まずはこちらから。

電話首脳会談3セット(日米露)

まずは日露電話首脳会談から。
日露電話首脳会談|外務省

 本5月7日,午後5時30分から約30分間,安倍総理は,プーチン・ロシア大統領(H.E. Mr. Putin, Vladimir Vladimirovich, President of the Russian Federation)との間で電話会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 両首脳は,新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中で,双方の国民保護のためのこれまでのお互いの取組に言及し,引き続き必要な協力を行うことを確認しました。また,感染の早期収束に向け日露で引き続き協力していくことを確認しました。

2 特に,新型コロナウイルス感染症に対応するため,日露合弁企業が実施する迅速検査キットの製造・販売事業への日露共同投資枠組みによる支援を始め,8項目の「協力プラン」の下で具体的な協力が進んでいることを歓迎するとともに,引き続き緊密に連携・協力していくことで一致しました。

3 双方の国民保護のための日本政府の取組については,安倍総理から,クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号搭乗者を始め日本に滞在する露国民の保護・帰還のための支援のほか,ロシアに在留する邦人に対する航空便の運航状況等に係る情報共有等を行っている旨述べました。

4 両首脳は,平和条約交渉,北方四島における共同経済活動,四島交流等事業,地域交流年等の日露間の協議や協力についてもしっかり進めていくことで一致しました。
関連記事は以下となります。

日ロ首脳電話会談 新型コロナ早期収束へ緊密連携・協力で一致 | NHKニュース

安倍首相、プーチン大統領と新型コロナ対応を協議し、戦勝75周年を祝福 露日首脳が電話会談 - Sputnik 日本

基本的に継続案件といった形で、まずは新型コロナウイルスの収束が重要といったところになります。キーワードとなるものについては、資料を投下しときます。

ロシア直接投資基金との共同投資枠組みの創設 | JBIC 国際協力銀行

令和2年度四島交流等事業の当面見合わせ|外務省

「日露地域・姉妹都市交流年」(日露地域交流年)の開催(2020年~2021年)|外務省

北方四島における共同経済活動 | 総務部北方領土対策根室地域本部

基本路線としては、ロシアへの投資や北方四島の共同経済活動や交流を行うことで、平和条約の締結の道筋を描くこととなります。また、原油価格下落というのが、ロシア経済にとってネックにもなる部分もありますので、関係を強化しておくことが、平和条約締結へのハードルも下がることが予想されます。


日米電話首脳会談は以下。

日米首脳電話会談|外務省

概要だけだと分かりにくいので、記事も紹介します。
日米首脳電話会談 新型コロナ早期収束へ連携で一致 | NHKニュース

安倍総理大臣は8日午前、アメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、新型コロナウイルスの感染を早期に収束させるため、引き続き感染拡大の防止策や治療薬の開発などに日米両国が連携して取り組んでいくことで一致しました。

会談は日本側の申し出で、午前10時すぎからおよそ40分間行われました。

この中で、両首脳は新型コロナウイルスに関する国内の取り組み状況を説明したうえで、早期に収束させるための感染拡大防止策をはじめ、日米両国が治療薬として承認した「レムデシビル」や、効果が期待されている「アビガン」を含む、治療薬やワクチンの開発について意見交換しました。

また、経済の再開に向けた取り組みについても意見を交わし、引き続き、日米で緊密に連携していくことで一致しました。

さらに、両首脳は、北朝鮮情勢について、拉致、核、ミサイルの諸問題の解決に向けた緊密な連携を改めて確認しました。

このほか、来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、引き続き協力していくことでも一致しました。

一方、トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国への批判を強めていることに関連し、両首脳は中国を含む国際社会が一丸となって感染拡大防止に取り組む必要があるという認識を共有しました。
会談時間が40分なので、記事にはなってない内容も含まれるかもしれません。新型コロナウイルス関係だと、「レムデシビル」と「アビガン」についてと思われます。レムデシビルについて紹介します。

