨時会見記録も併せて紹介します。

茂木外務大臣臨時会見記録|外務省

「今日日本だけ休日だったんですけれど,休日に出てきた甲斐があったと言ったら二人とも笑っておりました。」のくだりが個人的に好きでしたww

水際対策についての、記者会見のコメントの抜粋。
【記者】一部報道で,中韓両国からの入国制限,これを2週間から1か月程度延長するというのが出ているんですけれども,外務省としてビザの発給の停止とか無効について,これも同様の措置を執るとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】今ですね,世界的にこのコロナウイルス感染症の広がり,そして状況は日々変わっている中でですね,適時適切に各国が判断をしていくということになるんだと思います。先程申し上げたようにですね,日中韓,3カ国がそれぞれ執っている水際対策については,慎重かつ適切な対策を執っているということで意見の一致をみたところでありまして,そういった中でそれぞれがまさに国内でのですね,蔓延を防止する対策としてどういったことが必要かということを検討していくことになると思います。
水際対策については、日中韓の3カ国間で適切な水際対策を取っているということで、意見は一致しており、重要となるのは、国内の蔓延を防止する対策ということについても一致しており、その上での入国制限の2週間から1か月程度延長といった流れともいえます。適切な水際対策の一致というのは、そういった意味も含まれてるしね。


続いては、日イラン外相電話会談です。
日・イラン外相電話会談|外務省

 本20日,午後3時10分頃から約20分間,茂木敏充外務大臣は,モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ・イラン・イスラム共和国外務大臣(H.E. Dr. Mohammad Javad ZARIF, Minister of Foreign Affairs of the Islamic Republic of Iran)との間で日・イラン外相電話会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 両外相は,新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している現状を踏まえ,意見交換を行いました。両外相は,感染拡大を防止するためには,国際的な連携が不可欠である旨一致しました。

2 茂木大臣から,イラン国内における深刻な感染状況を踏まえ,先般,我が国として国際機関を通じ,イランに対する約25億円規模の支援を決定した旨説明しました。これに対し,ザリーフ外相から,日本の支援に対して深甚なる謝意が表明されました。

3 両外相は中東情勢についても意見交換を行い,茂木大臣から,イランが関係する勢力への影響力行使を含め地域の平和と安定に向けて建設的な役割を果たすよう求めました。

4 茂木大臣から,日本関係船舶の安全確保のための自衛隊による情報収集活動について改めて説明し,ザリーフ外相から説明を評価するとの反応がありました。
イランに対する支援については、3/16に記事になってましたね。

新型コロナウイルス イラン支援に25億円拠出へ 外相 | NHKニュース

記事を見ると、「イランでは医療従事者や病院、検疫施設などを対象とした技術協力や物資供与などへの支援のニーズがあると承知している」とあり、医療関連の技術協力や物資供与を行うなどの対応も含まれてるようです。

あとは中東情勢について意見交換、域の平和と安定に向けて建設的な役割等について求め、日本関係船舶の安全確保のための自衛隊による情報収集活動についても、引き続き理解を得られてるようですね。

基本的にはイランとアメリカは対立してるのもありますので、こういった点では役割分担も重要ですし、その点では日本として果たすべき役割も重要になってきますので、引き続き、関係を強化していく必要があると思いますよ。


最後に日米外相電話会談についてです。
日米外相電話会談|外務省

 3月20日午後9時頃から約20分間,茂木敏充外務大臣は,マイク・ポンペオ米国国務長官(The Honorable Mike Pompeo,Secretary of State of the United States)と日米外相電話会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 両外相は,13日に行われた日米首脳電話会談の結果を踏まえつつ,新型コロナウイルス感染症に関し,両国の国内の状況や感染拡大防止策について意見交換を行いました。また,両外相は次の四点について一致しました。

(1)第一に,各国で感染が拡大する中,感染症対策により得られた教訓・知見を共有していくこと。

(2)第二に,感染の拡大防止を図る上で,一定期間の適切な水際対策も必要であり,また,水際対策をとる上では日米両国及び関係国間での協調及び情報共有が重要であること。

(3)第三に,感染症の沈静化に向けて治療薬やワクチンの開発が極めて重要であり,各国の官民の取組を強化し,共同開発も模索していくこと。

(4)第四に,両国に滞在しているそれぞれの国民の安全確保に向けて引き続き協力していくこと。

2 更に,両外相は,G7外相会合においても新型コロナウイルス感染症や国際社会の重要課題についてしっかり議論し,協力していくことを確認しました。
上記の4点の一致については、G7の方針となっております。この点においては、今週行われた電話会談の内容で一致しております。

日独外相電話会談|外務省

日伊外相電話会談|外務省

日・カナダ外相電話会談|外務省

ここで国際社会の重要課題となりますが、この中にイランの話も含まれており、イランとの会談内容についても、ある程度連携が取れてるかと思います。

今は緊急を要する事態ですし、こういう局面だからこそ、各国との関係強化や情報共有が必要であるということと、経済面もそうなんだけど、テロ対策も重要な状況ともいえます。