まずはこちらの話題から。

米中制裁合戦??

中国、米上院議員ら11人に制裁 香港めぐる米国の措置に報復 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【8月10日 AFP】(更新)中国は10日、米国のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)、テッド・クルーズ(Ted Cruz)両上院議員らを含む米国人11人に制裁を科した。中国政府による香港への締め付けをめぐり、米国が中国当局者らに同様の制裁を科したことへの報復措置。

 中国の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は10日、「中国は、香港に関連する問題でひどい振る舞いをした者に制裁を科すと決めた」と発表。

 制裁対象リストには国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)のケネス・ロス(Kenneth Roth)代表や、全米民主主義基金(National Endowment for Democracy)のカール・ガーシュマン(Carl Gershman)会長も含まれている。

 米国は7日、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官など、中国高官ら計11人の米国資産を凍結すると発表。中国が国家安全維持法(国安法)を導入して以来、米国による香港関連の対中措置として最大のものとなった。

 米国は林鄭長官らが、香港の「自由と民主的なプロセスを抑圧する、中国政府による政策の導入に直接的な責任を負っている」と非難していた。
先日の記事も紹介します。「香港制裁」についてです。


先日に香港政府トップの林鄭月娥行政長官など、中国高官ら計11人の米国資産を凍結すると発表をうけての報復措置となります。とはいっても、マルコ・ルビオ、テッド・クルーズ氏、そして国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ、全米民主主義基金、別記事にはフリーダムハウスとありますので、先日の制裁と重複しているのと、メンバー的に見てプロレス感しかないですねwww

過去の制裁に関する中国の報復措置を紹介します。
大体、ウイグル込みで以下の感じで出ております。

・全米民主主義基金(NED)
・国際共和研究所(IRI)
・全米民主研究所(NDI)
・国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ
・人権団体フリーダムハウス
・マルコ・ルビオ 
・テッド・クルーズ 
・サム・ブラウンバック

復習となりますが、NEDとかは以下との関連があります。


そういう意味では、これらのやり取りについては、一種のプロレス感しか否めませんし、香港やウイグルを巡る米中のやり取りについてはそこまで深刻な事態ではなく、両国の国内問題を外圧といった形で締め上げていく感じでやっていくんだと思います。

あとこの方が逮捕されたようですね。
最もこの方は、NEDなどの外国からお金をもらって暴動を煽動していたわけで、逮捕されて当然な話ではありますが、とある界隈の動きだけは興味ありますねw

雨傘の時にはNEDとの関わりはあったみたいだし、外国の資金を使っての暴動については許容出来ないとは思います。

ベイルートの大規模爆発の件


 【カイロ時事】レバノンの首都ベイルートでの大規模爆発で、原因究明の独立国際調査をめぐり溝が深まっている。旧宗主国フランスなどは必要性を訴えるが、レバノン側は不要との立場。調査の公正性に疑念が深まれば、爆発で増幅した市民の不満がさらに強まるのは必至だ。

 爆発後に外国首脳として初めてレバノンを訪れたマクロン仏大統領は6日、「事実隠蔽(いんぺい)や疑問を防ぐためにも、開かれた透明性ある国際的調査が必要だ」と語った。マクロン氏は、現地で激励した被災住民からレバノンでの汚職や怠慢の深刻さを直接訴えられた。これまで抜本的改革を怠ってきたレバノン当局への不信感も、マクロン氏の発言の背景にあるとみられる。
 一方、レバノンのアウン大統領は7日、国際調査では迅速な解明は難しいと指摘。同国内でも国際調査に理解を示す声はあるが、ツイッターでは「主権の侵害はさせない」と反対を明言した。国連報道官も「調査要請があれば検討するが、まだない」と明らかにした。
 レバノンは18の宗派が混在するモザイク国家。権力均衡を図るため議会の議席や大統領・首相・議会議長の配分が宗教・宗派ごとに決められている。このため、腐敗や縁故主義がまん延し、NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」の世界汚職番付(2019年版)では、198カ国・地域のうち137位で中東でも低い部類だ。電話取材に応じたベイルートに住む会社員女性は「国際社会の支援がなければ、レバノンは何もできない」と突き放す。
 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、レバノンでは司法への政治介入や司法の独立性欠如が著しく、過去にも政府の権力乱用が適切に捜査されなかったと指摘。「信用できる調査能力への懸念」を示している。
関連記事です。
レバノンを知る上で、こちらの記事も参考になります。
過去記事を紹介します。


ベイルートの大規模爆発の原因について、レバノン大統領は「爆発の原因は『過失か、あるいはミサイルまたは爆弾による外国の介入』である可能性がある」によるものだという見方を示したようです。とはいっても、原因究明の国際調査をめぐりは対立しており、レバノン側は拒否しております。