新型コロナウイルスで話題のレムデシビルって何?副作用は?医師が解説します。 | CLINIC FOR

レムデシビル - Wikipedia

アビガンの場合軽症者では高い割合で症状の改善が見られた一方で、重症者に対しての症状の改善は芳しくない状況でした。ところがレムデシビルの場合重症者に対しての症状改善やそれにかかる時間の短縮が期待されているとのことです。どっちも、一部で効果が見られるといった形で、新型コロナの治療薬といった位置付けではなく、治験が必要といった位置付けとなります。

北朝鮮情勢については、どの程度話したかは不明ですが、こういった動きも含め、いろいろと気になりますね。特に口頭親書というのがどんなものなのか??

金正恩氏が習近平主席に親書、中国のコロナ対応を称賛-朝鮮中央通信 - Bloomberg

拉致、核、ミサイルの諸問題の解決がどの程度進むかに尽きますが、習近平氏と金正恩氏との関係は悪くないみたいなので、今後の動向に注目ですかね。

あとは、トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国への批判を強めていることに関連した内容となりますが、少なくとも分かってることは、トランプ大統領は習近平氏への批判はしていないですし、日米の両首脳は中国を含む国際社会が一丸となって感染拡大防止に取り組む必要があるという認識を共有しているといったところから、一連の問題は別個の扱いとして考えてるのかもしれません。


米露首脳電話会談についてです。
米ロ首脳が電話会談、トランプ氏は中国含めた軍縮を呼び掛け - ロイター

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談し、米国とロシアに中国を含めた効果的な軍縮を望む考えを示した。その上で、米国はコストのかかる軍拡競争を避けるための今後の協議を待ち望んでいると述べた。ホワイトハウスが明らかにした。

米国とロシアの新戦略兵器削減条約(新START)は来年2月に期限が切れる。トランプ氏は、それに代わる軍縮合意の協議に中国も加わるよう繰り返し求めてきたが、実現していない。

約300の核兵器を保有すると推定される中国は、核戦力は防衛目的であり脅威をもたらしていないとしてトランプ氏の提案を拒否している。

ホワイトハウスによると、米ロ首脳の電話会談では、新型コロナウイルス問題なども話し合われ、トランプ氏はロシアを含め新型コロナ感染症と戦ういかなる国も米国は助ける用意があると伝えた。

トランプ氏は会談後、記者団に対し、人工呼吸器をロシアに提供するとの申し出をプーチン氏が受け入れたと説明。ロシアはこの感染症で厳しい状況にあると述べた。

一方、ロシア政府は声明で、米国から医療用品を提供する申し出があったと発表したが、それ以上の詳細には触れなかった。

また、両首脳が世界の原油市場についても話し合ったと明らかにしたが、軍縮には触れず、両国は「戦略的安定」を確保するための協力が可能との言及にとどまった。
米国とロシアに中国を含めた効果的な軍縮を望む考えで、米国とロシアの新戦略兵器削減条約が来年2月に切れるので、軍縮合意の協議に中国も加わるように求めてるが、中国は核戦力は防衛目的であり脅威をもたらしていないとして、この提案を拒否しております。軍縮については、現段階だと合意が難しいのかもしれませんね。

新型コロナウイルス問題については、今はロシアが厳しい状況になっていることから、アメリカとしては、ロシアを助けることで、関係を強化したいといったところでしょう。

世界の原油市場についてですが、原油価格が厳しい状態(5/8現在のNY原油で24程度)となっており、ロシア経済が苦しい状況になっております。恐らく、この相場が続けば、ロシア経済も脅威となるので、その点も話し合ったと思われます。

