今日はベイルートの爆発の件です。


【イスタンブール=木寺もも子】4日にレバノンの首都ベイルートで起きた大規模爆発は同国経済の混乱に拍車をかけそうだ。3月にデフォルト(債務不履行)を宣言し、新型コロナウイルスが追い打ちとなって激しいインフレで食料不足も懸念されていた。爆発は経済活動をまひさせ、市民生活をさらに追い込む恐れがある。

爆発は4日午後6時ごろ、ベイルート中心部に隣接する港で起きた。赤十字によると少なくとも100人が死亡し、数千人が負傷した。犠牲者の数は膨らむ可能性がある。アウン大統領は5日に緊急閣議を開き、2週間の国家非常事態宣言を出す考えを示している。

原因は明らかになっていないが、アウン氏は4日、肥料や爆弾の原料として使われる硝酸アンモニウム2750トンが当局に押収された後、6年間にわたって安全対策が不十分なまま保管されていたと述べた。トランプ米大統領は「攻撃」の可能性に言及した。

建物の被害は首都中心部の広い範囲に及ぶ。ブラジル紙によると、現場から数キロメートル離れたカルロス・ゴーン日産自動車元会長宅も損傷した。

レバノン経済は隣国シリア内戦や原油安による湾岸経済の失速で低迷し、3月には償還期限を迎えた国債のデフォルトを宣言した。新型コロナの感染拡大もあり、通貨レバノンポンドの実勢レートは対ドルで昨秋の5分の1の水準になった。

現金不足の銀行では預金の引き出しが制限され、激しいインフレが生じている。懸念は食料不足にまで及び、失業率は3割を超えるとみられる。

レバノンは食料を輸入に頼っており、爆発した港が玄関口だった。国境を接するのは内戦下のシリアと、敵対関係にあるイスラエルで陸上輸送は困難だ。ただ、イスラエルは爆発を受け、支援の意思を示している。

ディアブ首相は経済危機を脱しようと、国際通貨基金(IMF)や旧宗主国のフランスなどに支援を求めていたが、条件となる経済改革に抵抗し、協議は難航していた。3日には政府の無策を批判してヒッティ外務・在外居住者相が辞任を表明するなど、政治的な混乱も広がっていた。

レバノン経済の危機は、18の宗派が権力を分け合う硬直的な政治や腐敗が招いた側面も大きい。2019年秋には大規模な反政府デモが起き、ハリリ前政権が退陣に追い込まれた。7日には05年に起きた前首相の父ハリリ元首相の暗殺事件の判決公判が予定されており、対立は激化する恐れもある。

BBCの動画は以下となります。



レバノンの首都ベイルートで起きた大規模爆発の件です。少なくとも100人が死亡し、数千人が負傷し、更に増える可能性があるとのこと。

Wikipediaを紹介します。


爆発の原因としては、倉庫に保管されていた硝酸アンモニウム2750トンが原因の可能性が高いようですね。爆発の規模をTNT火薬に換算すると1000トンほどに相当し、これはおよそ8キロ離れた場所のガラスが爆風で割れる威力だそうです。ゴーン宅も巻き込まれたとか・・。

硝酸アンモニウムについては、Wikipediaを紹介します。


因みに2015年に起きた天津の港湾で起きた爆発は、TNT24トン分となっていることから、今回の爆発は50倍相当の規模の爆発だったようですね。
この硝酸アンモニウムは、レバノン当局の押収物のようです。

カタールの衛星テレビ局、アルジャジーラなど複数のメディアによりますと、今回ベイルートでの爆発で関連が指摘されている硝酸アンモニウムは、2013年9月、レバノン付近を航行中の貨物船から押収したものだということです。

この貨物船は当時、旧ソビエトのジョージアからアフリカ南東部のモザンビークに向かう予定でしたが、故障を原因にレバノン当局が船と船員を拘束し、船と積み荷の硝酸アンモニウム2750トンを船主が放棄したということです。

硝酸アンモニウムはその後、港の倉庫に保管されていたということです。
以下の記事を紹介します。


ロシア系の記事ですが、爆発的な貨物が2015年にウクライナの乗組員とともにモルドバの船から没収された後、港に保管されていたことをレバノンの首都の情報源から知りました。と記載されております。NHKの記事だと、2013年9月、レバノン付近を航行中の貨物船から押収したものとありますので、時期的に気になるところです。

WTO案件ですが、こちらとの関係も気になります。


以下の件となります。

・DS493:ウクライナ-硝酸アンモニウムに対するAD措置(上級委)

あとは、2010年の話ですが、ウクライナ製の肥料用硝酸アンモニウムにアンチダンピング(AD)税を課す措置を行っており、それが原因でレバノン当局から押収したかもしれませんね。


どうやら、押収した硝酸アンモニウムは6年もの間、適切な安全対策がなされることなく保管されており、報道によれば、爆発は倉庫の外壁に生じた穴の溶接作業中に発生したとされております。この作業でここまで引火して爆発するかは疑問もあるし、事故で片付けるにも違和感はありますがね。

トランプ大統領は攻撃の可能性を示唆しております。

他にも、ヒズボラ関係の可能性も考えられており、7日には05年に起きた前首相の父ハリリ元首相の暗殺事件の判決公判が予定となっております。


レバノンの元首相ラフィク・アル・ハリリがベイルートのトラック爆弾テロで殺害され、地域の激動が引き起こされてから15年、ヒズボラの4人の容疑者を裁く国連特別法廷は、再び国を揺るがす可能性のある判決を金曜日に下すようです。

レバノン関係については、以下の記事に少し書いております。


ヒズボラについては、国際テロ組織という扱いとなっております。これもWikipediaから。


いろいろときな臭い事案ではありますが、不適切に保管されていた硝酸アンモニウムによる爆発事故と見るべきなのか、それともイラン筋のヒズボラか、イスラエルの工作説もありますが、いずれも否定はしているようですね。

イスラエルとヒズボラについては、7/27に越境攻撃といった記事もありました。

そしてレバノンだと日本赤軍を忘れてはいけません。


最高幹部に重信房子が出てきます。あとは長女が重信メイのようですね。



こんなツイートもありましたね。
この辺も気になるといえば気になります。レバノン関係だと疑ってしまいますしね。

デフォルト関係の記事を紹介します。

レバノンではイラン革命防衛隊との関係が深いイスラム教シーア派政党ヒズボラが政権に参画していることで、欧米などから支援も受けにくい。ヒズボラは国際通貨基金(IMF)への支援要請に反対の立場のようですし、こちらについてもどうなるか気になるところです。

現段階では爆発要因の方は不明な部分もあり、各国の動きも気になるので、この点については情報のアップデート待ちになると思います。まずは、7日のヒズボラの4人の容疑者を裁く国連特別法廷の行方と各方面の動きについて注意が必要になると思います。