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国防権限法について


米政府は8月に通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など中国企業5社の製品を使う企業が米政府と取引をすることを禁じる法律を施行する。情報流出を警戒し、中国製品排除の取り組みを強化する。調達体制の見直しを迫られる日本企業もありそうだ。

米政府は14日付の官報で8月13日から実施する暫定規則を掲載。対象となる中国企業はファーウェイと中興通訊(ZTE)、海能達通信(ハイテラ)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)の5社。

今回の規制は2018年成立の国防権限法で決められていた。施行後、米政府は原則として対象企業の製品やサービスを利用する企業と契約を結んだり更新したりしない。

米政府と取引する日本企業は800社を超え、在日米軍を含む国防総省関連が大半。中国製品を使っている企業は米政府と中国企業のどちらと取引するのか迫られる。
明日から、ファーウェイなどの5社の製品を使う企業が米政府と取引することを禁じる国防権限法が施行されます。施行後は米政府は原則として対象企業の製品やサービスを利用する企業と契約を結んだり更新したり出来ないようです。適用除外については以下の通り。


1 バックホールやローミング、または相互接続配置などのサービスにより第三者の設備に接続され、提供されている場合

2 ユーザデータトラフィックのルーティングもしくはリダイレクトが不可能な通信機器、またはいかなるユーザデータまたはパケットデータが可視化されない通信機器を提供する場合

適用除外は、調達を行う米政府機関の長が事例ごとに判断し、最長で2022年8月13日まで認めることができるとされている。
またファーウェイについては、8月13日に輸出禁止に関する猶予措置が終了するため、米国製品(物品、ソフトウエア、技術)の輸出・再輸出が不許可となります。


これによる影響は以下の記事の内容となります。

中国の通信機器大手「ファーウェイ」の幹部は、アメリカによる規制措置の影響で、9月中旬以降、高性能の半導体の調達が困難になるという見通しを示し、新たな通信規格「5G」のスマートフォンの生産など今後の事業への影響が注目されます。

アメリカ政府はことし5月、アメリカ製の製造装置で作られた半導体は、国外で製造されたものでも、来月中旬以降、ファーウェイへの販売を認めないとする規制措置を発表しました。

これを受けて、ファーウェイが生産するスマートフォンに使われる半導体のほとんどを受注してきた台湾の半導体大手「TSMC」は先月、ファーウェイへの出荷を今後、取りやめる方針を示しています。

こうした中、中国メディアによりますと、ファーウェイの消費者事業部門の余承東CEOは7日、深※センで行われたイベントで、来月中旬以降、高性能の半導体の調達が困難になるという見通しを示したということです。

ファーウェイは今後、調達先を中国企業に振り替えることも検討していますが、技術のレベルはTSMCには及ばないとされ、「5G」のスマートフォンの生産など今後の事業への影響が注目されます。
アメリカ製の製造装置で作られた半導体は国外で製造されたものでもファーウェイへの販売を認めない、また半導体大手の「TSMC」もファーウェイへの出荷を取りやめることから、ファーウェイの半導体の調達が困難になることが予想されます。

因みに半導体製造装置のトップ15は日本となります。既に対応済みとは思いますが、ファーウェイに対して半導体製造装置の販売も厳しくなることが予想されます。

米政府と取引する日本企業は800社を超えており、日本の場合だと国防総省関連が大半のようです。アメリカの規制に違反した場合などは、アメリカ政府との取引以上にドルの取引にも影響を及ぼす可能性もあることから、実質的にファーウェイ相手との取引が今後は厳しくなることが予想されます。恐らく、商品の取り扱いも今後は少しずつ厳しくなるかもしれませんが、今後の影響については読みにくい部分もありますね。

秘密特許関係


政府は安全保障上重要な先端技術情報について、海外への流出を防ぐため「秘密特許」と呼ばれる制度の導入に向けて法律を改正する検討に入りました。

秘密特許は軍事転用が可能な技術について特許を出願しても、その情報を非公開とする仕組みで、多くの先進国で導入されています。一方、日本では出願後、すべての内容が公開されていて、技術の流出が懸念されています。安全保障分野での情報収集を進める中国への対応が念頭にあるとみられ、来年の通常国会で法律を改正して秘密特許制度の導入を目指す方針です。
甘利議員と佐藤議員のツイートを紹介します。