恐らく、オリガルヒ関係もテーマとして避けられないのは確かでしょうね。

オリガルヒ - Wikipedia

そういった意味では、今回の原油暴落の件は、政治という観点においては、プーチン氏にとっても、悪い流れではないのかもしれませんね。

改正外為法の事前届出対象リストについて

外資規制の事前届出対象リスト公表、コア業種518銘柄-改正外為法 - Bloomberg

政府は8日、安全保障の強化に向けた外資規制を盛り込んだ改正外為法を施行し、外国投資家に対して保有比率1%以上から事前届け出を求める上場企業の銘柄リストを併せて公表した。このうち情報流出や事業喪失により国の安全を損なう恐れの高い12のコア業種に属する企業は518銘柄と全上場企業の13.6%に上った。

  同銘柄リストでは、全上場企業を安全保障の観点から、1)国の安全を損なう恐れの高い12のコア業種に属する518銘柄、2)国の安全保障を損なう恐れのある155の指定業種のうち、コア業種除く1584銘柄、3)155の指定業種以外に属する1698銘柄-の3つにグループ分けしている。

  12のコア業種には、武器や航空機、宇宙、原子力、軍事転用可能な汎用(はんよう)品の5分野の全企業が含まれる一方、サイバーセキュリティー、電力、ガス、通信、上水道、鉄道、石油の7分野は一部企業に限られたため、今回の銘柄リストでコア業種の対象銘柄を明確化した。

  6月7日から全面適用する改正外為法は、外国投資家に求める事前届け出基準を上場株取得10%から1%に引き下げる一方で、安全保障上問題のない投資を促進するための事前届け出免除制度を導入。1%の事前届け出を求めるのは全1465業種中155の指定業種に限られ、一般投資家の場合、コア業種以外は事前届け出を免除、上乗せ基準をクリアするとコア業種でも10%まで事前届け出が免除される。
関連記事。

かなり分かりにくい財務相のプレスリリース(汗)

外為法に基づく対内直接投資等の事前届出について財務省及び事業所管省庁が審査に際して考慮する要素 : 財務省

○海外投資家の出資を事前審査する重点企業
https://partsa.nikkei.com/parts/ds/pdf/20200508_1.pdf


詳細のリストは以下となります。

○本邦上場会社の外為法における対内直接投資等事前届出該当性リスト(Excel:257KB)
https://www.mof.go.jp/international_policy/gaitame_kawase/fdi/list.xlsx

過去記事も紹介します。

外為法改正について-ぱよぱよ日記

医薬品・医療機器を対象についても、7月にコア業種に追加される予定です。

ぱよぱよ雑談~20200424-ぱよぱよ日記

・外為法改正の狙い
https://www.mof.go.jp/international_policy/gaitame_kawase/press_release/kanrenshiryou_20200314.pdf



重点審査の対象となる「コア業種」は全上場企業の14%にあたる518社となります。原子力や武器製造など重要技術を持つ企業について、安全保障上問題のある外資からの買収に制限をかける狙いがあります。そういった意味では、結構多いといった印象ですね。

こういった位置付けのようですね。

1)国の安全を損なう恐れの高い12のコア業種に属する518銘柄
2)国の安全保障を損なう恐れのある155の指定業種のうち、コア業種除く1584銘柄、3)155の指定業種以外に属する1698銘柄

海外の金融機関は経営に関与しないなどの条件を満たせば事前届け出が免除されるし、上記のフローを見れば分かると思いますが、普段から株式を売買している投資家への影響はほぼないと思われます。政府系ファンドについては別なので、恐らく中国系も意識はしているように思います。

2)についても、事後報告などを求めるわけで、1%以上の株式を取得した際には事後報告が求められるケースが多くなりそうですね。

最も、経営に関与しない、事業の譲渡や廃止などの提案、非公開の技術情報へのアクセスしないことが条件付けられており、どちらかといえば、海外の金融機関については、こういった制約をかけるのも一つの狙いと思われます。

この対応で問題があるなら、更に厳しくなるとは思いますし、こういった基準を違反した場合は、外為法による処分が行われ、事前届出制度の利用が出来なくなるため、海外の金融機関としても、好き勝手やるのは難しくなると思われます。