爆発のメカリズムについては以下の記事を参考に。
爆発の原因としては、不適切に管理されていた大量の硝酸アンモニウムに引火した可能性が高いわけですが、どのような引き金で爆発したかについては、今後の調査が必要となります。レバノンではろくに調査が出来ないというか、硝酸アンモニウムが管理しきれずにずっと野放しになっていたことからも、国家体制としては脆弱ですし、その点ではテロを引き起こすにしても、都合のいい状態だったともいえます。

先日の記事で紹介した7日に予定していたヒズボラの4人の容疑者を裁く国連特別法廷については、8/18まで延期したようです。


国際テロ組織ヒズボラに関する動向も結構気になります。


併せて、国際テロ組織についても紹介します。


あと今回の件をもう1点注意が必要な点があります。
大量の硝酸アンモニウムがインドの港に保管されているという記事となります。この記事の以下を引用します。
硝酸アンモニウムは無臭の結晶で、過去数十年で多くの産業事故を引き起こしている。燃料油と混合すると建設業界で使用される強力な爆発物になる一方で、手製爆弾に使われることもあり、1995年に米オクラホマシティー(Oklahoma City)で連邦政府の建物が破壊された攻撃でも硝酸アンモニウムが使用された。
硝酸アンモニウムは場合によれば、手製爆弾として利用されることもあり、適切に管理しないといけないわけですが、こんな感じで大量に港などに保管されてる可能性もあり、それがテロに利用されかねない可能性があるわけです。国家の管理体制がきちんとしていれば問題はないとは思いますが、多くの国でそれが出来るわけではないという点が重要で、ベイルート爆発の件についても、テロの可能性は現段階では否定できないわけで、テロリストはこういうのを確実に狙ってくるわけで、その点からも注意が必要になると思います。

米厚生長官と台湾総統の会談の件


【台北=中村裕】アザー米厚生長官は10日、台北市内の総統府で蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談した。アザー長官は「台湾を強く支持し、友好的であるというトランプ大統領の意向を伝えにきた」と表明、蔡総統は訪台を「台米にとって大きな一歩だ」と歓迎した。

米閣僚の台湾訪問は6年ぶりで、米台高官の相互訪問を促す米「台湾旅行法」成立後では初めて。トランプ米政権はアザー長官の訪台は1979年の断交後、最高位の高官の派遣としている。米中対立が激しさを増すなかで、中国の激しい反発が予想される。

アザー長官は会談で台湾の新型コロナウイルスの感染対策を高く評価し、関係強化が狙いだと訪問理由を説明した。「台湾の新型コロナ対策は世界で最も成功した例の一つ」とし、成功の鍵は「台湾社会の透明性と公開であり、民主主義の価値を示した」と語った。新型コロナを巡る情報公開の遅れを度々指摘してきた中国を暗に批判した。

7月30日に死去した李登輝・元総統に対しても「台湾民主化の父であり、20世紀の重要なリーダーだった」と哀悼の意を表した。

蔡総統は「台湾の国際参加に多くの支持をいただき、トランプ大統領など多くの米国の友人に感謝している」と語った。

アザー氏は10日、台湾で新型コロナ対策の指揮を執る陳時中・衛生福利部長(厚生相)とも会談し、衛生対策に関する協力の覚書(MOU)に調印した。

一方、中国はアザー長官の訪台は中国大陸と台湾が1つの国に属するという「一つの中国」の原則に反する行為だとして猛反発し、報復措置も示唆している。

関連記事は以下となります。
アザー米厚生長官と蔡英文総統との会談の件です。メッセージ的にはいろんな意味がありますが、米台間では1979年の断交後、最高位の高官の派遣というのと、台湾が世界保健機関から排除されている現状から、台湾のオブザーバー参加も踏まえた形で、WHOに圧力をかけるというのと、あとは米中間の牽制といった意味があると思われます。

記事によると、アザー長官は「台湾を強く支持し、友好的であるというトランプ大統領の意向を伝えにきた」と表明しており、「台湾の新型コロナ対策は世界で最も成功した例の一つ」とも述べ、新型コロナを巡る情報公開の遅れを度々指摘してきた中国に対しても暗に批判しております。

CNNの記事によると、主要なテーマは3つとなってるようです。

1.開かれた民主社会である台湾の新型コロナ対応の成功と透明性を認識すること
2.台湾が米国の長年の友好国であることを再確認し、保健や公衆衛生の分野での幅広い協力の歴史に焦点を当てること。
3.台湾は国際保健に多大な貢献をしてきた世界衛生のリーダーと認められるのに値すると強調すること

そして中国はアザー長官の訪台は中国大陸と台湾が1つの国に属するという「一つの中国」の原則に反する行為だとして猛反発し、報復措置も示唆しているようです。「一つの中国」については、Wikipediaを紹介します。


スタンスとしては、「中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府」と承認してるが、日本としては「現状では中華人民共和国の主張を支持していないが、中華民国の主張も支持しない」というスタンスで、アメリカは認めてはいるくらいのスタンスで、交流は別といったスタンスですね。「一つの中国」を肯定も否定もしないスタンスですが、台湾については、日本はある程度距離を置きながら、米国に任せるスタンスで問題ないと思います。