秘密特許について紹介します。日本弁理士政治連盟の記事が詳しいです。弁政連のコメントがかっこよすぎです。日本弁護士会と比較するのもアレだけど、雲泥の差ですね。

秘密特許制度について

国家の安全性及び優位性を含む重要な技術開発がなされた場合、それに関わる特許出願の内容を一定期間秘密にする、いわゆる秘密特許制度は多くの国で採用されている。

各国の秘密特許制度の導入状況は、我が国を含む世界70ヶ国の中で、導入国は51ヶ国、非導入国は19ヶ国であり、我が国を除く先進国では殆どが導入している。IAEAの常任理事国で秘密特許制度を導入していないのは、日本だけである。

日本は、明治18年の専売特許条例以降第2次世界大戦中までは、特許法に秘密特許制度が導入されており、軍事技術を中心に運用され、最終的に1571件の秘密特許が登録されている。

日本の特許法は、発明内容の公開の代償として特許権という排他的独占権を付与する、公開代償の原則が柱となっている。

『秘密特許制度と公開代償の原則との関係について、吉藤幸朔氏は「特許出願における発明の公開」は、個人的秘密の状態を解き、発明の内容を政府に開示することであり、発明者が広く開示(公表)することの意ではなく、公表は政府の責務であると整理した上で、発明者の義務である発明内容の政府への開示は果たされ、発明の利用は国家目的のために自由に行われる状態にあり、しかも秘密を必要としなくなった時は、その秘密を解除して、一般の特許と全く同様に公表することから、特許権という排他独占権を与える根拠となっている公開代償説と矛盾するものではないとし、秘密特許制度は現行特許制度に合致していると指摘している。

つまり、秘密特許制度を日本の特許制度に導入しても同制度の根本とされる排他独占実施権付与の代償たる権利の公開の原則は維持されることになる。』(国際原子力機関Senior Nuclear Engineer 八木雅浩氏著作の「特許制度に基づく技術情報の公開による大量破壊兵器の拡散リスク」より抜粋。

先進主要国のアメリカ、ドイツ、カナダ、ロシア、韓国、オーストラリア、イギリス、フランス、中国、シンガポール等々、多数の国が秘密特許制度をもっている。

ちなみに、ドイツでは特許法第50条~56条に規定があるし、アメリカでは特許法第181条に規定がある。また、イギリスは特許法第22条、フランスはL614条3、中国は特許法第4条、韓国は特許法第41条、台湾は特許法第51条、オーストラリアは特許法第147条、シンガポールは特許法第34条にそれぞれ規定されている。

前述したように、世界70ヶ国中51ヶ国が秘密特許制度を導入しているが、日本は敗戦国という理由で、昭和23年に秘密特許制度が削除された。

しかし、日本は敗戦後74年が経つ独立国家である。国家の安全性及び優位性を含む重要な技術開発がなされても国家機密として保持できない。そんな日本が存在することに、違和感、危機感、責任感を持たないのであろうか。
この問題提起は、日本弁理士会が立ち上がってやるしかないではないか。
秘密特許制度は、国家の安全性及び優位性を含む重要な技術開発がなされた場合、それに関わる特許出願の内容を一定期間秘密にするという内容となります。日本では、敗戦国という理由で昭和23年に秘密特許制度が削除されたため、出願後、すべての内容が公開されていて、技術の流出が懸念されております。

所謂、戦後レジームの残骸とも言えますし、敗戦後74年が経つ独立国家で、国家の安全性及び優位性を含む重要な技術開発がなされても国家機密として保持できないというのも問題ですし、そもそもIAEAの常任理事国で秘密特許制度を導入していないのは、日本だけという異常な事態ともいえます。最もこれだけ大きな問題にも関わらず、自民党内にも慎重派がいるというのが今の現状ですし、ようやくここまできたというのが本音ともいえます。

最も安全保障分野での情報収集を進める中国への対応が念頭にはありますが、こういった動きが出来るようになったのは、アメリカの対中政策の変更や、2015年の日米和解あたりも一つのターニングポイントでもあり、そういった外的要因も、こういった対応が出来るようになった背景だと思います。


第二次安倍政権からトランプ政権の誕生といった要因で、米国のディープステート、日本の戦後レジームなどがある程度弱体化したのもありますので、そういった意味でも、今回の秘密特許制度の復活というのを見ておいた方がいいと思います。恐らく、自民党の慎重派という戦後レジームから抜けきれない議員も少なくないでしょうし、大枠という意味合いでは、浄化するためにはそれなりの時間が必要となることが予想されますので、一つでも確実に普通の国に戻れるように進めていくしかないんだと思います。

TikTokの利用者情報収集の件


米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は11日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が、米グーグルの基本ソフト(OS)搭載のスマートフォンの識別番号を収集し、利用者の情報を追跡できるようにしていたと報じた。

利用者に無断で収集していたとみられ、グーグルの規約に違反した可能性があるとしている。ティックトックは昨年11月、識別番号の収集を停止した。

ティックトックの広報担当者は声明で、個人情報を守るために定期的にアプリを更新しており、「最新のものは識別番号を収集していない」としている。

識別番号は「MACアドレス」と呼ばれ、端末ごとに付けられている。アプリ開発業者は通常、広告の配信先を絞り込むために使用しているが、プライバシー問題を懸念する見方もある。
TikTokの利用者情報収集の件です。ここらへんは中国企業というかケイマン諸島籍の企業だからという理由というよりは、この手の企業といった部分もあるように思います。具体的にどのような情報が集められているのかは気になりますね。

以下の記事を紹介します。

  専門家によると、ティックトックはユーザーがアプリをダウンロードした瞬間にデータを収集し始める。ティックトックのプライバシーポリシーと利用規約によれば、同アプリは利用者がどんなウェブサイトを訪れるかや入力時のタイプの仕方やそのリズムまで把握する。

  またユーザーに対し、許可を取り消さない限り、写真や動画、端末のアドレス帳に登録された友人の連絡先に完全にアクセスするともティックトックは警告している。

  自宅のリビングルームで歌ったり踊ったりしていないときでも、ティックトックはIPアドレスや衛星利用測位システム(GPS)を使って、仕事や投票、抗議集会への参加、旅行、買い物といったあらゆる場面でユーザーがいる地点を正確に捉えている。

  サイバーセキュリティー企業ジンぺリウムのリポートによると、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けのティックトックがユーザーとその端末を認証するのに用いるツールは、悪質なサイバー攻撃に脆弱(ぜいじゃく)だと専門家から指摘された。ただジンぺリウムの姉妹企業ゼックオプスによれば、ティックトックがそうした攻撃を仕掛けるプラットフォームとして使われたことはない。

  米ノートルダム大学メンドーサ・カレッジ・オブ・ビジネスでテクノロジーと倫理問題の研究をしているカーステン・マーティン教授は「グーグルやフェイスブックが同様のデータを大量に収集しているのは承知しているが、集めたデータは利益を出すために使われている」と述べ、「ティックトックがそうしたデータで何をしているか、データ操作しているのかどうか、敵の手にデータが渡っているのかどうかが分からないことが問題だ」と論じる。
「写真や動画、端末のアドレス帳に登録された友人の連絡先に完全にアクセス」、「IPアドレスや衛星利用測位システム(GPS)を使って、仕事や投票、抗議集会への参加、旅行、買い物といったあらゆる場面でユーザーがいる地点を正確に捉えている」ともあります。最も「グーグルやフェイスブックが同様のデータを大量に収集しているのは承知しているが、集めたデータは利益を出すために使われている」ともありますが、これも実質的に怪しいですし、その点ではどこも一緒といった部分はあります。

利用者情報の収集等については、分からなくもないのですが、仕組みがわかりにくい、どのように利用されてるのか分からないといったのが問題の本質でもあり、これが中国共産党の手に渡るかどうかというのも問題でしょうし、Facebookとかでもこういった話もあります。

そういう意味では、TikTokに限らず、IT企業の情報収集についての信頼性はそこまでないというのが現状ともいえますし、ここらへんの部分は少々恣意的な印象は否めないですし、ある程度は利用者が分かりやすい仕組みにするべきだとは思っております。